東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■2条「原子力損害」の意味・範囲 その7 風評被害4 原発事故の特殊性

■2条「原子力損害」の意味・範囲 その7 風評被害4 原発事故の特殊性

【放射性物質と病原性大腸菌O157との比較】
・見た目での汚染の判別可能性
O157 →低い
放射性物質 →低い

・損害内容の明確性
O157
→食中毒→明確
放射性物質
→高レベル→急性放射線障害→明確
→低レベル→甲状腺癌等?→議論あり不明確?(直線閾値無し仮説?)

・損害の程度
O157
→主として食中毒、場合によっては死亡
放射性物質
→高レベル→場合によっては死亡、後遺症
→低レベル→急には死亡しない。癌の確率上昇?。小児癌?

・損害発生までの期間
O157
→食中毒→短期間
放射性物質
→高レベル→短期間
→低レベル→長期間

・安全性基準の明確性
O157
→体に取り込まないかぎり安全
放射性物質
→高レベル→原発付近に近づかない限り安全
→低レベル→一応国際基準があるが、各国まちまちの上、日本政府による基準変更もあり、絶対安全というレベルが不明確?

・対処方法の明確性
O157
→洗う、加熱するなどして体に取り込まない。→明確かつ容易
放射性物質
→高レベル→原発付近に近づかないようにする。→明確かつ容易
→低レベル→水、食物、大気に微量に混じると回避困難。

・損害発生地域
O157
→限定的 市町村レベル
放射性物質
→高レベル→限定的→原発付近のみ
→低レベル→広域に及ぶ

・損害発生の頻度
O157 →集団食中毒は珍しくない
放射性物質 →ここまでの漏出事故は日本では初めて


 上は放射性物質による汚染と病原性大腸菌による食中毒の場合との比較である。見た目で区別できない汚染であることは同じであるが、その損害内容、回避方法、安全性基準、被害発生に至る時間的空間的広がりなど、多くの点で、風評被害が広がる要因の強いのが、今回の低レベルの放射線被爆の恐れである。
 福島第一原発は、未だに放射性物質の漏出が続いている状態である。また今回の事件では、政府や専門家から、安全と言われていた原子力発電所が、大津波があったとはいえ電源が不足しただけで簡単に水素爆発して、その後も収束に手間取り放射性物質を環境中に漏出し続けているわけで、一般人が、政府や専門家の発言の信憑性に疑いを持つという不幸な環境がそこにある。
 したがって、今回の事件の風評被害の広がりは、やむを得ない事情がかなりあって、政府や専門家のアナウンスにかかわらず、一般消費者が、その危険性を懸念して、かなり広い範囲の作物等について消費を敬遠したくなる心理は一般的に是認できるのではないか。
 その意味で、今回の風評被害の多くは、原発事故と相当因果関係のある「損害」ないし「原子力損害」に該当するものとして本来広く救済されるべきものではなかろうか。(今後、東京電力や国の対応によっては、多数の裁判等が起きる可能性がある。)
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2011-04-09 : ・風評被害 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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