東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■16条「必要な援助」国の措置 その12 原子力損害賠償支援機構法成立前のいわゆる「根回し文書」と噂されるもの

■16条「必要な援助」国の措置 その12 原子力損害賠償支援機構法成立前のいわゆる「根回し文書」と噂されるもの


・東京プレスクラブ
http://tokyopressclub.com/

https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=0B1xBQ3bNCL-XNmE3NmJmYzEtNTljZi00ZGQ5LWEyYzYtNTUxNzQ1MGE1M2Qz&hl=ja

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法案修正のポイント

1 原子力損害賠償支援機構法案(「機構法案」)の修正
○国の責任について言及する。【第1条の2を新設】
・閣議決定(6月14日)の「これまで政府と原子力事業者が共同して原子力政策を推進してきた社会的責務を認識しつつ」の趣旨を法案に規定する。

○事後的な政府の支援(第65条)だけでなく、原子力事業者の負担に対して政府が資金支援を行う旨の規定を設ける。【第49条の2を新設】
・特別資金援助に対する政府の援助として、国債の交付だけでなく、エネルギー対策特別会計原子力損害賠償支援勘定から、資金の交付ができることとする。
(注)エネルギー政策特別会計を用いるのは経理区分を明らかにするため。

○原子力損害賠償支援機構(「機構」)が損害賠償を行うこととする。【第51条の2を新設】
・機構が損害賠償の支払代行(第三者弁済)を行うことができることとする。
(注)支払代行であって損害賠償債務を負うものではない。
・東京電力から機構に対して支払代行の委託をさせ、社員を出向させるなどによって、機構を事実上の支払窓口とし、東京電力に事故処理等に専心させる。
・機構には、東京電力の支払部局を移す形で大規模な支払部局を設ける。
・なお、機構は円滑な損害賠償の支払のため地方公共団体等に事情提供を求めることができる旨を規定する。

2 平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案(「仮払法案」)の修正
○国の仮払金の支払事務を、機構に委託できることとする。【第8条の修正】
・機構に対して支払事務を委託し、支払代行とともに行わせる。
 (注)機構が支払代行を行うとしても、事故が収束するまで最終的な損害賠償額が確定せず支払代行ができないため、仮払金の支払が必要である。
・機構が仮払金の支払と支払代行を合わせて行えば、次のメリットがある。
 ・仮払金の支払後の国と東京電力の間の精算が容易になる。
 ・損害賠償の支払に際して仮払金の支払の際に得た情報(家族構成等)を用いることが可能となり、損害賠償の支払の迅速化につながる。

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機構法案において、修正が許されないポイント

1 原子力損害賠償支援機構(「機構」)に、東京電力に対する支援について勘定区分を設けること
○東京電力に対する支援について勘定区分を設ける場合、会計上、東京電力への支援と認められず、債務超過と認定される(破綻する)。
・機構法案では、見積もられる損害賠償の総額を負債(未払費用)として計上する一方、同額以上の資産(機構に対する資金交付請求権)を計上することで、会計上、債務超過とならない仕組みとなっている。
・他電力の一般負担金を、機構が発足する以前の事故である今回の東京電力の支援に充てるのは適当でないとして、東京電力の支援に限って別勘定を設け、今後の支援と区別する(他電力の一般負担金を東京電力への支援及び国庫納付に充てない)との案をとる場合には、この仕組みが認められない。
・勘定区分を設ける場合、東京電力は機構から損害賠償に充てる資金の交付を受けてもその全額について自らが負担金をもって機構に支払う仕組みとなることから、機構から資金の交付は単なる借入れと評価されるため、資金として計上できなくなる。
(注)あるいは東京電力の損害賠償債務を事実上機構に付け替えた(「飛ばした」)と評価される。
・この結果、会計上、損害賠償額を負債として計上する一方、資産がなくなるため債務超過とされる。
・なお、これとは別に、原子力事業者(東京電力)に対する資金援助について、損害賠償に係る資金交付と、設備投資等に係る融資等について勘定区分を設けることは可能である。

2 原子力事業者(東京電力)の損害賠償総額や負担金額にあらかじめ上限を設けること
○損害賠償総額等にあらかじめ上限を設ける場合には、上限以上の損害賠償の支払について国の負担となることが確定する。
・事故が収束する見通しが立っておらず、また、事故が収束してもその後も損害賠償が発生する可能性があるため、損害賠償総額がどの程度の金額となるかは不明である。
・東京電力において、事故収束のための費用、廃炉費用、電力安定供給のための追加費用等がどの程度必要となるかは現時点で明らかではない。また、今後どの程度の利益の確保(電気料金の引上げ)ができるかも明らかではない。
・このような中で、仮に上限額を設けるとしても適切な損害賠償総額等の上限をあらかじめ定めることは困難であり、その金額が低い場合には国民負担が発生する。
・東京電力が徹底した合理化等により、負担できる限りの支払を行うべきものである。
・なお、時間をかければ上限を設けることはできる、原子力事業者の支払う負担金が巨額になる等の場合に政府が補助(資金交付)をおこなうこと(法案65条)とあらかじめ上限を設けることは同じ、との意見もあり得るが、東京電力への支援が急がれる中で、あらかじめ適切な上限額を設けることは困難であり、今後の事故の収束状況等によって、特別負担金の設定において、東京電力に適切な負担を定める、機構法案が適当である。

3 機構に、原子力事業者(東京電力)の損害賠償債務を承継させること
○仕組みによっては、損害賠償総額等に上限を設けることと同じとなる。この場合、上記2の問題がある。
○原子力事業者(東京電力)が損害賠償債務を負担しない場合、特別事業計画で定めた合理化等を実施させる実効性がなくなる。
・原子力事業者(東京電力)が損害賠償債務を負担しないこととなれば、原子力事業者は債務超過を免れ、資金繰り等について民間金融機関に依存することが可能となるため、機構から資金援助を受ける必要がなくなる。
・特別事業計画において合理化案を策定することを条件に、機構が損害賠償債務を承継する仕組みとしても、原子力事業者には合理化案を実施する必要がないため、実効性がない。
・機構案は、原子力事業者の損害賠償の実施状況を勘案しながら資金援助を行う仕組みであるため、合理化案等を実施させる実効性がある。
・なお、機構が損害賠償の支払事務を行うこととすることは問題はない。

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2011-08-10 : ・原子力損害賠償支援機構 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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