東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■立法過程 その4 内定(昭和35年3月)

【立法過程 その4 内定(昭和35年3月)】
原子力災害補償制度の確立について
原 子 力 委 員 会 内 定
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V05/N03/196005V05N03.html
 当委員会は、昭和33年10月29日に「原子力災害補償についての基本方針」を決定したが、その具体策については、さきに原子力災害補償専門部会から答申を受け、検討の結果、下記の内容で原子力災害補償制度を早急に確立する必要があるとの結論に達した。
 なお、原子力事業の従業員の業務上の損害については、別に原子力関係の従業員のための災害補償制度の確立を図ることとした。

1. 目   的
 原子力の核的災害の特異性にかんがみ、原子力損害賠償を保障する制度を確立することにより、万一の場合における第三者の保護を図り、あわせて原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。

2.制度適用範囲
(1)原子力事業者
 本制度の対象となる原子力事業者は、原子炉の設置者のほか、再処理核燃料物質の加工および使用等のうち特に定めるものを行なう者を指すものとする。
(2)原子力損害
 本制度の対象となる原子力損害は、原子力事業側の偶発的事故であると否とをとわず、核燃料物質等の特性により生じた損害とし、一般災害を含まないものとする。

3.原子力損害賠償責任
(1)無過失責任
 原子力損害については、その損害を生ぜしめた原子力事業者が無過失責任を負うものとし、不可抗力性の特に強い特別の場合にのみ免責されるものとする。
(2)責任の限度
 原子力事業者の責任の限度額は、損害賠償措置の金額と国家補償額との合計額とする。
(3)責任の集中
 原子力事業者に、第三者に対する原子力損害についての責任を集中し原子力事業者以外の者は責任を負わないものとする。
(4)求 償 権
 原子力事業者との間で燃料の供給、設備の請負等について直接間接の契約関係にある者の故意によって原子力損害が生じたとき、およびこれらの関係のない者の故意または過失によって原子力損害が生じたときは、原子力事業者はこれらの者に対し求償権を有するものとする。ただし、これらの求償権に関し特約をすることを妨げない。

4.損害陪償措置
(1)損害賠償措置の強制
 原子力事業者による損害賠償の確実な履行を確保するため、一定の損害賠償措置を講じていなければ、原子力事業の操業を行なわしめないこととする。
(2)損害賠償措置の内容
 損害賠償措置は、原子力損害賠償責任保険、供託その他これらに相当する措置によって、現在の段階では1工場または1事業所あたり50億円とし、小規模のものについてはこの金額を低めるものとする。
(3)原子力損害賠償責任保険
 損害賠償措置として認められる責任保険のてん補すべき危険の範囲は原子力事業者の原子力損害賠償責任を可能なかぎりカバーするものとする。

5.国 家 補 償
(1)損害賠償措置の金額までの原子力損害が発生した場合において、損害賠償措置によっては損害賠償が行なわれないときは、政府は原子力事業者に対し、損害賠償に要する金額を交付し、第三者に対し賠償せしめる。
(2)損害賠償措置の金額を超える原子力損害が発生した場合においては、政府は原子力事業者に対し、財政事情の許す範囲内において、その超える部分の金額を交付し、第三者に対し賠償せしめる
(3)補 償 料
 原子力事業者は、一定の基準による補償料を政府に対し納付するものとする。
(4)政府の返還請求権
(1)、(2)の場合には、原子力損害の発生について原子力事業者に故意があるときにのみ、政府は返還請求権を有するものとする。
(5)国家補償の適用期間
 国家補償は、昭和46年末までに事業の許可を受けた原子力事業者に対して適用する。

6.原子力損害賠償処理機関
 原子力損害が生じた場合には、特別の賠償処理機関を設置して、原子力損害の調査を行なうほか、国家補償の場合にあっては原子力損害の評価および原子力損害賠償に関する紛争の処理を行ない、原子力損害賠償責任保険により損害賠償が行なわれる場合にあっては保険のてん補すべき額に関し裁定する等、第三者に対する損害賠償が公正かつ迅速に行なわれるよう配慮するものとする。
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2011-04-07 : ・立法過程資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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