東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・設置関係資料 その3 指摘、専門家等

・設置関係資料 その3 指摘、専門家等

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産経ニュース
【東日本大震災】No.36 津波に薄かった危機意識 専門家、以前から警告
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2011/03/0327earth_quake_chiso/

マグニチュード(M)9・0の東日本大震災で高さ14メートル以上とされる大津波が直撃した東京電力福島第1原発。浸水で非常用発電機のほとんどが壊れ、原子炉の冷却機能を失った。新潟県中越沖地震など国内の原発が次々と地震に見舞われ、国や東電は地震の揺れへの対策は急いだが、専門家の警告にもかかわらず、津波への危機意識は薄かった。
 ▽大津波
「869年の貞観の地震は、津波に関しては非常にでかいものが来ている。全く触れられていないのは納得できない」。2009年6月、経済産業省で開かれた審議会の席上、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の岡村行信活断層・地震研究センター長は、東電の報告に厳しい言葉で異議を唱えた。
 06年に改定された国の原発耐震指針に沿って東電は08~09年、福島第1原発の再評価結果を国に提出。海と陸のプレート間で起きるM7・9の地震などを想定したが、近年の研究でM8以上とされた貞観地震については、特別な考慮をしなかった。従来、最大5・7メートルと見積もってきた津波の再評価は先送りされた。
岡村さんの追及に対し、東電は学会で提案されている震源モデルを基にして、原発への影響は「想定の範囲内」と主張。「貞観地震については、まだ情報を収集する必要がある」として事実上、評価を棚上げした。
 ▽証拠
 貞観津波を研究する産総研の宍倉正展海溝型地震履歴研究チーム長(古地震学)によると、宮城県から福島県の太平洋岸には、過去に津波が繰り返した証拠となる、複数の砂の層が地中で見つかっている。津波は4世紀ごろと室町時代にも起き、500年程度の間隔で起きた可能性が高いという。
 年代測定で貞観津波の痕跡と特定できたのは宮城県石巻市から福島県浪江町までだが、砂層は茨城県日立市近辺まで広がっていた。宍倉さんは「原発の防災上、少なくとも高さ10メートル程度の津波を想定しておくべきだったのではないか」と指摘する。
 岡村さんも「石巻―浪江は確実な部分だけで、ほかにもグレーの部分はある。砂の侵入は内陸3~4キロだが、津波自体はもっと奥まで進んだだろう」と指摘。厳密な証拠を求める科学研究と、想定外にも備える必要のある原発の防災対策を混同するべきではないと指摘する。
 ▽過小評価
 原発の耐震安全性審査をめぐっては、これまでも同様のことが指摘されてきた。
 地下の活断層がつくる地表の〝たわみ〟の存在が中国電力島根原発(島根県)、日本原子力発電敦賀原発(福井県)などで指摘されてきた。いずれも研究者の間では広く知られているが、科学的な異論が残ることなどを理由に原発防災には活用されていない。原発と活断層の問題に詳しい名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)は「最新の知見を原発の防災に生かせるよう、国の安全審査は、広く第三者の意見を取り入れるなどの抜本的改革が必要だ」としている。

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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤
合同WG(第32-33回)議事録
日 時:平成21年6月24日 7月13日
岡村行信活断層・地震研究センター長
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/032/gijiroku32.pdf
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/033/gijiroku33.pdf

カスケード型地震と大津波の可能性について指摘
http://genbaihou.blog59.fc2.com/blog-entry-26.html


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Bloomberg
福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘-非常用発電機にリスク
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=a.lK3UI3LjpM

3月16日(ブルームバーグ):東日本大震災で東京電力福島第一原発に起きた事故について、20年前に警鐘を鳴らしていたリポートがある。米国の原子力規制委員会(NRC)による「NUREG-1150」だ。
 それによると、地震発生時に炉心溶融につながる事故の例として、原子炉を冷却するため水を外部からくみ上げるポンプを動かす非常用ディーゼル発電機の破損や停電、貯水タンクの故障などによる冷却機能不全が高い確率で起こると指摘していた。
 今回の事故は、福島第一原発の原子炉6機のうち運転中だった1、2、3号機は地震の揺れを感知して運転を自動停止したが、非常用ディーゼル発電機が作動せず、冷却ができない状態になった。日本政府は、経産省原子力安全・保安院が04年6月に公表した「リスク情報を活用した原子力安全規制の検討状況」という資料で、このリポートも紹介している。
 元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、リポートが提示したリスクへの対応策について、「東電は学んでいなかったのだろうか」と指摘、「天災が1000年に一度や想定外といった規模であったとしても、そんな言い訳は許されない」と述べた。
 東電の広報担当、元宿始氏は当社がそのリポートを認識していたかどうか直ちには確認できない、と述べた。
 原発は、原子炉圧力容器内で燃料が核分裂する熱で蒸気を発生させ、タービンを回している。緊急停止した際には、高温になっている燃料を冷やすため冷却水を注入して冷やす。冷却に失敗すると、炉内の温度が上昇し、核燃料自体が溶け出す「炉心溶融」に陥る危険がある。
http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/nuregs/staff/sr1150/v1/sr1150v1part-2.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/downloadfiles/g40614b50j.pdf


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swissinfo.ch
2011-04-01 15:14
福島第一原発、その欠陥が指摘される
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29904250

 核の番人と言われる、国際原子力機関 ( IAEA ) の元副事務局長でスイス人のブルーノ・ペイヨ氏は、福島第一原発が過去に指摘された欠陥をまったく改善していなかったことに怒りを覚えるという。
こうした過ちから、ペイヨ氏は世界のすべての原発が例外なく検証されるべきだと訴える。
swissinfo.ch : 米エネルギー省のペーター・ライヨンズ原子力担当次官補代行は3月29日に、上院議会で「福島第一原発はゆっくりと復旧している」と報告しましたが、あなたの評価はどうですか。
ペイヨ : 「ゆっくりと復旧」という表現は楽観的すぎる。大量の放射能が漏出しており、作業が困難になっている。幾つかの原子炉では冷却に成功しているようだが、炉心の溶融が進んでおり、放射能もここから漏れている。
もし、2号機の炉心の溶融が進み、金属製の原子炉圧力容器と共に溶けた高熱のマグマ状のものが下降して格納容器も破壊した場合、その下のコンクリートの土台はそれに耐えられるようには設計されていない。だが、もし冷却が続けられ、水が十分に補充され続ければ、希望はある。
重要なことは、燃料棒が溶融したものを圧力容器の中に封じ込め続けることだ。
swissinfo.ch : 日本政府と東電の対応をどう思われますか。正しい対応をしたのでしょうか?
ペイヨ : 原発対応にミスがあったことは明らかだ。第1日目にただちにほかの冷却方法を実施すべきだった。日本にはこうした重大決定を行う場合、すぐに行われないという欠点がある。だが、これ以上に批判すべきことは、きちんとした管理がなされていなかったことだ。検査が実施されず、チェックリストが作成されていなかった。政府に対しても偽りの報告をしていた。
 しかし、わたしが最も怒りを覚えるのは、福島原発の原子炉に欠陥があることは随分前に指摘されていたのに、それが改善されなかったことだ。
スイスでは、福島第一原発と同型のミューレベルク ( Mühleberg ) 原発に対し、地下深くから地下水をくみ上げる、ないしは原発の近くにため池を設置するなど、二重の冷却設備を設置。また予備の電線を何本も用意し、第2の堅強な屋根が初期の段階から取り付けられている。また、水素爆発を防ぐための「水素・リ・コンバイナース ( Hydrogen re-combiners ) 」設置は常識だが、こうした安全対策が福島では一切されてなかった。
これらはわずかなお金でできることだ。スイスに限らず、ほかの国ではすでに行われている。
 また、福島原発の製作元、米ゼネラル・エレクトリック ( GE ) は、スイスやヨーロッパで実施されている安全対策を日本に十分に知らせていなかった。
 日本のほうがヨーロッパより原発をよく理解しているという話は完全な幻想になった。まさに、こうした事態を避けるために、きちんとした安全対策が取られていなかったからだ。たとえ主な原因が津波だったとしてもだ。
swissinfo.ch : 日本の情報に関してはどう思われますか?
ペイヨ  : 混乱状態にもかかわらず、情報を伝えようという努力はなされたと思う。しかし原発の責任者、現地で検証する人間、東京での記者会見という流れの中では、情報に多くの間違いがあっても当然だと思う。
ただ、チェルノブイリとは比較にならない。チェルノブイリでは、情報を隠ぺいしようという意図が初めからあったからだ。
swissinfo.ch : 国際原子力機関の反応が遅かったという批判についてはどうですか?それに国際原子力機関にはもっとできることがあるのではないでしょうか。
ペイヨ  : 国際原子力機関には歴史が与えた任務というものがあり、それは核不拡散を監視することだ。核利用の安全対策分野では、ただ一つ行っているのが安全基準見直しの専門家会議だ。
ここで2008年に東電に対し、福島原発の津波対策が十分ではないと警告がなされた。しかし東電は何もしなかった。
今回の危機で、国際原子力機関ができるのは事実に基づいた技術的情報を提供することだけだ。
もっと何かができるのではという質問だが、確かに国際レベルでもっと何かをすべきだが、それを国際原子力機関が行うのか、ほかの機関が行うのかは別の議論になる。
現在、国際原子力機関は国ないしは電力会社の要請により、10人から15人の専門家を現地に送り、原発の建設、操作、管理状況を検査し、その結果を公表する義務がある。しかし、実際には何も隠すことがなくきちんと管理している「模範生」である5、6カ国からしか検査要請がこないのが現状だ。過去に、福島原発からはこうした要請はなく、したがって国際原子力機関の見直しレポートは存在しなかった。
今後検査はすべての原発に対しなされるべきだ。それを行うのは、政府以外の独立機関であり、具体的には例えば他国や隣国が検査を行いレポートを作成するようなシステムが必要だ。
サイモン・ブラッドレー, swissinfo.ch
( 英語からの翻訳・編集、里信邦子 )


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zakzak
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110318/dms1103181534014-n1.htm

事故原発は“欠陥品”? 設計担当ら35年ぶり仰天告白
2011.03.18
 自衛隊に警視庁機動隊、そして東京消防庁の特殊部隊まで巻き込むことになった空前の原発事故は、実は人災である可能性が浮上している。
 福島第1の原子炉は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発した。そのGE元社員のデール・ブライデンボー氏はロイター通信の取材に対し、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していたと打ち明けたのだ。
 そのうえで同氏は「分析が終わるまで一部の原発は閉鎖されるべきだと思ったが、GE側は応じなかった。そのため、私はGEを辞めた」と、退社した経緯を説明した。
 米ニューヨーク・タイムズも、米原子力委員会の専門家が1972年、この原子炉は水素がたまって爆発した場合、放射能を封じる格納容器が損傷しやすいため、「使用を停止すべき」と指摘した、と報じた。
 今回、事故を起こしたのは「マーク1」という沸騰水型原子炉の一種で、60年代にGEが開発した。中心の燃料棒を圧力容器、さらにその外側をフラスコ状の格納容器で守っている。格納容器が小さく、設備建設費が安く済むため、計104基の原子炉が稼働している米国では同型の炉が23基も稼働している。米国外にも9基あり、計32基が現在も運転中だが、格納容器が小さいゆえに、水素爆発で損傷するリスクが高いというのだ。
 福島第1の原子炉はGEの設計図をもとに、東芝や日立製作所が関わって建設、運転されてきた。設計に携わった東芝の元技術者、小倉志郎氏(69)は16日、外国特派員協会の記者会見で驚きの証言をした。
 「(67年に)設計した当時は、津波は前提になかった。日本で事実上、初の原子炉設計だけに知識に乏しく、耐震設計基準についても判断できなかったと思う」
 小倉氏は福島第1原発の1、2、3、5、6号機の冷却部分などを設計した。その小倉氏によれば、津波の対応はその後、日本独自の設計で織り込まれるようになった。しかし、推定で最大10メートルとされる今回の大津波より「想定規模ははるかに小さかった」。また、地震の規模についても「マグニチュード(M)8・0以上の地震は起きない、と社内で言われた」とし、M9・0の巨大地震は想定外であったことを明かした。
 地震対策は「私の定年が近くなってやっと見直しをしたが、それでも大地震は想定しなかった。責任を感じる」と語っている。
 米メディアの報道と設計者の証言をまとめると、もともと事故時の危険が高い米国発の原発が、津波や地震のリスクを十分に考慮せず建設、運転されてきたことになる。前出のブライデンボー氏は今回の事故について、「マーク1型格納容器が、他の原子炉ほど地震や津波の負担に耐えられないことから(事故が)生じた」と分析している。
 福島第1原発の1号機が運転を開始したのは71年。40年もの間、周囲を巻き込む深刻な事故を起こさなかったのは奇跡だったともいえる。

http://www.youtube.com/watch?v=P8-qzwzRKvw


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@niftyニュース
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20110329-02/1.htm
危機続く福島第一原発 「GEスリー」元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」
2011年3月29日(火)

 福島第一原子力発電所の原子炉には重大な欠陥があった──爆発事故を起こした原子炉の設計にかかわった日米の元技術者がそろって証言を始めた。経済性を優先するあまりに小型に造ったため、冷却システムなどに余裕がなく、地震や大規模停電になると爆発しやすいという。今回の地震では、まさにその心配が現実になった可能性が高い。
 現地時間で3月15日、米CNNが、米国を代表する原子炉メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)の元エンジニア、デール・ブライデンボー氏のインタビューを放送した。白髪に白いひげをたくわえたブライデンボー氏は悲痛な表情でこう語った。
「福島原発の事故は私たちが想定したシナリオよりもはるかに悪い。このままだと、何千もの命が失われる可能性がある。それが怖くてたまらない」
 遠い米国で、なぜ米国人に福島のことがわかるのか? 実は、ブライデンボー氏は福島第一原発の1~5号機で使われているマークI型原子炉の原設計をした人物だった。
 今回、最初に水素爆発を起こした1号機は日本製ではない。1号機の建造が始まった1960年代、日本はまだ自力で商業用原子炉を造っていなかった。このためGEが造った。このあと2号機はGEと東芝が共同で建設し、3、4号機になってようやく東芝や日立製作所が主体で造った。炉心損傷を起こしている1~3号機はいずれも、GEの設計を基にしたものなのだ。
 そしてブライデンボー氏は在職中から、このマークIの安全性に疑念を抱き、75年に同僚2人とともにGEを退職すると、米原子力規制委員会と共同戦線を張ってマークIの製造中止を訴えてきた。この3人は、いまでは「GEスリー」と呼ばれている。
前出の番組でブライデンボー氏はこう語っている。
 「マークIは大規模事故に耐えうるようには設計されていません。冷却システムがギリギリの容量で設計されているため、電力供給が途絶えて冷却システムが止まると、爆発を起こす危険性がある。使用済み核燃料の貯蔵プールも最新型のように自然に冷やされるタイプではないため、電気が切れるとすぐに温度が上がってしまう」
 福島でも地震で冷却システムが止まり、1、3号機はいずれも格納容器の圧力が高まった。使用済み核燃料の貯蔵プールの温度が上がり、消防車などで必死に水をつぎだした。
 まさに氏の指摘どおりだ。一体、このマークIとはどんな原子炉なのか。

 「マークIが欠陥を抱えているとの米国での指摘は当時から知られていました。格納容器全体の容積が小さいため、炉心部を冷却できなくなって、圧力容器内の蒸気が格納容器に抜けると格納容器がすぐに蒸気でパンパンになってしまう。最悪の場合は格納容器が破裂してしまう心配がありました」
 こう説明するのは68年から77年まで日立製作所の関連会社「バブコック日立」に勤務し、福島第一原発4号機の圧力容器などの設計に関わった田中三彦氏だ。圧力抑制プールを含めたマークIの格納容器の容量は、新型のマークIIIの4分の1程度しかない。
「今回、津波による電源喪失などで炉心冷却システムがすべて動かなくなったことで、格納容器が破裂しそうになりました。1号機の格納容器が8気圧になったのがそれを物語っています。運転中の格納容器は中の気体が外へ出ないように1気圧よりもすこし低くしており、設計上も約4気圧までしか耐えられないので、ものすごく大変な事態でした」(田中氏)

 このため東京電力は、格納容器にある「ガス放出弁」を開けて、容器内の圧力を下げざるを得なくなった。そしてこの弁こそ、ブライデンボー氏が会社人生をかけてまで求めたマークIの安全対策の一つだった。
 「80年代後半、私の訴えの一部が認められ、圧力を逃すガス放出弁を取り付けることが義務づけられました」(ブライデンボー氏)
 ガス放出弁がなければ今回、早い段階で格納容器が爆発しただろう。
 しかし皮肉にも、このガス放出弁から出た放射性物質を含む蒸気のために、原発周辺の放射線濃度が上がり、作業員らが被曝している。さらに、炉内で発生した水素ガスも蒸気と一緒に出て、1号機と3号機で水素爆発を起こし、建屋を吹き飛ばした。

 マークIの欠点はこれだけではなかった。再び、田中氏が証言する。
「圧力容器に付属する再循環ポンプは、重さが数十トンもあるのに支えが不安定で、大地震時に再循環系の配管が壊れないかがよく問題になってきました。もし壊れると、ここから冷却材が格納容器へ噴き出し、『冷却材喪失事故』という悪夢になってしまうからです」
 再循環ポンプは、原子炉内に発生する気泡を取り除くためのもの。最新型では圧力容器内にあるが、福島原発のような古い型では圧力容器の外にある。
「格納容器の圧力の上がり方、水素爆発の起こり方などから推測すると、とくに1、3号機では今回、冷却材喪失事故が起きたように思えます」(田中氏)

 国はこれまで、格納容器の欠点にどれだけ向き合ってきたのだろうか? 
「ガス放出弁について当初は『そんなバカな。格納容器は放射性物質が外に漏れないようにするものだ』としばらく検討していました。設置されたのは90年代に入ってからでした」(同)
 そもそも、40年以上前に設計された原子炉を今も使っていること自体どうなのか。田中氏は言う。
「日本の原発には法的な寿命がありません。設計者は耐用年数を40年としてきました。1号機は40年を過ぎていますが、日本は米国をまね、90年代に入って最長60年まで使えるとの見解を示しました」

 マークIのコンパクトな設計については、ロシアの専門家は、
「安全性よりも経済性を優先した結果ではないか」
 と、指摘している。ブライデンボー氏もCNNのインタビューで、こう話す。
「社員だった当時、上司にマークIの廃炉を嘆願すると、上司は『そんなことをしたら、わが社の原子炉部門だけでなく、会社自体がなくなってしまう』と聞き入れられなかった」
 被災から11日後の22日に、福島原発にはやっと電源が回復し、温度計が復活した。1号機の圧力容器の温度が設計限界の309度を超える400度だったことがわかり、東電はあわてて炉内への注水を増やすことにした。しかし、注水を増やすと、それによって発生する蒸気で圧力容器内の圧力が格納容器に抜けて、再び格納容器が爆発する危険が高まることになる。
 小さかった格納容器という欠陥が、今も福島原発を苦しめている。

◆現場作業員が語る「あのボロい原発が…」◆
 地震が起きた瞬間、私がいた福島第一原発の建屋では電気が消え、上から電球などいろいろなものが落ちてきました。サイレンが鳴って、「外に避難してください」というアナウンスが聞こえ、大勢の人たちが駆けだしているのが見えました。みんな口々に、
「爆発するんじゃないか」
「放射能にやられるかも」
 とさけび、原子炉から離れた事務本館に殺到。パニックになりました。最初は「落ち着いて」と制止していた警備員も、いつの間にか一緒に走っていました。
 本館で自分の車のカギを取って逃げようとしていると、おそらく東京電力の関係者が、
「帰るかどうか、もう勝手に自分で判断してくれ」
 と声を張り上げていました。もっとも、その本人がだれよりも早く逃げる態勢を整えていたのはびっくりしました。
 車にたどりつき、
「津波らしい」
「すぐそこまで来ているぞ」
 という声を聞きながらアクセルを踏みました。車を少し走らせ、高台で原発の方向を振り返ると、まさに津波が原発に襲いかかっていました。
これで福島第一は終わりだ、あのボロい原発が倒壊して放射能が漏れたらどうなる──と思うと、背筋がぞっとした。かなり頑丈な建屋が水素爆発で無残に吹き飛んだ姿を報道で見たとき、この考えは間違っていないと確信しました。
 地震の翌日だったか、施設の地下で働いていた作業員2人が行方不明だと聞きました。一人は顔見知りでした。放射能の餌食になっていないか、本当に心配です。
 その後、友人経由で東電の下請け会社からメールが来ました。
〈現在の報道は非常にセンセーショナルで、当社が確認したところでは、そこまで深刻ではないとの回答を東電サイドから得ています。今後、多数の方々のお力を必要といたします。これまでのベースから日給3倍をめどにご賛同をいただける方々を募集しております〉
 3倍なら日給5万円です。より危険な区域を担当したり、経験が豊富だったりすれば10万円という話も聞きました。「もしものときに人手がいるから登録だけでもどうかな」という誘いもあります。
 しかし、応募した人はいないとか。下請け会社の話だと、原子炉への海水注入を迫られた際に東電側は、
「この原発にどれだけカネを使っているのか、知っているのか。原発がなくなれば、お前らの仕事もなくなるぞ。海水を入れて廃炉にするなんて、とんでもない」
 と言い放ったというぐらいの会社ですから。 (本誌取材班=本誌・堀井正明、三嶋伸一、大貫聡子、永井貴子/今西憲之、シャノン・ヒギンス)


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MSN 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110611/erp11061120230007-n1.htm
「東電の不作為は犯罪的」IAEA元事務次長一問一答
2011.6.11 20:22

 福島第1原発事故をめぐり産経新聞のインタビューに応じた国際原子力機関(IAEA)元事務次長でスイスの原子力工学専門家、ブルーノ・ペロード氏との一問一答は次の通り。

 --福島第1原子力発電所事故で日本政府がIAEAに事故に関する調査報告書を提出したが

 「私は事故後の対応について日本政府や東電を批判するつもりはないが、両者が事故前に対策を取らなかったことは深刻だ。特に、東電の不作為はほとんど犯罪的だ」

 --なぜ、そう思うのか

 「福島第1原発の米ゼネラル・エレクトリック(GE)製沸騰水型原子炉マーク1型は圧力容器と格納容器が近接しており、水素ガスが発生すれば圧力が急激に高まる危険性が1970年代から指摘されていた。福島で原発の建屋はクリスマスプレゼントの箱のように簡単に壊れたが、スイスでは90年代に格納容器も建屋も二重するなど水素ガス爆発防止策を強化した」

 --東電はどうしたのか

 「当時、スイスで原発コンサルティング会社を経営していた私はこの作業にかかわっており、マーク1型を使用する日本にも役立つと考えた。1992年ごろ、東電を訪れ、(1)格納容器と建屋の強化(2)電源と水源の多様化(3)水素再結合器の設置(4)排気口へのフィルター設置-を提案した」

 --対策費は

 「非常用の送電線は2千~3千ドル。排気口のフィルターは放射性物質を水で吸着する仕組みで電源を必要とせず、放射性物質の拡散を100分の1に減らせる。今回の震災でも放射性物質の拡散を心配せずに建屋内の水素ガスを排出できたはずだ。費用は300万~500万ドルで済む」

 --東電の対応は

 「東電は巨大で、すべてを知っていると思い込んでいた。神様のように尊大に振舞った。東電が原子力安全規制当局に提出していた資料には不正が加えられていた。これは東電が招いた事故だ」

(ロンドン 木村正人)

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