東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その6 論点 原子力損害賠償紛争審査会第14回資料

■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その6 論点 原子力損害賠償紛争審査会第14回資料


原子力損害賠償紛争審査会(第14回)
1.日時
平成23年9月21日(水曜日) 16時00分~18時00分
2.場所
文部科学省(中央合同庁舎7号館東館) 3階講堂

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/09/21/1311103_2_2.pdf

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(審14)資料2
自主的避難に関する主な論点

本資料は、審査会における議論のために作成したものであり、指針の内容、損害の範囲について何ら予断を与えるものではない。

【これまでの経緯】
 8月5日に「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下「中間指針」という。)を決定・公表した。この中間指針では、政府による避難等の指示等(自主避難の勧告等も含む。)に基づく避難に係る被害については賠償の考え方が明らかにされたが、当該指示等に関係なく自らの判断で自主的に行った避難(以下「自主的避難」という。)に係る被害については、避難に至った状況及び事情が多岐に渡る上にその実態を明らかにすることが困難であること等から、中間指針の対象とされていない他の損害と併せ、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得るとの一般論を示している。一定範囲の自主的避難に係る損害につき原則として相当因果関係が認められる類型として指針で明示することが可能か否か、審査会において引き続き検討を行うこととされた。

【論点】
1.自主的避難に関する検討の方向性
 一般的には、政府による避難等指示の対象区域外に居住する者であっても、放射線被曝の危険を回避するための避難行動が社会通念上合理的であると認められる場合には、その避難費用等は、賠償すべき損害となり得る。このような避難の合理性を判断するための適切な基準について検討する。
 自主的避難については、そもそも指針によって具体的な基準を示して類型化することが可能か、それとも一般的な基準のみを指針で示し、個別具体的な事情に応じて相当因果関係を判断することが適当か、も含めて検討する必要がある。
 このため、これまでに得られた情報に基づき、次の2つのケースに分けて検討してはどうか。
① 事故当初の時期に、自らの置かれている状況について十分な情報がないと考えたことから大量の放射性物質の放出による被曝を回避するために避難を選択した場合
② ①の時期の経過後に、比較的低線量の放射線による健康への影響を可能な限り減らしたいと考えたことから避難を選択した場合

2.事故当初の自主的避難について
 事故当初は、原子力発電所の原子炉建屋で爆発が起きて一時的にある程度の放射性物質が放出されたとみられる。また、原子力発電所の状況等に応じて、避難指示等の範囲が拡大されるなどの状況であった。周辺の住民にとっても、自らの置かれている状況(水素爆発の再発可能性、放射線量等)に関する情報は、現在と比べても相当不足していたと考えられる。こうした中で、政府による避難指示等の対象ではないが、住民が自主的避難を行ったことについてどう考えるか。

(1)対象区域
 自主的避難の合理性を判断する際に、区域による具体的基準を設けることが可能か。
その際、住民にとって一定の生活圏を構成する行政区域ごとに検討することが考えられるのではないか。あるいは、他の分け方(例えば、東京電力(株)福島第一原子力発電所(以下「第一原発」という。)からの距離等)で検討するべきか。
 行政区域ごとに検討する場合、考慮すべき要素として、事故発生地からの距離、実際の線量、自主的避難者数、その人口比率等が考えられるのではないか。(例えば、避難指示等の区域に近接している相双地区及びいわき地区は、事故当初に自主的避難したことについて他の区域と異なると言えるか。また、県中地区、県北地区、県南地区についても一定割合の自主的避難者がいるが、どう考えるか。)
 ただし、これらの検討にあたっては、地震・津波によって家屋等に被害が生じたり、地域の電力・水道等のインフラが停止したりしたために避難した者が少なからずいることにも留意が必要である。
(3月15日時点での自主的避難者数(福島県災害対策本部の調査結果))
いわき地区(15,377人(人口比4.5%))、相双地区(12,205人(人口比約24%))、県中地区(6,448人(人口比1.2%))、県北地区(5,062人(人口比1.0%))、県南地区(1,062人(人口比0.7%))会津地区(102人(人口比0.04%))、南会津地区(不明)

(2)対象時期
 自主的避難をした時期によって、合理性を判断する基準とすることが可能か。事故発生直後は、住民が得られる情報が十分ではなかったが、日を重ねるにつれて原子炉建屋の状況が明らかになり、3月16日以降、文部科学省及び福島県より、各地域における放射線量に関する情報が発表(3月19日以降、モニタリングの地点が充実)され、県内の新聞でも報道された。また、政府による避難指示等については、3月15日までに20km圏内への避難指示及び20~30km圏内への屋内退避指示が出され、その後、3月25日には、官房長官より、屋内退避区域における自主避難の促進、避難指示を想定した諸準備の加速について公表された。また、4月22日には、屋内退避指示が解除されるとともに、新たに警戒区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域が設定された。こうした中で、
①どの時点までをこの「事故当初の時期」として議論すべきか。
②その「事故当初の時期」の中で、自主的避難をする場合は一様に扱ってよいか、それとも時期により扱いを変えるべきか。
③自主的避難の後、避難先に滞在する期間により扱いを変えるべきか。この際、後に検討する「事故当初の時期経過後の自主的避難」との関係をどう考えるか。

(事故発生以降の政府の対応)
3月11日 第一原発1号機から半径2km圏内の住民に避難指示(20:50)
その後、第一原発から半径3km圏内の住民に避難指示(21:23)
第一原発から半径10km圏内の住民に屋内退避指示(21:23)
3月12日 第一原発から半径10km圏内の住民に避難指示(5:44)
東京電力(株)福島第二原子力発電所(以下「第二原発」)から半径3km圏内の住民に避難指示(7:45)
第二原発から半径10km圏内の住民に屋内退避指示(7:45)
第一原発1号機にて爆発音(15:36)
その後、半径10km圏内の住民に避難指示(17:39)
第一原発から半径20km圏内の住民に対する避難指示(18:25)
3月14日 第一原発3号機にて爆発音(11:01)
3月15日 第一原発2号機にて爆発音(6:00頃)
第一原発から半径20~30km圏内の住民に屋内退避指示(11:00)
注水作業に直接関わりのない作業員等の一時撤退
3月15日頃~ 福島県が第一原発から半径50km圏内の市町村に安定ヨウ素剤を配備
(3月16日 米国政府による自国民に対する80km圏外への退避勧告)
3月18日 INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)評価について、レベル5と暫定評価
3月25日 屋内退避区域の住民に対する自主避難の促進の必要性及び避難準備の可能性について発言(官房長官記者会見)
4月11日 計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定に関して発言(官房長官記者会見)
4月12日 INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)評価について、レベル7と暫定評価
4月21日 避難区域を、第二原発から半径10km圏内から半径8km圏内に変更
第一原発から半径20km圏内を警戒区域に設定
4月22日 第一原発から半径20kmから30km圏内に設定されていた屋内退避指示を解除。計画的避難区域及び緊急時避難準備区域を設定
6月30日以降 特定避難勧奨地点を指定

(3)損害項目
 政府による避難等の指示等によって避難した者については、避難費用、営業損害、就労不能等に係る損害、精神的損害等の損害項目について賠償すべき損害と認めている。一方、自主的避難については、自ら避難を選択したことにより被害が生じた、また自主的避難をした者の住む地域には避難をせずに滞在していた者がいた、という点で政府による避難等の指示等の場合とは異なる。これらを踏まえ、もし自主的避難に係る損害を認める場合、どのような損害項目を賠償の対象とすべきか。

(4)対象者の属性
 幼い子供を持つ親や妊婦は、事故当初、安全性に関する十分な情報がない中で、放射線による子供の健康への影響を懸念して避難を選択する場合も考えられる。幼い子供や妊婦に係る自主的避難については、それ以外の者が行ったものと分けて考える必要があるか。

3.事故から一定期間経過後の自主的避難について
 事故から一定期間が経過し、原子力発電所のプラントの状況も報道等を通じて事故当初より明らかにされ、一部の区域等(計画的避難区域、特定避難勧奨地点等)を除いて自らの生活圏内の放射線量も年間20ミリシーベルト以下と予測されることが確認されたが、少しでも被曝線量を低減させるために自主的避難することについてどう考えるか。

(1)対象区域、対象時期等
 放射線量が年間20ミリシーベルト以下の地域では、放射線量との関係で緊急時の避難をする必要がないために政府は避難指示を行っていない。一方、年間20ミリシーベルト以下の地域であっても、通常よりも比較的高い放射線量の地域については、長期間その放射線量を維持したまま生活することは想定されていない。このため、政府及び自治体は、住民の安全を前提に、除染等により生活環境の整備を進めている。こうした除染等の環境整備が計画的に行われる中で、現時点で放射線量が通常よりも高いことを理由に、自主的避難することをどう考えるか。その対象区域、対象時期についてどう考えるか。

(2)損害項目
 2.(3)と同様に、自主的避難については、自ら避難を選択したことにより被害が生じた、また自主的避難をした者の住む地域には避難をせずに滞在していた者がいたとの事情を踏まえ、もし自主的避難に係る損害を認める場合、どのような損害項目を賠償の対象とすべきか。

(3)対象者の属性
 幼い子供を持つ親や妊婦は、放射線による子供の健康への影響を懸念して避難を選択する場合が考えられるが、放射線量等に関する情報が事故当初よりは得られる状況での判断である点で、前述の事故当初の場合と異なる。この状況で、幼い子供や妊婦に係る自主的避難について、それ以外の者が行ったものと分けて考える必要があるか。

4.その他考慮すべき事項
(1)避難しなかった者との関係
・ 自主的避難者の数よりも避難せずに滞在していた者の数がはるかに多い中で、避難した者に損害を賠償することをどう考えるか。
・ また、避難しなかった者が不安に感じたまま滞在することがあると考えられるが、これをどう考えるか。
・ 一方、中間指針では実際に避難した者について「避難等に係る精神的苦痛」(すなわち、「避難による自宅以外での生活」又は「屋内退避による行動の自由の制限等」により「正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたために生じた精神的苦痛」)が賠償対象と認められていることとの関係をどう考えるか。

(2)避難指示等の区域における損害との関係
自主的避難に関する損害の範囲については、仮に損害を認める場合、中間指針で示されている避難指示等に係る損害の範囲との関係をどう考えるか。例えば、以下の論点が考えられる。
・ 自主的避難に関する損害項目や範囲に関して、避難指示等に関する損害の賠償を超えないようにすべきか、それとも、両者の関係を考えず議論してよいか。
・ 避難指示等が解除された後に同指示等区域から避難した場合をどう考えるか。その他の区域からの自主的避難と同等に扱うべきか。
・ 中間指針では、緊急時避難準備区域から6月20日以降に避難を開始した場合は、子供、妊婦、要介護者、入院患者等に限って賠償の対象とされているが、このこととの関係をどう考えるか。

(3)対象者及びその損害の認定の困難さ
 自主的避難の形態は様々であり、一定期間に一定区域にいた者が移動した際、原子力損害として認められるかどうかの認定が困難な場合がある。証明の事務負担を緩和しつつ適切に賠償するための方策は考えられるか。


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2011-09-22 : ・「自主」避難者の問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その5 原子力損害賠償紛争審査会第13回の議論

■2条「原子力損害」の意味・範囲 「自主」避難者の問題 その5 原子力損害賠償紛争審査会第13回の議論


http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/gijiroku/1310893.htm

原子力損害賠償紛争審査会(第13回) 議事録
平成23年8月5日(金曜日)14時00分~16時30分

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<略>

【能見会長】  はい。
 それでは、次の議題3に移りたいと思います。先ほど途中で申し上げましたように、この自主避難に関連する問題というのは、いろいろ広がりもあり、深みもあり、重要であり、かつ難しい問題を含んでおりますので、私としては、今日の審査会でその扱い方について合意ができるのであれば、もちろん中間指針の中に含めてもいいと思っていたのですが、そう簡単にはいかないだろうと思いましたので、中間指針とは切り離して、ここで別に時間をとって議論していただきたいと思った次第です。
 前回も、ほんとうに短い時間でしたけれども、ご議論いただきまして、少し議論が出ましたので、そのときの議論などをも参考にしながら、自主避難に関する論点を整理したペーパーを用意しました。では、このペーパーについて、事務局から説明をお願いできますか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  短いものでございますので、そのまま読ませていただきます。資料3でございます。
 自主避難に関する論点といたしまして、紛争審査会が策定する指針は、賠償すべき損害と認められる一定の類型の損害の範囲を示すもので、被災者の迅速な救済を図るという観点から、相当因果関係が認められ、賠償すべき損害として整理可能なものから順次指針として策定してきた。中間指針では、現段階で明らかになっている原子力損害の全体像として、避難に係る損害については、年間20ミリシーベルトを超える被曝のおそれのある区域・地点や今後起こり得る緊急時に避難が求められる区域など、政府の避難指示等の有無を基準として、避難をする合理性が認められるものを指針の対象とすることとした。
 2でございますが、一方、これ以外にも、避難等の対象区域外に住居があって、自主避難をしている方が多数いると考えられ、これらの者の避難費用等が賠償すべき損害と認められるか否かの問題がある。
 3でございますが、一般的には、指針の対象区域に居住する者ではなくとも、被曝の危険を回避するための避難行動が社会通念上合理的であると認められる場合には、その避難費用等は、賠償すべき損害となり得る。このような避難の合理性を判断するための基準としては、例えば、本件事故直後では原子力発電所からの距離等を基準に、それから、その後においては一般的には放射線量等を基準とすることが考えられるが、政府が避難指示等の措置を何ら講じない地点において、自主的な避難をすることが合理的か否かについて判断するための適切な基準があるかどうかが問題である。
 4でございます。政府は、年間20ミリシーベルトを計画的避難の指示や特定避難勧奨地点の指定の際の基準として用いており、これを上回るおそれのある地域・地点については、避難指示等の措置を講じることとしている。このような政府の基準は下回るが、相当量の放射線量率が観測された場合などにおいて、放射能の危険を懸念して自主的に避難することの合理性が認め得るか否かについては、いわゆる風評被害の場合と類似した点もある。また、妊婦、子供等対象者の範囲、検査費用、避難費用等損害項目の範囲、避難指示等が解除された区域との整合性など考慮すべき事項がある、ということでございます。
 申しわけございませんが、大臣にいらしていただきましたので、先ほどちょうど中間指針をおまとめいただいたところでございますので、木大臣のほうからですね。

【能見会長】  そうですね。では、第3の議題に入る前に、木大臣がお見えですので、先ほど中間指針が決定されたことをご報告申し上げ、大臣には、一言ごあいさつをいただければと思います。

【木文部科学大臣】  木義明でございます。
 能見会長はじめ、委員の皆様方には、4月15日の第1回開催以来、大変ご多忙中の中で精力的にご審議を重ねていただきましたこと、そして、本日、中間取りまとめをいただいたこと、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 ご承知のとおり、国会におきましても、被害者早期救済法、いわゆる政府仮払い法、そして賠償支援機構法が成立いたしました。被災者の早期救済を図るために、損害賠償を円滑に進める枠組みが整ったわけでございます。文部科学省といたしましては、関係省庁と連携をしながら、この指針に沿って、迅速に公正かつ適正な賠償が行われるように最大限の努力をしてまいります。
 今回の事故は、周辺住民の皆さんはもとより、極めて広範囲、そして、さまざまな被害をもたらしました。そういう意味において、我が国において例のない大変厳しいものでございました。したがって、国民、社会的にも大きな関心が示される中で、指針の取りまとめにおきましては、大変な難しい判断もおありであったのではないかと思っております。多岐にわたって検討をしていただきました会長をはじめ、委員の皆さん方に、改めて皆様方のご見識、ご尽力に敬意を表する次第でございます。
 一方、事故はまだ収束への途上にあります。今後も新たな被害が生じる可能性は排除できません。また、避難区域の解除後における損害賠償の考え方など、今後も指針の追加とか、あるいは改訂をする必要が生じることが考えられます。したがいまして、大変なご労苦の中で、またご多忙の中で、精力的にこれまで審議をいただきましたが、引き続き委員の皆様におかれましては、お知恵を拝借できますように、今後とものご協力をお願いを申し上げます。
 改めて、会長をはじめ、委員の皆さん方に、心からお礼を申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

【能見会長】  大臣、どうもありがとうございました。
 それでは、第3の議題についてご議論いただきたいと思います。これは、先ほども言いましたように、非常に多くの問題点が関連しておりまして、難しい問題で、本来であれば、私から若干整理してお話したほうがいいのかもしれませんけど、あえてそれはしないで、皆様に自由なご議論をしていただきたいと思います。その上で、もし必要であれば、若干議論の整理をしたいと思います。そういうことですので、皆様のほうから、どなたでもご議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 中島委員、どうぞ。

【中島委員】  この自主避難に関する論点の第4の段落を前提にしますと、この自主避難の問題は、異質な2つの問題が含まれているように思われます。1つは、第4の段落の最初の3行に関するんですが、政府は、国際防護委員会の基準に従って、20ミリから100ミリの間の中の一番の安全値である20ミリを基準に、この避難の地点・範囲を指示されておりますけれども、瞬間的には20ミリの毎時に換算した値が出ているけれども、その後収束したために避難地域に入っていない区域がある。
 そうしますと、瞬間的に、このままだと20ミリになりそうだという値が出たときに避難したけれども、結果的に政府の指示の区域に入っていない地域、例を挙げますと、福島市がそうですけれども、福島県の公表されているものを見ますと、20ミリシーベルト、これは年間20ミリですから、毎時に直しますと、単純に割りますと2.8マイクロシーベルトですが、文科省の基準で言いますと、外に出る時間が1日8時間だとして計算しますと、3.幾つのマイクロシーベルトが基準になると思うんですが、瞬間的には福島市では、福島県のホームページから見ますと、事故直後は8とか9マイクロシーベルトの値が1週間ほど続いておりまして、専門家に聞きましたら、おそらく半減期が8日間のヨウ素ではないかと。というお話もありますが、しかし、一般の人はわかりませんので、この値からいくと、もう当然、政府指示の20ミリになると思って避難したけれども、結果的に福島は現在も警戒区域にも入っておりませんし、避難等の区域に入っておりません。
 このように、政府の基準に満ちている、瞬間的にはそうなる可能性もあったけれども、避難区域に入っていない地域をどうするかという問題と、さらにその下に風評被害と類似した点があるという指摘がありますが、さらに、そこに至らないけれども、何らかの危険を感じて、もう少し別の基準もあるようですので、当時はいろんな流言飛語もあったと思いますけれども、インターネット等で、国際的な基準から見ると危ないといううわさも流れていたりして、それに基づいて、妊婦や乳幼児を持っている、放射線感受性の高い家族のある人は、予防的に避難した人もいる。その場合に、政府の基準20ミリには達しないけれども、それに達しない基準で逃げた人の判断は不合理だったのかどうか。合理性があったのではないかという、この2つの問題、異質な問題があるように思います。
 この適切な基準があるかどうかが難しいというのは、風評被害の政府の20ミリに満たない基準でも逃げた、避難した場合はどうかというほうの問題ではないかと思うんですが、瞬間的には20ミリに達する、これは計算してみますと、3.8マイクロシーベルトを超えていた地域というのは、当時、政府の避難指示以外にもあったわけで、それに基づいて逃げた、避難した人は、当然、これは含まれてよいのではないかと思いますし、それ以下の基準でも、国際的にはいろんな説もあるようですが、それに近い値で危険を感じて逃げた場合はどうかというところがあると思います。
 これに関しては、問題の指摘のほかに意見も申し上げたいんですが。

【能見会長】  どうぞ、結構です。

【中島委員】  この20ミリより下のラインについてはどうかと、ここが大変難しいところかと思いますが、前回、草間委員が示唆されましたのは、労災の基準があるじゃないかとおっしゃられたものですから、労災認定基準をちょっと調べてみたんですが、昭和51年11月8日の労働省の通達では、白血病の認定基準では、年間5ミリシーベルトの被曝があった場合には、業務起因性を認めると。要するに、被曝との因果関係を認めるという基準になっている。
 この5ミリという値は、ちょうど、近い数字としては、放射線管理区域、これは文科省のQ&Aでは、観点が違うというふうになっていますけれども、放射線を扱う施設内では、5.2ミリという基準だったと思いますが、それに近い数字になっている。偶然なのか、付合している。このあたりも、1つの手がかりになるのではないかと思っております。

【能見会長】  どうもありがとうございました。
 基準のどれが適切かという問題のほかに、まず2つを分けて考えるべきではないかということを今議論されたわけですが、こういった点について、ほかの委員はどういうふうにお考えでしょうか。
 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】  今、中島委員が言われた2つというのは、すみません、ちょっと確認させてください。2つというのは、何と何ですか。

【中島委員】  年間20ミリシーベルトに相当する値に達していたけれども、その瞬間は達していたけれども、その記録が、その観測が続かなかったために、その後、結局、特定避難勧奨地点に入っていないところがあると。しかし、瞬間的に高い数値が出たために避難した場合と、そこに至らないけれども避難した人というのは、少し異質なのではないかという問題です。

【大塚委員】  わかりました。すみません。
 私も2つに分けたほうがいいと思っていたんですけど、中島委員の意見とわりと近いとは思いますが、事故直後に、3月中に不安を感じて避難をした方について、合理的な行動であれば避難費用を出してもいいと考えますけれども、少なくとも避難費用は出したほうがいいと思いますけれども、そこで、どこで区切るかというのはちょっと問題になってしまいますので、今、中島委員が言われたのを、幾つかの基準を出していただいたので、それが基準になるかなと思いますし、当時は、アメリカは80キロと言っていたので、何を信ずるかというのは多分わからない中で行動された方がいらっしゃることは事実だと思いますので、そのどこまでを合理的と見るかというのを考えなくてはいけないと思っています。
 中島委員の意見と多少別の観点で申しますと、この問題は、何が合理的かということはもちろん私も大事だと思っているんですけれども、コアになる問題というのは、むしろ不安だと思うんですね。不安で行動したことをどう見るかとか、あるいは、今でも20ミリシーベルトはいっていないけれども、避難区域のそばに住んでいる方も含めて、不安に感じておられる方をどう見るかという、避難されることをどう見るかということだと思います。これは下級審の判決で幾つか出ていて、別に固まっているわけではないですけれども、平穏生活権の問題というのが幾つか認められたものがございますので、廃棄物処分場のそばで井戸水を飲んでいる方とかですけれども、それと同じような問題ではないかと思います。
 ただ、単に不安を感じているから直ちに賠償を払うということには、残念ながらなりませんので、ある程度やはり合理性とか合理的な基準というのは必要にはなってくると思います。単に通常人だったら不安に感じるというだけで賠償するわけにはいかないと思いますけれども、その合理的な基準が何かというのは、検討する必要があると思いまして、今、中島委員が言われたものは、その中の幾つかの例ということになるのではないかと思います。
 私自身も2つ分けたほうがいいと思っているんですけど、さっきの中島委員の議論とは多少違いますけれども、事故直後、3月中に不安を感じて出ていかれた、避難された方と、それ以降に避難した方とか、避難はされていないけれども不安を感じていらっしゃる方というのは、ちょっと区別したほうがいいかなと思っています。3月中に水素爆発が起こったので、びっくりして避難した方というのは、より強い保護に値するのではないかという感じはいたします。後者のほうも、もちろん、ある程度精神的損害を感じておられるので、それはやはりある程度の合理的な基準は必要だと思いますし、払っていいが、かなり限られた額になるかとは思いますが、それらの2種類の区分けができるのではないかと考えております。
 いずれにしても、20ミリシーベルトを超えるところに住んでおられた方で避難された方に比べると、リスクは小さいことは小さいので、全額を払うとかという話には残念ながらならないとは思いますので、賠償額は限定されることにはなると思うということも、追加して申し上げておきたいところでございます。
 それから、あと、特に子どもですね。子どもと妊婦の方が、特に払う必要があるのではないかと思います。

【能見会長】  先に、米倉委員、どうぞ。

【米倉委員】  線量に関してはちょっと置いておきまして、違う視点で少し議論を出させていただきたいと思います。それは、この中間指針で今まで見てきたものが、基本的には、政府が決めた避難ということによって、避難を余儀なくされたという方、あるいは、出荷制限ということによって損害を受けた、あるいは、若干違うと思うんですが、風評被害ということで、これもある意味で第三者が関与して、こういう被害を受けたということに今までなってきたわけです。そこに限られてきたので、この論点の1番目の一番下にある、「政府の避難指示等の有無を基準として」というふうに書かれてはいますけれども、そこで、この審査会で議論してきたところは、やむを得ず避難を強制されたというところに対する損害賠償をするという、そういう基準になっているかと思います。
 自主避難ということになりますと、これは本人が動いたことということで、別の視点が入ってきているように思いますので、ここまで広めるのであれば、それにかかわるようなかなり広い範囲のものも一緒に考える必要があるだろうというふうに考えています。
 先ほど幾つか議論があった中で、では年間20ミリシーベルトというのに対してどのように考えるかということがあるんですけれども、中島委員が言われたように、実際に住民の方々がそこで持っている情報は、年間20ミリシーベルトではなくて、ある地点の線量率が幾らであったかということなので、もし何らかの基準を認めるとすれば、そのときそのときの線量率、これが1つ基準になるかなと。それから、水素爆発等によって、それなりの恐怖心を感じられたということ。それから、先ほどから話があるように、お子さんがいらっしゃるときに、放射線に対する不安を感じられた。そういう幾つかのファクターが出てくるので、そういうものを勘案して、何か基準を決めていくということになるのかなというように感じています。

【能見会長】  では、草間委員、どうぞ。

【草間委員】  まず、自主避難に関してですけれども、中間指針の中で、4月22日に一応解除になっても、とりあえず残っている方たちについて、7月末日まで認めましょうと。これは、ある意味、ちょっと逆の考え方をすれば、自主避難をしているということになると思うんですね。だから、これを認めたということになると、今議論になっている自主避難についても、何らかの形で認めざるを得ないんじゃないかなと思います。だから、自主避難について認めるということは賛成なんですけれども、ここでその基準を決めるということは大変難しいと思うんですね。
 だから、先ほど、4月22日の取扱いについて、特段の理由がある場合にという形だったと思うんです。だから、特段の理由の中に、例えば線量率の高いところとか、そういったような形で認識することにしないと、ここで数値的な基準を決めますと、さまざまな、ただでさえダブルスタンダートが問題になっているときに、ダブルスタンダートになる可能性もあるので、私は1つの基準というよりも、特段の理由のときに、例えば線量率が高いとか、そういったことを入れるような形が1つあるのかなと思っています。
 それと、先ほど、子どもとか妊婦がいるから云々という話ですけれども、ICRPも含めまして、20から100というのは、緊急時の公衆の避難等の措置をするときに、20から100の巾の中でということなんですけれども、限度も含めまして、ICRPは、公衆の限度等を決めるときに、なぜ職業人より低くしているか。もちろん、直接的な利益があるかないかというのもですけれども、公衆の中には子どもや妊婦がいるということで、低くしているんですね。だから、20ミリというのは、子どもも妊婦も含めて、一応20から100の間で考えたらどうでしょうということですので、そういうふうにご理解いただきたいと思います。
 なぜ公衆の限度を低くしているかということにつきましては、ICRPがPublication9を出したときに、そういったことをきっちり明示しております。ICRP勧告というのは、2007年勧告が最新ですけれども、一応ずっと継続性を持って勧告をしてきているので、ぜひその辺はお考えいただきたいと思います。
 いずれにしましても、ここで基準を決めるということではなくて、特段の理由のときに、先ほどあったような数値を用いるということをお考えいただいたらどうかなと思います。
 それと、先ほどの労災のことですけれども、誤解があるといけないんですけれども、5ミリシーベルト掛ける業務年数という形です。それで、5ミリシーベルトというのは、先ほどお話ありましたように、昭和51年の基発810号すなわち基準局通達で出されているんですけれども、そのときの5ミリというのは、当時、職業人の限度が今でいう50ミリだったんですね。それで、その10分の1というのと、当時は――今は公衆の限度というのは1ミリシーベルトですけれども、この1ミリというのは、1980年のICRPのパリ声明で1ミリというのが出たんですけれども、それまでは公衆の限度というのは1年間に5ミリだったんですね。一応管理区域が云々ではなくて、職業人の10分の1、あるいは、公衆の限度の今でいう5ミリ、そういったのが参考になったのではないかと考えております。

【能見会長】  ほかにいかがでしょうか。
 今、草間委員から、この審査会で基準を設けることは難しいというお話があったのですが、基準という場合に、おそらく分けて考えなくてはいけない問題があると思うのですが、これは大塚委員の意見とも少し関係するところですが、この審査会で安全性の基準そのものを決めることは当然できないし、この審査会の権限の範囲内でもない。ここの審査会で考えることは、何らかの安全の基準がありうるのであれば、それが決まっていなくても、それを横目でにらみながらといいますか、それを想定しながらも、その安全性の基準そのものとはそれとは別に、いわば独自に、避難等をするのが合理的な状況なのかどうかを決めること、その基準を決めることだろうと思うのです。この判断自体もなかなか難しいということは、おっしゃるとおりだと思います。まずはっきりさせておきたいことは、われわれが議論するのは安全基準そのものとはやはり違うということです。自主避難が合理性があるといえる基準は何かを考えたらいい。
 この問題については、この審査会では必ずしも最初から課題として正面にこれを据えて議論してきていないので、十分な議論もなされてないし、また、十分な調査もされておりません。ICRPの勧告についても検討しなければならないと思いますが、そのようなことをここで議論すべきかどうかも、はっきりしません。ともかくも検討しなければならない問題が多いが、どれも十分に検討していない状況です。そこで、放射線について全くの門外漢である私などは疑問がたくさんあって、それを1つ1つ解明していきたいと思っています。
 先ほど中島委員が、爆発直後にとにかく危ないと思って逃げるという問題と、それから、もうちょっと落ちついてというか、少し長期的な視野のもとで――中島委員は長期的な視野とはおっしゃらなかったかもしれないけど、1ミリシーベルトから20ミリシーベルトの間の問題をどう考えるというのは、一応別に考えたいということでした。
 前者のほうは、私はそれなりに何か基準が出せそうな気がするのですが、後者の1から20ミリシーベルトの問題については、これも専門の先生方がおられるので、いろいろ伺いたいのですけれども、そもそもICRPの緊急時の、20から100ミリシーベルトという基準ですか、その基準と、それから、現状被曝状況というのでしょうか、ある程度落ちつくという状況のもとでの1から20ミリシーベルトという基準があると思いますけれども、一体どっちでそもそも考えるべきなのかわかっておりません。これは安全性の基準の問題で、先ほどこの審査会で判断すべきだと言った風評の問題とは違いますけれども、いろいろな判断をする上での前提問題として、ICRPの勧告を当てはめた場合に、現状をどのように考えたらよいのか、そもそも私にはよくわからないところがあり、それも1つ勉強したいと思っております。
 それから、もう一つは、危険を感じるといいますか、不安を感じるということについてですが――大塚委員は、先ほど、ごみ焼却場の場合の平穏生活権の話をされましたが、今回の原子力事故の場合は、放射線量が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまでの間であっても、おそらく単なる不安の問題ではなくて、ある種の健康の危険というものがあるけれども、それがどのぐらいかわからないという状況での不安ではないかと思うので、ごみ焼却場の近隣で平穏生活が害されるというのとは違うのではないかと思います。では1から20ミリシーベルトの放射線の危険というのはどの程度のものなのか。私、素人の考え方ですけれども、間違っていたら指摘していただきたいんですが、仮に年間10ミリシーベルトという状況で、それが時間とともにだんだん減るのかもしれませんけど、仮にその年間被曝量が10年間続くと、合計では100ミリシーベルトになる。100ミリシーベルトというのは、一般的にはがんの発生する有意な差をもたらす値であると言われているのではないかと思います。そこで、10年間とかより長期の時間的スパンを考えると、現在の放射線量の危険というのはどうなのかという問題があります。子どもですと、10年間ここで暮らしていると危ないんじゃないかと考えるというのが不合理なのか合理的な心配なのか、というような問題があるような気がするのです。こうした問題もこの審査会で議論して決着がつくという問題ではないかもしれませんが、審査会では十分議論して、それなりに我々が納得できる考え方を出していきたいと思います。
 今、直ちにこの場で答えいただくのが難しければ、また後で十分資料をそろえてからでも結構なんですが、先ほどのICRPの勧告でいう20から100ミリシーベルトという基準と1から20ミリシーベルトという基準では、どっちがどういう場面で適用されるか。これはどういうふうに考えたらよろしいんですか。

【草間委員】  ICRPは3つのバンドをつくっているわけですね。1ミリ以下と、1から20と、20から100。
 20から100というのは、いわゆる緊急時の公衆の被曝の上限です。緊急時被曝というのは、いろいろ定義の仕方があると思うんですけれども、1つの定義の仕方として、線源が全くコントロールされていない状況での被曝です。だから、福島原子力発電所の場合を考えますと、今3つのステップに分けて安定化をしましょうという形で考えているわけですけれども、とりあえずステップ1の段階までは線源がコントロールされていないというふうに考えていいのではないでしょうか。これを国がどう考えるかの問題ですけれども、緊急時というのは、いわゆる線源がコントロールされていない状態での被曝というわけですので、どこまでを緊急時と考えるかなんですね。
 それで、1から20というのは、緊急時以外の残存汚染に適用されるものです。今、事故による汚染は、特にセシウムのように半減期の長いものですので、残存汚染という形で残るわけですので。だから、緊急時と残存汚染というポイントをどこで分けるかというところに大きく関係してくるんだろうと思うんですね。

【能見会長】  原子炉自体は、今の状況だと完全にコントロールはされていないかもしれないけど、新たな爆発が生じるという状況ではなくて、そういう意味では、各地の線量も少しずつ減る状況で、そういう状況というのは、緊急時ではなくて、もう既に次の段階だというふうには言えないんですか。

【草間委員】  個人的な考えですけれども、私は、原子炉収束を3つのステップで考えましょうと、保安院等が言っております。第1ステップまでは、まだ原子炉が水素爆発を起こすかもしれないという形で、すごく不安定だったわけですけれども、とりあえず第1ステップは完了しましたということをもうきっちり言っておられるので、だから、第1ステップが終わった段階では、もう1から20のところで考えるということに移行していいのではないかなと思っています。
 防災指針等では、この前田中委員が言ったように、外部被曝では一応50ミリと決められているのですけれども、今回の事故では20ミリを判断の基準とした。これは妥当な判断だったんだろうと思っています。しかし、現在は次の段階に移行したほうがよいと思っております。

【能見会長】  田中委員、どうぞ。

【田中委員】  少し整理してみたいと思うんですが、我が国の防災指針では、予測が50ミリシーベルトを超えるようなときは避難をさせるということになっていて、それは、今、20キロ圏内がそれに該当していると思います。20から50ミリの予測がある場合には屋内退避、今は避難準備区域というんですか、そういうことになると思います。
 今回の事故の特徴は、その外側に実際に20ミリを超えるような汚染区域が出てきたということで、これが計画的避難区域になっています。実際には、当初は日本政府は、防災指針を適用して、住民の避難とか屋内退避を指示していました。その後しばらくたって、ICRPのこの事故に関しての勧告が出てきて、それを日本政府が検討して、それで、20ミリを境界として避難させるとか、避難させないというところが出てきたので、先ほど中島委員が言いましたように、当初の予測という意味では、50ミリだった。当初から20ミリが基準になっていたということはないんだと思います。
 ですから、計画的避難区域の指示が出たのは、4月の半ばぐらいでしたでしたか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  22日です。

【田中委員】  22日ですかね。その時点で20ミリという値が非常に明確に出て、そこからはもう20ミリの上か下かという議論になってきているので。だから、先ほど中島委員のおっしゃったように、実際に空間の線量率がある程度わかってきたのは、多分、3月の20日過ぎぐらいだと思いますので、それまではほとんど国民はよくわからない状態にあって、避難されたんだと思います。
 そこのあたりをどう見るかなんですが、非常に難しい問題ですけれども、私もある程度、あるレベル以上、ある種の認定的なことが必要になるのかもしれませんけれども、自主避難について、ある程度そういうことを踏まえて、国の基準もいろいろ動いたというか、必ずしもアプリオリに決まっていなかったし、その情報が国民に正確に伝わっていなかったという意味において、ある程度そこは配慮する必要があるのではないか。特に子どもについての不安というのは、いまだに消えていませんので、そういう点はあるかなと思いますけれども、今、どこにどうすべきかというのは、私自身は考えあぐねているところです。

【能見会長】  ほかに。では、まず大塚委員、どうそ。次に、鎌田委員、お願いします。

【大塚委員】  2つほど申し上げておきたいんですけれども、自主的に避難することが合理的であったかというのは、その時点で考えなければいけないので、今からさかのぼって考えるようなことでは多分ないと思うんですよね。今、20ミリかどうかが基準として用いられているからと言って、当時の行動の合理性について一定の基準に照らして厳密に考えなければいけないことかどうかというのは、そもそも問題があるとは思います。ただ、だからといって、対象者がものすごく広がっていくことは、もちろん問題があるので、限定をしなくてはいけないとは思っていますが、合理的かどうかというのは、ほんとうにぎりぎり、今考えて詰めることかというと、やっぱり当時合理的だったかどうかということを考えなくてはいけないのではないかなというのが1点ございます。
 もう1点ですけれども、会長がおっしゃったように、廃棄物処分場のケースと違って、こちらのほうが健康に危険がある場合とも言えると確かに思うんですけれども、ただ、聞くところによると、100ミリシーベルトでも0.5パーセントがんの確率が上がるということだそうなので、その下については、そもそもよくわからない、残念ながらしきい値がないという話は伺っていますので、そういう意味では、損害賠償からみたときに法的に健康への危険があると言い切れるかはなかなか難しく、不安の問題だと思うんです。不安というのは法的に扱いにくいものですから、私も不安を取り上げたいと特に思っているわけではないのですけれど、やっぱりある程度不安ということを考えざるを得ないのかなというふうに、私自身は考えております。

【能見会長】  では、鎌田委員、どうぞ。

【鎌田委員】  これまでの各委員のご意見でも、自主避難について、一応一定の配慮をしなければいけないという点では、おおむねコンセンサスがあるんだろうと思うんですね。しかし、どの範囲まで相当因果関係の範囲内にあるものと認めるべきかということを考えるのは、実際、非常に難しいんだと思います。客観的な基準があれば、この指針の基本的な考え方の上に乗っていきやすくなるんですけれども、その基準も、安全基準を定める、あるいは安全基準の合理性について判断する能力は、この審査会には基本的にはないということ。
 それから、自主避難することが適切かどうかと、今大塚委員がおっしゃられたことと共通なのかどうか、自信はありませんけれども、今はこういう状態だったら自主避難したほうがいいとか悪いとかという、こういう行動指針的な基準をつくるのも、ここの役割ではないわけです。
損害賠償の観点から言えば、過去の自主避難について、どこまでが相当因果関係の範囲内であったか。これが行政的な措置によって避難を余儀なくされているわけではないということで言えば、合理的な回避行動として認められるかどうかというのが基準になるんだろうと思います。そのときには、やっぱりその時点時点でどうであったかですから、時期と場所と、それから、幼児、妊婦その他であるかどうかという人の属性とで見ていかなければいけないんだと思いますし、同時に、一般に言われる安全基準の考え方、あるいは、その時々に公表されていたデータや情報との関連というので、かなりきめ細かく見ていかなければいけない。こういう点についても、多分、一般原則では大方のコンセンサスがあるんだろうと思いますので、そういうふうな基本的な考え方の中で、どこまで中身を詰めていけるかという作業を、私はこの審査会で少し詰めて議論をして、合理的な指針の基準ができていけば、それはつくっていくべきではないかなと思います。
 同時に、この資料の中にも書いてありますけれども、自主避難というのは1つの象徴的な事柄で、避難はしていないけれども、避難等の対象区域の隣接地域の人たちの検査費用等も、今の基準、指針からは明示的には挙げられていなくて、一般基準の中で判断してくださいと言われているわけですけど、これは問題の性質としてはほぼ同等でありますから、そういった関連した問題とのバランス等も考えながら、第一弾として出した中間指針の周辺部にあって、合理的に救済をしなければいけないというふうに皆さんが考えることについて、第2段階での指針づくりという作業を始めてはいかがかと考えております。

【能見会長】  どうぞ、田中委員。

【田中委員】  現実に自主避難だけが今取り上げられていますけれども、実際にこの地域のほとんど95パーセントから99パーセントぐらいの人が、避難したくてもできないから、そのまま生活しているという実態も、自主避難の人の救済をする場合には、少しそこも配慮しないといけないのではないかという感じがするので、その辺もぜひご議論いただければと思います。

【能見会長】  今ご指摘の点も非常に重要な観点で、この問題は、従来のこの指針で扱っていた枠組みとやっぱり違う切り口なんですね。20キロ圏、30キロ圏は、それなりにある程度予想される放射線被曝線量を前提にはしていたのかもしれませんけれども、ある意味で単純に距離でもって切っていて、具体的にどの程度の汚染があったかというのとは違う観点から切った範囲です。それに対して、今問題となっているのは、放射線の被曝そのものに関連する――そのものではないかもしれないけれども、それをもとにしての不安ということです。そうなってきますと、今おっしゃったように、自主避難だけが問題ではなくて、そこに残っている人たちのほうが、相変わらず放射線の被曝は続くわけですから、被曝量が多くなり、そういう人たちについてはどう考えるのかという問題も関係してくる。その人たちの健康、健診とか検査の問題とか、場合によっては、その地に残らざるを得なくて、ずっと被曝を続けているため、それが一定の量以上だと、そのような状況のもとでの精神的な損害というものもあるかもしれない。非常に問題の範囲が広くて、そういう意味で、先ほど鎌田委員が言われたように、なかなか簡単には、今すぐには決めにくい。しかし、自主避難についても、この審査会で取り組もうということになっても、どういう観点から、どういうことを検討したらいいか、それからそのためにはま、いろんな必要な調査なども必要になってくると思います。何をしたらいいのか、議論のためにはどんな準備をしたらよいのか、そんな点についても少し議論を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
 米倉委員、どうぞ。

【米倉委員】  少し関連した話になるかもしれないんですが、最初に私がお話ししたように、もともとこの最初の指針、今回の中間指針というのが、ある意味で、政府によって決められた、強制された、それに対する損害賠償という形で始まっているのに対して、今回の事故によって起こった被害という視点ではあまり議論がされてこなかったように思います。自主避難というのは、その1つの例だと思うんですけれども、例えば、幾つか抜けている視点があるように思います。今回、一時立入でいろんな方が協力しておられるのですが、その方々が健康被害を起こしたり、放射線ではなくて、熱中症、あるいはいろいろな病気で倒れられる。
一時立入の住民の方々は、これはおそらく避難地域の方なので、そちらでみられると思うんですけれども、その作業に従事している方、これはボランタリーで来ておられる方もたくさんいらっしゃるので、そういう中での被害というのをどんなふうにみていくのとか、幾つかそういうものがあるような気がしますので、全体として今回中間指針で見た、その周辺部にあるような、放射線あるいは原発事故による被害の中で、それに近い部分というのは、もう一度取りまとめて、何か議論するということをしないと、これだけを取り上げるというのはどうなのかなということを感じます。
 それから、もう1点、先ほど言われたように、まさにそのとおりで、最初の避難地域においても避難できなかった方の問題を取り上げたんですけれども、同じように、自主避難されて、すぐ近くにおられる方というのは非常に不安を持っていらっしゃる。そういう方々に対しても、やはり何らかの検査費用等の補てんはしてあげなくてはいけない。そういうことも含めて、いろいろ幅広い議論が要るかなというふうに感じました。

【能見会長】  はい。
 ほかにいかがでしょうか。
 いろいろなご意見が出まして、先ほど鎌田委員がある程度整理をしてくださいましたが、私も、皆さんの大体のご意見の方向として、この自主避難の問題については、その範囲とか基準はともかくとして、賠償の対象になり得る損害がある可能性がある。それを議論しよう、とそういうところは大体皆さん共通したご意見だったように思います。そして議論するとして、取り上げる問題ないし視点は、自主避難だけか、もうちょっと広い視点で、中間指針では落ちている問題を拾うべきか――中間指針は中間指針で、早急にまとめなくてはいけなかったことで、これは当然必要かつ合理的な作業だったわけですが、難しくてすぐに議論できないために中間指針の対象から落ちているものがあります。そういう問題も取り上げて、自主避難の問題と一緒に今後議論する。そういうことが皆さんの共通のご意見であったように思います。
 ただ、今後、一体どういうことを調べた上でどのように議論したらいいのか、あるいは、自主避難の基準についてはなかなか難しいんですけど、何か基準を考える上で参考になるような考え方があるのかないのか、こうした点についても、少し議論を続けていきたいと思っております。今日、そういう結論といいますか、今後作業を続けていくということのご了解が得られるのであれば、今後少し必要な資料を集め、調べても見ようと思います、ただ、こうした作業ということになると、おそらく来週やるというわけにはいかなくて、いろいろ調べなくてはいけないものがたくさんあると思いますので、今後議論を継続する時期については少し検討させていただければと思います。必ずこの審査会でもう一度、適切な時期に取り上げてご議論いただくということでいかがでしょうか。
 どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】  今のおまとめで全く異論ないんですけれども、ひょっとしたら委員の方の中でも多少ニュアンスの違いがあると思うんですけど、私が多少違っているのは、広く関連したものをいろいろ取り上げることは非常に重要だともちろん思っているんですけれども、おそらく自主避難を3月中にされた方というのは、ほかの方に比べて、やはり考えなくてはいけない度合いは高いのではないかなというふうに私自身は思っていまして、濃淡が多少あるのかなというふうに思います。それは「合理的に行動したというふうに考えられれば」ということではありますが、私はそういう意見を持っているということだけちょっと申し上げます。

【能見会長】  この点も若干ニュアンスの差があって、私は、大塚委員が爆発直後にすぐに避難された方と、それから――そちらのほうが保護の程度が強いのではないかというご意見だったと思いますけれども、どちらが保護の程度が高いのか、私はまだ判断しかねていますけれども、しばらくたって、やっぱり放射線量が相当あるというので避難されるという方も、それもそれなりに合理的な、かえってある程度の情報をもとにしての行動なので、合理的な行動と言いやすい側面もあり、一概にどちらがということは言いにくいような気もします。その点も含めて、もうちょっと検討させていただければと思います。
 鎌田委員、どうぞ。

【鎌田委員】  一言。
 先ほど、損害の性質と時期と地域によって、かなりきめ細かく見なければいけないということと、それから、自主避難だけに限らないというふうに申し上げましたけれども、逆に、自主避難も含めて、審査会が議論の対象にしたということは、何でも幅広く全部賠償するという姿勢を示したということでは決してないわけで、やっぱり相当因果関係の範囲というのが基本にあって、それの中で類型的にとらえられるものから順番にやってきた。それは、明らかに抜け落ちているものがあるのは、最初から承知の上なんですけれども、そういうものの中で、特別に判断の基準を明示していったほうが、今後の展開の上で、被害者の救済を迅速かつ適正に進める上で合理的であり望ましいというものについては、可能な範囲で拾い上げていこうということで、無限に拡大しようというふうな趣旨で申し上げたということではありませんので、念のため申し上げます。

【能見会長】  今の点は全くおっしゃるとおりで、ここで賠償の対象とするのは、あくまでやはり原子力損害というカテゴリーのものであり、かつまた、相当因果関係の範囲内のものということですので、当然、おのずから限度があるということでございます。
 これは私の個人的な感想ですけれども、今までこの審査会でもって、避難費用をはじめとして、医療損害、それから、風評損害も含めて、それなりに幅広く実際に生じた損害というのを賠償の対象としてまいりまして、そういう意味では、指針として十分寄与するものだというふうに思います。しかし、改めて今この問題を考えてみますと、人の健康そのものに関連する被害、健康の被害のおそれがあるので逃げるというものを含めてですが、そちらについては、今日の議論があったように難しい問題があるために、十分扱ってこなかったなという感想を持っております。そういうことで、この自主避難の問題、関連する問題を含めて、人の健康そのものに関わる問題について、もっと切り込んで議論する、十分資料を集めて議論できればということでございます。
 一応私のまとめとしては、そういうことですけれども、ほかに何かご意見があればお願いします。よろしゅうございますか。
 それでは、まだ今後も大変な作業が続くことになりますが、とりあえず今日の審議はこのくらいにしたいと思います。次回の日程ということは特に今確定的には申し上げられないのですが、事務局のほうから何か補足できますか。

【田口原子力損害賠償対策室次長】  会長のお言葉もありましたように、何を調査すべきか、あるいは、議論のためのどういうものを準備するかというものも含めて、会長と相談させていただいた上で、委員の皆様と日程を調整させていただきたいと思います。

【能見会長】  以上で今日の審査会を終わりたいと思います。どうも今日は長い時間ありがとうございました。これで閉会します。

―― 了 ――

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2011-09-06 : ・「自主」避難者の問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・原発事故後の関連訴訟等 その2 平成23年7月、8月分

・原発事故後の関連訴訟等 その2 平成23年7月、8月分


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http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110706ddlk07040219000c.html
毎日新聞 2011年7月6日 地方版
東日本大震災:「集団疎開」仮処分申請、地裁支部審尋 郡山市側、認否を保留 /福島


 福島第1原発事故で、郡山市の市立小中学校に通う児童・生徒14人の保護者が、学校生活で国際放射線防護委員会(ICRP)が線量限度として示す年間1ミリシーベルトを超える被ばくの危険性があるとして、同市に対し、児童・生徒の「集団疎開」を求める仮処分申請の第1回審尋が5日、地裁郡山支部で開かれた。保護者側は早期に放射線量が低い地域への疎開を命じる決定を求め、市側はこの日までに答弁書を提出せず、認否を次回期日(19日)に保留した。

 申し立てによると、同市をはじめ県内の子どもたちは外部被ばくだけで年間1ミリシーベルトを超える環境下で生活しており、安全配慮義務を負う行政は速やかに学校ごと児童・生徒を疎開させるべきだと主張している。

 この日の審尋には保護者側代理人の弁護士のみが出席し、非公開で行われた。会見した柳原敏夫弁護士は「過去に例のない申し立てであり、裁判所に門前払いされることを恐れていた。一刻も早く子どもたちを安全な場所に避難させるために、早急な解決を望んでいる」と述べた。【坂本智尚】


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※「仮処分申立書」
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/110624application.pdf


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http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY201107140325.html
asahi.com 2011年7月14日17時29分

 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、「被災地とともに日本の復興を考える会」と名乗る団体が14日、菅直人首相らに対する原子炉等規制法違反と業務上過失傷害容疑での告発状を東京地検に提出した。今回の事故で刑事告発の動きが明らかになったのは初めて。

 告発されたのは、菅首相と、枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業相、経産省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長、原子力安全委員会の班目春樹委員長、東京電力の清水正孝前社長の計6人。

 告発状によると、福島第一原発の1号機について、菅首相ら6人が、原子炉格納容器の内部圧力を下げるベント(排気)の必要性を認識していたのに、それを遅らせたのは原子炉等規制法(危険時の措置)違反の疑いがあるとしている。また、菅首相、枝野官房長官、海江田経産相の3人については、適切な避難対策を怠り、1号機の原子炉建屋内で水素爆発が起きた際に避難者に被曝(ひばく)させるなどした業務上過失傷害の疑いもあるとしている。


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田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/2011/07/0002656
【福島原発事故】 東電最高幹部、山下教授ら張本人32名を刑事告発 ~上~

21世紀日本、最悪の人道犯罪を引き起こした張本人たちが一斉に刑事告発された。

 主役たちとは東京電力の勝俣恒久会長はじめ最高幹部3人、原子力安全委員会の斑目春樹委員長、寺坂信昭・原子力安全保安院長ら(以上Aグループ)、福島県放射線健康リスクアドバイザーの山下俊一・長崎大学大学院教授(※)、高木義明文部科学大臣ら(以上Bグループ)。

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※「告発状」
http://www.olivenews.net/img/20110717pdf/indictment.pdf


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時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011080200596
再稼働差し止め求め仮処分=関電原発の7基対象に住民-大津地裁

 定期検査で運転停止中の関西電力の原発について、福島第1原発事故で国の安全審査指針の欠陥が明らかになり再稼働は認められないとして、滋賀県や大阪府、京都府の住民約150人が2日、再稼働の差し止めを求める仮処分を大津地裁に申し立てた。
 差し止め対象の原発は、美浜1、3号機(福井県美浜町)▽大飯1、3、4号機(同県おおい町)▽高浜1、4号機(同県高浜町)-の7基。
 代理人の一人の井戸謙一弁護士は記者会見で「第二のフクシマを起こしてはならないという強い決意を政府、電力会社、国民が持つべきだ」と述べた。井戸氏は元裁判官。北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)をめぐる訴訟で2006年、金沢地裁の裁判長として、原発の運転差し止めを命じる唯一の判決を出した。(2011/08/02-16:07)


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http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/archive/news/2011/08/20110809k0000m040108000c.html
毎日新聞 2011年8月8日 21時42分
福島第1原発:ゴルフ場がコース除染など求め仮処分申請

 東京電力福島第1原発事故で、福島県二本松市のゴルフ場運営会社と敷地・施設の所有会社が8日、「コースが放射性物質で汚染され営業ができなくなった」として、除染と除染完了までのゴルフ場維持経費支払いを東電に求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

 ゴルフ場は、第1原発の西北西約45キロにある「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」。

 運営会社側の弁護団によると、東日本大震災発生でコースの一部が崩れるなどしたため、補修などをして7月中の再開を目指していた。ところが、市が6月下旬と7月上旬に放射線量を計測したところ毎時2マイクロシーベルト前後となり、高い所は同7.1マイクロシーベルトを計測したため、再開を断念した。

 両社は「休業期間でもゴルフ場の除草や肥料散布などが必要」と主張、人件費や維持費などの支払いを求めている。7月以降、半年間で必要な総経費は少なくとも約8700万円に上るという。

 第1原発事故を巡っては、国の原子力損害賠償紛争審査会が当面の賠償対象に関する中間指針を示したが、弁護団は「審査会の結論が出るまで申し立てを待つ理由はない」としている。【和田武士】

 東京電力の話 内容を把握しておらずコメントできない。


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産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110826/trl11082612530002-n1.htm
福島のSCが東電を提訴 原発事故で売り上げ失い
2011.8.26 12:52
 東京電力福島第1原発事故で売り上げの全てを失ったとして、原発から半径20キロ圏の警戒区域にある福島県浪江町などでショッピングセンター(SC)を運営する「ジャスト」(同県南相馬市)など3社が26日までに、東電に計約3億4千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

 26日の第1回口頭弁論で、3社側は「資金繰りの問題があり、一部でも早く支払ってほしい」と和解を打診。斎藤清文裁判長は「和解に向けた環境を整える形で進める」と提案し、東電側も検討するとした。

 ほかの2社は、浪江町で100円均一ショップを運営する「白石ショッピングセンター」(宮城県白石市)と、警戒区域内の福島県富岡町でパチンコ店に建物や駐車場を貸している「アトーム」(福島市)。


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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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