東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その4

■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その4


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基準9
総括基準( 加害者による審理の不当遅延と遅延損害金について)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/06/1316595_14.pdf

( 総括基準)
 和解の仲介の手続において、東京電力が審理を不当に遅延させる態度をとった場合には、和解案に遅延損害金を付することができるものとする。この場合においては、利率は民事法定利率年5%の割合とし、平成23年9月30日の経過により遅滞に陥ったものとして計算する。なお、和解により支払いを受ける額を基準として弁護士費用相当額の損害を算定する場合においては、遅延損害金は、和解により支払いを受ける額には含めないものとする。
( 理 由)
1 和解の仲介において遅延損害金を和解金に含めることは必ずしも一般的な取扱いではない。しかしながら、大規模な原子力事故を引き起こし、甚大な被害を受けたおびただしい数の被害者が賠償の実現を待っているのに、加害者が審理を不当に遅延させることは、明らかに不当である。このような場合に、被害者に対して、法律により認められている履行遅滞による損害賠償( 遅延損害金) の請求権の行使を差し控えさせる理由はない。
2 審理を不当に遅延させる態度の例としては、仲介委員・調査官からの求釈明に応じない、又は回答期限を守らない行為、和解の提案に対して回答期限を守らない行為、賠償請求権の存否を本格的に検討すべき事案について中間指針に具体的記載がないなどの取るに足らない理由を掲げて争うなど主張内容が法律や指針の趣旨からみて明らかに不当である場合、確立した和解先例を無視した主張をする場合などが考えられる。
3 遅延損害金の起算日は平成23年3月11日とすることも考えられるが、中間指針の策定日及び東京電力の最初の個人の賠償基準の策定日が平成23年8月、東京電力の最初の法人の賠償基準の策定日が平成23年9月であったことにかんがみ、平成23年9月30日の経過により遅滞に陥ったものとして計算する( 平成23年10月1日を起算日とする。)こととする。
以 上

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基準10
総括基準( 直接請求における東京電力からの回答金額の取扱いについて)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/06/1316595_15.pdf

(総括基準)
 被害者の東京電力に対する直接の請求に対して東京電力の回答があった損害項目については、当センターは、東京電力の回答金額の範囲内の損害主張は格別の審理を実施せずに回答金額と同額の和解提案を行い、東京電力の回答金額を上回る部分の損害主張のみを実質的な審理判断の対象とする。
(理 由)
1 被害者の賠償請求権の簡易迅速な実現という当センターの役割からすれば、直接の請求における東京電力の回答金額に不満がある被害者については、その不満の当否、すなわち回答金額を上回る部分の損害主張の当否のみを審理判断するのが、当センターがその役割を果たす上において適当であると考えられる。東京電力は、被害者からの直接の請求に対して相応の調査をした上で回答を実施しているものと考えられ、回答金額には相応の根拠があるのが通例である上、被害者は最低でも回答があった金額は受領できるものと信じているのが通常であるところ、当センターへの申立てをすることにより東京電力の回答金額よりも下回る金額しか賠償を受けられないリスクがあるとすれば、当センターへの申立てをためらう原因になり、被害者救済の上で適当ではないと考えられる。
2 また、直接の請求に対して東京電力から回答があった金額については、実質的には、被害者と東京電力の間で賠償の合意があったものとみられ、このように実質的に合意が成立した部分については、改めて審理判断をする必要はないと考えられる。
以 上

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基準11
総括基準(旧緊急時避難準備区域の滞在者慰謝料等について)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/08/02/1316595_17.pdf

(総括基準)
 本件事故発生時に旧緊急時避難準備区域に居住していた者のうち、中間指針第3の6の指針ⅠからⅤまで、中間指針第二次追補第2の1(2)の指針Ⅰ及びⅡ並びに総括基準(避難者の第2期の慰謝料について、精神的損害の増額事由等について)に基づく慰謝料支給要件を満たさない期間(ただし、旧緊急時避難準備区域の外に確定的に転居・移住した後の期間を除く。)がある者については、当該期間について、仲介委員の定めるところにより、次の1)又は2)のいずれかに掲げる慰謝料を賠償する。
1) 平成23年3月11日から平成23年9月30日まで
 月額10万円
(平成23年3月分は1か月分の10万円を賠償する。)
 平成23年10月1日以降 月額8万円
 この基準による場合は、当該期間中の生活費の増加費用(低額とはいえないものに限る。)については、当該慰謝料に含まれておらず、別途賠償を受けることができるものと扱う。
2) 平成23年3月11日以降 月額10万円
(平成23年3月分は1か月分の10万円を賠償する。)
 この基準による場合は、1) の基準による者との間に看過し難いほどの顕著な不公平が生じない限り、当該期間中の生活費の増加費用の全額が、当該慰謝料に含まれているものと扱う。
以上

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基準12
総括基準(観光業の風評被害について)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/08/27/1316595_19_1.pdf

(総括基準)
1 青森県、秋田県、山形県、岩手県、宮城県及び千葉県に営業の拠点がある観光業において本件事故後に発生した減収等の損害については、少なくともその7割(未成年者主体の団体旅行に関する減収等の損害については、その全部)が、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理によるものであり、かつ、当該心理は平均的・一般的な人を基準として合理性を有しているものと認められる。
2 1記載の減収等の損害の発生について、1に記載された原因以外の原因が、3割を超える寄与をしている(未成年者主体の団体旅行については1に記載された原因以外の原因が寄与をしている)と主張する者は、その旨を証明しなければならない。
(理 由)
1 観光業については、中間指針において、福島県、茨城県、栃木県及び群馬県に営業の拠点がある観光業に関する本件事故後の減収が、いわゆる「第7の1Ⅲ)①の類型」として、原則として本件事故と相当因果関係のある損害と認められている。しかしながら、前記4県以外にも、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、その地に観光に赴くことを敬遠したくなる心理が、平均的・一般的な人を基準として合理性を有していると認められる場所があることは、もちろんである。
2 福島県以外の東北各県は福島県と同じ東北地方に属すること、東北各県は、特に他の地方(とりわけ関東地方以西)からは、東北地方として一体化して把握される傾向にあること、これに伴い、本件事故後は、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念する他の地方(特に関東地方以西)からの旅行者には福島県のみならず東北地方全体を回避する傾向がみられた。
 千葉県は、海流の関係や放射性物質の飛散の関係において、実際の汚染の有無とは無関係に、福島県との近接性が想起される地域である。本件事故後は、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念する他の地方からの旅行者が、千葉県を回避する傾向がみられた。
3 2 記載の各県における本件事故後の減収等の損害についての本件事故の寄与度は、東日本大震災及びこれに伴う津波の影響などを考慮しても、標準的な場合において、7割を下回らないと認められる。また、本件事故前に毎年継続的に実施されていた未成年者主体の団体旅行( 修学旅行、スキー教室、臨海学校、林間学校等) が本件事故後に中止された場合については、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念する他の地方の保護者の意向が大きく影響しているものとみて差し支えなく、本件事故後の減収等の損害についての本件事故の寄与度は、標準的な場合において、10割とみて差し支えない。
4 上記と異なる寄与度を主張する場合には、その者が上記と異なる寄与度の立証責任を負うのが相当である。この場合において、東日本大震災及びこれに伴う津波の影響が大きかった地域があることから、東日本大震災及びこれに伴う津波の影響の存否及び程度にも留意して、適切な寄与度を判定していくべきである。
以上

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2012-09-12 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 0
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■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その3

■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その3

基準7 営業損害算定の際の本件事故がなければ得られたであろう収入額の認定方法について (PDF:71KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/04/20/1316595_10_1.pdf
基準8 営業損害・就労不能損害算定の際の中間収入の非控除について (PDF:77KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/04/20/1316595_11_1.pdf
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総括基準(営業損害算定の際の本件事故がなければ得られたであろう収入額の認定方法について)

(総括基準)
 本件事故がなければ得られたであろう収入額については、唯一の合理的な算定方法しか存在しないという場合は稀であり、複数の合理的な算定方法が存在するのが通常であるところ、仲介委員は、その中の一つの合理的な算定方法を選択すれば足りる。
 合理的な算定方法の代表的な例としては、以下のものが挙げられ、これらのいずれを選択したとしても、特段の事情のない限り、仲介委員の判断は、合理的なものと推定される。
・平成22年度(又は平成21年度、同20年度)の同期の額
・平成22年度(又は平成21年度、同20年度)の年額の12分の1に対象月数を乗じた額
・ 上記の額のいずれかの2年度分又は3年度分の平均値
(加重平均を含む。)
・平成20年度から22年度までの各年度の収入額に変動が大きいなどの事情がある場合には、平成22年度以前の5年度分の平均値( 加重平均を含む。)
・平成23年度以降に増収増益の蓋然性が認められる場合には、上記の額に適宜の金額を足した額
・営業開始直後で前年同期の実績等がない場合には、直近の売上額、事業計画上の売上額その他の売上見込みに関する資料、同種事業者の例、統計値などをもとに推定した額
・その他、上記の例と遜色のない方法により計算された額
(理 由)
 本件事故がなければ得られたであろう収入額の算定方法には、複数の合理的な算定方法が存在するのが通常である。しかしながら、その複数の方法を比較しても、いずれも期待利益の予測方法であることから五十歩百歩であって、決定的に優れた方法は存在しないのが通常であることから、その算定方法の選択は、仲介委員の合理的な裁量に委ねられる。
以 上


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総括基準(営業損害・就労不能損害算定の際の中間収入の非控除について)

(総括基準)
 政府指示による避難者が、営業損害や就労不能損害の算定期間中に、避難先等における営業・就労( 転業・転職や臨時の営業・就労を含む。) によって得た利益や給与等は、本件事故がなくても当該営業・就労が実行されたことが見込まれるとか、当該営業・就労が従来と同等の内容及び安定性・継続性を有するものであるとか、その利益や給与等の額が多額であったり、損害額を上回ったりするなどの特段の事情のない限り、営業損害や就労不能損害の損害額から控除しないものとする。
 利益や給与等の額が多額であったり、損害額を上回ったりする場合においては、多額であるとの判断根拠となった基準額を超過する部分又は損害額を上回る部分のみを、営業損害や就労不能損害の損害額から控除するものとする。
(理 由)
1 本件被害は、突然に発電所を中心とする半径20kmの同心円上の全域の営業・就労等の生活基盤を破壊され、地域住民の全員が遠方に避難を余儀なくされた(半径30kmの同心円上においても類似の被害が生じた)ことによる営業損害や就労不能損害である。そうすると、遠方の避難先における営業又は就労は、将来の生活再建の見通しを立てなければならない(あるいは将来の生活再建の見通しも立たない)という状況の下で、勤労に当てることができる時間の全部を営業又は就労に当てることができず、また、重い精神的負担を伴うものであるのが通常である。このような営業又は就労は、一般に容易なものではなく、そこにおける収入もアルバイト的なものにすぎないのが通常である。
2 前記のような避難先における営業又は就労の特殊性を考慮すると、当該営業又は就労は、本件事故がなくても実行されたと見込まれるとか、従来と同等の内容及び安定性・継続性を有するとか、その利益や給与等の額が多額であるなどの特段の事情のある場合でない限り、臨時のアルバイト的な収入であると評価するのが相当であって、営業損害や就労不能損害の損害額から控除しないのが相当である。
 なお、利益や給与等の額が多額であったり、損害額を上回ったりする場合においては、多額であるとの判断根拠となった基準額を超過する部分又は損害額を上回る部分のみを、営業損害や就労不能損害の損害額から控除するのが相当である。
 避難先等における営業・就労によって得た利益や給与等の額が多額である場合とは、1 人月額30万円を目安とする。
 したがって、原則として、30万円を超える部分に限り、営業損害や就労不能損害の損害額から控除することとする。
以 上


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テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

2012-04-26 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 1
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■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その2

■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その2


http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/1310412.htm

基準5 訪日外国人を相手にする事業の風評被害等について (PDF:97KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/14/1316595_7_1.pdf

基準6 弁護士費用について (PDF:109KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/14/1316595_8_1.pdf

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総括基準(訪日外国人を相手にする事業の風評被害等について)
(総括基準)
1 我が国に営業の拠点がある観光業の風評被害について、平成23年5月末までに生じた外国人観光客に関する被害のうち解約以外の原因により発生したもの及び通常の解約率の範囲内の解約により発生したものと本件事故との間の相当因果関係が認められるのは、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理が、平均的・一般的な外国人を基準として合理性を有していると認められる場合とする。
2 我が国に営業の拠点がある観光業の風評被害について、平成23年6月以降に生じた外国人観光客に関する被害と本件事故との間の相当因果関係が認められるのは、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理が、平均的・一般的な外国人を基準として合理性を有していると認められる場合とする。
3 訪日外国人を相手にする事業の風評被害について、商品又はサービスの買い控え、取引停止等と本件事故との間の相当因果関係が認められるのは、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理が、平均的・一般的な外国人を基準として合理性を有していると認められる場合とする。
4 1から3までの基準の適用については、放射性物質による汚染の危険性を懸念する訪日外国人は、福島県及びその近隣地域のみを敬遠するのではなく、日本国内の全部を敬遠するのが通常であることに留意するものとする。

(理 由)
1 中間指針第7の1の指針Ⅱ)及びⅢ)によれば、我が国に営業の拠点がある観光業の外国人観光客に関する風評被害について、「本件事故の前に予約が既に入っていた場合であって、少なくとも平成2 3 年5 月末までに通常の解約率を上回る解約が行われたこと」( 中間指針第7 の3 の指針Ⅱ )参照)以外の原因により発生した減収等については、中間指針第7の1 の指針Ⅱ ) の一般的な基準に照らして本件事故との相当因果関係を判断すべきこととなる。
2 観光業とはいえない事業であっても、訪日外国人を相手にする事業の風評被害については、中間指針第7 の1 の指針Ⅱ )の一般的な基準に照らして本件事故との相当因果関係を判断すべきこととなる。
3 本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理の合理性を検討するに当たっては、平均的・一般的な訪日外国人は、福島県及びその近隣地域のみを敬遠するのではなく、日本国内の全部を敬遠するのが通常であることから、そのことを検討に当たっての留意事項とすることとした。

以 上

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総括基準(弁護士費用について)
(総括基準)
1 原子力損害を受けた被害者が原子力損害賠償紛争解決センターへの和解の仲介の申立てをするについて自己の代理人弁護士を選任した場合においては、下記の損害が、弁護士費用として賠償すべき損害と認められる。
 1) 標準的な場合
 和解により支払を受ける額の3%を目安とする。
 2) 和解金が高額(おおむね1億円以上)となる場合
 和解により支払を受ける額の3%未満で仲介委員が適切に定める額
 和解により支払を受ける額については、個人又は法人単位に考えるのが原則であるが、弁護士が複数の個人又は法人から委任を受けている場合には、事情により、複数の個人又は法人が和解により支払を受ける額の合算額をもとにしてこの基準を適用することができる。
 3) 例外的な取り扱い
 和解仲介手続における被害者の代理人弁護士の活動に通常の事案よりも複雑困難な点があったと認められる場合(弁護士にかかった手間と比べて和解金が著しく少額である場合を含む。)には、弁護士費用相当額の損害を増額することができる。
和解仲介手続における被害者の代理人弁護士の活動が、適正、迅速な審理の実現にあまり貢献しなかったと認められる場合には、仲介委員の判断により、弁護士費用相当額の損害を認定しないことができる。

(理 由)
1 原子力損害賠償紛争解決センターへの和解の仲介の申立ては、高度の法律知識を必要とする。本人による申立ては、本人が提出した申立書及び証拠書類だけでは審理がなかなか進まず、仲介委員又は調査官からの数多くの質問に回答することにより、ようやく審理が前に進む事件が多く、この場合であっても、申立人が真に主張立証したいことが審理の対象から漏れるリスクを否定することはできない。そうすると、申立人が弁護士を代理人に選任した場合の弁護士費用は、相当な範囲内で、本件事故と相当因果関係のある損害とみることが相当である。
2 原子力損害賠償紛争解決センターへの和解の仲介の申立ては、責任原因論の争いがないのが通常であることや、訴訟におけるような厳格な主張、立証手続の規制がないという点において、弁護士にとって、損害賠償請求訴訟を委任された場合ほどには手間がかからない。そうすると、判決における標準的な弁護士費用相当額の損害(認容額の10%)よりも低めの額(和解により支払を受ける額の3%)を、弁護士費用として賠償すべき損害と定めるのが相当である。
3 和解により支払を受ける額が増加する割合ほどには、弁護士の手間は増加しないのが通常であるとみられる。したがって、和解により支払を受ける額が高額(おおむね1億円以上)にわたる場合には、標準的な割合(3%)よりも低い割合で弁護士費用相当額の損害を算定することとした。
 また、事案によっては、和解により支払を受ける額が高額にわたるかどうかは、弁護士に委任をした複数の個人又は法人が和解により支払を受ける額の合算額をもとに判断することが適当であることから、そのような基準を定めた。
4 和解仲介手続における被害者の代理人弁護士の活動が、通常の事案よりも手間がかかり、複雑困難であったといえるような場合(弁護士にかかった手間と比べて和解金が著しく少額である場合を含む。)には、損害額を和解により支払を受ける額の3%よりも増額することが相当であり、弁護士費用相当額の損害を増額することができることとした。
和解仲介手続における被害者の代理人弁護士の活動が、適正、迅速な審理の実現に貢献しない場合には、弁護士費用相当額の損害を認定する基礎を欠く。このような場合には、弁護士費用相当額の損害を認定しないことができることとした。

以上

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テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

2012-03-15 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 1
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■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その1

■18条 原子力損害賠償紛争解決センター 総括基準 その1


http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/1310412.htm

基準1 避難者の第2期の慰謝料について (PDF:100KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/02/16/1316595_2_1.pdf

基準2 精神的損害の増額事由等について (PDF:78KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/02/16/1316595_3_1.pdf

基準3 自主的避難を実行した者がいる場合の細目について (PDF:106KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/02/16/1316595_4_1.pdf

基準4 避難等対象区域内の財物損害の賠償時期について (PDF:80KB)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/02/16/1316595_5_1_1.pdf

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総括基準(避難者の第2期の慰謝料について)

第1 今後の生活の見通しへの不安に対する慰謝料
(総括基準)
 本件事故において、避難等対象者が受けた精神的苦痛(「生命・身体的損害」を伴わないものに限る。) のうち、対象区域から実際に避難した上引き続き同区域外滞在を長期間余儀なくされた者(又は余儀なくされている者) 及び本件事故発生時には対象区域外に居り、同区域内に住居があるものの引き続き対象区域外滞在を長期間余儀なくされた者(又は余儀なくされている者) について、今後の生活の見通しに対する不安が増大したことにより生じた精神的苦痛に対する慰謝料として、次の額を賠償すべき損害とする。

 対象期間 第2期(本件事故発生後7ヶ月目から6ヶ月間)
 金 額 一人月額5万円を目安とする。

(理 由)
1 中間指針の第1の4、第3の6の備考11によれば、中間指針で類型化された慰謝料( 自宅以外での避難生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたことによる慰謝料)以外の慰謝料であっても、本件事故との間に相当因果関係があれば、損害賠償が認められる。
2 中間指針策定後(8月5日より後) の事情の変化として、以下の事情が認められる。
1 ) 避難生活が予想以上に長期化し、今後の生活の見通しが立たない避難住民が多い。8月27日に閣僚から福島県知事等に対して、長期間にわたって住民の居住が困難な地域
が生じる可能性や、帰宅まで20年以上かかる地域が存在する可能性についての言及があり、このころから、避難生活の長期化が広く認識されるに至った。
2 ) 同じころから、帰宅の条件として、原子力発電所の原子炉が安定するだけでは十分ではなく、除染をして放射線量を低減させることが必要であるという認識が広まった。し
かしながら、必要な除染が完了する見込み時期は明らかになっていない。
3 中間指針において、事故から6 ヶ月経過後の避難生活を余儀なくされたことによる慰謝料が月額10万円から月額5万円に減額される理由は、避難生活の基盤が整備されて新しい環境にも徐々に適応し、避難生活の不便さなどの要素が第1期(本件事故発生から6ヶ月間) よりも縮減される、という点にあるという。
 避難生活の不便さなどの要素は7ヶ月目から徐々に減少しているとしても、上記2 記載の事情を考慮すると、避難者は、将来自宅に戻れる見込みがあるのかどうか、戻れるとしてもそれが何年先のことになるのかが不明であり、自宅に戻れることを期待して避難生活を続けるか、自宅に戻ることを断念して自宅とは別の場所に生活拠点を移転するかを決し難く、今後の生活の見通しが立たないという非常に不安な状態に置かれているということができる。
4 中間指針策定後の上記3 記載の事情を考慮すると、今後の生活の見通しが立たない不安が増大していることが認められ、これについて賠償する必要性が高い。その金額は、避難生活を余儀なくされたことによる慰謝料額(一人月額5万円)を勘案すると、これと同程度とみることができ、これと同額の一人月額5万円を目安とするのが相当である。

第2 避難による慰謝料
(総括基準)
 本件事故発生後6ヶ月経過後も避難所等における避難生活を余儀なくされている者について、自宅以外での避難生活を長期間余儀なくされ、正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく阻害されたことによる第2期(本件事故発生後7ヶ月目から6ヶ月間) の慰謝料については、中間指針において目安とされる一人月額5万円から2万円程度増額した額を、賠償すべき損害とする。

(理 由)
1 中間指針第3の6の備考10によれば、第3の6の指針Ⅲ)② 記載の第2期の損害額(一人月額5万円)については、目安であるから、具体的な賠償に当たって柔軟な対応を妨げるものではないとされている。
2 避難所等における避難生活を送る避難者は徐々に減少し、本件事故発生から6ヶ月を経過した時点においては非常に少なくなっている。本件事故発生後6ヶ月経過後も避難所等における避難生活を余儀なくされる状態は、相対的にみて、通常の避難者よりも過酷な状況に置かれているということができる。したがって、目安とされる一人月額5万円から2万円程度増額した額(一人月額7万円程度)を、賠償すべき額とするのが相当である。

以上

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総括基準(精神的損害の増額事由等について)

(総括基準)
1 中間指針第3の6(指針)Ⅰ) に規定する精神的苦痛に対する慰謝料(以下「日常生活阻害慰謝料」という。)については、下記の事由があり、かつ、通常の避難者と比べてその精神的苦痛が大きい場合には、中間指針において目安とされた額よりも増額することができる。
・ 要介護状態にあること
・ 身体または精神の障害があること
・ 重度または中程度の持病があること
・ 上記の者の介護を恒常的に行ったこと
・ 懐妊中であること
・ 乳幼児の世話を恒常的に行ったこと
・ 家族の別離、二重生活等が生じたこと
・ 避難所の移動回数が多かったこと
・ 避難生活に適応が困難な客観的事情であって、上記の事情と同程度以上の困難さがあるものがあったこと

2 日常生活阻害慰謝料の増額の方法としては、1 の増額事由がある月について目安とされた月額よりも増額すること、目安とされた月額とは別に一時金として適切な金額を賠償額に加算することなどが考えられる。具体的な増額の方法及び金額については、各パネルの合理的な裁量に委ねられる。

3 日常生活阻害慰謝料以外に、本件事故と相当因果関係のある精神的苦痛が発生した場合には、中間指針第3の6の備考11)を適用して、別途賠償の対象とすることができる。
(理 由)
1 中間指針第3の6の備考10)には、日常生活阻害慰謝料の額(中間指針第3の6( 指針)のⅢ)及びⅤ)に規定する金額)について「あくまでも目安であるから、具体的な賠償に当たって柔軟な対応を妨げるものではない」と記載されていることから、増額という柔軟な対応をすることができる標準的な場合を定める必要がある。
2 避難等対象者が受けた精神的苦痛には、いずれの者についても想像を絶するほどの甚だしいものがあったというべきであるが、その中でも、避難生活への適応が困難な客観的事情と認められる事情があり、かつ、通常の避難者と比べてその精神的苦痛が大きいと認定できる者について、日常生活阻害慰謝料の増額をすることができる標準的な場合と定めるのが適当である。
3 増額の方法については、個別の事案に応じた適切なものであれば、その方法を問わないが、標準的な方法として、増額事由がある月の月額を目安とされた額よりも増額すること、一時金として適切な金額を定めることを例示した。増額の程度については、個別の事案に応じた適切なものであれば足り、特に上限などを定めることを要しないと考えられる。
4 中間指針第3の6の備考11) には、「その他の本件事故による精神的苦痛についても、個別の事情によっては賠償の対象と認められ得る。」と記載されていることから、日常生活阻害慰謝料以外の本件事故と相当因果関係のある精神的苦痛の発生が認定できる場合には、これによる慰謝料が賠償の対象となる。賠償額の算定については、各パネルの合理的な裁量に委ねられる。

以上

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総括基準(自主的避難を実行した者がいる場合の細目について)

(総括基準)
1 自主的避難対象者が自己又は家族の自主的避難の実行に伴い支出した実費等の損害の積算額が中間指針追補記載の自主的避難対象者に対する損害額の目安となる金額(40 万円又は8万円)を上回る場合において、当該実費等の損害が賠償すべき損害に当たるかどうかを判断するには、①自主的避難を実行したグループに子供又は妊婦が含まれていたかどうか、②自主的避難の実行を開始した時期及び継続した時期、③当該各時期における放射線量に関する情報の有無及び情報があった場合にはその内容、④当該実費等の損害の具体的内容、額及び発生時期などの要素を総合的に考慮するものとする。

2 賠償の対象となるべき実費等の損害としては、以下のものが考えられる。
1) 避難費用及び帰宅費用(交通費、宿泊費、家財道具移動費用、生活費増加分)
2) 一時帰宅費用、分離された家族内における相互の訪問費用
3) 営業損害、就労不能損害( 自主的避難の実行による減収及び追加的費用)
4) 財物価値の喪失、減少( 自主的避難の実行による管理不能等に起因するもの)
5) その他自主的避難の実行と相当因果関係のある支出等の損害

3 1及び2により実費等の損害を賠償する場合においては、当該実費等の損害のほかに、中間指針追補記載の上記金額(40万円又は8万円)のうち精神的苦痛に対する慰謝料に相当する額を賠償するものとする。この場合において、賠償の総額には、中間指針追補記載の上記金額(40万円又は8万円)が含まれているものと扱う。

4 賠償は、本来は、個人単位で行われるものであるが、実際の和解案の作成に当たっては、家族等のグループに属する複数の者(滞在者を含む。) に生じた実費等の損害を合算したり、これらの者に係る中間指針追補記載の上記金額を合算したりするなど、グループ単位での計算をすることを妨げない。

5 1及び2に準じて算出される実費等の損害の合計額が中間指針追補記載の上記金額( 40万円又は8万円)に満たなくても、当該実費等の損害の合計額と3 による精神的苦痛に対する慰謝料に相当する額とを合算した額が中間指針追補記載の上記金額(40万円又は8万円)を上回る場合には、前記1から4までの基準を準用する。
 本件事故後に、避難指示等対象区域及び自主的避難等対象区域のいずれにも属さない場所からこれらのいずれかに属する場所への転勤を勤務先から命じられたが、家族のうち妊婦又は子供を含むグループが転勤先に同行せずに二重生活が始まった場合には、前記1,2及び4の規定を準用する。

6 本件事故発生時に避難指示等対象区域及び自主的避難等対象区域のいずれにも属さない場所に住居があった者が自主的避難を実行した場合において、当該住居の所在場所が、発電所からの距離、避難指示等対象区域との近接性、放射線量に関する情報、当該住居の属する市町村の自主的避難の状況などの要素を総合的に考慮して、自主的避難等対象区域と同等の状況にあると評価されるときには、中間指針追補及び前記1から5までの基準を準用する。

(理 由)
1 中間指針追補には、「中間指針追補で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得る」という記載があり(中間指針追補2頁。同趣旨の記載が、対象区域につき3頁、対象者につき5頁、損害項目につき8頁にある。)、個別具体的な事情により相当因果関係のある損害と認める場合の基準を定める必要がある。
2 自主的避難の実行に伴い支出した実費等の損害が賠償の対象になるかどうかを考慮する際には、中間指針追補に表れた各種の要素を検討するのが相当である。賠償の対象となる損害項目については、政府指示により避難した者について検討された項目に準じて検討するのが相当である。
3 実費等の損害を賠償しても、精神的苦痛に対する損害は賠償されていない。そのため、中間指針追補における自主的避難対象者に対する損害額の目安(40万円又は8万円) のうち、精神的苦痛に対する損害額とみられる部分を賠償する必要がある。
 このようにして算定された金額(40万円又は8万円を上回る。)が賠償された場合には、中間指針追補記載の金額(40万円又は8万円)も賠償されたものと扱うのが相当である。
4 家族などのグループ単位での避難が実際には多いと思われることから、グループ単位での計算も、個人単位での計算も、和解案として許容されることとした。
5 実費等の損害の合計額が中間指針追補における自主的避難対象者に対する損害額の目安(40万円又は8万円)を下回る場合であっても、実費等の損害の合計額と3による精神的苦痛に対する慰謝料に相当する額を合算した金額が上記損害額の目安(40万円又は8万円)を上回るときには、当該合算した金額(40万円又は8万円を上回る。)を賠償するのが相当であるから、1から4までの基準を準用することとした。
 また、本件事故後の転勤命令により新たに避難指示等対象区域又は自主的避難等対象区域のいずれかに勤務することになったが、転勤先の放射線量等の影響を考慮して家族のうち妊婦又は子供などが転勤先に同行せずに二重生活が始まった場合は、子供又は妊婦を含むグループが自主的避難を実行した場合に準ずるものであるから、前記1,2 及び4の規定を準用することとした。
6 避難指示等対象区域及び自主的避難等対象区域のいずれにも属さない場所に住居があった者が自主的避難を実行した場合についても、その者の居住地が自主的避難等対象区域と同等の状況にあると評価されるときには、自主的避難等対象区域居住者と同様に扱うのが相当であるから、中間指針追補及び1から5までの基準を準用することとした。

以 上

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総括基準(避難等対象区域内の財物損害の賠償時期について)

(総括基準)
 次に掲げる損害は、現地への立ち入りができない等の理由により被害物の現状等が確認できない場合であっても、速やかに賠償すべき損害と認められる。
1 ) 動産(製造業の機械・機具などの生産設備、卸小売業・サービス業などその他の事業者の事業用設備、住宅の家財等)であって、避難等対象区域内に存在するものについての、下記の損害
① 避難等を余儀なくされたことに伴い管理が不能等となったため、価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用
② その価値を喪失又は減少させる程度の量の放射性物質に曝露した場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用
③ 財物の種類、性質及び取引態様等から、平均的・一般的な人の認識を基準として、本件事故により当該財物の価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用
2 ) 不動産であって、避難等対象区域内に存在するものについての、上記1 )の①から③ までに記載の損害

(理 由)
 中間指針第3の10の備考1)に「立ち入りができないため、価値の喪失又は減少について現実に確認ができないものは、蓋然性の高い状況を想定して喪失又は減少した価値を算定することが考えられる」とあることからすれば、動産、不動産の価値の喪失又は減少について、現地への立ち入りができない等の理由により被害物の現状等が確認できない場合であっても、速やかに賠償すべき損害と考えるべきである。

以上

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テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

2012-02-17 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 0
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■18条 原子力損害賠償紛争審査会 原子力損害賠償紛争解決センター

■18条 原子力損害賠償紛争審査会 原子力損害賠償紛争解決センター


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文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/1310412.htm

原子力損害賠償紛争解決センターについて

センターでの和解の仲介を希望される方は、センターに「和解仲介手続申立書」をご郵送ください。
郵送先は、下記となります。

〒105-0004
東京都港区新橋1-9-6(COI新橋ビル3階)
原子力損害賠償紛争解決センター

お問い合わせ電話番号

0120-377-155(平日10時から17時)
(注)9月1日(木曜日)からのご案内となります。

和解の仲介について
原子力損害賠償紛争解決センターの手引き (PDF:168KB)
和解仲介手続申立書(様式) (PDF:172KB)
和解仲介手続申立書(様式:記載例) (PDF:367KB)

お問い合わせ先
原子力損害賠償紛争解決センター
電話番号:0120-377-155


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http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/__icsFiles/afieldfile/2011/08/29/1310412_1.pdf
原子力損害賠償紛争解決センターの手引き

Ⅰ 原子力損害賠償紛争解決センターについて
Q1. 原子力損害賠償紛争解決センター(以下「紛争解決センター」といいます。)とは何ですか?
A1. 紛争解決センターは、原子力事故により被害を受けた方の原子力事業者に対する損害賠償請求について、円滑、迅速、かつ公正に紛争を解決することを目的として設置された公的な紛争解決機関です。今般の東京電力株式会社(以下「東京電力」といいます。)の福島第一、第二原子力発電所事故を受け、原子力損害の賠償に関する法律に基づき、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(以下「審査会」といいます。)のもとに設置されました。紛争解決センターは、文部科学省の他、法務省、裁判所、日本弁護士連合会出身の専門家らにより構成されています。
 紛争解決センターは、被害者の申立てにより、弁護士等の仲介委員らが原子力損害の賠償に係る紛争について和解の仲介手続を行い、当事者間の合意形成を後押しすることで紛争の解決を目指します。
Q2. 紛争解決センターは、いつから申立ての受付けを開始するのですか?
A2. 紛争解決センターは、平成23年9月1日から、申立ての受付けを開始することになっています。なお、申立てに必要な書類は、原則として、郵送にて、紛争解決センター東京事務所宛てに提出いただくことになっています。
Q3. 紛争解決センターで解決できる紛争には、どのようなものがありますか?
A3. 紛争解決センターで解決できる紛争は、原子力事故により損害を被られた方の原子力事業者に対する損害賠償に関するものに限定されています。今回は、原子力事業者たる東京電力に対する、原子力事故に基づく損害賠償に関する紛争が対象になります。そのため、東京電力以外の者との間で生じた紛争、東京電力に対するものであっても原子力事故とは無関係な事情によって生じた紛争、あるいは、損害賠償以外の請求は取り扱うことはできません。
 例えば、東京電力に対して、土地や車両の買取りを求めたり、原子力発電所の操業停止を求めたり、放射能汚染により廃棄を余儀なくされた商品の引取りを求めたりすることは、いずれも原子力事故に起因しているものの、損害賠償に関する紛争の解決を求めるものではありませんので、紛争解決センターで解決することはできません。
Q4. 紛争解決センターでは、どのような手続で紛争を解決するのですか?
A4. 紛争解決センターにおいては、当事者間の和解交渉を仲介することにより、原子力事故に関する紛争を解決します(以下、これを「和解の仲介手続」といいます)。
 和解の仲介手続では、中立・公正な立場の仲介委員が、申立人と相手方の双方から事情を聴き取って損害の調査・検討を行い、双方の意見を調整しながら、和解案を提示するなどして、当事者の合意(和解契約の成立)による紛争解決を目指します。
Q5.和解仲介手続はどこで開催されるのですか?
A5. 和解仲介手続の開催場所については、基本的には、紛争解決センターの東京事務所又は福島事務所になりますが、今後は、利用者の利便性を考え、被害者の方々が多く避
難されている市区町村でも開催することを予定しております。
Q6.紛争解決センターでの紛争解決手続の特徴は何ですか?
A6. まず、紛争解決センターでは、当事者間の原子力事故に関する紛争を、「円滑」「迅速」「安価」「秘密」「適切かつ公平」に解決できることが特徴の一つ目として挙げられます。
 つぎに、紛争解決センターは、文部科学省が審査会のもとに設置した公的機関であり、東京電力福島第一、第二原子力発電所事故に関する紛争の解決にあたって、審査会が公表した「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(以下「中間指針」といいます。)を基準として紛争の解決を図ることが特徴の二つ目として挙げられます。
Q7. 紛争解決センターで紛争を解決する場合のメリットは何ですか?
A7.(1) 手続の円滑性
 紛争解決センターで取り扱う紛争は損害賠償に関するものに限定されており、損害の種類に応じて、当事者双方に対し、必要な証拠資料を早期に提出していただくようお願いをしていますので、和解仲介手続が開始された後、速やかに、和解に向けた手続を進めることができます。
(2) 早期解決
 紛争解決センターでは、申立受理から3か月程度を目途に、和解による紛争の解決に至るように努めます。
(3) 安価
 紛争解決センターでは、申立てに関する手数料はいただいておりません。この点で、裁判所における訴訟や調停よりも安価です。ただし、紛争解決センターに提出するための書類の作成費用、郵送費用、期日出席のための交通費、弁護士を依頼した場合の弁護士費用などは当事者に各自ご負担いただくことになります。
(4) 秘密性
 紛争解決センターにおける手続は、原則として、非公開で行われますし、事件記録等は公開されません。また、仲介委員には、その職務上知り得た情報について、みだりに外部に開示しないという守秘義務が課されています。
(5) 適切かつ公平な解決
 和解の仲介手続は、弁護士等の仲介委員によって、中間指針を基準に、中立公正に運用されます。また、紛争解決センターでは、同種被害に関する申立てを多数取り扱うことを予定しております。和解は当事者の合意に基づくものですので、同種被害であっても和解内容が異なることは当然ですが、中間指針により紛争解決に向けた一定の基準が示されており、同種被害の申立てについては公正な解決が図られる必要があります。
 そこで、仲介委員は、豊富な法律知識や社会的経験をもとに紛争の適切かつ公平な解決を行うよう全力を尽くします。

Ⅱ 原子力損害賠償紛争解決センターの利用にあたって
Q8. 紛争解決センターで申立てをしたいのですが、どのようにすればよいのですか?
A8. 申立書に必要事項を記載の上、必要書類を添付して、紛争解決センター東京事務所宛てにご郵送下さい。
 申立書用紙は、各紛争解決センター事務所の受付に備え付け、また、ホームページからダウンロードもできますので、これをご利用いただくことも可能です。申立書の記載内容については、ホームページに記載例を掲載しましたのでご参照下さい。なお、今後は、申立書用紙や記載例については、被災地の県庁、市役所、避難所、弁護士会等にも備え付ける予定です。
Q9.申立ての際、申立書の他に何か書類を用意する必要がありますか?
A9. 申立ての際、申立書とは別に申立てを理由づける証拠資料(例:契約書、納品書、領収書、税務申告書類、決算書類、登記簿謄本等)や一定の資格を証明する資料(会社
登記簿謄本、委任状等)を提出していただく必要があります。
 提出していただく資料についてはホームページにも掲載しておりますが、迅速に紛争解決を図るためにも、早期に全ての証拠資料を提出することをお願いしています。
Q10.相手方が出席しないような場合はどうなるのですか?
A10. 相手方が出席せず、手続に応じない場合には、和解の仲介手続を進めることができませんので手続を終了させていただくことがあります。
Q11.申立てがなされた後の手続はどのようなものですか?
A11.(1) 申立ての受理
 まず、紛争解決センターは、申立てを受けた後、申立書に形式的不備がないかを検討して、形式上不備がなければ申立てを受理します。形式上不備があれば申立書の補正を求めることがあり、補正がなされれば申立書を受理します。
(2) 仲介委員の指名
 申立書の受理後、仲介委員が指名されます。
(3) 事案の詳細な検討
 仲介委員は、速やかに当事者の意見を聴いて口頭審理期日開催の要否、口頭審理期日を開催する場合の日時・場所等を指定した上、充実した審理が行えるように事案の詳細な検討を開始します。
(4) 当事者からの事情聴取
① 必要に応じて、当事者の双方又は一方から面談、電話、書面等により事情をお伺いします。
② 口頭審理期日を開催する場合、当事者には、手続の開始時間までに紛争解決センター事務所受付など、紛争解決センターが指定する場所にお越しいただきます。
 手続が開始されるまでは、紛争解決センター事務所内の待合室などでお待ちいただきます。なお、遠方にお住まいの方、健康上の問題がある方などは、電話による手続参加という方法もあります。
③ 当日は、提出された資料を前提に、仲介委員が当事者双方からお互いの主張や資料について詳細に事情を確認します。口頭審理期日を行う場合の手続は、当事者双方が同席する方法で進めていくことを原則としますが、和解の仲介を行うにあたって、当事者から個別に事情をお伺いすることもあります。
④ 口頭審理期日外においても、事案の適切な解決を目的として当事者に必要事項の問い合わせをしたり、紛争の対象となっている物件を調査したりすることもあります。
Q12.事件が終了した場合の手続はどうなりますか。
A12. 当事者間で損害賠償に関する紛争について和解の合意が成立した場合には、和解契約書を作成していただき、当事者双方が署名捺印(又は記名押印)の後、紛争解決センターに、その写しを提出していただくことになります。紛争解決センターが和解契約書の写しを受け取り、当事者間に和解合意が成立したことを確認できた時点で、和解の仲介手続は終了となります。
 和解が不成立の場合は、別途、訴訟等の裁判手続を利用するなどして紛争解決を検討していただくことになります。


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毎日jp
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110829k0000e040012000c.html

福島第1原発:「損害賠償紛争解決センター」開所

 東京電力福島第1原発事故の賠償をめぐり、東電と被害者がトラブルになった場合などに和解を仲介する「原子力損害賠償紛争解決センター」(東京都港区)が29日、開所した。

 同センターは、被害者救済を迅速化するのが目的。賠償範囲の目安となる指針を策定している文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の下に新設され、東京のほか福島にも拠点を置く。

 元東京高裁判事の大谷禎男弁護士を委員長とする「総括委員会」が、被害者からの仲介申請を引き受けるかどうかなどを決定。受理した場合、日本弁護士連合会などから派遣された数十人の弁護士らが「仲介委員」となり、個別事案ごとに和解案を提示し早期合意を促す。不服があれば、被害者は裁判手続きで解決を目指すことになる。

 紛争審査会はもともと和解を仲介する機能があり、99年に茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故時の仲介申請は2件だった。ただ今回の原発事故は被害者の数が膨大で、申請が殺到する可能性があるため、文科省は7月に政令を改正し機能を強化することにした。
毎日新聞 2011年8月29日 10時31分(最終更新 8月29日 10時38分)


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2011-08-30 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 0
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■18条 原子力損害賠償紛争審査会 和解仲介の特別委員(仲介委員)新設

■18条 原子力損害賠償紛争審査会 和解仲介の特別委員(仲介委員)新設


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http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1309084_5_1.pdf

原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令の一部を改正する政令について
平成23年7月
文部科学省研究開発局

1.背景
 現行の原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年法律第147号)においては、原子力損害の賠償に関して被害者と原子力事業者との間に紛争が生じた場合に、原子力損害賠償紛争審査会(以下「審査会」という。)に和解の仲介を申し立てることができることとなっている(同法第18条、原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令(昭和54年政令第281号)第5条)。
 今般、東日本大震災に伴い発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故(以下「本件事故」という。)により、自宅から避難を余儀なくされたり、農業者の農作物の出荷ができなくなる等、多数の被害が発生しているため、和解の仲介の申立てが多数行われることが予想される。
 現行の制度では、審査会の委員の数は10人以内とされており、全ての和解の仲介を迅速に対応することは非常に困難であるため、審査会に特別委員を置く等所要の措置を講ずることとする。

2.改正の概要
(1)特別委員による和解の仲介の手続への参与(第4条関係)
・審査会に特別委員を置き、和解の仲介の手続に参与させることができることとする。
(2)仲介委員(第7条の2関係)
・審査会が行う和解の仲介の手続は、審査会の定めるところにより、事件ごとに一人又は二人以上の委員又は特別委員によつて実施することとする。(和解の仲介の手続を実施する委員又は特別委員を仲介委員という。)
・当該事件について二人以上の仲介委員が和解の仲介の手続を実施する場合には、当該和解の仲介の手続上の事項は、仲介委員の過半数で決することとする。

3.施行期日等
公布の日(平成23年7月27日)から施行する。
※閣議決定7月22日(金)

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原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令の一部を改正する政令案新旧対照条文
◎ 原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令(昭和五十四年政令第二百八十一号)

改正案
(特別委員及び専門委員)
第四条 審査会に、原子力損害の賠償に関する紛争についての和解の仲介の手続に参与させるため、特別委員を置くことができる。
2 審査会に、法第十八条第二項第三号に規定する原子力損害の調査及び評価を行わせるため、専門委員を置くことができる。
3 特別委員及び専門委員は、学識経験のある者のうちから、文部科学大臣が任命する。4 第一条第三項及び第四項の規定は、特別委員及び専門委員について準用する。この場合において、同条第三項中「原子力損害の賠償に関する法律(以下「法」という。)第十八条第二項の事務」とあるのは、特別委員については「第四条第一項の事務」と、専門委員については「第四条第二項の事務」と読み替えるものとする。

(仲介委員)
第七条の二 審査会が行う和解の仲介の手続は、審査会の定めるところにより、事件ごとに一人又は二人以上の委員又は特別委員によつて実施する。
2 二人以上の仲介委員(前項の規定により和解の仲介の手続を実施する委員又は特別委員をいう。以下同じ。)が和解の仲介の手続を実施する場合には、当該和解の仲介の手続上の事項は、仲介委員の過半数で決する。


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http://www.asahi.com/politics/update/0726/TKY201107260827.html
asahi.com 2011年7月27日8時22分
原発賠償紛争仲介に特別委員 弁護士ら最大50人選任へ

政府の原子力損害賠償紛争審査会は、東京電力と被害者との間で賠償を巡って紛争が生じた場合に、和解の仲介にあたる「特別委員」を新たに選任する方針を固めた。審査会に新設ポストを設けるための政令改正を22日に閣議決定したことを踏まえ、具体的な人選作業を進める。

 法務省や日本弁護士連合会の協力を得て、裁判官、検察官、弁護士などの法曹関係者から任命し、紛争の増加をにらみつつ、最大50人程度まで増やす方針。8月中に和解の仲介を専門に扱う事務局を文部科学省に設けた後、福島県と東京都の2カ所に紛争を処理するための拠点を置く予定だ。

 今回の原発事故は被害が広範囲にわたるため、賠償が円滑に進まず紛争が多発し、多数の損害賠償請求訴訟が起きる可能性がある。このため、訴訟に至る前に和解を仲介する体制を整える必要があると判断した。

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2011-08-03 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 0
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■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その12 和解仲介パネル

■18条 原子力損害賠償紛争審査会 その12 和解仲介パネル

http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201106/23_a.html
官房長官記者発表
平成23年6月23日(木)午前
.原子力損害賠償に係る紛争解決のための新たな枠組づくりについて

 私(官房長官)から1点、原子力損害賠償に係る紛争解決のための新たな枠組み作りについて申し上げます。
 東京電力の原子力事故については、今後、これまでに例を見ない多数の損害賠償請求がなされることが見込まれます。
 原子力被災者の方々の経済的な救済を早期に実現するためには、この損害賠償請求手続き及びその後の処理を、迅速かつ適切に行なうための紛争解決の枠組みを設ける必要があります。
 そこで、現行の原子力損害賠償紛争審査会の機能を拡充することとし、審査会の下に新たに和解の仲介を行なう仲介委員を新設し、多数の和解・仲介パネルを設置できる体制とともに、それを支える法曹実務家を中心として構成される事務局体制の整備に着手することといたしました。
 また更に、今後の紛争処理状況を見ながら、紛争解決機能を強化するための立法措置の在り方等についても検討をしてまいります。
 詳細については、文部科学省にお尋ね下さい


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毎日jp
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/archive/news/2011/06/20110623k0000e010080000c.html
福島第1原発:原子力賠償審に和解仲介機能 官房長官発表

 枝野幸男官房長官は23日午前の記者会見で、福島第1原発事故による損害賠償指針の策定のために設置している文部科学省の「原子力損害賠償紛争審査会」の機能を拡充し、被災者と東京電力との和解の仲介を行う「和解仲介パネル」を設置すると発表した。枝野氏は「紛争解決機能を強化するための立法措置のあり方も検討する」とし、被災者との交渉円滑化のための新法制定も検討するとした。

 枝野氏は会見で「これまでに例を見ない多数の損害賠償請求がなされることが見込まれる」と指摘し、「被災者の経済的救済の早期実現には、賠償請求手続きやその後の処理を迅速に行う枠組みを設ける必要がある」と述べた。また、審査会の下に和解の仲介を行う「仲介委員」を新たに置き、法曹関係者で構成する数十人規模の事務局体制を整備する考えを示した。【影山哲也】

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2011-06-23 : ・原子力損害賠償紛争解決センター : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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