東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・事故後の国会審議 その1 清水参考人

・事故後の国会審議 その1 清水参考人

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177-参-予算委員会-11号 平成23年04月18日

平成二十三年四月十八日(月曜日)
   午前九時五十分開会

〈略〉

○加藤修一君 いずれにしても、会議は踊るという話で、様々な組織をつくり上げておりますけれども、それ以前に、四百名を超える国会議員がいる民主党が議員立法も含めてしっかり国会に提示をするというのが大きな私は役割であると思っていますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 それでは次に、今日は清水東電社長が来ておりますので、原賠法、この関係も含めていわゆる補償問題、これをどうするかというのは極めて喫緊の大きな課題でありますけれども、仮払いのお話が伝わってきております。ただ、これ風評被害、農業、水産業を含めて大変な風評被害でございますが、この農業者、漁業者に対していかなる責任を果たすのかと。私が知っている範囲では全く補償というのがないというふうにとらえておりますが、枝野官房長官の発言には第一義的に責任は東電にあると、このように発言されております。今の件についてはどのようにお考えでしょうか。

○参考人(清水正孝君) 清水でございます。
 損害賠償の件につきましては、大変広範囲に多くの被災者の方々から補償金の御要請をいただいているということは承知しております。私どもの最も基本とすべき方針といいますのは、国の御支援を賜りながら、原子力損害賠償制度の下で公正かつ迅速に行っていくということだろうと思います。したがいまして、原子力損害賠償制度の下での紛争審査会の判定指針等に基づいて公正かつ迅速にやっていきたいというのを私どもの基本的な考え方といたしております。
 以上でございます。

○加藤修一君 風評被害等についてはどういうお考えをお持ちでしょうか。

○参考人(清水正孝君) これは、今申し上げましたような判定指針、どこの範囲まで、どこの対象までということで御審議いただいた上で私どもは対応してまいりたいと、このように考えております。

○加藤修一君 福島第一原子力発電所の保安規定、これだけの厚さがあるんですね。両面書かれています。相当の分厚い保安規定が書かれておりますけれども、この中に社長の役割が書かれております。社長は原子力安全を最優先に位置付けというふうに書かれておりますけれども、これに照らし合わせて現在の心境を実はお聞きしたいわけでありますけれども、さらにフクシマフィフティー、命懸けの従事者というふうに世界的に有名になってしまいましたが、こういうことを含めて、私は人災的な面も当然あると理解しておりますけれども、最終責任の収め方としてはどのようにお考えでしょうか。

○参考人(清水正孝君) 今回の事象は、想定をはるかに超える津波の襲来によりまして、結果として今回の事故を引き起こしてしまいましたことにつきましては、原子力発電所の保安活動全体を統括する責任ある立場として大変重く受け止めております。大変申し訳なく思っているところでございます。
 また、事態の収束に向けまして使命感を持って全力で取り組んでいる皆様方、これには私どもは心から感謝も申し上げたいし、また一方で、社員に関しては大変誇りにも思っているというのが私の率直の気持ちでございます。
 また、事故の原因等につきましては、まだ今事態を収束に向けて取り組んでいるところでございますので、今後、外部の方々も入れた事故調査委員会等々でしっかりと検証した上で、その原因あるいはその責任をしっかりと確認してまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。

○加藤修一君 我が国の政府の成長戦略には原発輸出の件が出ておりますけれども、東電さんとしては、今後、原発の輸出にどういうポジション、スタンスで臨んでいく予定ですか。

○参考人(清水正孝君) お答え申し上げます。
 今は、こういう状態の中で、一刻も早い事態の収拾に向け、安定化に向けて全力を挙げて取り組んでいるところでございます。したがいまして、私どもの経営資源はやはり国内に向けるということを基本といたしたいと思います。お話がございました原子力プラント等の海外輸出等も含めて、これからの海外戦略は見直さざるを得ないだろうと考えております。
 以上でございます。

○加藤修一君 先ほどフクシマフィフティーの話、申し上げましたけれども、巷間伝わってくるところによりますと、現在命懸けでやっているわけでありますけれども、寝る場所が狭かったり食事が二回ぐらいしか食べられなかったりとか、かなり我々が想像すると極めて悪い労働環境の中でやられているように思いますけれども、この原発災害の従事者への健康管理あるいは放射線量の管理の実際についてはしっかりやっていかなければ当然いけないわけでありますけれども、その辺のオペレーションとしてはどういうふうに今やっていられるのか。

○参考人(清水正孝君) お答えいたします。
 まず、基本的に私どもは、健康管理あるいは人身安全というものを最も大事な取組として、現場第一線まで徹底し管理をいたしているところでございます。
 今回、福島第一におきまして緊急時の大変厳しい状況が続いているわけでございますが、社員以外の方々、私どもの社員以外の方々ももう社員とは一切区別はしない。例えば、免震棟という施設がございますが、そこで昼夜も共にし、防護服あるいは食事、さらに医師の診断等々の実施を当社よりさせていただいております。
 ということで、様々な厳しい現場の状況が続く中で、社員あるいは協力会社の方々を含め、しっかりとした安全管理、健康管理にこれからも取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。

〈略〉

○大門実紀史君 東京電力の清水社長に伺います。
 私はあなたの四月十三日の記者会見をインターネットで見て大変頭にきました。あなたは記者会見で、津波対策はしかるべき基準に従ってやってきたと、つまり土木学会の指標ですね、しかるべき基準でやってきたんだと、ただ、今回のような事故が起きたので津波対策の基準は今後見直されるべきだろうと、まるで人ごとのような、東電には責任がないかのようなことを言っておられます。謝罪についても、福島県民や国民に多大な迷惑を掛けたというおわびはあるんですけれども、事故を起こしたことに対する責任は一切明言されないで、その点での謝罪がございません。
 我が党は、あるいは市民団体の方々がもう何年も前から再三にわたって、あるいは東京電力に直接申入れをして今回のような事故が起きる危険性について指摘をしてきたわけですが、東京電力は一切耳を傾けなかったわけでございますし、その土木学会の想定した津波の高さというのは最低基準で、しかも甘い基準でございまして、東京電力はただそれをよしとして、いろんな知見に耳を傾けずに対策を怠ってきたというところに今回の原因があるわけですから、まず、その津波対策が怠ってきた、事故を東電自身が起こしたという責任をはっきりと認めるべきではありませんか。

○参考人(清水正孝君) 今回の福島第一原子力の事故に関しましては、これから徹底した検証、委員会において分析をしてまいるつもりでございますが、津波に関して申し上げますと、これまで、十四、五メーターという今回の津波の大きさというのはこれは想定はできませんでした。残念ながら、そういう意味での想定は甘かったと言わざるを得ないと思います。
 これまでの私どもの津波に対する対策としましては、当初、一九六〇年のチリ津波を基にした基準に基づいて対策を打ってまいりましたが、その後、平成十四年に土木学会から示された新しい基準に基づいてポンプのかさ上げ等々の手を打ってまいりました。この現状で推移してまいりましたが、先ほど申し上げましたように、これまでのまれに見る大きな津波による影響が、による原因、それがどこにあるのかということについては、徹底した分析をこれからしていきたいと思っております。
 それから、おわびという件がございました。これは私の本当に心からの気持ちとして、御心配、御迷惑をお掛け申し上げたということについては改めて私からおわびの言葉を申し上げさせていただきたいと思います。

○大門実紀史君 あなた、お分かりになっていないんだけど、東京電力があんな低い津波しか想定していなかったと。それに対する自己批判、きちっとした責任と謝罪がないと、またやるんですよ。またどこかの甘い物差しをそのままやってきただけだと、うちの責任じゃないというふうになるんですよ。
 幾つも、あなた、東京電力には、特に我が党の福島県委員会は現地から直接何度も、福島には起こり得る可能性があると、このままじゃ駄目だということを再三指摘してきているわけだから、そういう言い方はないんじゃないか。どこかの基準の問題というわけに済まないだろうが。あなたたちがそれを聞かなかったから起きたんじゃないですか。はっきりしてください。その責任を認めるべきじゃないか。何を言っているんだ、今ごろになって。

○参考人(清水正孝君) 今申し上げましたとおり、これからの想定される事件にどういう対応をするかというのは、今回の事故分析によってしっかりと検証した上で対策を立ててまいりたいと、このように考えております。

○大門実紀史君 総理、国会での議論もありました。甘い想定でこんな事態を起こしたんだから、その想定の仕方、その程度だったことにやっぱり責任があると、これはもう人災に近いということを国会でも議論があったわけですけど、一向に分かってないですよ、あの人。
 総理、いかがですか。いいんですか、あんなので。

○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の事故の原因、もちろんある段階で徹底的な検証が必要でありますが、少なくとも地震によって原子炉本体が停止をする、あるいは外部電源が途絶をする、ここまではあり得るという認識の下で、その場合には非常用電源、ディーゼルが稼働して冷却機能は維持されるというのが基本的な形であると認識をいたしておりました。その非常電源のディーゼルがそれまでの考えられていた津波の上限をはるかに超えてきたがために電源がダウンしたということは、やはりどこかにそういった予想なり予測の甘さがあり、それが一つの原因になったということは私は免れないことだと、このように考えておりまして、広い意味で政府もそういったことを十分に事前にチェックできなかったことについてはおわびを申し上げたいと思います。

○大門実紀史君 東京電力というのは事故後の対応も責任重大なんです。
 資料をお配りいたしましたけれども、今日も若干議論がありましたが、要するに、いろんな知見があるんですけれども、これは我が党の吉井英勝衆議院議員が衆議院で海江田大臣、保安院に指摘したときに使った報告でございますが、原子力安全基盤機構が昨年の十月に、全電源が喪失した場合どうなるかということを出して報告を既にしているわけでございます。要するに、全電源が喪失したら、十六・五時間後には格納容器の熱が上がり過ぎて破損が起きて放射性物質が外部に流出するということがあるわけでございます。
 こういう知見について東京電力は全く承知をしないままに全電源が喪失した後の対応をぐだぐだぐだぐだやっているんですね。で、結局、三月十二日の十五時三十六分には一号機で水素爆発が起きたわけでございます。ようやく三月十二日の二十時五分になって海江田大臣が東電に海水の注入などを命令されて、二十時二十分に一号機に海水の注入が開始されるという経過でございまして、なぜもっと早く海水の注入が、政府に命令される前に東電自身がやらなかったのかと。これもしやっていたら、もっと早くですね、爆発は起こらなかったかもしれないし、これだけ放射能汚染を広げて福島の皆さんにこれだけの苦しみを与えなかったかも分からないわけですね。なぜもっと早く東電は自らの判断で海水の注入をやらなかったんですか。

○参考人(清水正孝君) 原子炉の冷却、注水についてはこれは最優先に進めてきたわけでございます。
 注水に当たりましては、まずは手近な使用可能な水槽の操作あるいはそれによるポンプによる注入というのを優先的にやってきております。同時に、淡水には当然限度があるということから、海水の注入に備えてホースの引き回し等々の準備を並行して進めてまいりました。そういう意味で、大変通信手段等の様々な途絶等の厳しい条件の中にあっても、最善の努力で海水注入をやったと私どもは理解いたしております。
 それと、海水を入れるということに関して言いますと、やはり海水に含まれる不純物によって燃料の冷却の効率が悪くなるとかあるいは非常に腐食が進みやすくなるというようなことは、これは科学的、技術的に分かっていることでございますので、当然その注水の順番というのはまず淡水からしっかりと始めてきたということも併せて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

○大門実紀史君 最善の努力をやっていてなぜ爆発してしまったんですか。何を言っているんだ。効率じゃないでしょう、海水入れたら廃炉にせざるを得ないと、駄目にするのが怖かったんでしょう。そういうことじゃないか。何言っているんだよ。
 ちょっと時間の関係で、もう要するに、元々ふだんから備えもしていない、そして起きたときも廃炉を怖がってなかなか海水を入れない、しかもこういう原子力安全基盤機構が出していた知見さえ知らないと。もう二重に、二重に人災なんです。しかも、政府の対応も、菅総理が自ら認められたように政府の対応も含めてだけれども、特に東電の責任というのは大きいですよ。自覚しなさいよ、ちゃんと。
 ちなみに、総理に伺いますけれども、総理はあれですか、このお示ししました原子力安全基盤機構のこの予測、報告というのは御存じでしたか。


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177-参-予算委員会-12号 平成23年04月25日

平成二十三年四月二十五日(月曜日)
   午後一時一分開会

〈略〉

○小熊慎司君 福島県出身、福島県在住の小熊慎司です。
 質問させていただく前に、今回の震災、原発事故で亡くなられた方々、そして被災をされた方々に深く哀悼の意とお見舞いを申し上げますとともに、そして全国から被災地に向けて様々な、国内外を問わず支援をいただいたことに心よりこの場をお借りして御礼を申し上げる次第であります。
 質問に移らさせていただきます。
 午前中の決算委員会、そしてこの午後の予算委員会でも様々出ておりますけれども、私も地元が会津ということで、昨日は満開の鶴ケ城の桜の下で復興を願うイベントが開催をされ、多くの人が集まり、そして県内外から御支援いただく方々に様々なイベントに協力をしていただきましたが、私の印象をもってすれば、人は多く集まったんですけれども県外ナンバーが少なかった。やはりこれは自粛ムードなのか、それとも原発の事故に対する不安から会津を訪れる人がいなかったのか、これは明確な因果関係は分かりませんが、風評被害というものは、こうした明確に因果関係が表せないものもあるわけです。実際、様々な業種、特に今観光シーズンでありながら、観光業者の方々は、地元の方々は、八割、九割減、中にはもうゼロだと言う人もいます。
 原子力の災害に対する補償はその損害賠償制度によって対応されるということは重々承知をしておりますけれども、その制度に含まれないこうした、やはり原発があったからということで影響を受けている、こうしたものに対する補償、そういった賠償に対して、まず東電の社長にどのようにお考えか、おただしをいたします。

○参考人(清水正孝君) 今お話がありましたように、風評被害を始めとしてこれから極めて広範囲でかつ多くの被害者の方々からの補償というのが行われることになるんだろうと思います。基本的には、今お話ございましたとおり、原子力損害賠償制度の下で国の紛争審査会の指針も踏まえまして公正で迅速に行うというのが基本であります。そのとおりやっていきたいと思いますが、被害者の方々に生じた様々な原子力損害を公正、迅速に補償するには国の御支援も必要だろうと、このように考えております。よろしくお願いいたします。

○小熊慎司君 真意が伝わっていないんですけれども。その被害、受けられた方の範囲はそれでそうなんですよ。そうじゃない、例えば私がいる会津なんてその実害はない部分もある、まあ数値も出ていますけれども、実害がない部分もありますよ。でも、確実にこの原子力事故ということで福島県に訪れる人がいない、そこをどうだということを聞いているんですよ。それは、制度上に救われない人をどうして、確実に経済的損失を受けているから、それに対してどうだということを聞いているんですよ。

○参考人(清水正孝君) やはり申し上げましたとおり、これからの紛争審査会の指針というものにまず基づきまして公正に迅速に対応するというのが基本だろうと考えております。(発言する者あり)

○委員長(前田武志君) 民間の参考人ですから、もう少し穏やかに。

○小熊慎司君 今まさにこの風評被害というものは、安心の部分です。安全は、科学的根拠に基づいて数値を表すものです。しかし、その数値が幾ら正しくても、正確で安全なものでも、安心というものが生まれないのが現実です。
 会津はほとんど数値も出ていません。県内でも、数値出ていないところある。それでも経済的打撃を負っているという現実をどう認識しているかということです。そして、それに対して東電としてどう責任を感じて対処をしていくのか。それは制度上救えないのであれば、企業として最大限地域貢献しますとか、今後会社が存続するかどうかは分かりませんが、これしっかり、どうとらえているかということを質問しているんですよ。
 まして、社長知っているとおり、今この福島県にある猪苗代湖、この水利権をほとんどあなたの会社で持っているんですよ。水力発電所を三つ通った上でやっと会津の人たちの、市民が水道を確保しているんですよ。原発だけじゃないんですよ、あなたたちの会社に尽くしてきたこの福島県というのは。
 そこを踏まえて、その制度を超えて、実際経済的に打撃を受けている人たちに対してどう取り組むんですかということを聞いているんです。もう一度お願いします。

○参考人(清水正孝君) 今先生からお話がありました猪苗代湖等の問題、私どもは、福島県の原子力だけではもちろんなくて、あらゆる電源設備で長年にわたって大変御支援をいただいているというのは重々理解はさせていただいております。
 それで、風評被害等の補償の問題につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、やはり原子力損害賠償制度の下で指針を踏まえて対応するというのが基本だろうと、このように考えております。


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177-衆-予算委員会-21号 平成23年04月29日

平成二十三年四月二十九日(金曜日)
    午前九時開議

〈略〉

○石井(啓)委員 これは単に勉強するだけじゃなくて、しっかりやっていただきたいと思います。
 それでは、続いて、原子力損害賠償について伺います。
 きょうは東京電力の社長さんにもお越しいただいているので、確認をいたします。
 昨日、原子力損害賠償紛争審査会が一次指針を出しました。この中では、政府による避難等の指示に係る損害、政府による航行危険区域設定に係る損害、それから政府等による出荷制限指示に係る損害、この中には自治体による出荷自粛要請も含んでおります、この損害についての基本的な考え方が明らかにされました。
 これに基づいて、従来は避難者のみ仮払いをしておりましたけれども、避難者のみならず、少なくともこの一次指針に該当する商工業者、農家、漁業者に対しては速やかに仮払い補償がなされるものだ、こういうふうに理解をしていますが、そういうことでよろしいんですね。東京電力社長に確認します。

○清水参考人 東京電力の清水でございます。
 冒頭に当たりまして、まず私から、このたびの福島第一原子力発電所における重大な事故によりまして、広く社会の皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけしていることに対しまして、改めて深くおわびを申し上げたいと思います。
 それで、今の先生のお話は、仮払いというお話でございます。
 昨日公表されました紛争審査会の第一次指針を踏まえまして、弊社としましては、損害額の算定や賠償金の支払い方法などについて、御指摘の方法も踏まえまして、今後、検討を行い、対処してまいりたい、このように考えております。
 なお、これから大変広範囲にわたる多くの被害者に対する補償を実施していくということに相なると思いますが、原子力損害賠償制度のもとで、資金面も含めまして、国の御支援もいただきながら、指針を踏まえて公正迅速に対応してまいりたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。

○石井(啓)委員 ぜひ迅速に事業者に対する仮払いも実施をしていただきたいと思います。
 今後、事業者への仮払いを実施しようとする場合、事業者によって損害額が大きく異なりますから、避難者の場合のように一定額とはいきません。例えば東海村ジェー・シー・オー事故の場合は、請求額の半分を仮払いしました。半分ということになるかどうかわかりませんけれども、やはり、私は、請求額の一定割合を支払う、こういうことにすべきだと思っております。
 また、今回の事故の収束までには相当の期間がかかりますので、避難者に対しても事業者に対しても、一回限りではなくて一定期間ごとに仮払いをするべきだ、こういうふうに思います。
 この二点について社長から伺います。

○清水参考人 今お話がございましたジェー・シー・オーの事故では一定割合を支払ったということは、私どもも重々承知いたしております。
 今回の補償につきましては、今申し上げましたとおり、公正迅速に対応させていただくということで、そのためにも資金面も含めて御支援をいただきたいというふうに申し上げましたが、御指摘のお話も含めまして、今後、検討して、対処してまいりたい、このように考えております。

〈略〉

○高橋(千)委員 まず最低限のスタートラインにようやっと立ったと思います。今ある三百万円をやるというための二次補正を当然準備するということです。その上で、この法律がまだまだ不十分であるということを議論していきたいわけですよ。だけれども、今ではまだスタートラインにさえ立てていないということを指摘いたしました。
 私はきょう、実は、個人の住宅だけではなくて、中小の事業所、商店は、一体となって町を復興しなければならないので、対象にするべきだという質問を用意していました。多分、そのこともいろいろ頭にあってそういう答弁になったのかなと思いますが、今ちょっと時間の関係で、要望にとどめます。スタートラインに立ちましたので、続きをまたやらせていただきたいと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 復興構想会議が盛んに青写真を描いている、でも被災者が置き去りにされているのではないか、このことが何よりも心配なんです。町が全部なくなったという議論をよくされる人がいます。でも、決してそんなことはありません。二万六千人近い方が亡くなったり行方不明ですけれども、二万六千人以上があの大津波から救助されているんです。そして、家族や大切な人を失いながらも、地域力を発揮して、自主的な避難所の運営や、港や商店の復興へ歩み出しています。ですから、本当に復興のためには個人補償の積み重ねが必要なんだ、そこでこそ町がよみがえるんだということを指摘しておきたいと思います。きょうは福島の原発の問題をどうしても言いたいので、要望でこの問題はとどめます。
 福島県民にとっては、復興という言葉そのものに傷つけられているわけです。収束の見えない原発事故、新たな避難区域の設定など、先の見えない不安に苦しんでおります。事故が人災であったということは、既にこれまでも我が党の吉井議員の追及などで明らかになってまいりました。繰り返し最悪の事態を警告し、対策を求めてきた福島県の共産党や団体の皆さんが、どれほど怒り、悔しい思いをしているでしょうか。
 私も、二〇〇七年、柏崎刈羽原発の事故があった後に、福島の仲間と一緒に福島第一原発の視察をしました。そのときに吉井議員が指摘をした取水口、海水を取り込む取水口がどうなっているのかとか、活断層の調査はなどと指摘をしたのに対して、よほど大きな地震に備えている、そういう開き直った答弁だったわけです。
 また、東電の繰り返されたデータ改ざん事件、福島原発のシュラウド、これは原子炉圧力容器内部で燃料集合体を収納している隔壁をいうわけですけれども、これがひび割れしていたことがありましたよね。このひび割れを報告すると原発をとめなきゃいけない、そういって黙っていた、定期点検が来るまで黙っていた、そういうことを、私は青森にいましたので、報告書を読んで、本当に怒りに震えて質問したことがございます。原発をとめない、コスト最優先、安全が後回しにされてきた、これは今回の事件も根っこは同じだと思うんです。
 二十キロ圏内で、餓死しそうになっている家畜の殺処分が二十四日に決まったと聞きました。避難先からえさやりに通っていたという養豚業の前田さんが、せめて最後に腹いっぱい食わせてからにしてほしいと声を振り絞ったと二十五日の河北新報が報じていました。
 なぜこんな思いをさせられるのか。原発によって人生を大きく変えられた皆さんに対する心からの謝罪をお願いしたい。既に補償の申し立ては来ている。どのくらいでしょうか。全面的にこたえていくと言っていただきたい。お願いします。

○清水参考人 ただいまの福島県民の方々へのおわびというお話でございますが、今回の事故に関しまして大変大きな御迷惑もおかけしたことを、改めて私からも深くおわびを申し上げたいと思います。
 それから、損害賠償の件でお話がございました。現在、さまざまなお手紙やらお電話で、たくさんのお話をいただいております。内容もさまざまでございます。したがって、正確に何件というのは、ちょっとお許し願いたいと思います。
 ちなみに、先般手続を開始いたしました避難費用の仮払い費用、仮払い補償金というのがございました。この件について申し上げますと、約一万二千件の方々からの請求書をお受けいたしております。
 それから、同じ補償金の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、今後、やはり原子力損害賠償制度のもとで、その指針に沿いまして、公正、迅速に対応してまいりたい、このように考えております。よろしく御理解をお願いいたします。


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177-参-予算委員会-13号 平成23年05月01日

平成二十三年五月一日(日曜日)
   午前八時五十四分開会

〈略〉

○森ゆうこ君 午前に引き続き、質問をさせていただきます。
 本日は、東京電力清水社長においでいただいております。脱原発宣言をすべきではないかと午前中、総理に御質問を申し上げました。そして、今回の事故を契機に私も改めていろんなものを調べまして、やはりこの地震国日本において原発を運転していくということ、営業していくこと、これは余りにもリスクが大き過ぎるというふうに思います。そして、非常に安全である、そしてコストが安いというふうに言われてきた原発でございますけれども、本当にそうだったのか。そうではない。今回のこの事故の収拾のために一体どれだけの費用が掛かるのかも分からない。そういう意味で、企業としても経営判断として、むしろ東京電力さんも脱原発、シフトしていくべきではないかと思います。
 この安全神話、いかにしてつくられたのか。私は、この「知事抹殺」、佐藤栄佐久前福島県知事、先週日曜日に矢も盾もたまらずといいますか、突然お邪魔をいたしまして、二時間ぐらいでしょうか、お話をいろいろ伺ってきました。この原発、元々は推進派であられた佐藤栄佐久さん、それがこの原発の危険性、そして財官学の連携といいますか、原子力村という言葉もございますけれども、その癒着構造の中で非常にこの原発の安全性がゆがめられてきたという問題に改めて驚愕をいたしておりますし、闘ってきたこの佐藤さんが「知事抹殺」ということで、どう考えてもこの裁判はおかしいんですよ、後で法務大臣に見解を聞きたいと思いますが。
 まず、本当に原発は安全だったのか、安全に運行されてきたのかということについて東京電力さんに伺いたいと思うんですけれども、流量計データの不正事件、そして制御棒のひび割れ事件というのがございました。これについてちょっと伺いたいと思いますので、経緯を教えてください。

○参考人(清水正孝君) ただいまの御質問であります制御棒のひび割れ、そして流量計データ不正という問題でございます。お答え申し上げます。
 制御棒、もう御存じのとおり、大変原子炉を止める重要な機器でありますが、しかしながら、二〇〇六年に福島第一原子力発電所の三号、五号、六号、そして柏崎刈羽原子力発電所の二号機、六号機におきましてハフニウム板を使いました制御棒にひびが確認されました。なお、ひびの発生した原因は、中性子の照射によってハフニウム板が伸びまして応力腐食割れが進展してきたものだというふうに考えられます。このようなひびを考慮いたしましても、地震時において止める機能に問題はないということは評価、確認されております。
 また、本事象に関する調査結果につきましては原子力安全・保安院へ御報告もいたしており、保安院からも安全性に問題がないという評価もいただいております。
 その後でありますが、このタイプの制御棒を使用していたいずれのプラント号機も、現在はほかのタイプに制御棒を交換いたしております。
 それからもう一点であります原子力の流量計の件でございます。
 原子炉の給水流量は、原子炉で発生する熱量を算出するために大変重要なデータということであります。しかしながら、これも二〇〇六年に、原子炉への給水を計測する流量計について、メーカーによる据付け前の流量試験においてデータの不正が確認されました。これに対しまして、当社は、当該流量計の製造記録あるいは過去の運転データを評価し、法令上あるいは安全上は問題ないということを確認いたしまして、原子力安全・保安院へも御報告いたしております。
 したがって、当該の流量計は交換いたしておりません。また、当社は不正行為には関与していないということも改めて確認させていただいております。
 経過は以上でございます。

○森ゆうこ君 交換していないんですね。
 皆様のところに資料をお付けをいたしました。図解したものを見ていただきますと、総理は大変お詳しいようですけれども、私は完全に文系ですのでよく分からないながらも、このプラント系統図を見ますと、この流量計がいかに重要なものかは素人でも分かります。つまり、原子炉は冷やさなきゃいけないんでしょう。その冷やす水、それをしっかりと規定どおり流されているのか確認するためのこの流量計、これが試験をするときにデータが不正に改ざんをされている。そして、まだ交換もしていない。全部メーカー任せなんです。東芝ですね。そういう不正が行われて、これは内部告発によって発覚をしたということであります。
 そして、これだけ重大な問題にもかかわらず、原子力保安院、何で厳重注意、これで終わったんですか。

○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 経緯についてはただいま委員御指摘のとおりでございまして、流量計に関しましては、内部告発から始まって、原子力安全・保安院の方におきまして精密な検査等々、原データに当たるなどの調査をした結果、安全性については問題ないと確認したものでございますけれども、内容に関しましては、今御指摘のように厳重注意ということで、その後、再発防止対策、そういったことを求めまして、その実施を確認していくということで処理をしていったものでございます。

○森ゆうこ君 経産大臣、お聞きしたいんですけれども、こういう重要な不正、これは厳重注意で終わっている。これについていかが思われますか。

○国務大臣(海江田万里君) 特に、内部告白がありながらそれを握り潰していたということは大変大きな事柄でございますので、もちろん今そういうことのないようにしっかり指導をしているところでございますが、そういった厳重注意ということだけでは済まされるものではないと思っております。

○森ゆうこ君 亡くなられた中川経済産業大臣がこの問題に非常に怒られて、相当詳しく厳しく調べられていたと。しかし、中川大臣が替わられて直後に、時系列を見ますと、この厳重注意でさらっと終わっている。なぜなのかなという気がいたしますし、この制御棒なんですけれども、図を見ていただくと、ぼろぼろなんですよ、これ。まだ図はこういうふうになっていますけれども、このひび割れ事件の報告書には写真も付いておりますが、大丈夫なんですか。制御棒がちゃんと働かないと緊急停止もできないんじゃないんですか。

○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 当時、制御棒のひび割れに関しまして、私どもと専門家との間での様々な意見交換の結果、一定数値、要は中性子の照射時間、制御棒の使用時間、これを超えますとひび割れが発生するという可能性が高いというふうに推定をいたしまして、したがいまして、その一定数値に至るまではともかくといたしまして、それに近づいて超える場合には制御棒をあらかじめ全挿入ということで、完全に挿入をした状態で運転するように指示をし、そのように電力事業者の方でも対応をしてきたところでございます。

○森ゆうこ君 緊急時に押し込めないわけですよ。なぜかというと、ひびが割れていてめくれていて、突っかかって緊急時に入らないと、そういうことが書いてあります。これが原発の現実でございます。
 それで、このひび割れが確認されて、福島第一原発三号機、何本ひび割れが確認されていて、それは交換しましたか。

○委員長(前田武志君) どなたかな。

○森ゆうこ君 東京電力。

○参考人(清水正孝君) 失礼しました。
 五本でございます。交換いたしております。

○森ゆうこ君 交換した。

○参考人(清水正孝君) はい。

○森ゆうこ君 交換したということですけれども、交換したという報告書、数日前から求めておりますけれども、交換した報告書はどこにあるんですか、原子力安全・保安院。

○政府参考人(寺坂信昭君) 報告書そのものを現に見ているわけではございませんけれども、全てボロンカーバイド方式の制御棒に交換したというふうな報告を受けてございます。

○森ゆうこ君 なぜ報告書がないんでしょうか。

○政府参考人(寺坂信昭君) 失礼いたしました。
 ちょっと報告書を今確認さしてください。

○森ゆうこ君 報告書、何日も前からお願いしているんです。そして、返事が来ません。メールが送られてきましたけれども、あちこち探しておりますが見当たりませんということでございます。どうなっているんですか。
 東電に伺います。二〇一〇年六月に、つまり去年の六月でございますけれども、福島第一原発二号機の電源喪失、水位低下事故について報告をいただきます。

○参考人(清水正孝君) 御報告申し上げます。
 二〇一〇年六月に発生いたしました福島第一原発二号機の事故でございます。
 これは、経過を申し上げます。
 作業員が誤りまして電源系のリレーに接触して誤動作したことによりまして発電機が停止する、同時に原子炉が停止した、あわせて外部電源が喪失されたと、こういう事象でございます。
 原子炉の水位につきましては、蒸気で駆動する冷却装置、これが、運転員が起動させまして適切に確保されております。また、電源につきましては、非常用のディーゼル発電機が自動的に起動をいたしております。その約三十分後になりますが、外部電源の復旧も完了いたしまして、その一時間後には通常の電動駆動のポンプへの切替えも終わり、原子炉に給水していると、こういう経過でございます。

○森ゆうこ君 三十分も動かなかったんですね。

○参考人(清水正孝君) 外部電源への切替えが完了するまで三十分掛かったということであります。

○森ゆうこ君 非常用ディーゼル発電機が三十分近く動かなかったのではないかという報道もございます。非常用発電機が作動するまでに何分掛かりましたか。

○参考人(清水正孝君) 非常用ディーゼルは正常に作動し、その後、外部電源に切り替わったと、こういうことでございます。

○森ゆうこ君 切り替わるまでに三十分掛かっているんでしょう。その間、電源がなかったんじゃないんでしょうか。

○参考人(清水正孝君) 非常用ディーゼルで電源が確保されておりました。

○森ゆうこ君 しかし、原子炉内の水位は約二メーター低下したというふうな報告も受けておりますけれども、どうなっておりましたでしょうか。

○参考人(清水正孝君) 一時的に低下しましたが、速やかに復旧してございます。

○森ゆうこ君 曖昧な表現ですのでよく分かりません。何メーター低下して、何分間そういう状態が続いたんでしょうか。

○参考人(清水正孝君) 二メーターくらい低下した状態が約三十分でございます。

○森ゆうこ君 今回の事故と同じようなことが起きているわけですよ。あわやメルトダウン、そういう状況が起きかねない。二メーター水位が下がって三十分それが続いた。
 原子力保安院、これは確認していますか。

○政府参考人(寺坂信昭君) 私どもといたしましては、先ほど清水社長がお答えしたラインで、非常用ディーゼル発電機は起動いたしましたけれども、電源切替えに伴います瞬間的な停電が発生したために原子炉内での圧力が上昇して給水停止、それから原子炉の水位の低下という事実があったというふうに確認をしております。そのため、安全弁が開きまして原子炉圧力を下げるとともに、原子炉隔離時冷却系、これが自動起動する前に手動で起動させまして水位を回復、維持をしたというふうに理解をしてございます。

○森ゆうこ君 清水社長、なぜこの事故を契機に、外部電源喪失時の対応の再点検、そして対策を講じなかったのでしょうか。まさしく今回の地震で起きた外部電源喪失という事態を既に昨年の六月に経験しているではありませんか。

○参考人(清水正孝君) ただいまの事実経過のとおり外部電源が喪失されたということでありますが、運転員の操作により速やかに復旧がなされたという経過もございました。
 一方、今回の福島第一原子力発電所の事故は、やはり大地震によって外部電源が喪失する、さらに津波によってディーゼル発電機の機能が喪失してしまったと、このような事象でございます。結果といたしまして今回の事態を引き起こしてしまったということについては深く反省し、大変申し訳ないと思っておるところでございます。
 今回の福島の第一事故につきましては、これから外部の有識者の方々も含めた事故調査委員会で調査、検証をしてまいりたいと、このように考えております。

○森ゆうこ君 答えになっていませんよ。言わば、今回の地震による外部電源喪失という事態を既に昨年の六月に経験しているんです。想定外では済まされないんです。何か衆議院の方で免責ということを大きな声でおっしゃった方がいらっしゃるようですけれども、とんでもない話だと私は思います。外部電源喪失というのは昨年のうちに既に経験していたことであり、それに対する対策を講じなかった、これは明らかに人災ではありませんか。

○委員長(前田武志君) どなたに答弁を求めておられますか、森先生。社長ですか。

○参考人(清水正孝君) 柏崎刈羽の反省という意味では、中越沖地震の経験も踏まえまして、例えば、対策本部を設けております重要免震棟の設置であるとか消防署の設置であるとかという可能な限りの対策は講じてまいりました。

○森ゆうこ君 外部電源喪失時の事態を経験していながら、それに対する対策を講じなかったんです。
 総理、まさしくこれは人災ではありませんか。

○内閣総理大臣(菅直人君) 今の指摘を私も注意深く聞いておりましたけれども、外部電源がダウンした、いわゆる遮断された後、いわゆる非常用のディーゼル発電がすぐ起動したけれどもまた停電をしたというようなことを、保安院の説明の中にあったのかなかったのか少し曖昧でありました。
 いずれにしても、外部電源が遮断された後、本来なら非常用のディーゼルエンジンがそれに代わって電気を起こして、それでいわゆる冷却機能が維持されると。維持されれば、水位も、普通の常識でいえば、冷却されれば蒸発しませんから、水位が下がるということもないはずであるにもかかわらず、今のやり取りだけの説明では、なぜそうした中で、水位が二メートルというと相当ですから、下がったのかということも、そのお聞きした中だけではよく私には原因が分かりません。
 いずれにしても、元々原子力発電所は外部電源がたとえ落ちても緊急のディーゼルエンジンが起動して、そして冷却機能が維持される、結果としては水位が維持されるということを前提としておりますので、そのことが少なくともそうなっていなかったということは、やはり重大な一つの示唆を与える当時の事故であったと。
 そういうことも含めて、今、森議員が言われるように、いずれにいたしましても、今回の事故、しっかりした調査委員会をつくって徹底的な原因を究明しなければなりませんが、幾つかの従来からのいろいろな事故や指摘に対して必ずしも万全の対策が講じられていなかった、そういう意味では、これはもちろん東電でもありますけれども、場合によっては政府としても十分な対応ができていなかったということは認めざるを得ないと、こう思っております。

〈略〉

○川上義博君 一つは、収束工程表というのが発表されましたね。そこで、先ほど言った二号機の格納容器の損傷の程度が確定できていないのに工程表どおり進むんでしょうか。私はもう本当に疑問持っているんですね。それも、六か月から九か月の三か月というこの幅を持たしているんですね。この幅を持たしているということは大変疑問に感じるんですけれども、この工程表で本当にしっかりと来年の一月には収束すると、期待表ではないと、こういうことを断言してよろしいんですか、断言できますか。

○参考人(清水正孝君) 工程表につきましては、これからの収束に向けたまさに道筋という位置付けで検討させていただいたものでございますが、私どもは、一日も早く避難されている方が御帰宅すると、そして安心して生活していただくと、これをもう最大の目的に据えながらやっております。
 決して平たんな道のりだけではないと思います。特に放射線を含んだ水の処理の問題等々もございます。しかしながら、まず当面の第一ステップとして、原子炉あるいは燃料プールの冷却、そして放射線を抑制するということについての様々な手だてを加えながら、おおむね三か月を目標にあらゆる手段を講じてまいりたいと。さらにその先には、更なる安定化に向けてのステップとして三か月からさらに六か月というようなことで取り組んでまいりたいと、全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このような覚悟でございます。

○川上義博君 社長、物すごく社長は責任あると思いますよ、東電の役員全てですね。これは要するに、日本が初めて放射性物質を含んだ汚染水を流した恥ずべき国になったんですよ。日本の信用を吹き飛ばしたんです。その責任が東電にはあるでしょう。
 それから、今も高いレベルの放射性物質を排出している、地下水脈に対する汚染の責任、先ほどあったように母乳から放射性物質が出た責任、そういった責任をあなた自身深く感じなきゃいけませんよ。その責任をいずれ取るとおっしゃいましたけれども、それはよく自覚していらっしゃいますか。

○参考人(清水正孝君) ただいま先生のおっしゃいました低レベルの汚染水の放出等々の問題については、緊急避難といいながら、大変行き届かない面があったことを深くおわび申し上げたいと思います。
 それで、責任という問題でございますが、現在、何といいましても事態の収束に向けて全力を挙げているということでございますが、いわゆる経営としての責任という意味で、出処進退も含めましていずれはきちんとけじめを付けるべきだろうと考えております。時期につきましては、現時点ではまだ白紙の状態というふうに申し上げておきたいと思います。

〈略〉

○紙智子君 今研究中という話なんですけれども、やはり放射性物質が減少させられるのかどうか、それから環境を回復させることができるのか、また住めるようになることができるのか、こうしたことを含めて、じゃ、どういうことができるのかというのは、もう本当に世界中の知恵を集めながら総力を挙げて対策を追求するということをやらなければいけないと思いますし、何よりも、今移転させられて、そしてこの後どうするかという人たちに対して、本当に希望とか展望とか、そういうものを与えられるように、本当に総力を挙げて示していく必要があると思うんです。
 それで、もう一つの質問なんですけれども、損害賠償に対する基本的な立場について、今度は東京電力の清水社長、お見えになっていると思いますが、と菅総理にお聞きしたいと思います。
 今回の原発事故は、農産物、水産物、工業、商業、観光業と、住民の方々に甚大な被害を及ぼしているわけですけれども、あらゆる被害と損害について東電と政府が全面的な賠償を行うのは当然だと思うんです。そのときに、原発事故がなかったらこれだけの収入があったんだと、それからこれだけ真っ当な生活ができていたんだと、それと今とのこの差ですね、ここをやっぱり全て賠償させる、これが全面補償、賠償ということだと思いますが、これに対して二方から御返事いただきたいと思います。

○参考人(清水正孝君) 補償の問題についてのお話だと思いますが、大変これから広範囲に、多くの方々への補償という問題になってくると思いますが、今後は原子力損害賠償制度の下で、先ほどもお話ございました紛争審査会の指針に基づきまして、公正に迅速に対処していくというのが私どもの基本的な考え方でございます。
 よろしくお願いいたします。


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177-参-予算委員会-14号 平成23年05月02日

平成二十三年五月二日(月曜日)
   午前八時三十分開会

〈略〉

○桜内文城君 この予算の説明にあるんですが、四十九億円であります。中身にしましても、例えば原子力安全規制情報広報事業費ですとか、原発の放射性物質の抑え込み、これらに係る直接的な費用が計上されておりません。
 今、我が国において最も喫緊でかつ最大の問題は何ですか。私は原発だと思います。原発の対策なくして復興の議論がまだできる状態にないんです。それがこの一次補正の政府の被災地に対するメッセージだと私は受け取らざるを得ません。
 菅総理は東工大を卒業されているとのことですけども、えてして受験エリートというのは解きやすい問題から手を付ける、そういうふうに言われております。しかし、リーダーというのは、解きやすい問題からではなく、むしろ重要な問題から優先順位を付けて解いていく、そういう態度が必要だと思っております。
 先ほどリーダーシップに関する質疑がありました。私は、これからリーダーの決断というものについてお尋ねしていきたいと思います。
 まず、今日は東電の清水社長に来ていただいておりますので、お尋ねいたします。
 繰り返し想定外ということをおっしゃっております。それは本当でしょうか。今朝の日経の一面にも、一昨年、二〇〇九年六月に経済産業省で開いた総合資源エネルギー調査会で、貞観地震で想定とは比べ物にならない巨大な津波が来ていることが繰り返し指摘されております。「ガリア戦記」では、人は自分の見たいものしか見えないと、そのように記されております。
 東電社長として、見るべき現実を見ず、自分の都合の良い想定だけを考えて、その結果、今回のようなレベル7の原子力災害が生じたんではないでしょうか。その責任についてお尋ねいたします。

○参考人(清水正孝君) 清水でございます。
 今回の原子力災害、大変巨大な地震と、それから史上まれに見る津波の来襲によりまして電源と原子炉の冷却装置が喪失したということで、結果として大変重大な事故を引き起こしてしまったということでございます。
 この辺のこれまでの経過等につきましてはこれから事故調査委員会等の場でしっかりと検証させていただきたいと思いますが、少なくとも津波については私どもの予想をはるかに超えておったと、予想できなかったということは率直に反省いたしております。

○桜内文城君 避難所で東電の幹部の方が土下座している姿が報道されました。しかし、仕事も生活も捨てて今避難所にいらっしゃる皆様は、日々の収入もない生活が続いております。そのようなときに、東電の幹部あるいは社員にはボーナスが出るとも報道されております。私は、その感覚が狂っているとしか思えません。
 私事ではありますが、私の妻は結婚前から、そして今も共働きで東京電力に勤めております。落選期間中は生活費の全てを妻の収入に頼らざるを得ませんでした。しかし、末端社員ではありますけれども、妻には、ボーナスはおろか、ただ働きしろと私は言っております。ボーナスというのは利益処分です。これをあなた方幹部も含め出そうという方針を、経営的な意思決定をされるその理由について、そしてまた責任を明らかにする答弁をお願いいたします。

○参考人(清水正孝君) この度の事故によりまして、私どもは、これから最大限の経営スリム化を進める、このことが大変重要だと思っております。また、私どもの基本的使命である電力供給、これに必要不可欠な資産以外は、これ聖域なきスリム化、合理化を図るということで取り組んでまいりたいと思います。
 御案内のとおり、そのスリム化、合理化の一環として、役員報酬の引下げあるいは従業員の賃金の引下げということで取り組ませていただきました。今後も更なる合理化に全力尽くしてまいりたいと思っております。

〈略〉

○福島みずほ君 東京電力は、発電、送電を分離し、送電部分を売却し、損害賠償に努めるべきだと考えますが、いかがですか。

○参考人(清水正孝君) これから私どもは合理化、スリム化に最大限取り組んでいくつもりでございますが、その前提としましては、やはり電力の供給に必要不可欠なもの以外はもう聖域なくやりたいと思っておりますが、送電設備等々はこれは電力供給の必須の設備ということでございまして、これを売却するという考えは今のところございません。

○福島みずほ君 地域独占であぐらをかいた結果が今回の事故ではないですか。自然エネルギー促進のためには、発電と送電を分けるべきだと思います。
 東電、送電線を売ってちゃんとやるべきじゃないですか。

○参考人(清水正孝君) これは電力の供給システム、体制の在り方ということにも相なろうと思いますが、現在、福島第一原子力の事態の収束に全力を傾けている現状において、その在り方、体制論については、現時点では私の方から言及はちょっと避けたいと思います。

○福島みずほ君 経産大臣、どうですか。

○国務大臣(海江田万里君) お答えをいたします。
 これは本当に慎重に検討しなければいけないと思っておりまして、そして、特にやはり今、一都八県に東京電力は電力を供給をしているわけでございますから、この義務をしっかりと果たしてもらわなければいけないと思っております。

○福島みずほ君 地域独占はやめるべきです。
 官房長官、東京電力の賠償に上限はないという理解でよろしいですね。

○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のとおり、原子力損害の賠償に関する法律では、原子炉の運転等の際の事故により損害を生じた場合には、原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずるという無過失責任が規定をされております。これにはただし書で、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときはこの限りではないという例外規定がございますが、昭和三十六年の法案提出時の国会審議において、この異常に巨大な天災地変について、人類の予想していないような大きなものであり、全く想像を絶するような事態であるなどと説明されております。
 今回の事態については、国会等でもこうした大きな津波によってこうした事故に陥る可能性について指摘もされておりましたし、また、大変巨大な地震ではございましたが、人類も過去に経験をしている地震でございます。そうした意味では、このただし書に当たる可能性はない、したがって上限はないというふうに考えております。


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177-参-予算委員会-15号 平成23年05月13日

平成二十三年五月十三日(金曜日)
   午後零時五十五分開会

〈略〉

○衛藤晟一君 事実認識が間違っているなんて余り変なことを言わないでください。時間があればちゃんと詰めますよ。ちゃんと言いなさいよ。
 いいですか、要するに私が先ほどから言っているのは、水が止まると基本的には、専門家の意見を聞けば分かります、ほぼ一時間程度で露出が始まりますと。露出が始まったらもう原発は終わりなんですよ。だから水を入れるという具合にマニュアルにちゃんと書いているんですよ。ところが、この水を入れる作業は、いろんな理由を挙げても二十八時間後。
 それから、ベントを何でするか。この理由は二つです。水を入れるときに圧力が高過ぎたら入りにくいということがあると言われているんでしょうけれども、そのことが一つでしょうけれども、基本的には、このベントは、言わばこの圧力器、余り圧力が高まり過ぎると、例えばこの圧力容器の方は七十気圧で運転しています。耐えるのは大体百気圧ぐらいまで。それから、格納庫の方は四気圧で運転している。大体倍ぐらいまでは耐えるという計算をしてやっているわけですから、これ以上になって全体の爆発が起こったらたまらないから圧力を抜くと。
 これは、十五条によるところの二つの最も大きな原子力発電所において気を付けなければいけないこと。これ、重篤事故にならない、言わば深刻な事故にならないために二つどうしてもやらなきゃいけないことなんですね。ですから、非常用電源が切れた時点で、冷却装置がスムーズに働かなくなったと言われた時点でこの作業を全てやらなきゃいけない、すぐやらなきゃいけない、すぐやらなきゃいけない。これはマニュアルにちゃんと書いている。
 ところが、ベントについても実際に始まったのは十二日の午前十時十七分。九時間が過ぎている。そして、やっと海水注入が始まったのが十二日の夜の二十時二十分。何と水素爆発を起こした後なんですよ。こういうことをやってはいけないから水を入れる、そしてベントをして圧力調整していくということが最低必要なことになっているんです。それをちゃんとやらなかった、それを指示できなかった。災害対策本部長になりながら、この原発の災害対策本部長になりながらそれがちゃんとできなかったというのは、総理やあなた方の明らかな人災じゃありませんか。
 さらに、東電に聞きます。何ゆえにこのように海水注入が遅れたんですか。現場のマニュアルにも全部すぐやらなきゃいけないと書いているんです。ベントもすぐやらなきゃいけないと書いているんです。十五条という危機的な状況になったんじゃないか、ちゃんと報告するようになっている。そして、あらゆる手を打たなければいけないという具合になっているんです。東電はなぜそれをやることができなかったのか。東電も答えてください。先に東電が答えてください。

○委員長(前田武志君) 海江田経済産業大臣。(発言する者あり)まず質疑の事実関係について経産大臣から。

○国務大臣(海江田万里君) もちろん私どもはしっかりとした、この検証委員会からお尋ねがあれば、あったことを事実のありのまましっかりお話をすることはそのとおりであります。
 しかし、今委員がお話のありました、まずやはりそこは第一段階とすれば、その圧力が高まっておりますから、それを逃がすためのベントということで、これは菅総理共々ですね、それはもう記録を見ていただければ分かると思いますけれども、その十五条事象が発生をしましてから直ちに、これは実は先ほど、いらっしゃいます班目先生もアドバイスをいただきました。そういう専門家の方々にアドバイスをいただきまして、そういう指示を繰り返し繰り返しやっていたということは事実でございます。これはしっかり記録に残ってございます。
 それから、その次の段階で、まさに、最初は淡水を入れていたわけでございます、これ消防車を使いまして。ところが、その淡水が切れてしまいましたものですから、直ちに海水に切り替えて、海水を入れるべしということ、これも指示から命令ということ、菅総理と私でこもごもやったところでございます。
 そして、どうして遅れたかということは、いろんな事情があろうかと思いますが、実施者であります東京電力にお聞きをいただければよろしいかと思います。

○参考人(清水正孝君) 今、ベントの話と注水の話でございます。
 ベントの実際の作業の現場の状況を申し上げたいと思いますが、現場の状況、電源が喪失されまして、しかも大変放射線量の高いという大変厳しい作業環境でございました。そのような環境の下で、ベントの作業に向けてのいわゆるその作業手順とかあるいは現場線量の確認、あるいは周辺の被曝線量の評価、そして住民の方々のその避難状況というようなことも大変大事でございます。そのための時間が必須だったということが一つございます。(発言する者あり)

○委員長(前田武志君) 参考人の声が低いので、もう少しお静かに。

○参考人(清水正孝君) それから、実際の作業におきましても、大変高い線量の下で作業員が例えば交代で作業をしなければいけない、あるいは電源が喪失されているために真っ暗やみの中での作業を強いられたというようなこと、通信手段も失われた等々ございまして、いろいろ連絡等も大変困難を極めた状況だったということで作業に時間が要してしまったということがベントの事情でございます。
 それから、注水でございます。注水も、今、海江田経産大臣おっしゃいましたが、まず、原子炉への注水というのは、これ、まず最優先でございます。それで進めてまいりまして、まずは手近にあります使用できる防火水槽等の淡水によって注水をいたしました。また、当然淡水には限度があることは分かっておりますので、初期の段階から海水の注入に備えてホースの引き回し等々の準備も並行して進めてまいりました。しかしながら、大変残念ながら一号機の爆発ということがございまして、準備していたその海水の注水ラインが損傷するなど、その作業にまた手戻りが生じてしまったというようなことでございます。
 また、大変余震が続いておった、あるいは津波発生の危険性というようなこともございまして、非常に断続的な作業を強いられてしまったというようなことが現場の実態としてございます。
 ということで、最善の努力を尽くしましたが、少し時間が掛かってしまったと、こういう状況でございます。


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177-衆-予算委員会-23号 平成23年05月16日

平成二十三年五月十六日(月曜日)
    午前八時五十九分開議

〈略〉

○清水参考人 お答えいたします。
 補償に関する仮払いのお話だと思います。
 まず、避難者への仮払いにつきましては、御案内のとおり、既に五月十三日の時点におきまして、約五万件の仮払いの請求がございまして、そのうち約一万件の振り込みが完了いたしております。引き続きまして早期の支払い完了を目指しているというのが現状でございます。
 それから、もう一点の、いわゆる農林漁業関係の方々を中心とする補償という問題でございますが、これも先般、五月十二日の政府の決定に従いまして、農林漁業者の方々の損害につきましては、五月末ごろまでに仮払いを開始したいということで、早急に農業協同組合等々の関係事業団体との調整を進めたい、こんなふうに考えております。
 また、中小企業者の方々もいらっしゃるわけでございますが、この分野は大変多種多様な業態があるということも踏まえまして、関係する中小企業団体等と協議を開始しまして、円滑な仮払いの実施に向けた仕組みを早急に検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。

○中川(正)委員 これは今仮払いの状況ですから、これが最終段階までいこうということになると、非常に大きな資金、この手当てをしなきゃいけないということになると思うんです。
 東電としては、専門家によると二兆円規模に達してくるのではないかというような話もありますけれども、今どれぐらいで見積もっていられますか、同時に、どういう資金手当てを前提にしながらこの賠償金というのを払っていこうとしているのか、そこのことも含めてお話をいただきたいと思います。

○清水参考人 今のお話は二点ございました。
 一つは、これからの金額の見積もりということだろうと思います。
 仮払いの総額につきましては、今回の農林漁業者の方々への仮払いは、四月までの損害にかかわる請求額の半分程度はお支払いしたいという予定でございますが、現段階では請求額そのものがまだ不明だということでございます。したがって、総額の見積もりは、現時点ではまだちょっと難しい状況と申し上げざるを得ないと思います。
 それから、もう一点の資金面でございます。
 現在、弊社は、原子力発電所の状態を安定化するための経費あるいは電力の安定供給を確保するための経費等が必要になっておるわけですが、借り入れや社債の発行による資金調達をするのが正直申し上げまして大変極めて厳しい状況になっておるということであります。
 言うまでもなく、私どもは、最大限、資産売却などの経営合理化を行うことによりまして資金を捻出したいと考えておりますが、大変多種多様な損害について補償を実施していくということになりますと、早晩、資金がショートして、公正で迅速な補償ができなくなる可能性もあろうかと考えております。したがいまして、先般決定されました国の支援の仕組みにつきましては、今国会での法律の成案をぜひともよろしくお願いいたしたいというのが私どもの思いでございます。
 以上でございます。

〈略〉

○笠井委員 ステップを守っていけるのではないかというような話とか、そういっても国民は、被災者の皆さんは、これでは、いろいろなことが起こっているのは大丈夫かということになるわけですよ。やはり、国がちゃんとこの問題についても事態を全面的にデータも含めて掌握して、やって、責任を持って示さないとだめだということだと思います。
 被災地では、この間、総理周辺から十年、二十年は人が住めないなどという無責任な発言が伝えられたこともあって、もう二度と戻ることはできないという声も聞かれております。正確で丁寧な情報発信とともに、大まかでも、ふるさとに戻れる見通しを示す責任が政府にあるということを強く申し上げたいと思います。
 そこで、原発被害の被災者は、生活の糧を奪われて、不自由で不安な避難生活を強いられ続けて、これからのなりわいの展望も持てずにおられます。
 そこで、東京電力の清水社長に伺います。
 この被害に対して東京電力はどういう賠償責任を果たすんですか。

○清水参考人 お答えいたします。
 まず補償の問題だろうと思いますが、一つは、御案内のとおり、避難者に対する仮払いというのを現在進めております。既に、五月十三日現在で申し上げますと、約五万件の御請求を受けまして、そのうち約一万件の振り込みを完了させていただいております。引き続き、早期のお支払い完了に向けて対処してまいりたいと考えております。
 それから、今後の補償という意味では、農林漁業の方々あるいは中小企業の方々等のお話もございます。これも御案内のとおり、五月十二日の政府の決定を受けまして、農林漁業者の方々がこうむった被害について、仮払いが実施できますように、五月末ごろまでに仮払いを開始することを目指して早急に関係事業者団体の方々と調整を進めてまいります。また、中小企業者の方々の損害につきましても、これは極めて多種多様な実態があるということも踏まえまして、関係する中小企業団体等と協議を開始させていただき、円滑な仮払いの実施に向けた取り組みを早急に進めてまいりたい、このように考えております。


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177-参-東日本大震災復興特別委…-2号 平成23年06月14日

平成二十三年六月十四日(火曜日)
   午前九時開会

〈略〉

○山田俊男君 今、新機構の法案を閣議決定したというふうにおっしゃいますから、それはそれでよしとします。遅れているということについては間違いないわけでありますけれども、早急にそれをちゃんとやるということであれば、もう一生懸命やるべきだというふうに思います。
 ところで、東電は国による支援策を急がせるためにわざと支払を遅らせているということはないんですか。現在、三億円仮払いしているだけですね。更にこの四月分、それから五月分という形で手当てをせざるを得ないし、さらには風評被害への対応もしなきゃいかぬのに、どうも一々点検するのに時間が掛かるとかいうような話で、支払が遅れているんじゃないですか。この点、どういう姿勢でおいでになるのか、社長、お見えでありますのでお聞きします。

○参考人(清水正孝君) 今先生から御指摘がありました賠償金の支払状況につきましては、先生から資料も御提示いただいていますとおり、五月十二日の政府決定も踏まえまして、出荷制限指示等によって農林漁業者の方々が被りました営業損害について五月三十一日より仮払いを始めさせていただきました。現時点で御指摘のとおり五億円を支払っております。
 これからにつきましては、まだ、御請求いただいた時期が五月末であったり、時期の問題もございますが、これからはまさに紛争審査会の指針に沿いまして、また関係団体の方々の御協力もいただきながら、国の御支援をいただいて適切に対処してまいりたいと、このようにまず基本的には考えております。
 それから、後段の支援スキームのお話でございます。今回、私どもは事故の当事者だということをまず真摯に受け止めておりまして、早期の被害者救済という観点から、原賠法の趣旨も踏まえて、国の支援もいただきながら適切に対処していきたいと思っております。これが基本スタンスでございます。
 したがって、御指摘のように支払を遅らせたりとかスキームのためにという、そういう意図は毛頭ございません。しかしながら、今後、大変多くの方々、多様な方々に原子力損害に対する、損害を続けていくということになるわけですが、私どもの資金状況からしますと早晩に資金ショートする可能性も否定できないというようなことで、そうしますと、被害を受けられた方々に対する公正で迅速な補償も危うくなると、こういうおそれもございますので、今お話がございましたように、補填に関するスキームを一刻も早く成立していただくように期待をいたしているところでございます。
 以上でございます。

〈略〉

○小熊慎司君 松田公太議員の関連質問をさせていただきます。
 四月の訪日外国人の数は、前年同月と比べて六二・五%も減っております。そこで、外国人の観光の意識を調査した結果、やはり原発事故に起因する放射性物質の危機感から訪日を避けている。そして、その背景として、やはり情報がちゃんと出ていない。日本政府を信頼できると言った人は一四%です。これは国外だけではなくて、国内においても政府に対する信頼、政府だけではなくて、我々政治家自身に対する不信といったものが、本当に低下をしているところであります。復興のためには、政治に信頼を取り戻さなければその一歩も進めないというふうに私は思います。
 そういった中で、私も福島県議会議員の経験者であります。この委員会にも岩城光英委員始め尊敬する多くの先輩がおられますけれども、二〇〇三年、東電の原子力発電所で一連の不祥事が起き、そして原子力発電を全て停止をしたことがありました。その後、当時の社長の、今、現会長の勝俣さんが福島県議会に来られ、るるその後の対応を我々県会議員の前で説明をされました。
 そのときの県会議員で今、国会議員になっているのは私だけでありますので、本来であれば勝俣会長をお呼びしたかったわけでありますけれども、与党の筆頭理事から、会長は原発事故の陣頭指揮に当たっているということで、社長を参考人として認めてくれということで、やむなしの了承をしたわけであります。社長が陣頭指揮ではなくて、会長が陣頭指揮を執っている、本来のトップである人が陣頭指揮を執れないというのはどこかの国の政治に似ているなというふうにも皮肉にも思った次第であります。
 本来であれば、その当事者の勝俣会長にお聞きをしたかったわけでありましたけれども、その当時、平成十四年に不祥事が起こり、そして平成十五年、平成十六年と、二度にわたり福島県議会の全員協議会の席で再発防止に努めるということをお約束をいただいたはずであります。そのときに大きく掲げたものが、これは平成十七年の資料ではありますが、平成十四年当時から東電が掲げている四つの約束です。(資料提示)
 委員の皆さんにも資料をお配りしておりますけれども、この中に、情報の公開をしっかりとやっていくということがうたわれております。そしてまた、当時の全員協議会の中におきましても当時の勝俣社長は、一旦失われた信頼を取り戻すためには、発電所の中がガラス張りで、良いことや悪いことも含めて全ての情報が地域の皆様に知らせるということが、地域の皆様に安心感を持っていただくため大変重要であると考えているというふうに言われました。
 しかしながら、そうした説明をされているさなかにも、当時の知事が原子力発電所を視察して、視察した後に新たな情報が出てくる。まさに今の状況と同じように、追及をすればその後また新たな情報が出てくるといった、こうした体質が一切このときから変わっていないということに私も驚愕をしますし、また自分自身、こうした企業体質を見抜けずに、原発の再稼働やそして原子力政策の容認、推進に加担してしまったという私自身の反省も大きく今持っているところであります。
 そして、そうした後出しの情報の中で、また勝俣さんが言っているのは、第一報をということを徹底する、そしてむしろ遅れたり隠したりすることは罪である、出すことが善であるといったことを私自身発電所の全員に周知していると言っているんですよ。
 その当時もできていなかった、今回もできていない状況。こうした状況の中で、この四つの約束、今復興に向けて信頼を取り戻さなければならない状況の中でこの四つの約束、今までの過去の不祥事からこれまでの原発事故に対して、どういうふうに東電は対応してきてやってきたのか、東電の社長にお伺いいたします。

○参考人(清水正孝君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の四つの約束につきまして、その実現に向けまして、私ども、情報公開の徹底あるいは発電所の安全確保等々に全力で努めてまいったつもりでございます。
 しかしながら、今回の事故に鑑みまして、現場対応を最優先にしたとはいえ、電源喪失に伴って例えばモニタリングデータが計測不能に陥ってしまったり、あるいは非常に高い線量の下でデータの回収とか解析が遅れてしまったり、あるいは修正を余儀なくされてしまったりというようなことで、まさに先生御指摘のとおり、情報公開の面で大変不手際があったということは否めないことだと反省いたしております。大変申し訳ないことだと思っております。
 今後も、今お話がありましたが、迅速な情報公開、これを基本としながら、透明性確保、ひいては信頼の回復に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思いますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。

○小熊慎司君 そういう話は平成十五年も十六年も私、聞いているんですよ。何回聞いても同じなんですよ。今の社長の答弁も、それは文章化すればそれはきれいな文章になりますよ。だけど、信頼がないんですよ、そこに。
 そして、その当時、保安院長も県議会に来られてこんなことを言っていますよ。規制当局自身として不正を見抜けなかった規制行政の今までの現実の問題がある。そこで問題点を自覚していながら、結局は今回の対応においても何らその反省に立った問題の解決で事に当たらなかった。保安院、この点どうですか。

○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 平成十四年八月に発覚いたしました自主点検作業記録に係るデータ改ざんの不正問題、そういったことに対しまして、制度改正を始め対応を進めてまいりました。さらに、平成十八年の秋から翌年にかけまして、過去のデータ改ざんあるいは手続の不備、そういったものにつきましての総点検を実施いたしました。そこから洗い出されました問題についての制度の見直し、対応なども進めてまいったところでございます。
 日々の保安検査あるいは東京電力幹部との意見交換、そういった中で情報発信の必要性、そういったものは積み重ねてきたところでございますけれども、今回の事故に関しまして、情報発信の仕方あるいは信頼性、そういったものについて様々な御批判があることは承知をしてございます。こういったことも含めまして、どのように更なる透明性確保を図っていくか、事故原因の徹底的な検証も含めまして、これから対応を考えていくべきものと考えてございます。

○委員長(柳田稔君) 小熊君、時間ですので、よろしくお願いします。

○小熊慎司君 時間が来ておりますのでこれで終わりますけれども、今の答弁でも一切国民の信頼が得られていないということを指摘して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 福島原発事故はいまだ収束のめどさえ立っておりません。多くの人たちが仕事を奪われ、家から追い出されて不自由な避難生活を強いられております。
 今月初め、私は福島県いわき市漁業協同組合の漁師や仲買人の方々から話を伺いました。
 いわき市漁協は、福島第一原発から南に三十キロ離れたところにあります。大震災当日、漁師の皆さんは多くの方は漁に出ておられまして、津波にあおられて大変恐ろしい思いはされたそうですけれども、幸い船は無事だったということであります。船は無事だったんだけれども、原発事故の後、原発から半径三十キロ以内の海には入ることができなくなった。風評被害も心配されたために、県と協議をして、福島県全体で漁を自粛することとなりました。今も自粛は続いております。
 漁師の皆さんは、もう三か月になるが、一日も漁に出られず、収入はゼロだ、東京電力からの損害賠償も一円ももらっていない、貯金を取り崩しながら生活しているということでありました。三か月たっても賠償されずに、被害者が貯金を取り崩しながらの生活を強いられている。
 もう一つ、いわき市漁協で、漁師の方からこんな話も聞きました。漁業というのは漁師だけではできないんだ。漁師と仲買人と氷を作る製氷業者と船の燃料を扱う燃油業者、この四者が一体となって初めて漁業ができるんだと。どれ一つ欠けても漁業は成り立たない。だから、賠償も四者一体でやってほしいという声でした。
 農水大臣、生産者と関連業者は一体、賠償も一体でというのは私は当然の要求だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(鹿野道彦君) 今、先生からお触れいただきましたとおりに、いわゆる水産業というのは漁業や加工、卸売業者だけではなしに、仲買人、そして製氷の業者など、関連業者の強い支えというふうなものがあるから成り立っているわけでございます。
 そういう意味におきまして、審査会におきましては、第一次、第二次が盛り込まれたわけでありますけれども、水産加工、流通業は対象となっておりません。ゆえに、今後私どもとしてはこの関係の方々が、一体的な取組というようなことがこれは不可欠だというようなことも踏まえて、この次の指針に盛り込まれるように、私どもは強く働きかけをしてまいりたいと思っております。

○山下芳生君 農水大臣から一体は不可欠だとありましたけれども、東京電力清水社長に聞きます。
 生産者だけではなくて関連業者も一体で賠償すべきではありませんか。

○参考人(清水正孝君) 補償の問題につきまして、以前申し上げたとおりでございますが、まず非常に多くの方々、広範囲に及ぶ方々の補償を実施するということで、原賠法に基づいて、国の御支援もいただきながら、指針をしっかり踏まえながら公正にやっていきたいと考えております。これ基本でございます。
 それで、今御指摘の関係業者の皆様につきましても、今農水大臣もおっしゃったとおり、現状の第一次指針、あるいは五月十二日の政府決定に基づきまして、政府による避難等の指示があった区域における営業損害について仮払いをいたしていきたいと、現在の指針に基づいてやっていきたいと、このように考えております。

○山下芳生君 前向きな答弁はいただけませんでした。
 いわき市で、漁業の漁師と共に氷や仲買をされている方は、避難区域じゃないんですよ。しかし、漁業の皆さん、漁師の皆さんが操業停止になっているから収入ゼロになっているんですね。私は、東電はそういう漁業の実態を分かっているのかと言わざるを得ないと思っております。
 船が港に入るたびに魚が水揚げされますね。その魚を仲買人が買う、そして箱詰めして氷を入れて全国の市場に送るんですね。いわきはヒラメ、タコ、アンコウ、ヤナギガレイなどが有名だそうですけれども、翌日の朝には常磐物というブランドで東京の築地にも並ぶと聞きました。だから、仲買人がいなければ漁師が取ってきた魚はさばくことができないんです。だから、漁師は、仲買人も、製氷業者も、そして燃油業者も一体で賠償してほしいと言っているんですね。漁師だけ賠償されて助かったとしても、こういう方々が助からなかったら漁業再開できるときに再開できなくなるんです。今、残念ながらその仲買人が収入ゼロなんです。
 もう待てないんです。直ちに一体で賠償すべきじゃないですか。もう一度どうぞ。

○参考人(清水正孝君) ただいま申し上げたとおり、現在の指針に基づいて公正にやりたいというのが基本的な考え方でございます。
 以上でございます。

○山下芳生君 指針、指針を口実にして、本当に一番大事なことを避けています。
 もう一つ聞きます。
 東京電力による漁業、さらに農業の賠償の実態はどうなっているか。このパネルは、東電に対する損害賠償の請求額と仮払いされた額を県ごとに記したものであります。(資料提示)
 農業と漁業の関係について、五月三十一日現在でまとめました。福島、茨城、栃木、群馬、千葉の五県で合わせて百五十三億円の損害賠償請求が出されております。農水省の報告では、このうち、五月十八日までに請求された三十四億円に対して今五億円が仮払いされたと聞きました。
 東京電力に聞きますが、三十四億円の請求に対して僅か五億円の支払、何でこんなに少ないんですか。

○参考人(清水正孝君) 今御指摘のありました仮払いの件でございますが、損害額として御請求いただきました金額のうち、これも第一次指針で示されました、出荷制限指示等によります営業損害につきまして、その仮払いということでその二分の一をお支払いさせていただいたというのが実情でございます。

○山下芳生君 またも指針が出てまいりました。この指針の問題は後でやります。
 しかし、私は、東電があれこれの理由を挙げて被害者の全面的で迅速な賠償に背を向けるのはなぜか。今回の事故は自らの責任で起こしたのではないとおなかの中では考えているからじゃないですか。
 四月二十五日、東京電力清水社長名で原子力損害賠償紛争審査会あてに要望書が出されております。それには、弊社としては本件事故による損害が原子力損害の賠償に関する法律三条一項ただし書に言う異常に巨大な天災地変に当たるとの解釈も十分可能であると考えておりますと、こうはっきり書いてあります。免責に当たる可能性がある、賠償する責任はない可能性があるとはっきりここに書いてあるわけですね。
 とんでもない私は要望書だと思いますが、海江田大臣、この東電の免責要望書、認めるんですか。

○国務大臣(海江田万里君) 山下委員にお答えをいたします。
 東京電力がその要望書を出しましたあて先は紛争審査会であって私どもではありません。しかし、私どもは、そうした免責事項に当たらないという考え方を最初から持っておりました。そして、今お話のありました東京電力が出しました要望書は四月の二十五日でございますが、その後、五月の十日でございます、これは私どもが受け取った東京電力からの要望でございますが、これは原賠法の第十六条に基づく政府による必要な援助の枠組みを策定してほしいとの要請がなされております。

○山下芳生君 東京電力に確認します。
 この四月二十五日の免責要望書は撤回されたんですか。

○参考人(清水正孝君) 今回の事故につきましては、御案内のとおり、国内観測史上最大の地震とこれに伴う大津波の影響によるものというふうに考えられておりますが、原賠法三条のいわゆるただし書の免責事由に該当するとの解釈もあり得るという考え方でございました。しかしながら、当社としては、今回の事故の当事者であるということを真摯に受け止めまして、早期の被害者救済の観点からも、原賠法に基づく政府の支援の枠組みに沿って公正で迅速な補償に努めてまいりたいと、このように考えてございます。

○山下芳生君 曖昧なんです。免責事由に当たるという考えは間違いだったと、当たらないと、そういう考えですか、考えているんですか。それとも、まだ免責に当たると、撤回していないんですか。

○参考人(清水正孝君) 免責に当たるという解釈もあり得るという点を申し上げた次第でございます。しかし、繰り返しになりますが、私どもは、事故の当事者としていわゆる賠償スキームによってしっかりと補償を進めていきたいと、このように考えております。

○山下芳生君 やっぱり、解釈もあり得ると、まだ立場変えていないんですよ。
 海江田大臣、これはとんでもないと思いますよ。そんなことじゃ駄目だとはっきり言うべきじゃありませんか。

○国務大臣(海江田万里君) 私どもは、先ほどもお答えをいたしましたが、五月の十日付けで東京電力から、原賠法第十六条に基づく政府による必要な援助の枠組みを策定してほしいと、こういう要請がございまして、同時に、原賠法に基づく公平かつ迅速な賠償を行う旨の表明もございました。ですから、その表明を受けて、これは私が受けたわけでございますから、三条ただし書は当たらないと判断をしたものと、そういう理解でございます。

○山下芳生君 東電はなかなかそう思っていないということが明らかになりましたから、ですから、これ政府がきっちり正さなければならないと思います。
 その上で、東電は先ほどから口を開けば紛争審査会の指針を口実に支払を渋っているわけですが、しかし、原子力損害賠償紛争審査会というのは、その名のとおり、原子力損害の賠償に関して紛争が生じた場合における和解の仲介をするところであります。原子力損害賠償法十八条にそうはっきり書いてあります。ですから、審査会の指針というのも、当該紛争の当事者による自主的な解決に資するためのものだと、こう書いてあるんですね。ですから、紛争審査会の指針、指針と言うけれども、指針がなければ賠償してはならない、払ってはならないということじゃないんです。
 今必要なのは、指針に入っていようがいまいが、被害者が原発事故による損害だと根拠を示して請求しているものについては全て迅速に賠償、仮払いする、そういうことだと思います。海江田大臣、そうじゃありませんか。

○国務大臣(海江田万里君) これは文科大臣が所掌でございますが、ただ、私どもは、あくまでもこの組織というのはこれまさに紛争の審査会でございますから、どちらかがこの支払をすべし、あるいは支払をやらないというところで両者の間で紛争が起きた場合は、この機関が間に入って正しいジャッジをするものだと思っております。

○山下芳生君 紛争が起こった場合は間に入ってジャッジをするというお答えでした。ならば、審査会の指針を理由に支払を拒否したり遅らせたりする必要はないわけですね。指針がなくたって、東電がこれは賠償に値すると言えば払うべきなんですよ。そういうことですね、海江田大臣。

○国務大臣(海江田万里君) もちろん、東京電力の側がお支払をしましょうと、被害を与えた方々に対してお支払をしましょうということがあれば、これはよろしいわけでございますが、ただ、それによって損害賠償の額が大きく膨らむということがございます。
 それと、もう一つ大切なのは、やはり今回の事故と相応の因果関係というものがなければいけないわけでございますから、その相応の因果関係に基づいて請求をするということがあれば、それはそれに基づいて支払をすればいいわけでありまして、一つのジャッジとしてこれまで紛争審査会が第一次指針、第二次指針と出してまいりました。そして、これからもこれは、中間的な取りまとめでありますとか、あるいは第三次になるのか、逐一これを出していくわけですから、これにも私どもはしっかりと注目をしなければならないと思っております。

○山下芳生君 原子力損害賠償法第一条には「被害者の保護」とはっきり書いてあるんです。これが法の目的なんですよ。東電にやる気があったら賠償はできるんですよ。審査会は紛争になったときの和解の仲介ですからね。これは、東電がちゃんと迅速に誠実に対応する、そういう姿勢を示せば紛争になんてならないんですよ。請求が妥当だったらどんどん賠償する、仮払いすればいいんです。これはちょっと過剰な請求だなと東電が思えば当事者で話し合って、それでも折り合いが付かなければ、そこで初めて紛争審査会の登場となるんですね。紛争審査会というのはそういう組織なんです。
 総理に伺いたいと思います。
 もう一度このパネルを出したいと思います。このパネルに示された請求額は各県の農業団体が、それから漁業団体が、一人一人の農家や漁師から被った損害調べて書類を出してもらい、それを取りまとめて請求したものであります。
 例えば、茨城県の農業団体では、ここにありますけど、東京電力原発事故の影響に係る生産者段階廃棄処分報告書とか、販売先からの返品、販売金額減少報告書などですね、こういう書類を付けて、それから履歴、栽培履歴だとか写真だとか出荷伝票、こういう証拠資料まで付けて、これで取りまとめて請求しているんです。ですから、因果関係というのはここにもはっきりあるんですよ。これを払うのが当たり前なんですね。
 総理、私は、こうやって、こういう積み上げて一人一人が証拠も示して積み上げた額なんですから、これが、ところがここにあるように三十四億に対して五億しか払われていない。総理、このままで、もう三か月こんな感じで救われると思いますか。私は、被害者保護の立場に立つんだったら、東京電力に全額払わせるのが当たり前だと思いますが、総理の御見解いただきたいと思います。

○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的に、こうした被害がきちんと根拠があるものについて最終的に東京電力が責任を持つということは当然だと思っております。
 ただ、数字の問題でいいますと、いろいろな数字が書かれておりますが、私が聞いていますのは、例えば出荷制限に掛かるものなどについては、上限の請求額があって、それに対して仮払いを半分行ったと。残りの二十四億については、二次指針を踏まえながら早急に対応するというふうに聞いております。
 そういうことで、原子力損害賠償紛争審査会が策定した第一次指針において、営業損害については、原則として本事故がなければ得られたであろう売上高から本事故がなければ負担したであろう売上原価を控除した額である逸失利益が損害と認められるというふうに理解しておりまして、時間の流れはありますけれども、そういう原則に基づいてきちんと支払われるべきと考えております。

○山下芳生君 待てないんですよ、現場は。三か月こうなっているんですからね。だから、審査会の指針を待たなくたって払ってもいいという立場に立てば、払わせるべきなんですよ。因果関係はもうここに証明されているんですから。私は、こういうやり方は改めるべき必要があると思います。第一義的な責任が東電にあることは当然ですけれども、現場は待てない、もたない。
 総理、第二次補正で国による立替払も含めて大至急現場の人たちに仮払いがされるように、これ真剣に検討すべきじゃないですか。

○委員長(柳田稔君) 菅内閣総理大臣、時間ですので簡潔にお願いします。

○内閣総理大臣(菅直人君) この問題に必要な財源についてはきちっと、できるだけ早く二次補正等を含めて対応したいと思っております。

○山下芳生君 終わります。

----------------------------------

177-参-東日本大震災復興特別委…-6号 平成23年06月20日

平成二十三年六月二十日(月曜日)
   午後一時開会

〈略〉

○長谷川岳君 次の質問に移ります。
 福島県の子供たちの学童疎開の受入れを主宰する脚本家の倉本聰さんの元に切実な手紙が届きました。今日皆様方に資料としてお配りをさせていただいておりますけれども、復興基本法案の基本理念、第二条二項にもありますように、被災地域の住民の皆さんの意向が尊重され、あわせて女性、子供、障害者の方々を含めて多様な国民の意見が反映されるべきためにも、この手紙をあえて紹介いたします。私たち自民党が進めてきた原子力政策の指摘を含め厳しい言葉が並んでおりますが、私が避難所で感じてきたことを併せて質問いたしたいと思います。
 まずは東電の企業姿勢について伺いますが、三ページ目のこの手紙の①を御覧になっていただきたいと思います。特に清水社長、御覧になっていただきたいと思いますが、東電の企業姿勢あるいは東電のトップによる当事者意識のない発言に被災住民の方々が精神的にかなり追い込まれているということがこの文章でも分かります。これから、今後株主を見ていくのか、被災地域の方々のことを見ていくのか、東電清水社長の覚悟を伺います。

○参考人(清水正孝君) お答えを申し上げます。
 まず、この度の事故によりまして大変多くの皆様に御迷惑をお掛けしていることを、この場で改めておわび申し上げたいと思います。
 今、私どもの企業姿勢というお話でございます。当社といたしましては、今回の事故のまさに当事者であるということを真摯に受け止めまして、発災当初から被災されている方々への物資の御支援であるとか、あるいは避難所へ私どもの社員を何百人という形で派遣するというようなことも含めましてできる限りの御支援を申し上げている、またこれからも御支援申し上げたいと思っております。そして、何よりもこの事態の収束に向けまして、道筋に沿って一つ一つの対策を着実に取り組んでいく、全力を挙げて取り組んでいくという覚悟でおります。
 以上でございます。

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