東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その7 日弁連会長声明

■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その7 日弁連会長声明


http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2011/110930.html

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東京電力福島第一、第二原子力発電所事故における避難区域外の避難者に対する損害賠償に関する会長声明


東京電力福島第一、第二原子力発電所事故における避難区域外の避難者に対する損害賠償に関する会長声明原子力損害賠償紛争審査会(以下「審査会」という。)は、本年9月21日に行われた第14回審査会において、政府等によって避難区域や特定避難勧奨地点に指定された地域以外における避難者(いわゆる自主的避難者)の避難費用や精神的苦痛等に対する損害賠償について、次の2つの場合を検討した。

① 事故当初避難者が事故の置かれている状況について十分な情報がなかった時期として、4月11日(枝野幸男内閣官房長官〔当時〕が計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定について発言した日)又は同月22日(屋内待避指示が解除され、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域が設定された日)までの避難

② 事故後一定の期間が経過してからの避難

本来ならば8月5日に策定された「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定に関する中間指針」において、避難区域等以外の避難者の損害賠償についても盛り込まれるべきであったところ、この点について具体的検討を始めたこと自体は評価できる。

しかし、審査会の検討方針は、年間20mSvの被ばくに満たないと政府が判断した場所以外は本来避難の必要がないということを出発点にしていること自体に根本的な問題がある。

(1) 政府は、当連合会のみならず、多くの民間団体も繰り返し包括的なモニタリングを求めているのにもかかわらずこれを行わないまま避難区域等を設定しており、この避難区域等以外の地域であれば避難の必要がないということ自体に十分な科学的根拠が認められない。

また、現在においても、3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「本件事故」という。)の収束のめどは立っておらず、長期間にわたり放射性物質が外部に出され続け、汚染は拡大している。また、より深刻な事故に発展するおそれもいまだ否定できない状況にある。その上、汚染の状況は、風向や雨などの影響により常に変化し得る。福島県はもとより、宮城県や関東各地でもICRPの勧告する一般公衆の年間被ばく限度である年間1mSvに相当する線量率を超える放射線量が検出される状態が続いている。そのような状況下で、4月に避難区域等と設定された地域以外に健康被害をもたらす放射線被ばくの危険があると考えて避難などの行動をとることは決して不合理とはいえない。

(2) そもそも当連合会が繰り返し指摘しているように、放射線の人体や環境に対する影響は科学的に十分解明されているわけではなく、しかも、低線量被ばくによってもがんなどの発症リスクが高まる可能性は否定されず、特に子どもが成人に比べて放射線感受性が高いことに鑑みると、子どもとその親や妊婦が年間20mSv未満の被ばくに対しても不安を感じることは十分に理由のあることである。

また、日本の法規制上も、3月当たり1.3mSv(年間5.2mSv、毎時約0.6μSv)を超える放射線が検出される場所は、電離放射線障害防止規則により管理区域とされ、同区域には、必要のある者以外は立ち入ってはならない(同規則第3条第1項第1号、第4項)、原則として放射線測定器の装着が義務付けられ、外部被ばく及び内部被ばくの線量を定期的に測定して管理する仕組みになっている(同規則第8条)、18歳未満の者は、同区域で労働してはならない(年少者労働基準規則)など、同区域における活動は厳格に制限されている。

よって、当連合会は自主的に避難した者と健康不安を持ちながら避難していない者の損害賠償について以下の3点を求める。


第1に、少なくとも3月当たり1.3mSv(年間5.2mSv、毎時約0.6μSv)を超える放射線が検出された地域から避難した住民に対しては、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

第2に、5月27日には文部科学省が「学校において、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指す」という方針を示している。今まで一般人の放射線被ばくの限度とされてきた、ICRP勧告の一般公衆の被ばく限度量である年間1mSvを超える放射線量が検出される地域から避難した者についても、少なくとも子どもとその親及び妊婦については、避難費用・精神的損害について、原子力損害の範囲に含めるべきである。

第3に、避難区域等にとどまって生活を続けてきた住民も、原子力発電所事故に伴う社会的混乱の中で多くの生活上の不利益を受け、また、放射性物質により汚染されている可能性のある地域で将来の健康上の不安などを抱えて生活することを余儀なくされているのであるから、このような生活を強いられていること自体を精神的損害として原子力損害の範囲に含めるべきである。

2011年(平成23年)9月30日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

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