東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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■ 原子力損害賠償請求訴訟 その1 裁判管轄(国内土地管轄)

■ 原子力損害賠償請求訴訟 その1 裁判管轄(国内土地管轄)

 今回の原発事故で,損害を被った者が,民事訴訟や民事調停を申し立てる場合に,どの裁判所に申し立てることができるのかという問題。

 原賠法は,民法の不法行為規定の特則であり,不法行為の一種であるから,通常の不法行為と同様に考えてよいはずである。以下,1~3のどれでも,原告は選択しうる。


1 被告法人の主たる事務所又は営業所(民訴法4条4項)
 東電の本店所在地は,千代田区なので,東京地裁の本庁ということになる。

※なお,訴額が140万円以下なら,原則として,同地管轄の簡易裁判所となる(裁判所法33条1項1号)。以下すべて同じ。


2 原告の住所地(義務履行地=債権者の現在の住所,民訴法5条1号,民法484条)
 ex. たとえば,避難勧告が出され福島県双葉郡から,長野県松本市に避難・転居し,住民票はまだ福島にある場合→長野地裁松本支部,又は,松本簡裁

※民法484条の「住所」は,各人の生活の本拠を意味するものとされ(民法22条),住民票の移転の有無を問わない。現に生活の本拠として住んでいるところであれば足りる。


3 不法行為地(民訴法5条9号)
 民訴法5条9号の「不法行為のあった地」には,加害行為地と,結果発生地がともに含まれると解されるので,少なくとも両方が国内である場合には,ともに不法行為地ということになろう(大阪地裁平成7年7月19日判決,判タ903号238頁)。

・たとえば仮に,福島第一原発から,放射性物質が飛来し,その結果,千葉県旭市(のうち旧旭市)の野菜が汚染され出荷制限にあって損害を被った場合は,そこが不法行為地(結果発生地)となり,管轄は,千葉地裁八日市場支部,又は,銚子簡裁にあることになる。

・また,放射性物質の飛散元になった福島第一原発(加害行為地)は,福島県双葉郡にあるので,管轄は,福島地裁いわき支部,又は,福島富岡簡裁にもあることになる。

ただし,福島富岡簡易裁判所は,原発に近く,避難区域にあるため,現在は,以下のとおり。
http://www.courts.go.jp/about/bousai/sinsai_110418.html

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※平成23年4月18日 福島富岡簡易裁判所の事務移転
 双葉郡8町村(広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村)を管轄する福島富岡簡易裁判所については,事務の取扱いを一時停止しておりましたが,裁判所法第38条の規定に基づき,平成23年4月22日から当分の間,同裁判所が取り扱う事務のうち,刑事事件に関する事務は,いわき簡易裁判所において,民事事件に関する事務を含むその余の事務は,郡山簡易裁判所においてそれぞれ取り扱います(双葉郡8町村を管轄する地方・家庭裁判所の裁判事務は,これまでと同じく福島地方・家庭裁判所いわき支部で取り扱っています。)。
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2011-06-18 : ■原子力損害賠償請求訴訟 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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原子力損害賠償法について検討してみます。(リンクはご自由に)
なお、引用部分以外は私(一応法律家)の意見ですので、判例・学説・実務等で確定したものではありません。他の考えでも裁判等で争い認められる余地があります。

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