東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その10 中間指針追補(自主的避難等に係る損害関係)のイメージ(案)

■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その10 中間指針追補(自主的避難等に係る損害関係)のイメージ(案)


原子力損害賠償紛争審査会第17回資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/1313502.htm

----------------------------------

(審17)資料1

中間指針追補(自主的避難等に係る損害関係)のイメージ(案)

第1 はじめに
(1)自主的避難等の現状等
○原子力損害賠償紛争審査会(以下「本審査会」という。)は、平成23年8月5日に決定した「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下「中間指針」という。)において、政府による避難等の指示等(以下「避難指示等」という。)に係る損害を示したが、その際、避難指示等に基づかずに行った避難(以下「自主的避難」という。)に係る損害については、引き続き検討することとした。
○本審査会において、関係者へのヒアリングを含めて調査・検討を行った結果、避難指示等があった区域(以下「避難指示等対象区域」という。)の周辺地域では自主的避難をした者が相当数存在していることが確認された。自主的避難に至った主な類型としては、①本件事故当初の時期に、自らの置かれている状況について十分な情報がない中で、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の水素爆発が発生したことなどから、大量の放射性物質の放出による放射線被曝への恐怖や不安を抱き、その危険を回避しようと考えて避難を選択した場合、及び②本件事故後しばらく経過した後、生活圏内の空間放射線量や放射線被曝による影響等に関する情報がある程度入手できるようになった状況下で、放射線被曝や未確認の放射性物質の存在への不安や恐怖を抱き、その危険を回避しようと考えて避難を選択した場合が考えられる。
○同時に、当該地域の住民は、そのほとんどが自主的避難をせずにそれまでの住居に滞在し続けていたこと、これら避難をしなかった者が抱き続けたであろう上記の恐怖や不安を無視することはできないこと等も確認された。(以下、当該地域の住民による自主的避難と滞在を併せて「自主的避難等」という。)
(2)基本的考え方
○中間指針の対象となった避難指示等によって避難等を余儀なくされた場合以外の損害として、自主的避難者及び滞在者(以下「自主的避難者等」という。)に係る損害について併せて示すこととする。
○本件事故と自主的避難者等の被害との相当因果関係は、最終的には個々の事案毎に判断すべきものであるが、本中間指針追補では、本件事故に係る紛争解決に資するため、避難指示等を受けこれまで賠償の対象となっているもの以外で賠償が認められるべき一定の範囲を示すとともに、この際に共通に認められるべき損害項目・金額を示すこととする。
※避難指示等を受けて避難等をした者につき、既に精神的損害の賠償対象となっている場合を、本中間指針追補の対象とすべきか否か。
○したがって、本中間指針追補で明示していない損害であっても、個別具体的な事情によっては、賠償すべき損害と認められることがあり得る。

第2 自主的避難者等の損害について
(1)対象区域
自主的避難者等の損害を賠償する対象となる区域(以下「自主的避難等対象区域」という。)は、○○、○○、・・・・、○○の市町村とする。
※対象区域をどうするか。
(考え方)
1)「第1 はじめに」で示したように、本件事故を受けて自主的避難に至った主な類型は2種類考えられるが、いずれの場合もこのような恐怖や不安は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の状況が安定していない状況下で、同発電所や避難指示等対象区域からの距離、政府や地方公共団体から公表された放射線量に関する情報、居住地域の他の住民の自主的避難の状況等の要素が複合的に関連して生じていると考えられる。以上の要素を総合的に勘案すると、少なくとも自主的避難等対象区域においては、住民が放射線被曝への相当程度の恐怖や不安を抱いたことには相当の理由があり、また、それに基づき自主的避難を行ったことについてもやむを得ない面がある。
2)自主的避難者等の事情は個別に異なり、損害の内容も多様であるが、本中間指針追補では、自主的避難等の対象者全員に公平かつ等しく賠償すること、及び可能な限り広くかつ早期に救済するとの観点から、一定の自主的避難等対象区域を設定した上で、同対象区域に居住していた者に少なくとも共通に生じた損害を示すこととする。
3)上記自主的避難等対象区域以外の地域についても、個別具体的な事情に応じて、賠償の対象となる場合を排除するものではない。
(2)対象者
今回の自主的避難等の損害賠償の対象者は、本件事故発生時点において自主的避難等対象区域内に生活の本拠としての住居があった者(ただし、これらの者が避難指示等による避難等対象者として既に精神的損害の賠償対象とされている場合を除く。)とするか否か。
(考え方)
1)損害賠償請求権は個々人につき発生するものであるから、損害の賠償についても、世帯単位ではなく、個々人に対してなされるべきである。
2)上記対象者以外の者についても、個別具体的な事情に応じて、賠償の対象となる場合を排除するものではない。
(3)損害項目及び損害額
ア)自主的避難者等が受けた損害のうち、以下のものが一定の範囲で賠償すべき損害と認められるのではないか。ただし、個別の事情によっては、この他の損害項目も認められ得ることとしてはどうか。
① 放射線被曝への恐怖や不安により自主的避難を行った場合における以下のもの。
)自主的避難によって生じた生活費の増加費用
)自主的避難により、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり相当程度阻害されたために生じた精神的苦痛
)避難及び帰宅に要した移動費用
② 放射線被曝への恐怖や不安を抱きながら自主的避難等対象区域内の住居に滞在を続けた場合における以下のもの。
)放射線被曝への恐怖や不安、これに伴う行動の自由の制限等により正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり相当程度阻害されたために生じた精神的苦痛
)放射線被曝への恐怖や不安、これに伴う行動の自由の制限等により生活費が増加した分があれば、その増加費用
イ)ア)の①の)、)及び)に係る損害額、②の)及び)に係る損害額ともに、これらを合算した額を同額として算定するのが、公平かつ合理的な算定方法と認められるのではないか。
※損害項目とその算定方法をどのように考えるか。
案1 自主的避難者も滞在者も、同様の苦痛等を受けていたと評価し得るのであり、自主的避難者と滞在者で、避難費用の負担の有無等個々の事情は異なるにせよ、両者同額の賠償とする。また、実際に、誰がどの時点で「自主的避難」を行ったのかを認定するのは困難。
案2 自主的避難者も滞在者も、同様の苦痛等を受けていたが、自主的避難者には実際に避難費用が生じているので、前者については例えば往復の交通費(合理的な範囲の実費あるいは定額)を加算した賠償とする。
ウ)イ)の具体的な損害額の算定に当たっては、対象者のうち子供及び妊婦については一人○○円を目安とし、その他の対象者については一人○○円を目安とする。
※損害額はいくらか。
(考え方)
1)本件事故において自主的避難を行った者は、主として自宅以外での生活による生活費の増加並びに避難及び帰宅に要した移動費用が生じ、併せてこうした避難生活によって一定の精神的苦痛を被っていることから、少なくともこれらについては賠償すべき損害と観念することが可能である。また、自主的避難等対象区域内の住居の滞在者は、主として放射線被曝への恐怖や不安、これらに伴う行動の自由の制限等を余儀なくされることによる精神的苦痛を被っており、併せてこうした不安等によって生活費の増加も生じていることが考えられることから、少なくともこれらについては賠償すべき損害と観念することが可能である。
2)賠償すべき損害額については、自主的避難が、避難指示等により避難等を余儀なくされた場合とは異なるため、これに係る損害について避難指示等の場合(ア)①)及び②)の生活費増加分を除き実費が損害額)と同じ扱いとすることは、必ずしも公平かつ合理的ではない。
 一方、自主的避難者と滞在者とでは、現実に被った精神的苦痛の内容及び程度並びに現実に負担した費用の内容及び額に差があることは否定できないものの、いずれも自主的避難等対象区域内の住居に滞在することに伴う放射線被曝への恐怖や不安に起因して発生したものであること、当該滞在に伴う精神的苦痛等は自主的避難によって解消される一方で、新たに避難生活に伴う生活費増加等が生じるという相関関係があること、自主的避難等対象区域の住民の中には諸般の事情により滞在を余儀なくされた者もいるであろうこと、広範囲に居住する多数の居住者につき、自主的避難者と滞在者を区別し、個別に自主的避難の有無及び期間等を認定することは実際上極めて困難であり早期の救済が妨げられること等を考慮し、自主的避難の有無によりできるだけ金額に差を設けないことが公平かつ合理的である。
 こうした事情を考慮して、精神的損害と避難費用等を一括して一定額を算定するとともに、自主的避難者と滞在者の損害額については、基本的に同額とすることが妥当と判断した。
3)対象者の属性との関係については、特に本件事故発生当初において、大量の放射性物質の放出による放射線被曝への恐怖や不安を抱くことについては、年齢・性別を問わず一定の合理性を認めることができる。その後においても、少なくとも子供・妊婦の場合は、放射線への感受性が高い可能性があるとされていることから、比較的低線量とはいえ通常時より相当程度高い放射線量による放射線被曝への不安を抱くことについては、人口移動により推測される自主的避難の実態からも、一定の合理性を認めることが可能である。
このため、子供・妊婦については、少なくとも本件事故発生後○○までの分を、また、その他の対象者については、少なくとも本件事故発生当初の時期の分を、それぞれ賠償の対象期間として算定することが妥当と判断した。
4)ア)~ウ)については、個別具体的な事情に応じて、これ以外の損害項目が賠償の対象となる場合や異なる賠償額が算定される場合を排除するものではない。
※子供や妊婦が自主的避難した際の同伴者の損害をどう考えるか。
案1 損害は個々人に生じるものであり、子供や妊婦を対象として損害を認める以上、同伴者の損害を認める必要はない。仮に認めれば、滞在者との関係で不公平。
案2 子供や妊婦が避難する場合、同伴者が同行するのが通常であり、同伴者の損害を認めてよい。滞在者には同伴者の損害は生じないのだから、差が生じてもやむを得ない。
案3 同伴者の損害は子供や妊婦の損害に伴って生じるものとして一応観念できるが、実際には子供や妊婦の生活費増加分に含まれると評価することができ、金額として加算する必要はない。
※いつまでの損害額として算定するか。
案1 9月末+α
理由:9月末に緊急時避難準備区域が解除されたことから、その時点以降は、その外の区域に滞在することに不安を持つのが合理的とは言い難い。
案2 本中間指針追補策定時点まで
理由:損害賠償は過去の事象について判断するものであり、将来の状況が不明な中、将来分の賠償も認めるべきではない。
案3 12月末まで
理由:ステップ2の年内終了が見込まれており、原子力発電所の状況もある程度安定すると考えられる。また、少なくとも12月末までであれば、本中間指針追補策定時から確実な将来として見通すことができる期間として賠償対象としても不合理ではない。
案4 来年3月10日まで
理由:本件事故後1年という一つの区切りである(避難指示等による避難等の賠償における精神的損害の第2期の終期でもあり、整合性がとれる)。また、そのころ以降には、今後の状況の改善により、現在の不安は一定程度解消していることも考えられる。
(以上)


----------------------------------

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

2011-11-26 : ・「自主」避難者の問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

プロフィール

text2

Author:text2
原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

全記事のリスト表示

全ての記事を表示する

検索フォーム

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

QRコード

QR

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ニュース
541位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
時事
246位
アクセスランキングを見る>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。