東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その5 第4回 論点

■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その5 第4回 論点

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/1306034.htm
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原子力損害賠償紛争審査会(第4回)

1.日時
平成23年5月16日(月曜日)15時~18時
2.場所
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館) 3階講堂
3.議題
1.被害等の現状について
2.専門委員による調査体制について
3第二次指針作成に向けた主な論点について
4.その他

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(審4)資料3-1

第二次指針作成に向けた主な論点

 本資料は、審査会における議論のために作成したものであり、指針の内容、損害の範囲について何ら予断を与えるものではない。
【第二次指針作成の背景・目的】
 4月28日に「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針」(以下「第一次指針」という。)を決定・公表した。これを受け、第一次指針の対象とされなかった事項のうちで、現時点で追加的に提示することが可能な事項を整理し、出来る限り早く、「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針」(以下「第二次指針」という。)を策定することとする。
【第二次指針の検討範囲】
(政府による避難等の指示に関連する損害)
①一時立入費用
②避難等を余儀なくされたことにより生じた精神的損害
③帰宅費用
④避難費用の算定方法
⑤避難生活等による精神的損害等の算定方法

(政府等による出荷制限等に関連する損害)
⑥出荷制限指示等に係る品目の作付断念等に伴う損害
⑦出荷制限指示等の解除後の損害
⑧作付制限指示等に伴う損害

(いわゆる風評被害)
⑨基本的考え方
⑩農林漁業
⑪ホテル・旅館業等の観光業
⑫ その他の業種

【対象項目毎の論点】
1.政府による避難等の指示に関連する損害について
(1)一時立入費用
4月23日に「警戒区域への一時立入許可基準」が定められ、現在、政府及び地方公共団体により警戒区域における一時立入(当面の生活に必要な物品の持ち出し等を行うことを目的とするもの)が実施されている。こうした一時立入の際にかかる費用としては、必要かつ合理的な範囲で、一時立入に参加する者が負担した集合場所までの交通費及び宿泊費等を相当因果関係のある損害と認めることができるのではないか。

(2)避難等を余儀なくされたことにより生じた精神的損害
第一次指針においては、精神的損害に関し、「少なくとも避難等を余儀なくされたことに伴い、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛の部分については、損害と認められる余地があり、今後、その判定基準や算定の要素などをできるだけ早急に検討する」ものとされたところ。
この点を踏まえ、避難等(避難、対象区域外滞在の継続、屋内退避)を余儀なくされたことに伴い、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的損害(以下「避難生活等による精神的損害」という。)については、相当因果関係のある損害と認めることができるのではないか。
具体的には、①一定期間、避難及びこれに引き続く対象区域外滞在を余儀なくされた者(自宅以外での生活を長期間余儀なくされた者)、②一定期間、屋内退避を余儀なくされた者(自宅での生活だが長期間行動の自由を制約された者)につき、両者である程度の差を設けつつ精神的損害の大きさを考えることができるのではないか。どのような差を設けるのが適当かについては、後述(5)で検討する。

(3)帰宅費用
第一次指針においては、政府による避難等の指示に関連する損害について、その解除後における帰宅費用については、検討対象とはされなかった。
しかしながら、既に4月22日に屋内退避区域の指定が解除され、その結果、いずれの指示等の対象ともならなくなった地域が発生しているところであり、こうした政府による避難等の指示の解除後の帰宅費用については、必要かつ合理的な範囲の交通費及び家財道具の移動費用等を相当因果関係のある損害と認めることができるのではないか。

(4)避難費用の算定方法
第一次指針では、以下の避難費用が損害として認められたところである。
①交通費・家財道具移動費用
②宿泊費及びその付随費用(宿泊費等)
③生活費増加分

① 第一次指針においては、交通費・家財道具移動費用について、多数の被害者の早期救済の観点から、一定金額を平均的損害額として算定し、対象者全員に一律に支払う方法も考えられるとされたところである。
しかし、この点については、避難者の避難先は全国に及び、交通手段も多様化していることから、避難に伴い発生した交通費等は個人毎に異なり、平均化は困難である。そこで、合理的な範囲で避難者が実際に負担した費用を支払うこととしてはどうか。
但し、領収証等による損害額の立証が困難な場合があることに配慮し、例えば、乗用車による避難や家財道具の移動に要した費用を、合理的とされる移動距離及び燃料費(ガソリンの平均価格)をもとに推計する方法を認めてはどうか。
② 第一次指針においては、宿泊費等について、宿泊費等を負担しない体育館などに宿泊した場合であっても、平均的な宿泊費等を一律に賠償するか、精神的苦痛が大きいとして慰謝料の金額を増額するなど一定の調整をする方法が考えられるとされたところである。
しかし、この点については、宿泊費等の支出状況を見ると、(イ)自己負担でホテル等に宿泊している人の数は相対的に少ないものと推定されること、また、(ロ)避難所の宿泊費等は、地方自治体等が負担していることから、合理的な範囲で避難者が実際に負担した費用を支払うこととしてはどうか。
但し、領収証等による損害額の立証が困難な場合は、一定の推計を認めることとしてはどうか。
③ 生活費の増加分(食費・日用品購入費等の増加分に限る)については、避難者であれば全員が一定程度負担していることが推認され、金額は比較的僅少かつ個人差があまり大きくないと考えられる一方、個々の実費の確認及び立証が煩雑であることを踏まえ、金額算定に当たっては、精神的損害と併せて算定することとしてはどうか。

(5)避難生活等による精神的損害等の算定方法
避難等に伴う精神的損害の具体的な損害額の算定については、宿泊場所等の状況により、避難等に伴う精神的苦痛の大小が異なると考えられることを踏まえ、以下の方針に基づいて一定額を算定することとしてはどうか。
① 住宅又は宿泊施設以外の体育館、公民館などの避難所への滞在を余儀なくされている者については、生活環境・利便性・プライバシー確保等の観点からその精神的苦痛は類型的に最も大きいと思われる。
② 仮設住宅若しくは賃貸マンション、アパート等、又は親類や知人の住居等への滞在を余儀なくされている者については、生活環境・利便性・プライバシー確保等の観点からその精神的苦痛の程度は類型的に上記①よりは小さいと思われる。
③ 旅館、ホテル等の宿泊施設への滞在を余儀なくされている者については、生活環境・利便性・プライバシー確保等の観点からその精神的苦痛の程度は類型的に上記②よりは小さいと思われる。
④ 屋内退避を余儀なくされている者については、自宅において生活をしているという点で、上記①ないし③のような自宅を離れて生活せざるを得ないことに伴う精神的苦痛には該当しない反面、外出等行動の自由も制限されていること等から、③を超えない範囲内で精神的損害の発生を認めることとする。

 なお、①~③の場合について生じる生活費増加分は、それほど個人差がないと考えられるので、精神的苦痛による損害額の加算要因として考慮し、一律に一定額を加算する。④についても同様に考えるべきか。

2.政府等による出荷制限等に関連する損害について
第一次指針においては、政府等による出荷制限指示等により、対象品目の出荷又は操業の断念を余儀なくされ、これによって減収が生じた場合等には、その減収分等が損害と認められるとしているが、政府等による出荷制限指示等に関連して、次のような損害も含まれることを明らかにしてはどうか。
(1)政府等による出荷制限指示等に係る品目の作付断念等に伴う損害
・ 政府等による出荷制限指示等は作付け自体を制限するものではないが、出荷制限の解除の時期が不明である中で、農業者が当該指示等を受けている品目について作付けをしなかった場合、その判断が不合理である場合を除き、これによって生じた減収分等を相当因果関係のある損害として認めることとしてはどうか。

(2)政府等による出荷制限指示等の解除後の損害
・ 政府等による出荷制限指示等が解除された品目について、解除後においても、本件事故がなければ可能であった出荷ができるまでの間は、その間の減収分及び合理的な範囲の追加的費用を相当因果関係のある損害と認めることとしてはどうか。

(3)政府等による作付制限指示等に伴う損害
・ 農作物等に関しては、政府によって出荷制限指示の他に、作付制限指示、放牧及び牧草等の給与制限の指導などの営農に関する指示等が行われているが、これらの場合も、営業損害としての対象区域における対象品目に係る減収分及び追加的費用並びに就労不能等に伴う損害を、相当因果関係のある損害と認めることとしてはどうか。
・ 地方公共団体又は生産者団体による作付け等に係る自粛要請等による減収分等の損害についてはどうするか。

3.いわゆる風評被害について
(1)基本的考え方
・ 報道等により広く知らされた事実によって、消費者や取引先が特定の商品・サービスの買い控え、取引停止等を行ったために生じた被害(いわゆる風評被害)についても、本件事故と相当因果関係が認められるものであれば賠償の対象となると考えられる。ただし、このような被害は、非常に広範囲の業種及び地域で発生しており、その損害発生の態様も様々であるため、その外延が必ずしも明確ではなく、最終的には個々の事案毎に判断するほかはない。
 しかしながら、このような被害についても、相当因果関係が認められる蓋然性が特に高い類型や、相当因果関係を判断するに当たって考慮すべき事項を示すことは、本件事故に係る紛争解決に当たっての有効な指針となるのではないか。
なお、「風評被害」という表現は、あたかも放射性物質による汚染の危険性が全くないのに消費者・取引先などが危険性を心配して購入・取引を回避する不安心理に起因する損害であるかのような意味で使われることもあるが、むしろ科学的には明確でない放射能の影響を回避するための市場の拒絶反応であると考えるべきである。それ故、このような回避行動が合理的といえる場合には、原子力損害として賠償の対象となる。このように考えた場合には、「風評被害」という表現を避けることが望ましいのであるが、現時点でこれに代わる適切な表現は裁判実務上まだ提示されていないので、上記のような注意をしつつ、いわゆる「風評被害」という表現をここでは用いることにする。
・ このような考え方によれば、本件事故におけるいわゆる風評被害については、次のような基本的枠組みによって検討することが考えられるのではないか。

ア 一般的基準としては、消費者や取引先が当該商品・サービスについて、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理を一般に是認できる場合を、相当因果関係のある損害と認める。

イ 具体的にどのような場合が該当するかは、業種ごとの特徴等を踏まえ、営業・品目の内容や地域等により類型化した上で、
① 一定の範囲の類型については、事故以降に生じた損害は、原則として事故との相当因果関係が認められるとし、
② ①以外の類型については、事故以降に生じた損害を個別に検証し、消費者や取引先が商品・サービスを敬遠したくなる心理を一般に是認できる場合には、相当因果関係が認められるとする。

ウ 本件事故以外の他原因(例えば、震災による消費マインドの落ち込みの影響)による損害については、本件事故と相当因果関係のある損害とは認められない。仮に、本件事故と他原因との双方の影響が認められる場合には、本件事故と相当因果関係のある範囲で損害を認めることとする。
(注)事故以外の他原因による影響の存否及びその程度(例えば、震災による消費マインドの落ち込みの影響)、被害者による被害回避又は軽減の容易さ等に鑑みて、相当因果関係の蓋然性の程度を見極めるため、実態について更なる調査が必要な業態も存在。

エ 損害項目は、次の通り。(損害項目によって、イ①の類型の範囲は異なり得る。)
① 営業損害(商品・サービスの取引拒否、価格下落等による減収分や、返品費用、廃棄費用、販売促進費用等の追加的費用)
② 就労不能等に伴う損害
③ 検査費用(物)(取引先からの要求その他の合理的な理由により実施せざるを得なかった検査費用)

(2)農林漁業
ア 農林漁業(農林水産物)の主な特徴
・ 農林水産物はほとんどが食品であり、摂取を通じた人体への影響(内部被曝)のおそれから放射性物質による汚染の危険性への懸念が大きい。(食品以外には、花は直接接触する上に洗浄できない、たばこは直接吸引する等の特徴。)
・ 農林水産物は農地、漁場で生育する動植物であり、土地や水域の放射性物質による汚染の危険性への懸念がこれらへの懸念に直結する。
・ 出荷時の風評被害の程度がわからなくても、一定の期間内に作付け等の判断をしなければならない。
・ 現に暫定規制値を超える放射性物質が検出されたことを理由に出荷制限等が行われている。
・ 原産地表示が原則として県単位で行われている。(市町村等の表示も可。)
・ 食品は日常生活に不可欠であり、通常は贅沢品でもないため、震災による一般的な消費の落ち込みが影響している可能性は低い。

イ 上記(1)イの類型化については、以下のような選択肢が考えられるのではないか。
【地域の範囲】
①事故発生県
②出荷制限区域
③出荷制限区域を含む県
④出荷制限区域を含む県及びその周辺都県
【品目の範囲】
①出荷制限品目
②出荷制限品目を含む農林水産物のカテゴリー(例えば、「野菜」、「きのこ」等)
③農林水産物(食用のみ)
④農林水産物全て(非食用も含む)

ウ 農林漁業の場合、いわゆる風評被害による取引価格の下落や返品、取引拒否、契約解除等の取引数量の減少を懸念して、事前に自ら出荷、操業、作付け等の全部又は一部を断念することが考えられるが、この場合の被害についてはどうするか。

(3)ホテル・旅館業等の観光業
ア 観光業の主な特徴
・ 観光業は、観光客が地域に行くことや地域の食品等を摂取する等の特徴がある。
・ そのため、土地や水域の放射性物質による汚染の危険性への懸念が、観光することへの懸念に直結する。

イ 観光業は多様な産業であり、上記(1)イの類型化については、以下のような選択肢が考えられるのではないか。

【地域の範囲】
① 事故発生県
② 事故発生県の周辺都県

【観光に関連する産業】
①観光資源に関する産業(レジャー施設、遊覧船等)
②観光客の宿泊に関する産業(ホテル、旅館業、旅行業)
③観光地内及び観光地に向かう交通産業(バス、タクシー、レンタカー等)
④観光地内でのサービスに係る産業(飲食業、小売業等)

ウ 観光業の場合、事故以外にも、地震、津波による観光資源、観光関連施設の破壊等の影響や、震災による消費マインドの落ち込みによる影響があるが、これらの影響をどのように考えるか。

(4)その他の業種
建設業、製造業、卸売業・小売業、運送業、サービス業等の業種においては、それぞれの特徴を踏まえ、ア.食品に関係する業種、イ.それ以外の業種に分類し、どのような類型(次の品目・地域の組み合わせ)の損害が、原則として事故との相当因果関係が認められる類型((1)イ①)に該当するかを検討してはどうか。
ア.食品に関係する業種
【地域の範囲】
①事故発生県
②事故発生県の周辺都県
【品目・業態】
①生鮮に近い品目・地元産農産物を使う品目・業態
②上記以外の食品・飲料を製造する業態
③これらの製品を取り扱う卸売・小売業

イ.それ以外の業種
【地域の範囲】
① 事故発生県
② 事故発生県の周辺都県
【品目・業態】
それ以外の業種については多種多様の業態が存在するが、これらについてはどのような類型によって分類が可能か。原則として事故との相当因果関係が認められる類型(3.(1)イ①)と、消費者や取引先が商品・サービス等を敬遠したくなる心理を一般に是認できる場合には相当因果関係が認められる類型(3.(1)イ②)とに整理することは可能か。
例えば、当該地域外の人又は事業所などと取引する場合において発生した3.(1)エに挙げられる損害(営業損害、就労不能等に伴う損害、検査費用(物))はどのような場合に認められるか。

以上

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2011-05-17 : ・論点 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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