東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■3条1項但書の「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるとき」とは その14 「社会的動乱」とは

■3条1項但書の「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるとき」とは その14 「社会的動乱」とは


 まず,条文の読み方としては,「異常に巨大な天災地変」又は「社会的動乱」が素直な読み方であって,「異常に巨大な天災地変」又は「異常に巨大な社会的動乱」という前提ではないだろう。OECDのパリ条約を見ても「a grave natural disaster of an exceptional character」がひとかたまりで,an act of armed conflict, hostilities, civil war, insurrectionと並列で扱われている。


 「社会的動乱」の意味,解釈については,以下の通り。

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●ジュリスト1961年10月15日号17頁(No.236)【特集】原子力損害補償 原子力災害補償をめぐって(座談会)我妻栄,鈴木竹雄,加藤一郎,井上亮,福田勝治,堀井清章,長崎正造,杉村敬一郎

井上 なおこの「社会的動乱」という言葉は,一応戦乱と内乱だけを考えています。これは専門部会でも大体そういう御意見でありました。

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●昭和37年9月10日初版 科学技術庁原子力局監修「原子力損害賠償制度」46頁
(9)社会的動乱も、質的、量的に異常に巨大な天災地変に相当する社会的事件であることを要する。戦争、海外からの武力攻撃、内乱等がこれに該当するが、局地的な暴動、蜂起等はこれに含まれないと考えられる。

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●38-衆-科学技術振興対策特別委…-9号 昭和36年04月12日
昭和三十六年四月十二日(水曜日)
   午後一時三十三分開議

○齋藤(憲)委員 それでは、その次に一つお尋ねを申し上げておきたいのでございますが、それは、第三条第一項のただし書きでございます。「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない。」すなわち、異常に巨大な天災地変または社会的動乱によって生じたところの、原子炉の運転等の際に起こった損害に対しては賠償の責めを負わないでよろしい、こういうふうに規定されておるのでございますが、異常に巨大な天災地変というものは、一体どういうことを意味しておるのか、また、社会的動乱によって損害の賠償が免除されるということは、一体どういうことを意味するのか、これを一つ具体的に御説明をお願いいたしたいと思います。
○池田(正)国務大臣 異常な事態と申しますと、大地震でありますとか、たとえば、関東大震災といったような場合、あるいは大震災以上のもの。また、社会的な動乱とは、どういう表現をしたらいいですか、国家的に重大な不幸な事態とでもいいましょうか、われわれが予測されないような重大な不幸な事態が起こった場合、こういうふうに私どもは解釈いたしております。

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●55-衆-内閣委員会-6号 昭和42年05月12日
昭和四十二年五月十二日(金曜日)
    午前十時三十六分開議

○大出委員 社会的動乱、それから異常な天災地変とは、たとえばどういうものをさすのですか。
○村田政府委員 これはいわば国全体が非常に大きな天災地変、先ほどお話がございましたが、大地震であるとかそういうことのためにいろいろ災害が生じましたときには、現在国あるいは地方自治体がいろいろめんどう見ることをいたしておりますが、国として、直接この原子力損害とかなんとかということにかかわらず、当然国民を守るために何らかの措置をしなくちゃならぬようなそういう事態をさしておるということであります。社会的動乱というのは、このことばだけではっきりしませんが、たとえば戦乱の中に巻き込まれるというようなことも含まれるものと思います。

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●65-衆-科学技術振興対策特別委…-4号 昭和46年02月26日
昭和四十六年二月二十六日(金曜日)
    午後三時二十分開議

○近江委員 それから、損害賠償責任の集中の問題ですが、この原子力船にかかる場合をお聞きしたいと思うのですけれども、この原子力船における「異常に巨大な天変地変又は社会的動乱」というのは、具体的にどういうことをさすのですか。
○梅澤政府委員 原子力船にかかわります損害賠償責任の免責につきましては、原子力船が戦争あるいは内乱等に巻き込まれた場合は該当いたします。ただ、陸上の炉の場合には、いわば大地震とかいう場合の免責のことがございますが、船の場合には、津波、台風、たつまき等に遭遇した場合、大体これは国際関係から見まして、普通の場合、異常という形になりません。もちろん、とんでもない異常に巨大な天災ということがあり得るかもしれませんが、現在のところでは、そういうものは異常の範囲内には入らないというふうに考えております。

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●第3回原子力損害賠償制度専門部会議事要旨(案)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/songai/siryo/siryo04/siryo1.htm
1.日時     平成10年9月11日(金)
         午前10:00~12:00
2.場所     科学技術庁 第7会議室(通産省別館9階)

(事務局)社会的動乱とは戦争、内乱等をいい、異常に巨大な天災地変とは別概念である。

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だいたい「社会的動乱」とは,戦争又は内乱等ということだろう。

・「戦争」は交戦状態に入るだろうから,その状態からある程度明白かもしれない。

・「内乱」は,行為者の主観の問題や,暴動等の程度の問題があって,曖昧である。
 刑法77条では,「国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する」とあり,ここでいう「内乱」にもこの刑法の内乱罪のような目的が必要か否か。
 また「原子力損害賠償制度」初版46頁では,前記のように「局地的な暴動、蜂起等はこれに含まれない」とあるが,内乱目的で原発1サイトを狙うテロなどは,局地的ともいえるので,その場合はどうなるのか。


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2011-08-04 : ■3条1項但書「異常に巨大な天災地変」 免責規定 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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