東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・設置関係資料 その8 電源喪失、安全設計審査指針

・設置関係資料 その8 電源喪失、安全設計審査指針

asahi.com
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103300512.html
原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用
2011年3月31日16時39分

東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。

 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。

 今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算した。

 バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。

 6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、13時間半後に「格納容器損傷」だった。

 一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。
 バッテリーは8時間使用可能で、シミュレーションと違いはあるが、起きた事象の順序はほぼ同じ。また、計算を当てはめれば、福島第一原発の格納容器はすでに健全性を失っている可能性がある。

 GEの関連会社で沸騰水型の維持管理に長年携わってきた原子力コンサルタントの佐藤暁さんは「このシミュレーションは現時点でも十分に有効だ。ただ電力会社でこうした過去の知見が受け継がれているかどうかはわからない」と話す。

 一方、日本では全電源が失われる想定自体、軽視されてきた。

 原子力安全委員会は90年、原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」とする考え方を示した。だが現実には、送電線も非常用のディーゼル発電機も地震や津波で使えなくなった。

 原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。(松尾一郎、小宮山亮磨)


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http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf
発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針
平成2年8月30日
原子力安全委員会決定
一部改訂 平成13年3月29日 原子力安全委員会

Ⅰ.まえがき
 本指針は、発電用軽水型原子炉(以下「軽水炉」という。)の設置許可申請(変更許可申請を含む。以下同じ。)に係る安全審査において、安全性確保の観点から設計の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として定めたものである。
 軽水炉の設置許可申請に係る安全審査において用いられる安全設計審査指針は、最初は昭和45年4月に、当時の原子力委員会が定めたものであり、その後昭和52年6月に、同じく当時の原子力委員会が、これを全面的に見直して改訂を行った。昭和52年の安全設計審査指針の改訂以来、10年以上が経過し、この間軽水炉の技術の改良及び進歩には著しいものがあった。また、この間に、米国で発生したTMI事故等、国内外に生じた様々な事象から得られた教訓も含めて、軽水炉に関する経験の蓄積も大きいものがあった。これらを踏まえ、従来の指針について全面的見直しを行い、指針の内容の一層の明確化及び体系化を図ったものである。
 また、本指針の改訂とともに、原子炉施設の各種構築物、系統及び機器の安全機能の重要度についての判断のめやす及び本指針の適用方法について、新たに「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」(以下「重要度分類指針」という。)を定めることとした。したがって、本指針の適用に当たっては、「重要度分類指針」も併せて参照すべきである。

Ⅱ.本指針の位置付けと適用範囲
 本指針は、今日までの軽水炉に関する経験と最新の技術的知見に基づき、軽水炉の設置許可申請に係る安全審査に当たって確認すべき安全設計の基本方針について定めたものであって、原子炉施設の一般的な設計基準を指向したものではない。
 安全審査においては、当該原子炉施設の安全設計が、少なくとも本指針の定める要求を十分に満足していることを確認する必要がある。ただし、安全設計の一部が本指針に適合しない場合であっても、それが技術的な改良、進歩等を反映したものであって、本指針を満足した場合と同様又はそれを上回る安全性が確保し得ると判断される場合は、これを排除するものではない。
 本指針は、軽水炉施設を対象としているが、その他の原子炉施設の安全審査においても参考となり得ると考える。

Ⅳ.原子炉施設全般
指針1.準拠規格及び基準
 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、設計、材料の選定、製作及び検査について、それらが果たすべき安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によるものであること。

指針2.自然現象に対する設計上の考慮
1. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度及び地震によって機能の喪失を起こした場合の安全上の影響を考慮して、耐震設計上の区分がなされるとともに、適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計であること。
2. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、地震以外の想定される自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計であること。重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器は、予想される自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件、又は自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合を考慮した設計であること

指針9.信頼性に関する設計上の考慮
1. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性を確保し、かつ、維持し得る設計であること。
2. 重要度の特に高い安全機能を有する系統については、その構造、動作原理、果たすべき安全機能の性質等を考慮して、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。
3. 前項の系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できる設計であること。

Ⅵ.原子炉冷却系
指針25.非常用炉心冷却系
1. 非常用炉心冷却系は、想定される配管破断等による原子炉冷却材喪失に対して、燃料の重大な損傷を防止でき、かつ、燃料被覆の金属と水との反応を十分小さな量に制限できる設計であること。
2. 非常用炉心冷却系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。
3. 非常用炉心冷却系は、定期的に試験及び検査ができるとともに、その健全性及び多重性の維持を確認するため、独立に各系の試験及び検査ができる設計であること。

指針26.最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統
1. 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器において発生又は蓄積された熱を最終的な熱の逃がし場に輸送できる設計であること。
2. 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を適切に備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針27.電源喪失に対する設計上の考慮
 原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できる設計であること。

Ⅶ.原子炉格納容器

指針32.原子炉格納容器熱除去系
1. 原子炉格納容器熱除去系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して放出されるエネルギーによって生じる原子炉格納容器内の圧力及び温度を低下させるために十分な機能を有する設計であること。
2. 原子炉格納容器熱除去系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針33.格納施設雰囲気を制御する系統
1. 格納施設雰囲気浄化系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して環境に放出される放射性物質の濃度を減少させる機能を有する設計であること。
2. 可燃性ガス濃度制御系は、格納施設の健全性を維持するため、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して原子炉格納容器内に存在する水素又は酸素の濃度を抑制することができる機能を有する設計であること。
3. 格納施設雰囲気を制御する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

Ⅹ.計測制御系及び電気系統
指針48.電気系統
1. 重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器が、その機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計であること。
2. 外部電源系は、2回線以上の送電線により電力系統に接続された設計であること。
3. 非常用所内電源系は、多重性又は多様性及び独立性を有し、その系統を構成する機器の単一故障を仮定しても次の各号に掲げる事項を確実に行うのに十分な容量及び機能を有する設計であること。
(1) 運転時の異常な過渡変化時において、燃料の許容設計限界及び原子炉冷却材圧力バウンダリの設計条件を超えることなく原子炉を停止し、冷却すること。
(2) 原子炉冷却材喪失等の事故時の炉心冷却を行い、かつ、原子炉格納容器の健全性並びにその他の所要の系統及び機器の安全機能を確保すること。
4. 重要度の高い安全機能に関連する電気系統は、系統の重要な部分の適切な定期的試験及び検査が可能な設計であること。



〔解説〕
指針2.自然現象に対する設計上の考慮
 「適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計」については、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」において定めるところによる。
 「自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計」とは、設計上の考慮を要する自然現象又はその組合わせに遭遇した場合において、その設備が有する安全機能を達成する能力が維持されることをいう。
 「重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器」については、別に「重要度分類指針」において定める。
 「予想される自然現象」とは、敷地の自然環境を基に、洪水、津波、風、凍結、積雪、地滑り等から適用されるものをいう。
 「自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件」とは、対象となる自然現象に対応して、過去の記録の信頼性を考慮の上、少なくともこれを下回らない苛酷なものであって、かつ、統計的に妥当とみなされるものをいう。
 なお、過去の記録、現地調査の結果等を参考にして、必要のある場合には、異種の自然現象を重畳させるものとする。
 「自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合」とは、最も苛酷と考えられる自然力と事故時の最大荷重を単純に加算することを必ずしも要求するものではなく、それぞれの因果関係や時間的変化を考慮して適切に組み合わせた場合をいう。

指針9.信頼性に関する設計上の考慮
 「安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性」及び「重要度の特に高い安全機能を有する系統」については、別に「重要度分類指針」において定める。
 「単一故障」は、動的機器の単一故障と静的機器の単一故障に分けられる。重要度の特に高い安全機能を有する系統は、短期間では動的機器の単一故障を仮定しても、長期間では動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定しても、所定の安全機能を達成できるように設計されていることが必要である。
 上記の動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定すべき長期間の安全機能の評価に当たっては、その単一故障が安全上支障がない期間内に除去又は修復できることが確実であれば、その単一故障を仮定しなくてよい。

指針27.電源喪失に対する設計上の考慮
 長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない
 非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しな
くてもよい。

指針48.電気系統
 「外部電源系」とは、外部電源(電力系統又は主発電機)からの電力を原子炉施設に供給するための一連の設備をいう。
 「非常用所内電源系」とは、非常用所内電源設備(非常用ディーゼル発電機、バッテリ等)及び工学的安全施設を含む重要度の特に高い安全機能を有する設備への電力供給設備(非常用母線スイッチギヤ、ケーブル等)をいう。
 「重要度の特に高い安全機能」及び「重要度の高い安全機能」については、別に「重要度分類指針」において定める。


------------------------------
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-30/2011043004_04_0.html
2011年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

外部電源喪失 地震が原因
吉井議員追及に保安院認める

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 日本共産党の吉井英勝議員は27日の衆院経済産業委員会で、地震による受電鉄塔の倒壊で福島第1原発の外部電源が失われ、炉心溶融が引き起こされたと追及しました。経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認めました。

 東京電力の清水正孝社長は「事故原因は未曽有の大津波だ」(13日の記者会見)とのべています。吉井氏は、東電が示した資料から、夜の森線の受電鉄塔1基が倒壊して全電源喪失・炉心溶融に至ったことを暴露。「この鉄塔は津波の及んでいない場所にある。この鉄塔が倒壊しなければ、電源を融通しあい全電源喪失に至らなかったはずだ」と指摘しました。

 これに対し原子力安全・保安院の寺坂院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認め、全電源喪失の原因が津波にないことを明らかにしました。海江田万里経産相は「外部電力の重要性は改めて指摘するまでもない」と表明しました。


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http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm


平成十八年十二月十三日提出
質問第二五六号


巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書

提出者  吉井英勝


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巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書



 政府は、巨大地震に伴って発生する津波被害の中で、引き波による海水水位の低下で原子炉の冷却水も、停止時の核燃料棒の崩壊熱を除去する機器冷却系も取水できなくなる原発が存在することを認めた。
 巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい。さらに新規の原発で始められようとしている核燃料棒が短時間なら膜沸騰に包まれて冷却が不十分な状態が生じる原発でも設置許可しようとする動きが見られる。また安全基準を満たしているかどうかの判断に関わる測定データの相次ぐ偽造や虚偽報告に日本の原発の信頼性が損なわれている。原発が本来的にもっている危険から住民の安全を守るためには、こうしたことの解明が必要である。
 よって、次のとおり質問する。

一 大規模地震時の原発のバックアップ電源について
 1 原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。
 そういう場合でも、外部電源が得られるようにする複数のルートが用意されている原発はあるのか。あれば実例を示されたい。
 また、実際に日本で、高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例があると思うが、その実例と原因を明らかにされたい。
 2 落雷によっても高圧送電線事故はよく起こっていると思われるが、その結果、原子炉緊急停止になった実例を示されたい。
 3 外部電源が取れなくても、内部電源、即ち自家発電機であるディーゼル発電機と無停電電源であるバッテリー(蓄電器)が働けば、機器冷却系の作動は可能になると考えられる。
 逆に考えると、大規模地震でスクラムがかかった原子炉の核燃料棒の崩壊熱を除去するためには、機器冷却系電源を確保できることが、原発にとって絶対に必要である。しかし、現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。過去においてどのような事例があるか示されたい。
 4 スウェーデンのフォルクスマルク原発1号(沸騰水型原発BWRで出力一〇〇・八万kw、運転開始一九八一年七月七日)の事故例を見ると、バックアップ電源が四系列あるなかで二系列で事故があったのではないか。
 しかも、このバックアップ電源は一系列にディーゼル発電機とバッテリーが一組にして設けられているが、事故のあった二系列では、ディーゼル発電機とバッテリーの両方とも機能しなくなったのではないか。
 5 日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。
 6 大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルクスマルク原発のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。
 この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。
 また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。調査内容を示されたい。
 7 停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。
 8 原発事故時の緊急連絡網の故障という単純事故さえ二年間放置されていたというのが実情である。ディーゼル発電機の冷却水配管の減肉・破損が発生して発電機が焼きつく事故なども発生した例が幾つも報告されている。一つ一つは単純な事故や点検不十分などのミスであったとしても、原発の安全が保障されないという現実が存在しているのではないか。
二 沸騰遷移と核燃料棒の安全性について
 1 原発運転中に、膜沸騰状態に覆われて高温下での冷却不十分となると、核燃料棒の焼損(バーン・アウト)が起こる。焼損が発生した場合に、放射能汚染の規模がどのようなものになるのかをどう評価しているか。原子炉内に閉じ込めることができた場合、大気中に放出された場合、さらに原子炉破壊に至る規模の事故になった場合まで、それぞれの事故の規模ごとに、放射能汚染の規模や内容がどうなるかを示されたい。
 2 経済産業省と原発メーカは、コストダウンの発想で、原発の中での沸騰遷移(Post Boiling Traditional)を認めても「核燃料は壊れないだろう」としているが、この場合の安全性の証明は実験によって確認されているのか。
 事業者が沸騰遷移を許容する設置許可申請を提出した場合には、これまで国は、閉じ込め機能が満足されなければならないとして、沸騰遷移が生じない原子炉であることを条件にしてきたが、新しい原発の建設に当たっては沸騰遷移を認めるという立場を取るのか。
 3 アメリカのNRC(原子力規制委員会)では、TRACコードでキチンと評価して沸騰遷移(PBT)は認めていないとされているが、実際のアメリカの扱いはどういう状況か、またアメリカで認められているのか、それとも認められないのか。
 またヨーロッパなど各国は、どのように扱っているか。
 4 東通原発1、2号機(着工準備中、改良型沸騰水型軽水炉ABWR、電気出力一三八・五万kw)については、「重要電源開発地点の指定に関する規程」(二〇〇五年二月一八日、経産省告示第三一号)に基づいて、〇六年九月一三日に経済産業大臣から指定され、九月二九日に原子炉規制法第二三条に基づいて東通原発1号機の原子炉設置許可申請が国に出された。この中では、沸騰遷移が想定されているのではないのか。
 5 ABWRでは、浜岡5号機や志賀2号機などタービン翼の破損事故が頻発している。ABWRの東通原発が、沸騰遷移を認めて作られた場合に、核燃料が壊れて放射性物質が放出される事態になる可能性は全くないと実証されたのか。安全性を証明した実証実験があればその実例も併せて示されたい。
 また、どんな懸念される問題もないというのが政府の見解か。
三 データ偽造、虚偽報告の続出について
 1 水力発電設備のダム測定値や、火力・原発の発電設備における冷却用海水の温度測定値に関して測定データの偽造と虚偽報告が電力各社で起こっていたことが明らかになった。総ての発電設備について、データ偽造が何時から何時までの期間、どういう経過で行われたのか明らかにされたい。
 2 こうしたデータ偽造と虚偽報告は、繰り返し行われてきた。使用済核燃料の輸送キャスクの放射線遮蔽データ偽造、原発の溶接データ偽造、原子炉隔壁の損傷データ偽造とデータ隠し、配管減肉データ偽造、放射線量データ偽造など数多く発生してきた。日本の原子力発電が始まって以来の、こうした原発関連機器の測定データや漏洩放射線量のデータについての偽造や虚偽報告について年次的に明らかにされたい。
 3 原発の危険から住民の安全を守るうえで、国の安全基準や技術基準に適合しているのかを判断する基礎的なデータが偽造されていたことは重大である。そこで国としては、データ偽造が発覚した時点で、データが正確なものか偽造されたものかを見極める為に、国が独自に幾つかのデータを直接測定するなど検査・監視体制を強化することや、データ測定に立ち会って測定が適正かどうかのチェックをすることが必要である。国は、検査・監視体制を強化したのか、またデータ測定を行う時に立ち会ったのか。
 これだけデータ偽造が繰り返されているのに、何故、国はそうしたことを長期にわたって見逃してきたのか。

 右質問する。


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