東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・自治体の損害 その1 避難者の宿泊費等の負担

・自治体の損害 その1 避難者の宿泊費等の負担

http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/04/post-444.html
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原発事故の避難者が旅館へ 福島県が宿泊費を負担

 東京電力福島第1原発事故で、避難指示や屋内退避の指示を受け体育館などの避難所で暮らす30キロ圏内の住民らの生活環境を改善しようと、福島県は1日、新たな移転先として県内の旅館など複数の宿泊施設を用意し、宿泊費を県が負担する初の取り組みを始めた。
 移転したのは避難指示が出ている同県富岡町の町民ら約500人。このうち磐梯熱海温泉の旅館「ホテル華の湯」(郡山市)に着いた渡部国綱さん(66)一家は「畳に寝られる」「風呂に入れる」と喜ぶ一方で「事故が収まらないと先は見えない」と漏らした。
 県によると、宿泊費の負担が受けられるのは30キロ圏内の住民や、震災で自宅が全半壊した住民。宿泊期間は仮設住宅などが整うまでで、家族ごとに部屋に分かれて生活してもらう。
 県が宿泊施設に協力を呼び掛け、1泊3食付きで5千円以下に設定。3万人分の受け入れ先を用意し、今後各自治体が希望する住民の声をまとめ移ってもらう。
 ホテル華の湯の安藤弘道支配人(53)は「事故の風評被害で観光業も大変な中での協力だが、復興に向け足並みをそろえなければ」と話した。
(2011年4月 1日)
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 自治体が,原発事故からの避難者の宿泊代を負担している場合には,自治体はその分の損失を被ったことになる。この支払いが単なる立替払いの場合は,自治体は,後から,避難者から回収することになろうが,そうでない場合は,自治体は,東電に対して,その出費分を請求することになる。その法律構成はどうなるのか。

1 直接の被害者として
 法律上の義務として,自治体が,当然に,住民のために宿泊施設等を提供しなければならない場合は,原発事故との相当因果関係が肯定されることが多いだろうから,そのまま,自治体自身が,原発事故により損害を被ったとして,直接の被害者として,原賠法3条1項に基づく損害賠償を東電に対して請求できると構成する余地があろう。

2 損害賠償による代位の類推
 民法422条では,「債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。」とあり,この規定の類推適用によって,自治体の代位請求を認める余地もあるかもしれない。

 ※最高裁昭和36年1月24日判決(判タ115号67頁)「労働基準法は、同法七九条に基き、使用者が遺族補償を行つた場合において、補償の原因となつた事故が第三者の不法行為によつて発生したものであるとき、使用者はその第三者に対し、補償を受けたものが、第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得するか否かについて何ら規定してはいないが、右のような場合においては、民法四二二条を類推して使用者に第三者に対する求償を認めるべきであると解するのが相当である」

3 被害者の有する権利の代位行使として
 避難者は,宿泊料等の避難費用を,原子力損害として,〔相当な範囲で〕東電に対して請求しうる立場にある。ただ,紛争審査会の指針にもあるように,実際に,避難者が,請求できるのは原則として現実に支払った実費負担部分だけなので,実際に払っていない部分については,避難者が請求してもその部分は支払いを受けられない。
 もっとも,本来,避難者は宿に対して,宿泊料の支払義務を負う。そして,避難者はその代金支払分を,原子力損害として東電に請求できる状態にあるのが原則である。その場合に,自治体が,避難者に代わって,第三者として宿への宿泊代金の支払いを行ったもとのみて(第三者弁済,民法474条),避難者は宿泊料の支払いの債務を免れたことにより,自治体が東電に代わって避難者に賠償金を支払ったものとみて,代位(弁済による代位,民法499条,500条類推)することにより,宿代分の損害を,直接東電に請求するという構成が考えられる。

4 避難者から賠償請求権の一部譲渡を受けたと構成?

5 事務管理の費用償還請求権(民法702条類推?)

6 不当利得返還請求権(民法703条)
 自治体が、第三者として支払ったことで、東電がその部分の避難者への賠償義務を免れ、法律上の原因なくして利益を得たとして、不当利得返還請求をする。

7 法律上の義務の場合に,東電の賠償請求権と,原発事故の結果自治体が負った義務との関係を不真性連帯債務として,とらえて自治体から東電への全額の求償請求を認める。


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2011-06-03 : ・地方自治体の損害 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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