東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・設置関係資料 その14 原子力施設事故・故障分析評価検討会

・設置関係資料 その14 原子力施設事故・故障分析評価検討会

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110716-OYT1T00168.htm

原発の電源喪失、安全委93年に検討…公表せず

東京電力の福島第一原子力発電所事故の原因となった全交流電源喪失について、国の原子力安全委員会の作業部会が1993年に国内の原発の実態を検討し、「原子炉が重大な事態に至る可能性は低い」とする報告書をまとめていたことが15日、明らかになった。

 同日開かれた内閣府の原子力安全委員会の安全設計審査指針等検討小委員会で、同委員会が報告した。報告書は、原子力施設事故・故障分析評価検討会の全交流電源喪失事象検討ワーキンググループがまとめた。メンバーは5人の専門委員のほか日本原子力研究所、東京電力、関西電力からの各1人。同報告書の存在を含め、当時は作業部会で検討した事実すら公表されなかった。
(2011年7月16日08時51分 読売新聞)

-------------------------------
http://www.nsc.go.jp/info/20110713_dis.pdf

原子力発電所における全交流電源喪失事象について

平成5年6月11日

原子力施設事故・故障分析評価検討会
全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループ

一 目 次 一
1.まえがき
2.国外における全交流電源喪失事象(SBO)の位置付けと現状等について
 2.1国外のSBOの規制上の位置付け及び取り扱いとプラント設計の現状
 2.2国外の交流電源喪失事例等
 2.3国外のSBO等に対する信頼性評価
3.我が国におけるSBOの位置付けと現状等について
 3.1SBOの規制上の位置付け及び取り扱い
 3.2SBOに対するプラント設計の現状
 3,3プラントの運転管理実施状況
 3.4交流電源喪失事例等
 3.5SBO等に対する信頼性評価
4.SBOに対する指針及び安全確保対策の評価
5.結論
 5.1調査結果のまとめ
 5.2SBOに関する今後の課題
6.添付図表


1.まえがき
 全交流電源喪失事象(Station Blackout,以下「SBO」という。)とは、「外部交流電源喪失と同時に所内非常用交流電源が喪失する事象」をいう。(注)
 即ち、SBOは、外部電源がすべて喪失し、かつ非常用ディーゼル発電機(Emergency Diesel Generator,以下「EDG」という。)の全数起動失敗等により発生する複合事象であり、その発生頻度は非常に低いと考えられる。
 この万一のSBOの発生に備えて、原子カプラントは、短時間のSBOの発生に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できるよう設計されている。しかし、仮に短時間で交流電源が復旧できずSBOが長時間に及ぶ場合には、非常用蓄電池の枯渇による運転監視・制御機能等が失われ炉心の冷却等が維持できなくなることから、炉心の損傷等の重大な結果に至る可能性が生じると考えられる。なお、近年、SBOのような発生頻度が非常に低いと考えられる事象を含む課定し得るすべての事故シナリオを対象として、炉心損傷等の可能性を定量的に扮析・評価する確率論的安全評価(以下「PSA」という。)が多くの国で行われている。
 本ワーキンググルーブでは、①海外においては、短時間(調査した範囲では最長36分)ではあるがSBO事例が報告されていること、②米国の代表的な原子カプラントのPSAの結果によるとSBOが炉心損傷の主要な寄与要因となる原子カプラントがあることが報告されていること、更に、③近年、米国でSBOに対する規制措置がとられていること等に鑑み、SBOに関して国内外の原子カプラントについて規制上の要求事項、事故故障事例の調査等を行い、主にこれらの現状について以下のとおり取りまとめた。(本ワーキンググループの構成員等は別紙の通り)

(注)我が国の「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」では、全交流動力電源喪失事象とされている。     ・


<略>


4.SBOに対する指針及び安全確保対策の評価
(1)安全設計審査指針に関して
我が国の原子力プラントの電源設備は.安全設計審査指針に基づき高い信頼性と冗長性 及砂短時固の全交流電源喪失に対する原子炉の安全性確保等が求められている。一方、 我が国の原子力プラントの運転実績は約300炉年に達しており、この間、電源設備が十分に高い信頼性を達成してきているぶどうかを評価することは有用であり、このため各電源系統の信頼性、電源設備で発生しだ障害とそのプラントへの影響及び全交流電源が喪失した場合の原子炉の耐久能力を評価した。
①我が国の原子力発電所においては、これまでにSBOの事例は生じていない。なお、国 外において発生した主なSBO事例として、米国の軽水炉において発生した3件の事例 .について調査した。これらの事例からの我が国の原子力発電所への反映事項としては、 設計や運転管理の状況が必ずしも同じでないことから直接的に比較して検討することは 困難であるが、一般的涯教訓事項として、①ヒューマンエラー対策(運転員の教育訓練等)の重要性く及び②電源設備を含あた原子炉施設の安全を確保するための施設に対する原子炉停止時の適切な点検及び保守計画の重要性等についで再認識すぺきであると考えられる。
②外部電源喪失頻度について、我が国の実績は約0.01/炉年で、米国の実績約0.1/サイト年に比ぺ1桁程度低い。我が国の実績は、全て発電所外の送電線路に原因するもので、この送電線路の原因による発生率は米国とほぼ同じであるが、栄国では発電所内の原因による発生事例が多いため低い信頼性となっている。
③外部電源喪失時の復旧性能について、我が国の原子力プラントの外部電源喪失の実績データが少ないことを考慮し、ここでは原子力プラントに係静る事例に限定せず広く薮が国の2回線送電線路の復旧性能を評価し、米国の原子力プラントの実績に基づく評価値と参考までに比較した。その緒果、我が国の復旧性能ぽ全般的に良好であり、例えば復旧性能の指標としての8時間復旧失敗確率は我が国では約10-3で、米国の最も信頼性の高いクラスタの場合の10"2に比ぺても信頼性は高い。この比較ほ、概括的な比較であって相違理由についての正確な評価は困難であるが、我が国の艮好族築績は、恐らく送電線路の構成等の相違によるものと推測される。な蔚、我が国の原子力プラントの実績では、すぺて30分以内に復旧しているが、米国では復旧に量大19時間(1989年までの統計)を要した事例がある。
④EDGの起動の失敗確率にっいて、我が国の鼓近1ロ年間の実績は、約5.5×10-4/demandで、これは米国の実績約2×10'2/demandに比べて信頼性が高く、各種信頼性向上対策の結果と評価される。今後は、EDGの起助時の信頼性と起動後の運転継続信頼性についてのデータをそれぞれ分離しつつ収集一整理し、故障の分祈やPSAに反映していくことが望まれる。
⑤非常用直流電源(非常用蓄電池等)は万一のSBO時に特に重要であり、我が国の原子力プラントにおいて非常用誓電油の容量は5時間以上'(負荷の一部切り離しペース)である。非常用直流電源設備の信頼性について、我が国ではこれまでのところ蓄電池性能の劣化も含境機能の喪失事例は経験していない。従って、非常用直流電源設備の信頼性は高く維持されて亦ると考えられるが、引続き国外の事例等を収集整理し、これから得られる教訓を基に信頼性の確保に努めることが望まれる。なお、米国挺蠢いては非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例が報告されている。また、非常用蓄電池の容量は、例えばSurryにおいて、負荷の一部切り離しを行った場合寧駐4時間と評価されている。
⑥このように我が国の外部電源系統、EDG及び非常用直流電源設備の信頼性は良好であるが、更に万一のSBOを仮定した場合の原子炉の耐久能力を評価した。即ち、原子炉の耐久能力は既に手順化きれている対応操作により、蓄電池負荷の一部の切り離しを行う等により、5時間以上と評価される.試みに、米国のRG1.155に基づいて我が国のプラントの米国の新しい規制に対する適合性を評価した場合、EDGの信頼性及び発電所周囲の気象条件について我が国におけるそれらの特性を勘案すると耐久能力の時間は全てのプラントで4時間となり、これに対し我が国の代表的なプラントのSBOに対する原子炉の耐久能力は、既に手順花されている蓄電池負荷の一部の切り離しを行う等の対応操作により、約5時間以上と評価されることから、米国NRCのSBO規則に対する条件を満たしている。これらのことから、我が国のプラントのSBOに対する耐久能力は良好であると言える。
⑦我が国の代表的プラントについて行ったPSA緒果(内的事象のみを起因事象とした。)によれば、全炉心損傷頻度は小さく、SBOによる炉心損傷頻度白体も小さい。なおPWR及びBWR-3では、 SBOは炉心損傷に寄与する主要因で睦旗く、一方BWR- 4/5では、PWR及びBWR-3に比ぺその寄与割合は高いものの、 SBOによる炉心損傷頻度それ自体は小さい。
⑧主要諸外国においては、外部電源及び非常用所内電源の設置等について我国とほぼ同様な規制上の要求となっている。また、主要諸外国におげるSBOに対する規制上の要求については、米国及び仏国がSBO(長時間のSBOを含む)に対して規制上の要求を行っている。英国及び独国は、我国とほぼ同椴な規制上の要求となっている。

(2)安全評価審査指針に関して
上記「4.(1)」のように、我が国のプラントの電源系統の信頼性は現状において高く、また信頼性の維持・向上に努力が払われている。SBOの発生確率は小さい。また、万一のSBOに対しても短時間で外部電源等の復旧が期待できるので原子炉が重大な事態に至る可能性は低いと考えられる

(3)安全性の一層の向上に関して
①我が国のプラントのSBOに対する安全性の現状は、良好な運転一保守管理等に基づくものであり、これを継続していく努力が必要である。さらに、安全性を向上していくためには、運転員が手順書に習熟していくことはもちろんのこととして、今後新たな知見が得られた場合には、これを適切に設計・運転・保守管理、手順書等に反映していく努力が必要である
②国内の代表的プラントのPSAの緒果によれぱ、SBOによる炉心損傷頻度は特段高くはなっていないが、原子力安全委員会としてはシビアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントの奨励を決定しているところであり、個別プラントのPSAによりSBOによる炉心損傷頻度の検討を行うとともに、より一層効果的なアクシデントマネージメント等の整備に向けて、その検討に努めていくことが重要である。
③近年、海外のプラントにおいて原子炉停止時に非常用所内交流電源が喪失した事例も生じていること及び定期点検時の機器の分解点検等により安全系等の系統・機器の冗長性が失静れる可能性があることから、原子炉停止時の運転管理等については、十分に注意を払うことが肝要である。なお原子炉停止時のPSAにおいて、今後その検討が望まれる。

5 結論
5.1 調査結果のまとめ
全交流電源喪失事象について、これまでの我が国の原子カプラントの運転実績等に基づき、また国外の報告等を参考とし、調査した結果は以下のとおりである。
①我が国の原子力プラントにおいては、これまでにSBOの事例は生じていない。なお、国外において発生した主なSBO事例として、米国の軽水炉において発生した3件の事例について調査した。これらの事例からの我が国の原子力プラントへの反映事項としては、設計や運転管理の状況が必ずしも同じでないことから直接的に比較して検討することは困難であるが、一般的な教馴事項として、①ヒューマンエラー対策(運転員の教育訓練等)の重要性、及び②電源設備を含萄た原子炉施設の安全を確保するための施設に対する原子炉停止時の適切な点検及び保守の計画の重要性等について再認議すべきであると考えられる。
②我が国の外部電源喪失頻度は約0.01/炉年と低く、また外部電源復旧時間もこれまでの原子力プラントにおける事例はすぺて30分以内である。これば米国の外部電源喪失頻度が約0.1/サイト年、及び外部電源復旧時間が中央値で約30分、最長で約19時間(1989年までの統計)であるのと比ぺ信頼性は高い。
③EDGの起動失敗確率について、我が国の最近10年間の実績は、約6x10-4/demandであり、米国の実績約2x10-2/demandに比べ、我が国のEDGの信頼性は高い。
④直流電源(非常用蓄電池等)は万一のSBO時に特に重要である。我が国の原子力プラントにおいて非常用蓄電池の容量は5時間以上(負荷の一部切り離しベース)である。また、これまでのところ非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例はなく、信頼性は高く維持されていると考えられる。なお、米国においては非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例が報告されている。まだ、非常用蓄電池の容量は、例えSurryおいて、負荷の一部切り離しを行った場合には4時間と評価されている。
⑤このように我が国の外部電源系統、EDG及び非常用直流電源系の非常用蓄電池等の信頼性は良好でありSBOの発生は起こりにくいと考えられる。なお、万一に備え指針で要求されている2回線の送電線と独立した送電系統がら非常用電源系に電力供給可能な設計や隣接の原子力プラントからの電力供給可能な設計がされて恥る原子力プラントもある。
⑥SBO時の耐久能力については、試みに米国のRG1.155に基づいて我が国の原子力プラントを評価した場合、耐久能力の要求時間は4時間となり、これに対し我が国の代表的な原子力プラントのSBOに対する原子炉の耐久能力は、既に手順化されている蓄電池負荷の一部の切り離し等の対応操作により、5時間以上と評価されることから、米国NRCのSBO規則に対する条件を満たしている。
⑦我が国の代表的な原子力プラントについて行った内的事象のみを起因事象としたPSA結果によれは、SBOによる炉心損傷発生頻度は低く、参考として米国NRCがNUREG1032の申で示している10-5/炉年以下の目標値と比較しても低い。また、これを含めた全炉心損傷発生頻度も低い。
⑧主要諸外国におけるSBOに対する規制上の要求にっいては、米国及び仏国がSBO(長時間のSBOを含む)は対して規制上の要求を行っている。英国及び独国は、我が国とほぼ同様な規制上の要求となっでいる。
5.2 SBOに関する今後の課題
現在の良好な運転管理、保守管理及び余裕をもった設計等を継続することに加えて、安全性のより一層の向上のため、次のような措置を講ずることが望まれる
我が国の原子力プラントのSBOに対する安全性を更に向上していくためには、運転員が手順書に十分習熟した状態を維持して担くことはもちろんのこととして、今後新たな知見が得られた場合には、これを適切に設計・通転・保守管理、手順書等に反映していく努力が必要である
②国内の代表的な原子力プラントのPSAの結果からはSBOによる炉心損傷頻度は、特段高くはなっていないが、個別プラントのPSAによりSBOによる炉心損傷頻度の検討等を行うとともに、より一層効果的なアクシデントマネージメント等の整備に向けて、その検討に努めていくことが必要である。
③現状の我が国の原子力プラントの良好な運転・保守管理等を維持し、更にPSAの際には我が国の原子力プラントに対する各種データを収集することが重要なことに鑑み、今後は、EDGの起動時の信頼性及び起動後の運転継続信頼性等についてのデータを収集・整理し、故障率の分析やPSAへの反映・検討が行われることが望まれる。

-----
別紙
[検討の経緯]
 原子力施設事故・故障分析検討会は、平威3年4月23日に開催された第7回検討会において、全交流電源喪失事象に関して国内外の原子力プラントについて規制上の取扱い、事故故障事例等の調査を行うため、下記の構成員からなる、全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループを設置した。
 本ワーキングーグループは、平成3年10月22日に第五回ワーキングーグループを開催し、調査を行ってきた結果、平成5年6月11日の第12回ワーキング・グループにおいて結論を得た。

ワーキング・グループの構成員
(専門委員)
竹越 尹  (主査)前電力中央研究所
相沢 清人 動力炉・核燃料開発事業団
川崎 稔 (財)放射線照射振興協会(平成3年当時、日本原子力研究所)
竹村 数男 東京商船大学名誉教授
生田目 健 日本原子力研究所

(部外協力者)
及川哲邦  日本原子力研究所.
■■■■  東京電力㈱
■■■■  関西電力㈱(平威4年6月まで)
■■■■  関西電力㈱(平成4年7月より)
[黒塗り]





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