東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その10 第二次指針追補

■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その10 第二次指針追補

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/__icsFiles/afieldfile/2011/06/20/1307518_1_3.pdf
「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針追補」
平成23年6月20日
原子力損害賠償紛争審査会

第1 はじめに
1 平成23年5月31日に公表された「東京電力( 株) 福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針」の第2 の〔損害額算定方法〕の「2避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害の損害額算定方法」において、「避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害」及び「生活費の増加費用」を合算した損害額( 以下、「損害額」という。) の具体的な算定方法について、暫定的な考え方を明らかにした。
 すなわち、損害額の算定に当たっては、宿泊場所等によって、生活環境、利便性、プライバシー確保等の点からみて精神的苦痛の程度は異なると考えられるため、① 避難所・体育館・公民館等( 以下、「避難所等」という。)、② アパート・借家・公営住宅・仮設住宅・実家・親戚方・知人方等、③ ホテル、旅館等の順序で段階的に金額に差を設け、また、④ 屋内退避を余儀なくされた者については、上記③ の金額を超えない範囲で損害額を算定することが考えられるが、なお引き続き検討するとした。

2 これを受けて、このたびの指針追補( 以下「第二次指針追補」という。) においては、損害額の算定方法等につき、その考え方を明示することとした。
 具体的には、「対象者」、「損害額算定の基本的考え方及び算定期間」、「損害額の算定方法」、「損害発生の始期及び終期」に関する考え方を明らかにする。


第2 避難生活等を余儀なくされたことによる精神的損害の損害額の算定方法
1 対象者
( 指針)
Ⅰ ) 損害の賠償の対象者は、① 避難及び対象区域外滞在を余儀なくされたことに伴い、自宅以外での生活を長期間余儀なくされ、あるいは、② 屋内退避を余儀なくされた
ことに伴い、長期間行動の自由が制限されるなど、避難等により正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたって著しく阻害された者である。
Ⅱ ) 上記① 又は② に該当する者であれば、その年齢や世帯の人数等にかかわらず、避難等をした者個々人が賠償の対象となる。
( 備考)
1 ) Ⅰ )の① 又は② に該当する者は、対象区域( 避難区域、警戒区域、屋内退避区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域)から実際に避難した上引き続き同区域外での滞在を長期間余儀なくされた者( 又は余儀なくされている者)、本件事故発生時に対象区域外に居り、同区域内に生活の本拠としての住居があるものの引き続き対象区域外滞在を長期間余儀なくされた者( 又は余儀なくされている者) 、及び屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域における屋内退避を長期間余儀なくされた者である。
 但し、緊急時避難準備区域内に生活の本拠としての住居がある者であって、本指針が定められた日以降に同区域外に避難を開始した者( 子ども、妊婦、要介護者、入院患者等を除く。) については、Ⅰ ) の① の対象としない。
2 ) 損害賠償請求権は個々人につき発生するものであるから、損害の賠償についても、世帯単位ではなく、個々人に対してなされるべきである。
 また、年齢や世帯の人数あるいはその他の事情により、各避難者が現実に被った精神的苦痛の程度には個人差があることは否定できないものの、指針においては、全員に共通する精神的苦痛につき賠償対象とされるのが妥当と解されること、生活費の増加費用についても個人ごとの差異は少ないと考えられることから、年齢等により金額に差は設けないこととした。

2 損害額算定の基本的考え方及び算定期間
( 指針)
 損害額の算定に当たっては、差し当たって、その算定期間を以下の3 段階に分け、それぞれの期間について金額を算定することが合理的と認められる。
Ⅰ ) 事故発生から6 ヶ月間( 第1 期)
Ⅱ ) 第1 期終了から6 ヶ月間( 第2 期)
 但し、警戒区域等が見直される等の場合には、必要に応じて見直す。
Ⅲ ) 第2 期終了後、終期までの期間( 第3 期)
( 備考)
1 ) 第1 で述べたとおり、第2 次指針においては、損害額の算定方法として、宿泊場所等によって4 類型に分けて算定する方法を含め引き続き検討することとした。
2 ) しかしながら、長期間の避難等を余儀なくされた者は、正常な日常生活の維持・継続を長期間にわたり著しく阻害されているという点では全員共通した苦痛を被っていること、また、仮設住宅等に宿泊する場合と旅館・ホテル等に宿泊する場合とで、個別の生活条件を考えれば一概には生活条件に明らかな差があるとはいえないとも考えられることから、主として宿泊場所等によって分類するのではなく、一律の算定を行い、相対的に過酷な避難生活が認められる避難所等についてのみ、事故後一定期間は滞在期間に応じて一定金額を加算することとし、むしろ、主として避難等の時期によって合理的な差を設けることが適当である。
3 ) 本件事故後、避難等した者の大半が仮設住宅等への入居が可能となるなど、長期間の避難生活のための基盤が形成されるまでの6 ヶ月間( 第1 期) は、地域コミュニティ等が広範囲にわたって突然喪失し、これまでの平穏な日常生活とその基盤を奪われ、自宅から離れ不便な避難生活を余儀なくされた上、帰宅の見通しもつかない不安を感じるなど、最も精神的苦痛の大きい期間といえる。
4 ) 第1 期終了後6 ヶ月間( 第2 期) は、引き続き自宅以外での不便な生活を余儀なくされている上、いつ自宅に戻れるか分からないという不安な状態が続くことによる精神的苦痛がある。その一方で、突然の日常生活とその基盤の喪失による混乱等という要素は基本的にこの段階では存せず、この時期には、大半の者が仮設住宅等への入居が可能となるなど、長期間の避難生活の基盤が整備され、避難先での新しい環境にも徐々に適応し、避難生活の不便さなどの要素も第1 期に比して縮減すると考えられる。但し、その期間は必要に応じて見直すこととする。
5 ) 第2 期終了後、実際に帰宅が可能となるなどの終期までの間( 第3 期) は、いずれかの時点で避難生活等の収束の見通しがつき、帰宅準備や生活基盤の整備など、前向きな対応も可能となると考えられるが、現時点ではそれがどの時点かを具体的に示すことが困難であることから、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて第3 期における損害額の算定を検討することが妥当であると考えられる。
6 ) なお、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者については、避難及び対象区域外滞在をした者の損害額を超えない範囲で損害額を算定する。

3 損害額の算定方法
( 指針)
 損害額の算定に当たっては、前記2 で述べた第1 期ないし第3 期に応じて、以下のとおりとすることが考えられる。
Ⅰ ) 第1 期については、一人月額1 0 万円を目安とする。
 但し、この間、避難所等における避難生活を余儀なくされた者については、避難所等において避難生活をした期間は、一人月額1 2 万円を目安とする。また、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者( 計画的避難区域から避難した者、及び緊急時避難準備区域から本指針が定められた日の前日までに避難を開始した者を除く。) については、一人10 万円を目安とする。
Ⅱ ) 第2 期については、一人月額5 万円を目安とする。
Ⅲ ) 第3 期については、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて損害額の算定方法を検討するのが妥当であると考えられる。
( 備考)
1 ) 前記2 の( 備考) の3 ) で述べたように、第1 期は特に精神的苦痛が大きい期間と認められる。このため、本期間の損害額の算定に当たっては、本件は負傷を伴う精神的損害ではないことを勘案しつつ、自動車損害賠償責任保険における慰謝料( 日額4 ,2 0 0 円。月額換算1 2万6 ,0 0 0 円)を参考にした。本件事故により平穏な日常生活とその基盤が突如失われ、自宅から離れた不便な避難生活を強いられ、いつ故郷の自宅に戻ることができるのか判然としない不安感を覚えるなど大きな精神的苦痛を被ったことや生活費の増加分も考慮し、一人当たり月額1 0 万円を目安とするのが合理的であると判断した。
 但し、特に避難当初の避難所等における長期間にわたる避難生活は、他の宿泊場所よりも生活環境・利便性・プライバシー確保の点からみて相対的に過酷な生活状況であったことは否定し難いため、この点を損害額の加算要素として考慮し、避難所等において避難生活をしていた期間についてのみ、一人月額1 2 万円を目安とすることが考えられる。
2 ) 前記2 の( 備考) の4 ) で述べたように、第2 期については、第1 期に見られる突然の混乱等からは脱し、希望すれば大半の者が仮設住宅等への入居が可能となるなど長期間の避難生活のための基盤が形成され、避難生活の過酷さも第1 期に比して緩和されると考えられる。そこで、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準( 財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部) による期間経過に伴う慰謝料の変動状況も参考とし、一人月額5 万円を目安とすることが考えられる。
3 ) 前記2 の( 備考) の5 ) で述べたように、第3 期については、そのいずれかの時点で避難生活の収束の見通しがつき、帰宅準備や、避難期間に応じた生活基盤の整備など、前向きな対応も可能となると考えられるが、現時点ではそれがどの時点かを具体的に示すことが困難であることから、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて損害額を検討するのが妥当である。
4 ) なお、損害額の算定は月単位で行うのが合理的と認められるが、これはあくまでも目安であるから、具体的な賠償に当たって柔軟な対応を妨げるものではない。
5 ) なお、屋内退避区域の指定が解除されるまでの間、同区域において屋内退避をしていた者については、避難及び対象区域外滞在をした者の損害額を超えない範囲で損害額を算定することとし、その損害額は1 0 万円を目安とするのが妥当である。

4 損害発生の始期及び終期
( 指針)
Ⅰ ) 損害発生の始期については、個々の対象者が避難等をした日にかかわらず、原則として本件事故発生時である平成23年3月11日とする。
Ⅱ ) 損害発生の終期については、基本的には対象者が対象区域内の住居に戻ることが可能となった日とすることが合理的であるが、対象者の具体的な帰宅の時期等を現時点で見通すことは困難であるため、なお引き続き検討する。
( 備考)
1 ) 対象者の損害発生の始期については、個々の対象者が実際に避難等をした日とすることも考えられる。
 しかしながら、上記対象者が実際に避難をした日はそれぞれの事情によって異なっているものの、避難等をする前の生活においても、本件事故発生日以降は、避難後の精神的苦痛に準ずる程度に、正常な日常生活の維持・継続を著しく阻害されることによる精神的苦痛を受けていたと考えられることから、損害発生の始期は平成23年3月11日の本件事故発生日とするのが合理的であると判断した。
 但し、緊急時避難準備区域内に生活の本拠としての住居がある対象者( 子ども、妊婦、要介護者、入院患者等)であって、本指針が定められた日以降に避難した者については、当該者が実際に避難した日を始期とする。
2 ) なお、損害発生の終期については、基本的には対象区域内の住居に戻ることが可能となった日とするのが合理的である。しかしながら、実際の対象者の具体的な帰宅の時期等を現時点で見通すことは困難であるため、今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて具体的な終期を検討するのが妥当であると考えられる。
( 以上)
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2011-06-23 : ・指針 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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