東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

■立法過程 その5 日米関係(昭和31年)

【立法過程 その5 日米関係(昭和31年)】
原子力委員会月報 昭和36年11月
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V01/N07/19561103V01N07.HTML
特殊核物質賃貸借に関する日米細目協定について

 日米原子力細目協定については、昨年11月いわゆる日米原子力協定が締結されて以来燃料貸与の諸条件を規定するものとして日米両政府間において種々の折衝が行われ、またわが国においては、原子力委員会を中心に慎重に検討を加えてきたが、ようやく両国間において意見の一致を見、11月中旬に調印の運びとなった。
 この細目協定は、現在茨城県東海村に建設中のウォーターボイラー実験炉の所要燃料2kgの賃貸を規定するものであるが、原子力委員会は、原子力開発利用基本計画にのっとり本実験炉を32年4月据付完了し7月本運転開始を可能ならしめるためには、遅くとも11月中には交渉を妥結させる必要があるとの観点から米側の協力を求めたが、米側は、わが国原子力計画を十分認識しつつも、細目協定は米国自身初めてであり、今後のモデルケースとなること、原子力国際機関設立その他の諸情勢から原子力政策を変転したこと等の事情により予想外の日時を費したが、その間、燃料引受後、米国政府の責任を免除する免責条項の規定等の問題点も、燃料引受に当り公正な第三者による検査を実施することを規定した検査条項がわが国の主張により挿入され、これにより日本側の不利を排除する等の妥協が行われた結果ようやく妥結を見た
そこで臨時国会に提出、承認を得れば発効することとなるが、以下にその概略を紹介する。

特殊核物質賃貸借に関する日米協定要綱
1.貸与量
 細目協定により貸与される濃縮ウランは、ウラン235含有量19.5~20%のもの2kgであり、東海村に設置されるウォーターボイラー炉用として貸与される。
 なお、万一の事故等により必要となった場合日本政府の要請があったときは、追加量が貸与されることとなっている。
2.燃料の加工業者への引渡
 日本政府が契約した契約者(燃料の加工業者)より依頼を受領して後120日以内に、AECは加工業者にAEC施設において金属ウラン(その他)の形で引渡を行う。
3.検査
 燃料の質に関する検査は日米両国政府により選択された分析機関により加工過程における適当な一時点においてサンプル調査を行うものとし、検査費用は折半とする。量の検査は加工業者より日米両国政府に証明書を手交するが、別途、加工業者との契約により量の検収を行いうる。
4.日本政府への引渡
 加工業者は30日の予告期間をおいて、日米両国協議の上決定するAEC指定の地点において日本政府に引渡す。引渡は日本政府の適当な領収書の手交により確認され、爾後日本政府は安全保持に関する一切の責任を負う。
5.返還
 日本政府は1960年9月30日までまたはいかなる場合も協定の終期までに日本政府と協議の上でAECの指定する場所において返還するものとする。
6.燃料の再処理
 再処理は次の方法により行う。
 (1)AECがAEC施設で再処理を引き受けたときはAECに恢復費および輸送料を支払う。
 (2)AECが引き受けないときは、AECは民間業者が再処理を行うに必要な措置をとる。
7.賃貸料
 賃貸料は日本政府よりAECに支払うものとし、次の方法による。
(1)使用料
 使用料は20%濃縮ウラン中に含まれるU2351gにつき25ドルとし、これの年率4%とする。
 期間の始期は引渡の時とし、その終期は
(イ)加工業者に引き渡した時は、アメリカに返還されかつ再処理のため加工業者に引き渡されたときとする。
(ロ)AECに引き渡した時は、再処理完了の日または通常完了すべき時期のいずれか早い方とする。
 (2)消費および減損料
 消費料および減損に対する費用は貸与されたときと返還時とにおける価値の差額とする。
 返還時の燃料の価値は分析機関による分析によるものとし、分析費用は折半とする。
 (3)燃料価値計算の根基は、20%濃縮ウラン中に含まれるU235が1g25ドル、天然ウラン(0.72%)中に含まれるU235が1g5.62ドルとし、これに正比例させた計算により行う。
 (4)支払方法
 使用料は年払とし、消費および減損料は分析証明書受領後30日以内に行う。
8.米国政府の免責
 日本政府は燃料の引渡を受けた後は、燃料の生産、加工、所有、貸与、占有、使用等に起因する一切の責任について米国政府の責任を免除するものとする

9.AECの証明書(別途交換公文による)
 AECから加工業者に対し金属ウランの品質に関する証明書を渡し、その写しを日本政府にも送るものとする。

訪英原子力発電調査団の出発
訪英原子力発電調査団のうち、一本松副団長以下、嵯峨根、法貴、藤波、弘田、辻本、大山、稲生の8氏は、10月15日羽田発エール・フランス機で出発した。なお、駐英原子力アタッシェに決定した村田書記官も一行とともに出発赴任した。

------------------------------------

原子力委員会月報 昭和31年12月

特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定について
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V01/N08/19561202V01N08.HTML
 この協定(以下細目協定という。)の概要については、前号で紹介したが、その後日米両政府の交渉の最終段階において、かなりの変更が加えられ、ようやく去る11月23日ワシントンにおいて調印され、またわが国においては12月12日国会の承認を得て国内法上の手続を完了したので、1年余の交渉の末ようやく発効の段取りとなった。
 以下最終段階における変更の事情等を中心に細目協定の内容等について若干の解説を加えることとする。
 細目協定は、昨年11月14日調印された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(以下本協定という。)にもとづいて、目下茨城県東海村に建設されているウォーターボイラー型実験用原子炉用の燃料としての20%濃縮ウラン2kgの貸与の条件等の細目を規定したものであり、細目協定の発効により、初めて本協定の効力が実際に動き出し、現実の燃料の貸与が行われることとなるのである。これにより、先に原子力委員会において決定した原子力開発利用長期基本計画により、最初にわが国に建設されるウォーター・ボイラー型実験炉が計画どおり32年4月ころには試運転が開始されることとなり、わが国の原子力開発の記念すべき第1歩が印されることとなるのであって、細目協定の締結は、きわめて重要な意義を有するものである。
 細目協定の締結が、本協定締結以来1年余の長時日を要したことについては、種々の理由が考えられようが、原子力をめぐる国際情勢が1年間できわめて目まぐるしい発展を示したこと、アメリカ自体がかかる協定の締結について経験がないこと、日米両国の国内法制上の相異から、その調整に種々の困難があったことなどが考えられよう。
 すなわち、第1に原子力をめぐる国際情勢は昨年8月のジュネーヴ会議以降、その平和的利用面に対する各国の関心が異常に高まり、軍事的利用面以上に、平和利用面における研究開発が進められかつその成果が次々と表われ、また秘密事項等も大幅に解除され、このような機運は原子力国際管理のための諸国の協力の機運を盛りあげ、国際原子力機関規約も最近遂に採択決定されて近くその発足が予定され、またわが国もこれに加入することとなっている。
 米国においても、かかる国際情勢の推移が反映され、原子力委員会の強い統制の考の下にあった1946年原子力法が改正され、民間の関与、国際協力等の面において従来の考え方に思い切った改革を加えた1954年法が成立したが、この傾向はその後も逐次強められている。
 わが国においてはジュネーヴ会議以降国内の原子力に対する関心が高まり、本協定締結当時これに対し各界から賛否の論議が巻き起り、世の注視をあびたが、その後原子力委員会を中心にわが国の原子力開発のプログラムが慎重に検討され一応の成案を得たのとあいまって、世論も原子力開発の急務を痛感するにいたり、わが国の原子力開発の立遅れを克服するため、むしろ細目協定のすみやかな締結をいそがれるに至ったのである。
 このような情勢の下に、本協定締結後ただちに細目協定締結の折衝に入ったのであるが、米側は三十数カ国と協力協定を締結しているにかかわらず、現実の燃料貸与の条件を規定するいわゆる細目協定の締結は、わが国に対するケースが最初であり、また前述の国際情勢の推移等とも関連して、交渉中途において、濃縮ウランの貸与形式から売却方式への変更、南濃縮ウラン235および233、プルトニウム等の供与、免責条項の本協定への挿入等を随時申し入れ、これがため本協定の改訂を申し入れてきたが、日本側としてはいちいちこれらの問題について再検討を加えることを余儀なくされ、また、米国原子力法の規定上から燃料の引渡後は一切の米国政府の責任を免除するとのいわゆる免責条項の問題、燃料に対する検査権限を規定する検査条項の挿入を主張する日本側の意見、燃料の成型加工が米原子力委員会施設から民間会社に変更されたことにともなう引渡返還責任等に関する法律上の諸問題、米国における機密上の問題から諸チャージ(賃貸料)の内訳がなかなか明確にされなかったため、わが国の財政法との関係上生じた問題等各般の問題がかさなり、予想外の日時を費したが、両国間のたびかさなる折衝と妥協とによりようやく別掲のとおり妥結したのである。
 細目協定は6カ条から成るが、第1条では、合衆国原子力委員会は、日本政府に対し、日本原子力研究所が建設するノースアメリカン航空会社製の溶液型研究用原子炉(いわゆるウォーター・ボイラー型研究用原子炉)の操作に使用するため、19.5~20%濃縮ウラン2kgを貸与することを規定している。この場合貸与を受けるのは日本政府であり日本原子力研究所は日本政府の授権の下にさらに日本政府から貸与をうけることとなる。また貸与量2kgは同位元素U-235の数量であり、したがって20%濃縮の場合のウランの量は10kgである。なお、喪失、破壊など不測の事故に備え、かかる場合には日本政府の要求によって必要な追加量が貸与されることとなっている。
 燃料の成型加工は当初米国原子力委員会の施設で行うことが予想されていたが、その後前述のように米国における政策が変更され民間会社の関与を認めることとなった結果、わが国に貸与される燃料の加工にあたっても、日本政府が米国民開会社と加工契約を締結し、これにもとづいて米国原子力委員会が当該契約会社に対し、六弗化ウランの形で燃料を加工業者に渡すこととなっている。
 第2条は、燃料の引渡および返還手続ならびに検査に関することを規定している。
 すなわちA項は、前述のように成型加工が民間会社で行われることとなったため、米国原子力委員会は、日本政府の契約した加工業者に対し、日本政府の確認した要請を受理した後120日以内に、必要量を、同委員会の要求する料金および条件の下に引渡すことを規定している。
 B項は、いわゆる検査条項であって、交渉の過程において日本側の主張により加えられたものである。すなわち後述のように」米国側は日本政府に対し燃料を引き渡した後は一切の責件を免除されることを主張し、日本側はこの条項を認めるためには、せめて燃料引受時に、なんらかの検査を行い、これが協定に定められた条件を満足するものであることを確認した上で引き取ることが絶対に必要であるとの見地から強くこれを主張し、これがここに加えられることとなった。
 なおこの検査は、両政府の選定する分析機関により、製造過程において(なるべく最終段階により行うことが了解されている。)抜取検査を行うものとされ、またチャージ決定の根基となる濃縮度の決定はこの分析の結果により決められることとなっている。また検査の公平を期するため分析費用は日米折半で負担することとなっており、量の検査については加工会社が日米両政府に対し証明書を発行することによるものとされているが、日本側は別途加工業者との加工契約の条項中において分量検査の条項を加えこれにより検査を行うことが了解されている。
 C項およびD項は、日本政府への燃料の引渡手続を規定したものであり、加工業者は30日の予告期間をおいて、日米合意のうえ決定される積出港に燃料を送付し、ここで米国原子力委員会から日本政府に引き渡されることとなる。このような複雑な形態をとったのは、米国原子力法上、原子力委員会以外のものは燃料を所有することができないこと、しかも加工は民間会社で行うこと、貸与関係は日本政府と原子力委員会との間で行われること等の諸関係を規制したためである。
 なお日本政府は引渡を受けた後は濃縮ウランの保全等ならびに安全、健康等に関する保護措置について全責任を負うものとされている。
 E項は、返還の手続を規定したものであり、1960年9月30日までに返還することを規定するとともに、燃料の再処理に関し、原子力委員会の施設で行う場合と、民間会社で行う場合との二つのケースについてその手続を規定している。
 第3条は、賃貸料の内容、支払方法等を規定したものである。
 賃貸料の内容は、当初、使用料、消耗料、減損回復費、再処理費等に細分されていたが、それぞれの内容については必ずしも明らかでなく、ようやく20%濃縮ウラン1g25ドルであり使用料はその年率4%であることが明らかにされたていどであった。一方日本側は、財政法等の立前から、この協定により5ヵ年間の賃貸料支払の負担を負うこととなり、この協定の国会承認を受けることにより国庫債務負担権限を受けるため(31年度予算では予算総則に濃縮ウラン賃貸料に関する国庫債務負担行為の規定を欠いたため)その限度額を明確にすることを要するとの理由で、米側に強くその内容の明示を求めたのである。その後徐々に内容も明らかとなり、内容としては(1)使用量(前記の計算方法と同じ)(2)消費および減損料(貸与されたときと返還されたときにおける価値の差額)とし、根基は20%濃縮ウラン中のU-235 1g25ドル、天然ウラン中のU-235 1g5.62ドルとし、これに正比例させた計算によるとされた。
 ところが、調印直前において、米側では新価格がアイゼンハウアー大統領から発表され、たとえば20%濃縮のものは1g16.12ドルと改訂されたため、またまた協定案の内容も変更を加えられることとなり、日本側は25ドルに代え16.12ドルとすることを主張したところ、米国原子力委員会は、今回発表された価格はいつ変更されるか保証し難いこと、したがってこれをそのまま協定中に規定することは、将来変更された場合、米国原子力委員会自体がウランの価格に関し自ら定めた規則に違反することとなること等の理由により、価格そのものを規定することに同意せず、米国原子力委員会が設定する価格の表で、燃料の引渡時において実施されている価格によるとすることを主張し、調印直前において意見の対立を見たが、問題が法律解釈上の問題であり、かつかかることにより燃料の入手が遅れ、ひいてはウォーター・ボイラー型原子炉の運転が遅れることとなっては、わが国としても甚だ不本意であるので、改めて解釈上の問題に関し検討を加えた結果、日本国内の法律上の解釈としては、この協定により債務負担権限を与えられるものでなく、したがって濃縮ウラン賃借に要する予算は毎年度予算に計上することにより確保し、万一賃貸料の著しい値上りその他の事由により所要貸借金額を支払いえない事態が生じたときは、協定の期限内においても返還の権限を保有するものであること、すなわち、いつ返還しても日本政府は法律上損害賠償等の責を負うものでない旨解釈するとの申入れを行い、米側もこれは法律解釈上の問題であるのでその点了承し、その旨公文を交換し妥協したものである。
 第4条は、いわゆる免責条項であり、日本政府は米国政府および委員会に対し、燃料引受後は、その製造、所有、賃借、占有、使用から生する一切の責任(第3者に対する責任も含めて)を免除することを規定したものである
 この条項は、昨年米側の最初のドラフト以来加えられているものであり、さらに米国の後の他国との協力協定では本協定に入れられているものである。米側はこの条項は国内原子力法にもとづくもので絶対に削除できないとの見解を示し、また他の各国との協定にもすべて挿入しているが、この点は一般の賃貸借契約の観念からはかけ離れたものであり、かつ、わが国財政法においても、その第8条で国の債権を免除する等の場合法律の規定を要するものとして強くこれを規制しているので、わが方としては強くこの条項の削除を要求したのであるが、米側の主張も強く、結局前記検査条項を加えることにより、本条項は存置されることとなった。
 第5条は、まったく米国内の法制上の要求にもとづく規定であり、わが国には無関係であるが、米国議会の議員の収賄等を禁ずる主旨の規定である。
 第6条は、この協定の有効期限を規定したものである。
 以上がこの細目協定の交渉の経過、概要および問題点のあらましであるが、次ページ以下にその日本語および英語による正文ならびに交換公文を掲げることとする。
---------------------------------------
原子力委員会月報 昭和36年12月

特殊核物質の貸貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V01/N08/19561203V01N08.HTML

 日本国政府及びアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会(以下「合衆国委員会」という。)は、1955年11月14日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(将来改正され又はこれに代るものを含む。)に基く特殊核物質の賃貸借に関し、同協定に含まれるすべての条件、規定及び保証に従って、次のとおり協定する。

第 1 条
 合衆国委員会は、日本国茨城県那珂郡東海村日本原子力研究所に設置されるノース・アメリカン航空会社製の溶液型研究用原子炉の操作における使用のため、同位元素U-235を19.5パーセントから20パーセントまでの間に濃縮した約10キログラムのウラン、すなわち、2キログラムのU-235を含むウランであって原子炉用物質を製造するため日本国政府が雇用する契約者がアメリカ合衆国において製造する同物質に含まれるものを同政府に賃貸することにここに同意する。
合衆国委員会は、さらに、たまたま喪失され又は破壊された相当の量の原子炉用物質の代替に必要な追加量の同位元素U-235を19.5パーセントから20パーセントまでの間に濃縮したウランを日本国政府の要請に基き同政府に賃貸することにここに同意する。

第 2 条
A 合衆国委員会は、前記の原子炉のための原子炉用物質をアメリカ合衆国において製造するため日本国政府が雇用した契約者から同政府が確認した要請を受理した日の後120日以内に、同物質を製造するために必要な量の同位元素U-235を19.5パーセントから20パーセントまでの    ふつ 間に濃縮したウランを、六弗化ウランの形状で、同委員会の施設において同契約者に引き渡すものとする。契約者に対する引渡は、合衆国委員会が同契約者について要求する料金及び条件(原子炉用物質を受領し、かつ、アメリカ合衆国において製造作業を行うために必要な許可を含む。)に従わなければならない。
B 日本国政府及び合衆国委員会は、同政府が雇用する契約者が原子炉用物質を製造する過程において、同政府及び同委員会が選定する分析者によるアメリカ合衆国における分析のため試料を取り出す時点について合意するものとする。その製造された物質の濃縮度は、その分析の結果によって定められる。分析の費用は、日本国政府及び合衆国委員会が均等に分担するものとする。その原子炉用物質の量については、同物質を製造した契約者が日本国政府及び合衆国委員会に証明するものとする。
C 日本国政府が雇用した契約者が前記の原子炉のための原子炉用物質の製造を完了したときは、同契約者は、同政府及び合衆国委員会に対する30日の予告の後、同物質を同委員会が同政府と協議の上指定するアメリカ合衆国内の積出港に送付しなければならない。その場合、合衆 国委員会は、指定港におけるその原子炉用物質の日本国政府への引渡のたゆ及び輸出の実施のため必要な措置を執るものとする。合衆国委員会は、その原子炉用物質をその契約者から日本国へ積み出す費用については、責任を負わない。
D 前記の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの輸出地における日本国政府による受領は、適当な受領証によって証明されるものとする。日本国政府は、その後は、前記の協力のための協定の規定に基くその濃縮ウランの保全並びに同濃縮ウランのあらゆる喪失及び破壊(原因のいかんを問わない。)について並びに健康及び安全の危険に対する保護措置について全責任を負うものとする。
E 日本国政府は、1960年9月30日までに(別段の合意がある場合を除く。)、かつ、いかなる場合にもこの協定が終了した時に、この協定に基いて同政府が賃借した濃縮ウランを含むすべての原子炉用物質を、適当な放射能的冷却の後、合衆国委員会が受諾する健康及び安全の危険に対する適当な保護措置に従って、同委員会が同政府と協議の上指定するアメリカ合衆国内の到着港に同政府の負担において送付するものとする。その場合、合衆国委員会は、その原子炉用物質を再処理するため受領することに同意しないときは(同意したときは、日本国政府は、合衆国委員会に対しその原子炉用物質を同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状に再処理するための料金を支払い、かつ、同物質を再処理する同委員会の施設への同物質の輸送の費用を支払うことに同意する。)、同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状にアメリカ合衆国において再処理するため日本国政府が雇用する契約者への指定港における同物質の輸入及び引渡に必要な措置を執るものとする。契約者に対する引渡は、合衆国委員会が同契約者について要求する料金及び条件(原子炉用物質を受領し、かつ、アメリカ合衆国において再処理作業を行うために必要な許可を含む。)に従わなければならない。合衆国委員会は、その原子炉用物質を日本国からその契約者へ積み出す費用については、責任を負わない。

第 3 条
 日本国政府は、同政府が原子炉用物質を製造するため雇用する契約者が製造する同物質に含まれる同位元素U-235を19.5パーセントから20パーセントまでの間に濃縮したウランの賃借に対し、次に定める料金の合計金額を次に定める時に合衆国通貨で合衆国委員会に支払うものとする。
(a)この協定に基いて賃借される濃縮ウランであって日本国政府が雇用する契約者が製造した原子炉用物質に含まれるものにつき、同物質に最初に含まれている濃縮ウランの価額の年率4パーセントの使用料。その使用料は、その原子炉用物質が日本国政府に引き渡された日から、
(1)同と物質が、アメリカ合衆国に返還され、かつ、合衆国委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状への同物質の再処理及び再処理され潅同物質の同委員会への送付のため同政府が雇用する契約者に引き渡される日又は
(2)同委員会がアメリカ合衆国に返還された同物質を再処理のため受領することに同意した場合は、その再処理が完了した時若しくは同委員会がその再処理のため妥当であると決定する期間が満了した時のいずれか早い時までのものとする。
(b)(1)原子炉用物質に最初に含まれ、かつ、この協定に基いて賃借される濃縮ウランの量及び 濃縮度から決定される価額と(2)アメリカ合衆国に返還される同物質に含まれるウランの量及び濃縮度から決定される価額との差に等しい消耗及び濃縮度低下補償の料金。返還される原子炉用物質に含まれるウランの量及び濃縮度は、同物質がアメリカ合衆国に返還された後妥当な期間内に、日本国政府及び合衆国委員会が選定する分析者がアメリカ合衆国において行う同物質の証明された分析の結果又は合意される他の方法によって決定される。その分析の費用は、日本国政府及び合衆国委員会が均等に分担するものとする。
(c)この条の規定の適用上、日本国政府に引き渡されるそれぞれの量の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの価額は、合衆国委員会が設定した各種の濃縮度の同位元素U-235を含むウランの価額の表であって当該物質が同政府に引き渡された時に実施されているものに従って決定されるものとする。アメリカ合衆国に返還されるそれぞれの量の原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの価額は、当該物質が日本国政府に引き渡された時に同物質に含まれる濃縮ウランに適用された価額の表に従って決定されるものとする。引き渡され又は返還された原子炉用物質に含まれるウランの濃縮度が価額の表中の二の連続した濃縮度の間にあるときは、当該濃縮度に対する価額は、それらの二の濃縮度の間の直線内挿法によって決定されるものとする。
(d)使用料は、年払いとする。消耗料及び濃縮度低下補償料は、日本国政府が前記の証明された分析の結果を受領した日から30日以内に支払われるものとする。合衆国委員会が返還された原子炉用物質を同委員会の仕様に合致する六弗化ウラン又は合意される他の形状に再処理することに同意したときは、同委員会の再処理料及び同物質の到着港から再処理施設への輸送のため生じた同委員会の費用は、同委員会からそれらの料金及び費用の請求書を日本国政府が受領した日の後30日以内に支払われるものとする。

第 4 条
日本国政府は、この協定に基いて賃借する原子炉用物質に含まれる濃縮ウランの生産若しくは製造、所有、賃借又は占有及び使用から生ずる原因のいかんを問わないすべての責任(第三者に対する責任を含む。)について、その濃縮ウランが合衆国委員会から同政府に引き渡された後は、アメリカ合衆国政府及び同委員会に対しその責任を免かれさせ、かつ、損害を与えないようにするものとする


第 5 条
 アメリカ合衆国議会の議員若しくは準州代表又は同国の属領代表は、同国の法律に従い、この協定のいかなる部分にも、また、それから生ずるいかなる利益にも関与し又は参加することができないものと了解される。

第 6 条
 この協定は、日本国がその国内法上の手続に従ってこの協定を承認したことを通知する日本国政府の公文を合衆国委員会が受領した日に効力を生じ、1955年11月14日に署名された原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(将来改正され又はこれに代るものを含む。)の期間が満了し、又は同協定が廃棄されるまで効力を存続する。

 以上の証拠として、この協定の当事者は、正当な権限によりこの協定に署名させた。

 1956年11月23日にワシントンで、日本語及び英語により本書2通を作成した。

日本国政府のために
  谷 正之
アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会のために
  ハロルド・S・ヴァンス
関連記事
スポンサーサイト
2011-04-07 : ・立法過程資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

プロフィール

text2

Author:text2
原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

全記事のリスト表示

全ての記事を表示する

検索フォーム

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

QRコード

QR

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ニュース
592位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
時事
267位
アクセスランキングを見る>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。