東日本大震災以降,原子力損害賠償法に興味あり,同法と東京電力の責任についても検討してみたい。

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・設置関係資料 その15 日本原子力学会原子力安全調査専門委員会

・設置関係資料 その15 日本原子力学会原子力安全調査専門委員会


http://www.aesj.or.jp/information/fnpp201103/chousacom/gb/gbcom_kyokun_gaiyo20110509.pdf

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福島第一原子力発電所事故からの教訓
2011年5月9日
一般社団法人日本原子力学会
原子力安全調査専門委員会
技術分析分科会
(QandA_gb@aesj.or.jp)

はじめに
福島第一原子力発電所の事故から教訓をくみ取り、世界で稼働中の原子力発電所で同じような事故を二度と起こさないようにすることが重要である。
公開されている情報を元に、今回の事故とその対応を、テーマに分類、分析し、その中から得られる教訓をまとめ、考えられる対策の例を提言としてとりまとめた。
なお、提言としては、「1年程度の短期に行うべき対策の例」と、「2、3年程度の中期にじっくり改革すべき対策の例」にまとめた。
1. 地震
2 津波
3 全電源喪失
4 全冷却系喪失
5. アクシデントマネジメント
6. 水素爆発
7. 使用済み燃料貯蔵プール
8. 安全研究
9. 安全規制と安全設計
10 組織・危機管理
11. 情報公開
12. 緊急時安全管理

1.地震の揺れに対する教訓
a. 地震の揺れに対する従来の対策は、おおむね有効であった可能性が高いと推定される
b. 外部電源系の地震対策が十分でなく、事故の拡大を防げなかった
提言(短期)
(1) 一部基準地震動Ssを越えた女川、東海第二原子力発電所については、地震の揺れによる影響について、定量的な評価を実施。再起動に向けて、必要があれば安全強化を行う
(2) 福島第一及び福島第二原子力発電所について、今回の地震に対する耐震評価を実施し、得られた知見を耐震設計の改善に資すること
提言(中期)
(3) 日本国内の発電所に今回の地震のメカニズムから必要があれば基準地震動Ssの見直しを行い、バックチェックを急ぐこと
(4) 外部電源の耐震性の考え方について、再度検討する必要がある

2.津波に対する教訓
a. 耐震設計で考慮していた津波の規模が不十分であった
b. 海水の浸水により、安全上重要な機器が停止し、事故の拡大を防げなかった
c. 地下構造物の浸水防止が不十分であり復旧作業を妨げている
提言(短期)
(1) 安全上重要な機器の損傷を防ぐため、これらが配置されている建物に海水が入らないようにするなどの、ハードウエア対応
(2) 今回の知見に基づき、津波の想定を見直すリスク評価手法を取り入れ、想定する津波に対する標準化を進める
提言(中期)
(3) 津波が敷地内に浸入しないように、防潮堤を作る
(4) 建物の水密性を高める。電線管など、すべての浸水経路を塞ぐ
(5) 津波によって機器や構造物が流され、建屋に障害を与える可能性考慮
(6) 排水ポンプをあらかじめ設置しておく
(7) 機器の予備品を、津波に影響を受けない場所に準備しておく
(8) 津波により散乱する瓦礫を除去する重機などをあらかじめ準備
(9) 安全重要度が低いピットであっても、海岸に近いものについては水密性を高め、津波が侵入しないようにする

3.全電源喪失に対する教訓
a. 安全審査が不十分であった
b. 全電源が長期間喪失し、事象の進展が防げなかった
c. 原子炉内の状況把握が困難となった
d. 電源が一部でも残っていれば、事象の進展を食い止められる可能性がある
提言(短期)
(1) 電源車、小型発電機など多様な方法で電源を供給する
(2) 交流電源がすべて喪失した場合を想定し、重要な機器および炉心の監視系供給をへの電力行えるようにする
(3) 発電機を複数機設置する場合は、あらかじめケーブルを接続しておく
提言(中期)
(4) 安全審査指針などの見直しをすすめる
(5) ガスタービン発電機など、多様な発電機を導入する。配置にも多様性を求め、固定式のものは免震床などを考慮する
(6) 海水冷却に頼らない、空冷式発電機を準備する
(7) 予備の電源盤を準備する
(8) 他の発電所(例えば水力)との電源融通を行う
(9) 蒸気タービン駆動炉心注水ポンプには小型の発電機を取り付け、制御用のバッテリーの充電を行う

4.全冷却系喪失に対する教訓
a. 海水冷却は津波に対して脆弱性がある
b. 電源があれば炉心損傷までの時間的余裕が比較的ある
提言(短期)
(1) 消防車などを用いた冷却系への注水訓練の実施とハードウエア整備
提言(中期)
(2) 海水ポンプモータなどの予備品をあらかじめ、津波の影響を受けない場所に準備しておく
(3) 海水ポンプに対する浸水防止対策例えば防水壁や専用、建屋の設置を行う
(4) 海水に頼らない冷却システムを準備し冗長性を担保する。例えば崩壊熱除去が可能な容量の空気冷却機などを設置しておく
(5) 動力の要らない自然循環冷却システムを考案する
(6) 水源を多様化しておく。(河川、ダム、防火用水など)。必要に応じて送電線をさらに多重化する

5.アクシデントマネジメントに対する教訓(1/2)
a. アクシデントマネジメント(AM)対策が事故の大幅な悪化を防いだ
b. 全電源喪失を考慮したアクシデントマネジメント(AM)が不十分であった可能性がある
c. 炉心が損傷した後、放射性物質が放出された後のAM対策が十分に検討されていなかった
提言(短期)
(1) シビアアクシデントのAM対策として、下記目的のため、数日間使用可能な予備電源を準備する。また、空気作動弁操作のために窒素ボンベを常備しておくことも有効である
i) 炉心の重要なパラメータおよび排気塔放射線モニター計測用電源ベントラインの制御が行えるように電源ラインを準備する
ii) 水素再結合機及び非常用ガス処理系電源
(2) ベント実施が現地責任者の判断でできるようにする
(3) AM対策の訓練を実際の状況(津波により瓦礫が散乱している状況など)を想定して実施する。なお、瓦礫の散乱を考慮し、あらかじめ炉心給水用ホースの設置をしておく対策なども有効である

5.アクシデントマネジメントに対する教訓(2/2)
a. アクシデントマネジメント(AM)対策が事故の大幅な悪化を防いだ
b. 全電源喪失を考慮したアクシデントマネジメント(AM)が不十分であった可能性がある
c. 炉心が損傷した後、放射性物質が放出された後のAM対策が十分に検討されていなかった
提言(中期)
(4) 全電源喪失以外の起因事象によるAMを見直すとともに、必要な常設の設備対応を実施する。なお、今回の事故における具体的なAM対応やプラントの挙動を評価し、AMの改善に繋げることが重要である
(5) ベントラインにゼオライトの砂と水を入れたフィルタードベント等を設置
(6) 同一敷地内に複数立地している場合のAM同時対応策について評価
(7) 大量の汚染水が発生する可能性がある事を考慮し、移動式汚染水処理設備をあらかじめ準備しておく(事故後に発災事業所に輸送)
(8) 炉心損傷が起きた後の、炉心冷却手法や閉じ込め手法を系統的に検討する。また、必要なハードウエア対応を考慮する
(9) 放射性物質を放出した後の、炉心冷却手法や閉じ込め手法を検討する。また、必要なハードウエア対応も考慮する

6.水素爆発に対する教訓
a. 水素爆発により原子炉建屋が破損した
b. 格納容器外の水素爆発は考慮されていなかった
c. 格納容器外への水素漏洩経路が不明
提言(短期)
(1) 格納容器パラメータ計測システムや水素結合器などへ、予備電源を供給ーモニターができできる仕組みと、パラメタの遠隔るようにする
(2) ベントラインの再チェックと漏洩検査を行う。また、ベントの訓練を実施する
提言(中期)
(3) 格納容器外水素爆発のメカニズムを評価する
(4) 格納容器外に水素が漏れないようなAM対策を行う。例えば、静的触媒再結合器の設置などが考えられる

7.使用済み燃料貯蔵プールに対する教訓
a. 使用済み燃料貯蔵プールの冷却に失敗した
b. 建屋が破損した後の使用済み燃料の閉じ込めに課題がある
提言(短期)
(1) 使用済み燃料貯蔵プールに対するAMを見直す
具体的には電源喪失直後に消防車による注水ができるように準備する、プールのある運転床にある消火栓から注水ができるように準備する、あらかじめフレキシブルホースなどを設置して地上からの注水が容易になるようにしておくことなどが考えられる
(2) 電源喪失しても予備電源などで燃料プール温度及び漏洩監視モニターを監視できるように電源を準備する
提言(中期)
(3) 使用済み燃料貯蔵プールの自然循環冷却システムを導入する
(4) 空冷の中間貯蔵設備を導入する
(5) シミュレーションによって事故挙動を評価し、4号機建屋破損の原因を調査・特定する。また使用済み燃料貯蔵プールの状況を調査する

8.安全研究の推進に対する教訓
a. シビアアクシデント研究と成果の活用が不十分であった
b. 国家予算の使い方に無駄が多い
提言(短期)
(1) JAEAやJNESを通じた、既存のシビアアクシデント研究成果の規制への反映
(2) 人材育成シビアアクシデントを含む安全研究、安全設計に係わる人材育成を体系的に実施する
提言(中期)
(3) シビアアクシデント研究の推進
特に、水素挙動解析、水素燃焼、使用済み燃料プール評価など
(4) モデリング・シミュレーション技術の推進
特に、原子力安全の高度化、シミュレーションの検証と妥当性確認
(5) 災害時に必要な研究成果については、予算措置を行い、維持していくことが必要である。場合によっては法律改正も必要である

9.安全規制と安全設計に対する教訓
a. 外的事象に対する安全設計の考え方が不十分であった
b. 極まれに発生するが、影響が大きな事象に対する評価が不十分
c. 共通要因故障への備えが不十分であった
d. 日本の安全規制の仕組みが不十分であった
提言(短期)
(1) 津波に対するアクシデントマネジメント(AM)対策を評価する
提言(中期)
(2) 外的事象に対する定量的リスク評価手法の確立
(3) 内的事象に対する深層防護の再確認と定量的リスク評価の高度化
(4) 不確定性が大きく影響が巨大な事象に関するリス、ク評価手法確立
(5) 定量的リスク評価でカバーできない事象に対するAM対応策
(6) 安全重要度・多様性多重性の見直し。特に電気系の見直し
(7) 日本の安全規制システムの全面的な見直し。
i) 法律体系を見直し、原子炉等規制法に電気事業法を統一する
ii) 原子炉等規制法を改正しシビアアクシデントを規制範囲に取り込む
iii) 設置許可に包括的安全解析書を導入する。
iv) 民間第三者認証制度を導入し、あわせて監査的検査制度を導入する

10.組織、危機管理に対する教訓
a. 責任体制が不十分であった
b. 停電や情報伝達の問題などにより緊急時の円滑な対応がうまくいかなかった
提言(短期)
(1) 専門性を持った責任者がすべての責任の統括する
提言(中期)
(2) 専門性を持った規制組織を作る
i) 原子力安全委員会を三条機関化し、日本版NRC(米国原子力安全規制委員会)のような専門性の高い規制組織を作る
ii) 環境放射線モニタリングを原子炉等規制法に取込み、都道府県が実施することで、原子力施設の監視を強化し、透明性を高めるとともに、原災法への円滑な橋渡しを図る
iii) 役職に応じた資格制度を導入するとともに、人事の固定化を図る
iv) 規制監査機関を作り、委員会事務局の監査を行う
v) 同機関は、諸外国の規制機関との連携を緊密に保つとともに、IAEAの活動に能動的に参画する

11.情報公開に対する教訓
a. 情報公開が十分ではないと見られている
b. 技術的な説明が不十分であった
c. 放射線安全に対する説明性が低い
d. 避難区域の設定が段階的に拡大した
e. 避難区域などの設定に関する自治体との連携不足
f. 自治体と災害本部の意思疎通が無い
提言(短期)
(1) SPEEDIの全面的な公開
(2) プレス発表における技術的な説明の改善
(3) 統一された放射線安全の考え方に基づいた防護措置の発表
(4) 原子力災害対策法の見直し。特に国と自治体の役割を実態に合わせて明確化
提言(中期)
(5) 見直された原子力災害対策法にのっとり、事故が起こることを前提とした訓練の実施
(6) ERSSやSPEEDIの高度化と利用法に関する議論を明確化
(7) 原子力透明化法の制定

12.緊急時安全管理に対する教訓
a. 構内の放射線量に関する情報一元化、共有化に課題がある
b. 免震重要棟の設計条件に放射性物質の流入は想定されていなかった
c. 緊急事態での従業員・作業員への健康等への影響の認識が不足
提言(短期)
(1) 情報共有化の徹底
(2) 緊急時における放射線管理要員の確保および資機材の調達の事前計
提言(中期)
画と実行可能性確認
(3) 緊急時の人間行動など行動科学および健康科学面からの分析とその知見の反映

重要な教訓のまとめ
a. 耐震設計で考慮していた津波の規模が不十分であった
b. 海水の浸水により、安全上重要な機器が停止し、その結果、全交流電源喪失、全冷却系喪失となり、事故の拡大を防げなかった
c. 全電源が長期間喪失し、非常用冷却システムの稼動が十分ではなく、事象の進展が防げなかった。
d. 電源喪失により、原子炉内の状況把握が困難となった。
e. 海水冷却は津波に対して脆弱性があり、ヒートシンクが失われた
f. 全電源喪失を考慮したアクシデントマネジメント(AM)が不十分であった可能性がある
g. 格納容器外の水素爆発は考慮されていなかった
h. 建屋が破損した後の使用済み燃料の閉じ込めに課題がある
i. 外的事象に対する安全設計の考え方が不十分であった
j. 日本の安全規制の仕組みが不十分であった
k. 情報発信に多くの課題がある
l. アクシデントマネジメント(AM)対策が事故の大幅な悪化を防いだ。
m. 地震の揺れに対する従来の対策は、おおむね有効であった可能性が高いと推定される

重要な対策のまとめ
1. 津波対策として水密性強化など物理的な対策を行うこと
2. 多様な電源をあらかじめ準備しておくこと
3. 海水冷却だけではない、多様な冷却システムを検討し準備すること
4. シビアアクシデントが発生しうることを想定し、アクシデントマネジメント(AM)対策を十分に検討すること。また、AM対策として複数電源ラインなど必要なハードウエアを整備すること。さらに、AMに対する訓練や教育を実施すること
5. 水素爆発を起こさないAM対策や、使用済み燃料貯蔵プールに対するAM対策を検討し、必要な手当てをすること
6. シビアアクシデント研究を推進するとともに、人材育成につとめること
7. 安全規制のあり方について、法律改正、組織改正を含めて根本から見直すこと
8. 定量的リスク評価手法を確立し、リスクを全面的に規制に取込むこと
9. 緊急時の情報公開や情報共有について再評価すること
10. 事故が起こることを前提とした防災訓練を実施すること
11 今回の地震・津波・事故に対して、耐震設計、配置設計、AM対応、プラント応答などを詳細に評価し、改善に資すること

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福島第一原子力発電所事故「事故調査・検討委員会」の調査における個人の責任追及に偏らない調査を求める声明 (2011/7/7)
http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/pr20110707.pdf


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2011-07-18 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その14 原子力施設事故・故障分析評価検討会

・設置関係資料 その14 原子力施設事故・故障分析評価検討会

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110716-OYT1T00168.htm

原発の電源喪失、安全委93年に検討…公表せず

東京電力の福島第一原子力発電所事故の原因となった全交流電源喪失について、国の原子力安全委員会の作業部会が1993年に国内の原発の実態を検討し、「原子炉が重大な事態に至る可能性は低い」とする報告書をまとめていたことが15日、明らかになった。

 同日開かれた内閣府の原子力安全委員会の安全設計審査指針等検討小委員会で、同委員会が報告した。報告書は、原子力施設事故・故障分析評価検討会の全交流電源喪失事象検討ワーキンググループがまとめた。メンバーは5人の専門委員のほか日本原子力研究所、東京電力、関西電力からの各1人。同報告書の存在を含め、当時は作業部会で検討した事実すら公表されなかった。
(2011年7月16日08時51分 読売新聞)

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http://www.nsc.go.jp/info/20110713_dis.pdf

原子力発電所における全交流電源喪失事象について

平成5年6月11日

原子力施設事故・故障分析評価検討会
全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループ

一 目 次 一
1.まえがき
2.国外における全交流電源喪失事象(SBO)の位置付けと現状等について
 2.1国外のSBOの規制上の位置付け及び取り扱いとプラント設計の現状
 2.2国外の交流電源喪失事例等
 2.3国外のSBO等に対する信頼性評価
3.我が国におけるSBOの位置付けと現状等について
 3.1SBOの規制上の位置付け及び取り扱い
 3.2SBOに対するプラント設計の現状
 3,3プラントの運転管理実施状況
 3.4交流電源喪失事例等
 3.5SBO等に対する信頼性評価
4.SBOに対する指針及び安全確保対策の評価
5.結論
 5.1調査結果のまとめ
 5.2SBOに関する今後の課題
6.添付図表


1.まえがき
 全交流電源喪失事象(Station Blackout,以下「SBO」という。)とは、「外部交流電源喪失と同時に所内非常用交流電源が喪失する事象」をいう。(注)
 即ち、SBOは、外部電源がすべて喪失し、かつ非常用ディーゼル発電機(Emergency Diesel Generator,以下「EDG」という。)の全数起動失敗等により発生する複合事象であり、その発生頻度は非常に低いと考えられる。
 この万一のSBOの発生に備えて、原子カプラントは、短時間のSBOの発生に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できるよう設計されている。しかし、仮に短時間で交流電源が復旧できずSBOが長時間に及ぶ場合には、非常用蓄電池の枯渇による運転監視・制御機能等が失われ炉心の冷却等が維持できなくなることから、炉心の損傷等の重大な結果に至る可能性が生じると考えられる。なお、近年、SBOのような発生頻度が非常に低いと考えられる事象を含む課定し得るすべての事故シナリオを対象として、炉心損傷等の可能性を定量的に扮析・評価する確率論的安全評価(以下「PSA」という。)が多くの国で行われている。
 本ワーキンググルーブでは、①海外においては、短時間(調査した範囲では最長36分)ではあるがSBO事例が報告されていること、②米国の代表的な原子カプラントのPSAの結果によるとSBOが炉心損傷の主要な寄与要因となる原子カプラントがあることが報告されていること、更に、③近年、米国でSBOに対する規制措置がとられていること等に鑑み、SBOに関して国内外の原子カプラントについて規制上の要求事項、事故故障事例の調査等を行い、主にこれらの現状について以下のとおり取りまとめた。(本ワーキンググループの構成員等は別紙の通り)

(注)我が国の「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」では、全交流動力電源喪失事象とされている。     ・


<略>


4.SBOに対する指針及び安全確保対策の評価
(1)安全設計審査指針に関して
我が国の原子力プラントの電源設備は.安全設計審査指針に基づき高い信頼性と冗長性 及砂短時固の全交流電源喪失に対する原子炉の安全性確保等が求められている。一方、 我が国の原子力プラントの運転実績は約300炉年に達しており、この間、電源設備が十分に高い信頼性を達成してきているぶどうかを評価することは有用であり、このため各電源系統の信頼性、電源設備で発生しだ障害とそのプラントへの影響及び全交流電源が喪失した場合の原子炉の耐久能力を評価した。
①我が国の原子力発電所においては、これまでにSBOの事例は生じていない。なお、国 外において発生した主なSBO事例として、米国の軽水炉において発生した3件の事例 .について調査した。これらの事例からの我が国の原子力発電所への反映事項としては、 設計や運転管理の状況が必ずしも同じでないことから直接的に比較して検討することは 困難であるが、一般的涯教訓事項として、①ヒューマンエラー対策(運転員の教育訓練等)の重要性く及び②電源設備を含あた原子炉施設の安全を確保するための施設に対する原子炉停止時の適切な点検及び保守計画の重要性等についで再認識すぺきであると考えられる。
②外部電源喪失頻度について、我が国の実績は約0.01/炉年で、米国の実績約0.1/サイト年に比ぺ1桁程度低い。我が国の実績は、全て発電所外の送電線路に原因するもので、この送電線路の原因による発生率は米国とほぼ同じであるが、栄国では発電所内の原因による発生事例が多いため低い信頼性となっている。
③外部電源喪失時の復旧性能について、我が国の原子力プラントの外部電源喪失の実績データが少ないことを考慮し、ここでは原子力プラントに係静る事例に限定せず広く薮が国の2回線送電線路の復旧性能を評価し、米国の原子力プラントの実績に基づく評価値と参考までに比較した。その緒果、我が国の復旧性能ぽ全般的に良好であり、例えば復旧性能の指標としての8時間復旧失敗確率は我が国では約10-3で、米国の最も信頼性の高いクラスタの場合の10"2に比ぺても信頼性は高い。この比較ほ、概括的な比較であって相違理由についての正確な評価は困難であるが、我が国の艮好族築績は、恐らく送電線路の構成等の相違によるものと推測される。な蔚、我が国の原子力プラントの実績では、すぺて30分以内に復旧しているが、米国では復旧に量大19時間(1989年までの統計)を要した事例がある。
④EDGの起動の失敗確率にっいて、我が国の鼓近1ロ年間の実績は、約5.5×10-4/demandで、これは米国の実績約2×10'2/demandに比べて信頼性が高く、各種信頼性向上対策の結果と評価される。今後は、EDGの起助時の信頼性と起動後の運転継続信頼性についてのデータをそれぞれ分離しつつ収集一整理し、故障の分祈やPSAに反映していくことが望まれる。
⑤非常用直流電源(非常用蓄電池等)は万一のSBO時に特に重要であり、我が国の原子力プラントにおいて非常用誓電油の容量は5時間以上'(負荷の一部切り離しペース)である。非常用直流電源設備の信頼性について、我が国ではこれまでのところ蓄電池性能の劣化も含境機能の喪失事例は経験していない。従って、非常用直流電源設備の信頼性は高く維持されて亦ると考えられるが、引続き国外の事例等を収集整理し、これから得られる教訓を基に信頼性の確保に努めることが望まれる。なお、米国挺蠢いては非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例が報告されている。また、非常用蓄電池の容量は、例えばSurryにおいて、負荷の一部切り離しを行った場合寧駐4時間と評価されている。
⑥このように我が国の外部電源系統、EDG及び非常用直流電源設備の信頼性は良好であるが、更に万一のSBOを仮定した場合の原子炉の耐久能力を評価した。即ち、原子炉の耐久能力は既に手順化きれている対応操作により、蓄電池負荷の一部の切り離しを行う等により、5時間以上と評価される.試みに、米国のRG1.155に基づいて我が国のプラントの米国の新しい規制に対する適合性を評価した場合、EDGの信頼性及び発電所周囲の気象条件について我が国におけるそれらの特性を勘案すると耐久能力の時間は全てのプラントで4時間となり、これに対し我が国の代表的なプラントのSBOに対する原子炉の耐久能力は、既に手順花されている蓄電池負荷の一部の切り離しを行う等の対応操作により、約5時間以上と評価されることから、米国NRCのSBO規則に対する条件を満たしている。これらのことから、我が国のプラントのSBOに対する耐久能力は良好であると言える。
⑦我が国の代表的プラントについて行ったPSA緒果(内的事象のみを起因事象とした。)によれば、全炉心損傷頻度は小さく、SBOによる炉心損傷頻度白体も小さい。なおPWR及びBWR-3では、 SBOは炉心損傷に寄与する主要因で睦旗く、一方BWR- 4/5では、PWR及びBWR-3に比ぺその寄与割合は高いものの、 SBOによる炉心損傷頻度それ自体は小さい。
⑧主要諸外国においては、外部電源及び非常用所内電源の設置等について我国とほぼ同様な規制上の要求となっている。また、主要諸外国におげるSBOに対する規制上の要求については、米国及び仏国がSBO(長時間のSBOを含む)に対して規制上の要求を行っている。英国及び独国は、我国とほぼ同椴な規制上の要求となっている。

(2)安全評価審査指針に関して
上記「4.(1)」のように、我が国のプラントの電源系統の信頼性は現状において高く、また信頼性の維持・向上に努力が払われている。SBOの発生確率は小さい。また、万一のSBOに対しても短時間で外部電源等の復旧が期待できるので原子炉が重大な事態に至る可能性は低いと考えられる

(3)安全性の一層の向上に関して
①我が国のプラントのSBOに対する安全性の現状は、良好な運転一保守管理等に基づくものであり、これを継続していく努力が必要である。さらに、安全性を向上していくためには、運転員が手順書に習熟していくことはもちろんのこととして、今後新たな知見が得られた場合には、これを適切に設計・運転・保守管理、手順書等に反映していく努力が必要である
②国内の代表的プラントのPSAの緒果によれぱ、SBOによる炉心損傷頻度は特段高くはなっていないが、原子力安全委員会としてはシビアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントの奨励を決定しているところであり、個別プラントのPSAによりSBOによる炉心損傷頻度の検討を行うとともに、より一層効果的なアクシデントマネージメント等の整備に向けて、その検討に努めていくことが重要である。
③近年、海外のプラントにおいて原子炉停止時に非常用所内交流電源が喪失した事例も生じていること及び定期点検時の機器の分解点検等により安全系等の系統・機器の冗長性が失静れる可能性があることから、原子炉停止時の運転管理等については、十分に注意を払うことが肝要である。なお原子炉停止時のPSAにおいて、今後その検討が望まれる。

5 結論
5.1 調査結果のまとめ
全交流電源喪失事象について、これまでの我が国の原子カプラントの運転実績等に基づき、また国外の報告等を参考とし、調査した結果は以下のとおりである。
①我が国の原子力プラントにおいては、これまでにSBOの事例は生じていない。なお、国外において発生した主なSBO事例として、米国の軽水炉において発生した3件の事例について調査した。これらの事例からの我が国の原子力プラントへの反映事項としては、設計や運転管理の状況が必ずしも同じでないことから直接的に比較して検討することは困難であるが、一般的な教馴事項として、①ヒューマンエラー対策(運転員の教育訓練等)の重要性、及び②電源設備を含萄た原子炉施設の安全を確保するための施設に対する原子炉停止時の適切な点検及び保守の計画の重要性等について再認議すべきであると考えられる。
②我が国の外部電源喪失頻度は約0.01/炉年と低く、また外部電源復旧時間もこれまでの原子力プラントにおける事例はすぺて30分以内である。これば米国の外部電源喪失頻度が約0.1/サイト年、及び外部電源復旧時間が中央値で約30分、最長で約19時間(1989年までの統計)であるのと比ぺ信頼性は高い。
③EDGの起動失敗確率について、我が国の最近10年間の実績は、約6x10-4/demandであり、米国の実績約2x10-2/demandに比べ、我が国のEDGの信頼性は高い。
④直流電源(非常用蓄電池等)は万一のSBO時に特に重要である。我が国の原子力プラントにおいて非常用蓄電池の容量は5時間以上(負荷の一部切り離しベース)である。また、これまでのところ非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例はなく、信頼性は高く維持されていると考えられる。なお、米国においては非常用直流電源系の非常用蓄電池等の故障事例が報告されている。まだ、非常用蓄電池の容量は、例えSurryおいて、負荷の一部切り離しを行った場合には4時間と評価されている。
⑤このように我が国の外部電源系統、EDG及び非常用直流電源系の非常用蓄電池等の信頼性は良好でありSBOの発生は起こりにくいと考えられる。なお、万一に備え指針で要求されている2回線の送電線と独立した送電系統がら非常用電源系に電力供給可能な設計や隣接の原子力プラントからの電力供給可能な設計がされて恥る原子力プラントもある。
⑥SBO時の耐久能力については、試みに米国のRG1.155に基づいて我が国の原子力プラントを評価した場合、耐久能力の要求時間は4時間となり、これに対し我が国の代表的な原子力プラントのSBOに対する原子炉の耐久能力は、既に手順化されている蓄電池負荷の一部の切り離し等の対応操作により、5時間以上と評価されることから、米国NRCのSBO規則に対する条件を満たしている。
⑦我が国の代表的な原子力プラントについて行った内的事象のみを起因事象としたPSA結果によれは、SBOによる炉心損傷発生頻度は低く、参考として米国NRCがNUREG1032の申で示している10-5/炉年以下の目標値と比較しても低い。また、これを含めた全炉心損傷発生頻度も低い。
⑧主要諸外国におけるSBOに対する規制上の要求にっいては、米国及び仏国がSBO(長時間のSBOを含む)は対して規制上の要求を行っている。英国及び独国は、我が国とほぼ同様な規制上の要求となっでいる。
5.2 SBOに関する今後の課題
現在の良好な運転管理、保守管理及び余裕をもった設計等を継続することに加えて、安全性のより一層の向上のため、次のような措置を講ずることが望まれる
我が国の原子力プラントのSBOに対する安全性を更に向上していくためには、運転員が手順書に十分習熟した状態を維持して担くことはもちろんのこととして、今後新たな知見が得られた場合には、これを適切に設計・通転・保守管理、手順書等に反映していく努力が必要である
②国内の代表的な原子力プラントのPSAの結果からはSBOによる炉心損傷頻度は、特段高くはなっていないが、個別プラントのPSAによりSBOによる炉心損傷頻度の検討等を行うとともに、より一層効果的なアクシデントマネージメント等の整備に向けて、その検討に努めていくことが必要である。
③現状の我が国の原子力プラントの良好な運転・保守管理等を維持し、更にPSAの際には我が国の原子力プラントに対する各種データを収集することが重要なことに鑑み、今後は、EDGの起動時の信頼性及び起動後の運転継続信頼性等についてのデータを収集・整理し、故障率の分析やPSAへの反映・検討が行われることが望まれる。

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別紙
[検討の経緯]
 原子力施設事故・故障分析検討会は、平威3年4月23日に開催された第7回検討会において、全交流電源喪失事象に関して国内外の原子力プラントについて規制上の取扱い、事故故障事例等の調査を行うため、下記の構成員からなる、全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループを設置した。
 本ワーキングーグループは、平成3年10月22日に第五回ワーキングーグループを開催し、調査を行ってきた結果、平成5年6月11日の第12回ワーキング・グループにおいて結論を得た。

ワーキング・グループの構成員
(専門委員)
竹越 尹  (主査)前電力中央研究所
相沢 清人 動力炉・核燃料開発事業団
川崎 稔 (財)放射線照射振興協会(平成3年当時、日本原子力研究所)
竹村 数男 東京商船大学名誉教授
生田目 健 日本原子力研究所

(部外協力者)
及川哲邦  日本原子力研究所.
■■■■  東京電力㈱
■■■■  関西電力㈱(平威4年6月まで)
■■■■  関西電力㈱(平成4年7月より)
[黒塗り]





2011-07-16 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その13 耐震指針検討分科会

・設置関係資料 その13 耐震指針検討分科会

http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/taisinbun.htm
http://www.nsc.go.jp/senmon/soki/taisinbun/taisinbun_so42.htm
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原子力安全基準・指針専門部会 耐震指針検討分科会第42回会合

1.日時  平成18年4月7日(金)9時30分~12時30分
2.場所  原子力安全委員会第1、2会議室(虎ノ門三井ビル2階)
3.議題  (1)発電用原子炉施設に関する耐震設計について
      (2)その他

●専門委員
   ○青山 博之        秋山  宏        石田 瑞穂
    石橋 克彦        入倉孝次郎       △大竹 政和
    神田  順        柴田  碧        佃  榮吉
    平野 光將        翠川 三郎        村松  健
    山内 喜明
●部外協力者
    森下日出喜        中村 隆夫
●原子力安全委員会
    松浦祥次郎        鈴木 篤之        東  邦夫
    早田 邦久        久住 静代
●経済産業省 原子力安全・保安院
    佐藤  均        川原 修司
●文部科学省 科学技術・学術政策局
    黒村 晋三

●事務局
    片山正一郎        水間 英城        中矢 隆夫
    吉田九二三        山本  隆        島村 邦夫
    名倉 繁樹

注) ○:主査、△:主査代理

〈略〉

○石橋委員 今のことに関係するんですけれども、柴田先生のおっしゃる多重性、あるいは共通事象というのに2つの意味があるような気がします。つまり、原子炉施設の中で共通要因故障として多重性があるということと、原子炉施設の周辺の含めた多重性、同時性があるような気がいたしますということを、私はそう認識した上でこれから意見を言うのですけれども、まず8.の随伴事象ですか、そこに柴田先生のご提案を盛り込むことに関しては、必要ないでしょうと100%言い切るつもりはないのですけれども、この耐震設計審査指針というものを私としてある程度狭くとらえてみますと、書かないでもしようがないのではないかなと思います。
 そういうふうに思いますが、ただこれに関して先ほど事務局から説明があったことは納得できないことがありますので、審議の一環として具体的に言っておきたいのですが、外部電源喪失に関してちゃんと書いてあるという説明がかなり具体的にありました。資料第42-7号の4ページでしたけれども、ここには短時間の全交流動力電源喪失に対して。ただ、大地震が原子力発電所を中心とする一帯を襲えば商用電源の喪失、要するに電気がとまることはかなり長時間続く場合もあるということは予想されます。その場合に、早急に修理がなされるかというと、それがなされない可能性も高い。もちろん非常用発電機が立ち上がって、それも原子炉施設内の同時多発の故障によって立ち上がらない可能性もなきにしもあらずだと思いますが、長期間外部電源喪失して燃料が少なくなってきたとき、先ほど、燃料は補給できるとおっしゃいましたけれども、原子力発電所の中に膨大な備蓄燃料があるのかどうかよく知りませんけれども、それも激しい揺れで損傷して燃料が漏れてしまうこともあり得るでしょうし、地震でなければそういう場合でもタンクローリーががんがん来ればいいわけですが、そういうものが来られないという状況がまさに大地震なわけで、そういうことを考えますと、やはり安全設計審査指針に書いてあることは、地震の場合もカバーしているとは私は言い切れないと思います。
 もう大分前から柴田先生がこういうご提案をしていらっしゃったとき、例えば衣笠委員がいろいろ反論されていましたけれども、あのときも私は地震という一番根本原因が全然欠落しているなと感じていたので、その意味で柴田先生のご指摘はまさに地震による周辺のいろいろなことが起こるというそれを重視されていると思うので、そのことは原子炉施設の地震に対する安全性にとって非常に重要なことであるとは思います。
 ただ、だからといって8.に書くかというと、要するに言ってしまえば耐震設計審査指針は原発が地震に襲われたとき、そういうことまではカバーしていないのだと私は認識するということで8番には盛り込まないでいいだろうというのが結論です

 それからもう一つの、原子炉施設の中で同時多発的にいろいろな損傷が起こる可能性があることに関しては、多分、平野委員がおっしゃったのはそちらの方が主ではないかと思うのですけれども、そのことはやはり前回も私は申しましたけれども、どこかに書いてあった方がいいと思います。「はしがき」か、「はしがき」が読まれないとか座りが悪いとかであれば後の解説でもいいとおっしゃいましたけれども、これはもう一つの重要な問題、平野委員も指摘されましたけれども、最後の見解とか解説とかいうものが一体、指針本体とどのくらい不足、不利であるのかという非常な重大な問題。
 私はそのことが非常に心配でしたから早い段階から、去年の暮れかことしの正月あたりから解説の位置づけということを随分問題にしていたのですけれども、当時は余り理解されないで相手にされなかったみたいですけれども、やはりそれに非常に関係してきます。
 そういう意味でまだ不安が残るのであれば、やはり指針本文のどこかしらに「はしがき」か、あるいは「基本方針」か、どこかそのあたりに原子炉施設内での共通要因故障のことを明記する必要があるだろうと思います。
 以上です。
○青山主査 平野委員、どうぞ。
○平野委員 2点、今の石橋委員の話ですが、電源喪失の方については耐震指針の中でカバーしていないということではなくて、耐震指針がまさにそこをカバーするためにあるので、重要度クラスを分けて、そして耐震クラスⅠというのはどういう施設かというところがあって、全部細かくは書いてありませんが、原子炉をとめたり、あるいは冷却したり、そういうことを必要なものは全部基本的には耐震クラスⅠで何とかしなさい。もちろん外部電源はそんな強く普通できませんから、そのために耐震クラスⅠの非常用ディーゼルがあって、もし燃料タンクや何かもある程度もちろん貯蔵はすると。その施設も当然必要ならば、その地点でのどういう地震が来るかということの想定とも関係しますけれども、当然、必要ならば耐震クラスⅠで設計すればいいことであって、実際のプラクティス等はどうなっているかという話は私は詳細には知りませんが、心情はそういうふうな措置がされているということで何ら問題はないということを申し上げた
 それでSsを超えるものについては、またそれは別な問題です。
 それから、指針27.の方は確かに短期間しか想定していないのですが、これは地震のときにはもちろん短期間では復旧することは期待できないと私は思います。だから、それは耐震設計指針の方でちゃんとカバーしなければいけない。こっちの方はもう少し広く何らかの、そういうふうにはちゃんとした信頼性の高い設計をするのですけれども、何らかの原因によってこういうことが起こったときにも短期間でやってくださいと。地震については当然、耐震設計指針の方できちっとやってくださいというのがすみ分けだと思います。
 それから、同時多発については先ほども申し上げましたけれども、地震というのはそういうものであると、それを大前提に耐震設計指針をつくっているのであって、どこかで前書きとか解説のところでそういうことを書くのは私も絶対反対ではないのですが、座りのいいところがあれば。だけど、それが大前提で同時多発的に共通事象が起こるという大前提で耐震設計をつくっているので、余りそれを個別のところで書くような問題ではないのではないかなと。大前提です。そのために耐震設計指針をつくっているのです。
○青山主査 柴田委員、どうぞお願いいたします。
○柴田委員 先ほどから申しているように、指針に何を書くかという問題で、大前提になっているとか分かっているとか、そういうことは書かないでいいとするかどうかという基本的な問題だと思うのです
 例えば、先ほどいろいろ非常用冷却系の話とか出ましたけれども、そういうのを具体的に調べて、それで1980年代のSSMRPのときなんか、アメリカのNRCやなんかの関係者と随分個別に議論した経験がありますけれども、議論していけば結局気がつかなかったとかそういうことは随分あるわけです。ですから、結局多重性とか何か、安全関係の方が気がつかないままにやっているということがあるので、念には念を入れて、大前提なら大前提ということで書くべきであろうと。書いてなぜ悪いのかというのが僕にはよく分からない


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2011-07-13 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その12 経産省 指示

・設置関係資料 その12 経産省 指示


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http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110607004/20110607004-2.pdf
経 済 産 業 省
平成23・06・07原第2号
平成23年6月7日
別記宛て(各通)
経済産業大臣 海江田 万里

平成23年福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の原子力発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施について(指示)

 経済産業省(以下「当省」という。)は、「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について(指示)」(平成23年3月30日付け平成23・03・28原第7号)において、各電気事業者等に対し、同事故を踏まえ、津波により3つの機能(交流電源を供給する全ての設備の機能、海水を使用して原子炉施設を冷却する全ての設備の機能及び使用済燃料貯蔵槽を冷却する全ての設備の機能)の喪失を想定した緊急安全対策の実施を指示し、各電気事業者等からその実施状況の報告を受け、厳格な確認を行いました。その結果、各電気事業者等において、緊急安全対策が適切に実施されていることを確認し、炉心損傷等の発生防止に必要な安全性は確保されているものと判断しました。
 今般、平成23年に発生した福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所事故に係る原子力災害対策本部において、同事故に関する報告書を取りまとめ、同事故を収束するための懸命な作業の中で抽出された課題(シビアアクシデントへの対応)から、万一シビアアクシデント(炉心の重大な損傷等)が発生した場合でも迅速に対応するための措置を整理しました。
 以上を踏まえ、当省は、これらの措置のうち、直ちに取り組むべき措置として、各電気事業者等に対し、福島第一原子力発電所以外の原子力発電所において下記の事項について実施するとともに、その状況を平成23年6月14日までに報告することを求めます。


1.中央制御室の作業環境の確保
 緊急時において、放射線防護等により中央制御室の作業環境を確保するため、全ての交流電源が喪失したときにおいても、電源車による電力供給により中央制御室の非常用換気空調系設備(再循環系)を運転可能とする措置を講じること。

2.緊急時における発電所構内通信手段の確保
 緊急時において、発電所構内作業の円滑化を図るため、全ての交流電源が喪失したときにおける確実な発電所構内の通信手段を確保するための措置を講じること。

3.高線量対応防護服等の資機材の確保及び放射線管理のための体制の整備
 緊急時において、作業員の放射線防護及び放射線管理を確実なものとするため、事業者間における相互融通を含めた高線量対応防護服、個人線量計等の資機材を確保するための措置を講じるとともに、緊急時に放射線管理を行うことができる要員を拡充できる体制を整備すること。

4.水素爆発防止対策
 炉心損傷等により生じる水素の爆発による施設の破壊を防止するため、緊急時において炉心損傷等により生じる水素が原子炉建屋等に多量に滞留することを防止するための措置を講じること

5.がれき撤去用の重機の配備
 緊急時における構内作業の迅速化を図るため、ホイールローダ等の重機を配備するなどの津波等により生じたがれきを迅速に撤去することができるための措置を講じること。

別記
北海道電力株式会社 取締役社長 佐藤 佳孝
東北電力株式会社 取締役社長 海輪 誠
東京電力株式会社 取締役社長 清水 正孝
中部電力株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 水野 明久
北陸電力株式会社 取締役社長 久和 進
関西電力株式会社 取締役社長 八木 誠
中国電力株式会社 取締役社長 山下
四国電力株式会社 取締役社長 千葉 昭
九州電力株式会社 代表取締役社長 眞部 利應
日本原子力発電株式会社 取締役社長 森本 浩志
独立行政法人日本原子力研究開発機構 理事長 鈴木 篤之


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http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110607005/20110607005-5.pdf
経済産業省
平成23・06・07 原院第1 号
平成2 3 年6 月7 日
経済産業省原子力安全・保安院
NISA-238b-11-7
NISA-161b-11-4
NISA-181b-11-4

原子力発電所等の外部電源の信頼性確保に係る開閉所等の地震対策について(指示)

 原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、平成23年4月15日付け平成23・04・15原院第3号による、原子力発電所及び再処理施設(以下「原子力発電所等」という。)の外部電源の信頼性確保についての指示に係る報告を、同年5月16日に各一般電気事業者等から受け、本日、当該報告に対する評価を行いました。
 また、同年5月16日付け平成23・05・16原院第7号による、福島第一原子力発電所内外の電気設備に係る被害原因等についての報告を、同年5月23日に東京電力株式会社から受けました。当該報告によると、同発電所内の開閉所における同発電所第1号機及び第2号機に係る遮断器等が、地震によって損傷を受けたとされています。
 これらの評価及び報告を踏まえ、外部電源の信頼性を確保する観点から、当院は、一般電気事業者等に対して、下記の事項について実施することを求めます。また、その実施状況について、平成23年7月7日までに当院に報告することを求めます。


1.平成23年東北地方太平洋沖地震により東京電力株式会社福島第一原子力発電所において観測された地震観測記録の分析結果を踏まえ、一般電気事業者等の原子力発電所等において開閉所等の電気設備が機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性についての影響評価。
 なお、この評価に当たっては、基準とする開閉所等に係る地表面における地震力を各原子力発電所等において設定し、電気設備に生ずる応力を解析により求め、当該電気設備の構造強度との比較により評価を行うこと。

2.上記1.において機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性があると評価された場合、当該設備に対する地震対策の策定


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http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110707d.pdf

http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/press/2011/110707-2.pdf

http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2011/07/07/besshi0707.pdf

http://www.tohoku-epco.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/07/07/11070701_np_b1.pdf

http://www.japc.co.jp/news/bn/h23/230707.pdf

http://www.yonden.co.jp/press/re1107/data/pr002-01.pdf

http://www.rikuden.co.jp/press/attach/11070701.pdf

http://www.jnfl.co.jp/press/pressj2011/110707besshi.pdf

http://www.energia.co.jp/atom/press11/p110707-1a.pdf

http://www.hepco.co.jp/info/2011/__icsFiles/afieldfile/2011/07/07/110707.pdf

2011-07-08 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その11 検査 原子力安全基盤機構

・設置関係資料 その11 検査 原子力安全基盤機構

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毎日jp 毎日新聞社
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/archive/news/2011/06/20110615k0000m040132000c.html

福島第1原発:東電頼みの検査、露呈…安全基盤機構ミス


 原発の法定検査に疑問符が浮かんだ。東京電力福島第1原発3号機の安全弁を巡る「原子力安全基盤機構」の検査ミス。東京電力のトラブル隠し(02年)を受け、検査強化を目的に設立された機構だが、東電からの指摘でやっと自らのミスに気付いた。「東電に頼り過ぎた」。検査員はそう反省したという。昼食代の一部を企業側に負担させてから検査に取りかかるケースもあり、元検査員の一人は「ガチンコ(真剣勝負)の検査員は多くない」と明かした。

 08年12月、北九州市門司区のバルブメーカー工場。機構の検査員2人は、検査手法や手順を記した機構備えつけの「要領書」を手に東電やメーカーの担当者に機器を操作させ、検査を開始した。

 検査は、通常運転時に安全弁が圧力容器から放射性物質を含んだ規定量以上の水蒸気を漏らさないかどうかをチェックするもの。水蒸気の代わりに窒素ガスを使い漏えい量の測定を行うため、窒素ガスの圧力が水蒸気であればどの程度の気圧に相当するか換算する式が必要だ。ところが、要領書には肝心の換算式を記載していない不備があり、検査員は東電側がかけた圧力を妥当だと思い込み検査を終えた。ところが約1カ月後、東電から「圧力が低過ぎた」と連絡が入った。検査員らは機構の内部調査に「東電とメーカーに頼り過ぎた」と答えたという。

 「東電の言い値で検査しているだけでは」。記者の質問に機構の工藤雅春検査業務部次長は「そう言われればその通り。忸怩(じくじ)たる思いはある」と答えた。

 ◇「職員の能力不足も」

 「国の代わりに検査する建前なのに、ガチンコの検査員は多くない。なれ合い検査がまん延している」。10年3月に退職した元検査員の男性(62)は明かす。

 機構の検査部門には百数十人の職員が在籍する。このうち約6割は専門性を高めるために雇用した原子力関連メーカー、電力会社、民間検査会社などの出身者たちだ。それでも▽九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)など原発4基で点検すべき事項を点検しなかった「確認漏れ」(07年発覚)▽日本原燃ウラン濃縮工場(青森県六ケ所村)で要件を満たしていないウラン貯蔵容器を「合格」と判定(10年発覚)--などのミスが相次いできた。

 男性は「専門知識が不足している職員がいる。内部で研修はしているが、知識や経験が乏しく、厳しくチェックしようにも能力不足で不可能だ」と言う。

 通常、検査は午後に実施される。検査前の昼食には検査員、検査先のメーカー、電力会社社員らが一堂に会する。1500~2000円程度の弁当が出るが、検査員は500円を支払うだけ。「差額分は『接待』だが固辞する検査員は少ない。『なあなあ』の検査の象徴」と男性は語った。【酒造唯、川辺康広】


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毎日jp 毎日新聞社
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/archive/news/2011/06/20110615k0000m040130000c.html

福島第1原発:安全弁検査ミス…保安院所管法人が見逃す

 経済産業省原子力安全・保安院所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京都港区)が08年12月、東京電力福島第1原発3号機の交換用の圧力容器安全弁2台に対する法定検査を誤った手法で実施し、合格させていたことが機構関係者の話で分かった。正常運転時に相当する圧力をかけ放射性物質を閉じ込められるかどうかをチェックしなければならないのに、加圧不足だった。密閉性の低い弁が設置されれば、容器内から規定量以上の放射性物質が漏れる可能性があったという。

 機構は翌月、東電からの指摘を受けてミスに気づき、再検査した。実際に2台を取り付けたのは再検査合格後だったため「安全面での影響はなかった」との理由で、公表しなかった。機構は東電の原発トラブル隠し(02年8月発覚)で、保安院が検査結果の改ざんを見抜けなかった教訓から、検査強化を目的に03年10月に設立された。法定検査を実施できる唯一の機関だけに、識者から厳しい批判の声が上がっている。

 この安全弁は「主蒸気逃がし安全弁」。直径数十センチ、高さ2メートル弱の円筒状の機器で、3号機には8台取り付けられている。正常運転時は放射性物質を含んだ蒸気を基準値以上に漏らさないよう炉内に閉じ込め、事故時は安全弁を開け、圧力を下げて容器破損を防ぐ。消耗により8台のうち6台を交換することになり、08年12月2、3の両日、安全弁を製造した北九州市のバルブメーカーの工場で電気事業法に定められた検査をした。

 機構の検査員2人は、立ち会った東電社員らに指示して、正常運転時の蒸気に相当する圧力の窒素ガスを弁に向けて噴射し、ガスの漏えい量が基準値内かどうかを確認した。6台のうち4台への加圧は適切だったが、残る2台は規定値より各0.55気圧、0.46気圧低い70.38気圧、71.28気圧しか加圧していなかった。東電側の単純ミスだったが、2人はこれを見抜けないまま合格を意味する「良」と判定したという。

 東電は機構の検査に先立つ08年11月18日、独自に同様の検査を実施した際に同じミスをしていた。社内の安全審査部門が二重チェック態勢をとっており、機構検査後の09年初めまでにミスを把握した。

 安全弁は再検査後、保安院の書面チェック(09年4月)を経て、3号機に設置された。圧力容器の圧力が急上昇した3月13日、正常に動いたが、蒸気に含まれる水素が原子炉建屋まで漏れ建屋は翌日水素爆発した。【清水憲司、酒造唯、川辺康広】

 原子力安全基盤機構の工藤雅春検査業務部次長の話 謙虚に反省しており、既に再発防止策も講じた。

 【ことば】原子力安全基盤機構

 保安院の委任で行う法定検査のほか、海外の原子力施設で起きたトラブルに関する情報の収集・分析などを業務とする。10年度予算(収入)は約222億5000万円で、国からの交付金が約93%を占める。職員426人(4月現在)の中には電力会社や原子力関連メーカーの出向者もおり、独立性を疑問視する声もある。


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asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0615/TKY201106150134.html
福島第一原発の安全弁、検査ミスでいったん合格 08年
2011年6月15日12時35分

原発での国の法定検査を担う独立行政法人原子力安全基盤機構が、2年半前に東京電力福島第一原子力発電所3号機の原子炉の安全弁の検査を誤った手法で実施し、合格させていたことがわかった。運転前に東電が誤りに気づいて指摘し、機構が再検査した。

 問題の弁は、「主蒸気逃し安全弁」。通常は閉じているが、事故時には、炉の破損を防ぐため弁を開けて中の圧力を逃す。検査は2008年12月、弁の交換に伴って行われた。

 正常運転時には原子炉内には一定の圧力がある。このため、検査でこうした圧力をかけても弁がきちんと閉まった状態を保てるかどうかを確かめる必要がある。しかし、問題の検査では規定値よりも低い値でしか加圧していなかった。

 検査は機構の検査員2人が東電社員に指示して実施。東電社員の単純ミスで加圧不足になったが、検査員は気づかず、検査に合格させた。

 東電は、翌09年初めに再検査した際にミスに気づいて機構に報告。機構は再検査し、09年4月に経済産業省原子力安全・保安院の審査を経て、3号機に弁が設置された。

 02年に発覚した東電のトラブル隠しで、保安院が検査の改ざんを見抜けなかった。この教訓から検査強化のために03年に機構が設立された。経産省所管の独立行政法人で、国の法定検査をする唯一の機関。

 保安院の西山英彦審議官は15日の会見で「東電に指摘されるまで気付かなかったことは非常に遺憾。専門機関としては、こういうことはないようにしなくてはいけない。正しい方法で再度検査をしており安全性に問題はない」と話した。

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2011-06-24 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その10 IAEA閣僚会議、日本政府の報告書(平成23年6月)

・設置関係資料 その10 IAEA閣僚会議、日本政府の報告書(平成23年6月)

原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書について
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/backdrop/20110607001.html

概要
[概要の構成]
1.はじめに
2.事故前の我が国の原子力安全規制等の仕組み
3.東北地方太平洋沖地震とそれによる津波の被害
4.福島原子力発電所等の事故の発生と進展
5.原子力災害への対応
6.放射性物質の環境への放出
7.放射線被ばくの状況
8.国際社会との協力
9.事故に関するコミュニケーション
10.今後の事故収束への取組み
11.その他の原子力発電所における対応
12.現在までに得られた事故の教訓
13.むすび


1.はじめに
 2011年3月11日14時46分(日本時間、以下同じ)に発生した東北地方太平洋沖地震とそれが引き起こした津波が東京電力の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所(以下、「福島原子力発電所」という。)を襲い、未曾有の大規模かつ長期にわたる原子力事故が発生した。
 我が国にとっては、この地震と津波による大規模な災害への対応とともに、その地震と津波により引き起こされた原子力事故への対応も同時に行わなければならないという極めて厳しい事態となった。
 この原子力事故は、我が国にとって大きな試練となり、世界各国の支援を受けつつ、国内の数多くの関係機関が一体となって対応に取り組んでいるところである。また、我が国は、この事故が世界の原子力発電の安全性に懸念をもたらす結果となったことを重く受け止め反省している。そして、何よりも事故の発生によって、世界の人々に放射性物質の放出について不安を与える結果になったことを心からお詫びする。
 現在、我が国は事故の収束に向けて英知を結集して取り組んでいるところであるが、福島原子力発電所で何が起こり、それがどのように進展し、そして我が国が事故をどのように収束させようとしているかについて、正確な情報を絶えず世界に伝えることは我が国の責任である。また、我が国がこの事故から何を教訓として汲み取っているかを世界に伝えることも我が国の責任であると認識している。
 本報告書は、このような認識にたって、本年6月に開催される国際原子力機関(IAEA)の「原子力安全に関する閣僚会議」における我が国からの報告としてとりまとめたものである。事故の収束は、原子力災害対策本部の下に置かれた政府・東京電力統合対策室が、海江田万里経済産業大臣の指揮の下に原子力安全・保安院、東京電力等が力を結集する形で取り組んでいる。本報告書の作成は、原子力災害対策本部の中で、政府・東京電力統合対策室による事故収束に向けての取組み等を踏まえて作業を進め、外部有識者の意見も聴取しながら行った。作成作業の全体は、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣の命を受けた細野豪志内閣総理大臣補佐官が統括した。
 本報告書は、事故報告書としては暫定的なもので、現在まで得られた事実関係を基に事故の評価や得られた教訓をとりまとめたものである。範囲としては、現時点までの原子力安全と原子力防災に関する技術的な事柄を中心としており、原子力損害賠償、社会生活への影響等についてまではとりあげていない。
 政府としては、この報告書のとりまとめとは別に、福島原子力発電所の事故への対応の全体について検証するため、「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」(以下、「検証委員会」という。)を設置した。この検証委員会においては、従来の原子力行政からの「独立性」、国民や国際社会に対する「公開性」、技術的な問題のみならず制度的な問題まで含めた検討を行う「包括性」を基本として、事故の対応に関して政府を含めたあらゆる活動を厳格に検証することにしており、本報告書の内容についてもその検証委員会での検証の対象になるものである。この検証の活動の状況についても世界に公表することになる。
 我が国は、この事故について、高い透明性をもって情報を公開することを基本としている。この方針の下、本報告書を作成するに当たっては、事実関係を正確に記載すること、事故への対応をできるだけ厳しく客観的に評価すること、判明していることとまだ判明していないことの区別を明確にしておくなどに留意した。事実関係の記載については、本年5月31日までに判明したことに基づいている。
 我が国は、今後も全力でこの事故の調査分析に取り組むこととしており、その結果については、引き続きIAEAと世界各国に提供する方針である。

<略>

12.現在までに得られた事故の教訓
 福島原子力発電所の事故の様相としては、自然災害を契機にしていること、核燃料、原子炉圧力容器や格納容器の損傷という過酷事故(シビアアクシデント)に至ったこと、複数の原子炉の事故が同時に引き起こされたことがあげられる。さらに事故発生から3か月近く経過し、その収束に向けた中長期的な取組みが必要になっていること、その結果、多くの周辺住民に長期にわたり避難を求めるなど社会的に大きな負担を課し、また、関係地域内の農畜産業等の産業活動にも多大の影響を与えてきていることなどがあげられる。このように、過去のスリーマイルアイランド発電所事故やチェルノブイリ発電所事故とは様相の異なる点が多くある。
 また、地震や津波により電気、通信、交通等の社会インフラが周辺の広域にわたって壊滅した状況の下で、原子力発電所内での緊急対応作業や発電所周辺での原子力防災活動を行わざるを得なかったこと、余震の発生が各種の事故対応活動をしばしば制限したことなども特徴的なことである。
 今回の事故はシビアアクシデントに至り、原子力安全に対する国民の信頼を揺るがし、原子力に携わる者の原子力安全に対する過信を戒めるものとなった。このため、今回の事故から徹底的に教訓を汲み取ることが重要である。原子力安全確保の最も重要な基本原則は深層防護であることを念頭に、現時点で、次の5つのグループに分けた教訓を示す。
 これらの教訓を踏まえ我が国における原子力安全対策は、今後、根本的な見直しが不可避であると認識している。これらの教訓の中には、我が国固有の事情によるものも含まれているが、教訓の全体像の提示という観点から、それらも含めて示すことにする。

教訓第1のグループは、今回の事故がシビアアクシデントであることを踏まえて、シビアアクシデントの防止策が十分であったかをみて、そこから得られる教訓群である。
教訓第2のグループは、今回のシビアアクシデントの事故への対応が適当であったかをみて、そこから得られる教訓群である。
教訓第3のグループは、今回の事故における原子力災害への対応が適当であったかをみて、そこから得られる教訓群である。
教訓第4のグループは、原子力発電所の安全確保の基盤が堅固に構築されていたかをみて、そこから得られる教訓群である。
教訓第5のグループは、全ての教訓を総括して安全文化の徹底がなされてきたかをみて、そこから得られる教訓である。

(第1の教訓のグループ)シビアアクシデント防止策の強化
(1)地震・津波への対策の強化
 今回の地震は複数震源の連動による極めて大規模なものであった。その結果、福島第一原子力発電所においては、原子炉建屋基礎盤上で観測された地震動の加速度応答スペクトルが、設計の基準地震動の加速度応答スペクトルに対して、一部の周期帯で超えた。地震によって外部電源に対して被害がもたらされた。原子炉施設の安全上重要な設備や機器については、現在までのところ地震による大きな損壊は確認されていないが、詳細な状況についてはまだ不明であり更なる調査が必要である。
 福島原子力発電所を襲った津波については、設置許可上の設計及びその後の評価による想定高さを大幅に超える14~15mの規模であった。この津波によって海水ポンプ等の大きな損傷がもたらされ、非常用ディーゼル電源の確保や原子炉冷却機能の確保ができなくなる要因となった。手順書においては、津波の侵入は想定されておらず、引き波に対する措置だけが定められていた。このように津波の発生頻度や高さの想定が不十分であり、大規模な津波の襲来に対する対応が十分なされていなかった
 設計の考え方の観点からみると、原子力発電所における耐震設計においては、考慮すべき活断層の活動時期の範囲を12~13万年以内(旧指針では5万年以内)とし、大きな地震の再来周期を適切に考慮するようにしており、さらにその上に、残余のリスクも考慮することを求めている。これに対して、津波に対する設計は、過去の津波の伝承や確かな痕跡に基づいて行っており、達成するべき安全目標との関係で、適切な再来周期を考慮するような取組みとはなっていなかった
 このため、地震の想定については、複数震源の連動の取扱いを考慮するとともに、外部電源の耐震性を強化する。津波については、シビアアクシデントを防止する観点から、安全目標を達成するための十分な再来周期を考慮した津波の適切な発生頻度と十分な高さを想定する。その上で、この十分な高さを想定した津波による敷地への浸水影響を防止する構築物等の安全設計を、津波のもつ破壊力を考慮に入れて行う。さらに深層防護の観点から、策定された設計用津波を上回る津波が施設に及ぶことによるリスクの存在を十分認識して、敷地の冠水や遡上波の破壊力の大きさを考慮しても重要な安全機能を維持できる対策を講じる。
(2)電源の確保
 今回の事故の大きな要因は必要な電源が確保されなかったことである。その原因は、外部事象による共通原因故障に係る脆弱性を克服する観点から電源の多様性が図られていなかったこと、配電盤等の設備が冠水等の厳しい環境に耐えられるものになっていなかったことなどがあげられる。さらに電池の寿命が交流電源の復帰に要する時間に比べて短かったこと、外部電源の回復に要する時間の目標が明確でなかったことなどもあげられる。
 このため、空冷式ディーゼル発電機、ガスタービン発電機など多様な非常用電源の整備、電源車の配備等によって電源の多様化を図ること、環境耐性の高い配電盤等や電池の充電用発電機を整備することなどにより、緊急時の厳しい状況においても、目標として定めた長時間にわたって現場で電源を確保できるようにする。
(3)原子炉及び格納容器の確実な冷却機能の確保
 今回の事故において、海水ポンプの機能喪失によって、最終の熱の逃し場(最終ヒートシンク)を失うことになった。注水による原子炉冷却機能が作動したが、注水用水源の枯渇や電源喪失により炉心損傷を防止できず、また格納容器冷却機能も十分に働かなかった。その後も原子炉の減圧に手間取り、さらに減圧後の注水においても、消防車等の重機による原子炉への注水がアクシデントマネジメント対策として整備されていなかったこともあって困難が伴った。このように原子炉及び格納容器の冷却機能が失われたことが事故の重大化につながった。
 このため、代替注水機能の多様化、注水用水源の多様化や容量の増大、空気冷却方式の導入など、長期にわたる代替の最終ヒートシンクの確保により、原子炉及び格納容器の確実な代替冷却機能を確保する。
(4)使用済燃料プールの確実な冷却機能の確保
 今回は電源の喪失により使用済燃料プールの冷却ができなくなったため、原子炉の事故対応と並行して、使用済燃料プールの冷却機能喪失による過酷事故を防止する対応も必要となった。これまで使用済燃料プールの大きな事故のリスクは、炉心事故のリスクに比べて小さいとして、代替注水等の措置は考慮されてこなかった
 このため、電源喪失時においても、使用済燃料プールの冷却を維持できるよう、自然循環冷却方式又は空気冷却方式の代替冷却機能や、代替注水機能を導入することにより、確実な冷却を確保する。
(5)アクシデントマネジメント(AM)対策の徹底
 今回の事故はシビアアクシデントに至ったものである。シビアアクシデントに至る可能性をできるだけ小さくし、又はシビアアクシデントに至った場合でもその影響を緩和するための措置として、アクシデントマネジメント対策は福島原子力発電所においても導入されていた。今回の事故の状況をみると、消火水系からの原子炉への代替注水など一部は機能したが、電源や原子炉冷却機能の確保などの様々な対応においてその役割を果たすことができず、アクシデントマネジメント対策は不十分であった。また、アクシデントマネジメント対策は基本的に事業者の自主的取組みとされ、法規制上の要求とはされておらず、整備の内容に厳格性を欠いた。さらに、アクシデントマネジメントに係る指針については1992年に策定されて以来、見直しがなされることなく、充実強化が図られてこなかった。
このため、アクシデントマネジメント対策については、事業者による自主保安という取組みを改め、これを法規制 上の要求にするとともに、確率論的評価手法も活用しつつ、設計要求事項の見直しも含めて、シビアアクシデントを効果的に防止できるアクシデントマネジメント対策を整備する。
(6)複数炉立地における課題への対応
 今回の事故では、複数炉に同時に事故が発生し、事故対応に必要な資源が分散した。また、二つの原子炉で設備を共用していたことやそれらの間の物理的間隔が小さかったことなどのため、一つの原子炉の事故の進展が隣接する原子炉の緊急時対応に影響を及ぼした。
 このため、一つの発電所に複数の原子炉がある場合は、事故が起きている原子炉の事故時操作が、他の原子炉の操作と独立して行えるようにするとともに、それぞれの原子炉の工学的な独立性を確実にし、ある原子炉の事故の影響が隣接炉に及ばないようにする。併せて、号機毎に原子力安全確保の責任者を選任し、独立した事故対応が行える体制の整備などを進める。
(7)原子力発電施設の配置等の基本設計上の考慮
 今回は、使用済燃料プールが原子炉建屋の高い位置にあったことから事故対応に困難が生じた。また、原子炉建屋の汚染水がタービン建屋に及び、建屋間の汚染水の拡大を防ぐことができなかった
 このため、今後は原子力発電施設の配置等の基本設計において、重大な事故の発生を考慮しても冷却等を確実に実施でき、かつ事故の影響の拡大を防止できる施設や建屋の適切な配置を進めることとする。その際、既存の施設については、同等の機能を有するための追加的な対策を講じる。
(8)重要機器施設の水密性の確保
 今回の事故の原因の一つは、補機冷却用海水ポンプ施設、非常用ディーゼル発電機、配電盤等の多くの重要機器施設が津波で冠水し、このために電源の供給や冷却系の確保に支障をきたしたことである。
 このため、目標とする安全水準を達成する観点から、設計上の想定を超える津波や、河川に隣接立地して設計上の想定を超える洪水に襲われたような場合でも重要な安全機能を確保できるようにする。具体的には、津波や洪水の破壊力を踏まえた水密扉の設置、配管等浸水経路の遮断、排水ポンプの設置などにより、重要機器施設の水密性を確保できるようにする。

(第2の教訓のグループ)シビアアクシデントへの対応策の強化
(9)水素爆発防止対策の強化
 今回の事故では、1号機の原子炉建屋で3月12日15時36分に、3号機の原子炉建屋で3月14日11時01分に、それぞれ水素による爆発が起こったとみられる。さらに4号機でも3月15日06時頃に原子炉建屋で水素が原因とみられる爆発が起こった。すなわち、1号機における最初の爆発から有効な手だてをとることができないまま、連続した爆発が発生する事態となり、これが今回の事故をより重大なものにした。沸騰水型軽水炉では、設計基準事故に対して格納容器の健全性を維持するため、格納容器内を不活性化し、可燃性ガス濃度制御系を設置している。しかしながら、原子炉建屋に水素が漏えいして爆発するような事態を想定しておらず、原子炉建屋における水素対策はとられていなかった
 このため、発生した水素を的確に逃すか減じるため、格納容器における水素対策に加えて、シビアアクシデント時に機能する原子炉建屋での可燃性ガス濃度制御系の設置、水素を外に逃すための設備の整備等の水素爆発防止対策を強化する。
(10)格納容器ベントシステムの強化
 今回の事故では、シビアアクシデント発生時の格納容器ベントシステムの操作性に問題があった。また、格納容器ベントシステムの放射性物質除去機能が十分でなかったため、アクシデントマネジメント対策として効果的に活用できなかった。さらに、ベントラインの独立性が十分でないため、接続する配管等を通じて他の部分に悪影響をもたらした可能性もある。
 このため、今後は、格納容器ベントシステムの操作性の向上や独立性の確保、放射性物質除去機能の強化などにより、格納容器ベントシステムを強化する。
(11)事故対応環境の強化
 今回の事故時に、中央制御室は放射線量が高くなり一時は運転員が立ち入れなくなるとともに、現在も長時間の作業が困難であるなど、中央制御室の居住性が低下した。また、緊急時対策実施の中心になる原子力発電所緊急時対策所においても、放射線量の上昇、通信環境や照明の悪化など、様々な面で事故対応活動に支障をきたした。
 このため、中央制御室や緊急時対策所の放射線遮へいの強化、現場での専用換気空調系の強化、交流電源によらない通信、照明等の関係設備の強化など、シビアアクシデントが発生した場合にあっても事故対応活動を継続的に実施できる事故対応環境を強化する。
(12)事故時の放射線被ばくの管理体制の強化
 今回の事故では、津波により多くの個人線量計や線量読み取り装置が海水に浸かって使用できず、適切な放射線管理が困難になる中で、放射線業務従事者が現場作業に携わらざるを得ない状況となった。また、空気中の放射性物質の濃度測定も遅れ、内部被ばくのリスクを増大させることになった。
 このため、事故時用に個人線量計や被ばく防護用資材を十分に備えておくこと、事故時に放射線管理の要員を拡充できる体制とすること、放射線業務従事者の被ばく測定を迅速に行うことのできる体制や設備を整備することなどにより、事故時の放射線被ばくの管理体制を強化する。
(13)シビアアクシデント対応の訓練の強化
 シビアアクシデントが発生した場合に、原子力発電所における事故収束の対応や関係機関の的確な連携を実現するための実効的な訓練がこれまで十分には行われてこなかった。 例えば、今回の事故において、発電所内の緊急時対策所と原子力災害対策本部・原子力災害現地対策本部との連携や、事故対応において重要な役割を担う自衛隊、警察、消防等との連携体制の確立に時間を要したが、こうした点も的確な訓練の実施によって未然に防止できた可能性がある。
 このため、シビアアクシデント発生時に、事故収束のための対応、発電所の内外における状況把握、住民の安全確保に必要な人材の緊急参集などを円滑に行い、関係機関が連携して機能するため、シビアアクシデント対応の訓練を強化する。
(14)原子炉及び格納容器などの計装系の強化
 原子炉と格納容器の計装系がシビアアクシデントの下で十分に働かず、原子炉の水位や圧力、放射性物質の放出源や放出量などの重要な情報を迅速かつ的確に確保することが困難であった。
 このため、シビアアクシデント発生時に十分機能する原子炉と格納容器などの計装系を強化する。
(15)緊急対応用資機材の集中管理とレスキュー部隊の整備
 今回の事故では、Jヴィレッジを中心として、事故や被災対応の関係者、資機材を結集し懸命な後方支援を行っているが、事故当初は、周辺においても地震・津波の被害が発生していたため、緊急対応用資機材や事故管理活動を支援するレスキュー部隊の動員を迅速かつ十分に行うことができず、現場での事故対応が十分に機能しなかった。
 このため、過酷な環境下でも緊急時対応の支援が円滑に行えるよう、緊急対応用資機材の集中管理やこれを運用するレスキュー部隊の整備を進める。

(第3の教訓のグループ)原子力災害への対応の強化
<略>

(第4の教訓のグループ)安全確保の基盤の強化
<略>

(第5の教訓のグループ)安全文化の徹底
(28)安全文化の徹底
 原子力に携わる全ての者は安全文化を備えていなければならない。「原子力安全文化」とは、「原子力の安全問題に、その重要性にふさわしい注意が必ず最優先で払われるようにするために、組織と個人が備えるべき統合された認識や気質であり、態度である。」(IAEA)とされている。これをしっかりと我が身のものにすることは、原子力に携わる者の出発点であり、義務であり、責任である。安全文化がないところに原子力安全の不断の向上はない。
 しかし、今回の事故に照らし、我が国の原子力事業者は、組織も個人もともにその安全確保に対して第一義的な責任を負う者として、あらゆる新知見に対して目を凝らし、それが自らのプラントの脆弱性を意味するか否かを確認し、プラントの公衆安全に係るリスクが十分低く維持されているとの確信に影響があると認めるときには、安全性向上のための適切な措置を講じることに真摯に取り組んできたかを省みなければならない
 また同様に我が国の原子力規制に携わる者は、組織も個人もともに国民のために原子力安全の確保に責任を有する者として、安全確保の上でわずかな疑念もないがしろにせず、新しい知見に対して敏感にかつ俊敏に対応することに真摯に取り組んできたかを省みなければならない。
 このため、今後は、原子力安全の確保には深層防護の追求が不可欠であるとの原点に常に立ち戻り、原子力安全に携わる者が絶えず安全に係る専門的知識の学習を怠らず、原子力安全確保上の弱点はないか、安全性向上の余地はないかの吟味を重ねる姿勢をもつことにより、安全文化の徹底に取り組む。

13.むすび
 本年3月11日に発生した福島原子力発電所の事故は、極めて大規模な地震と津波によって引き起こされ、かつ、同時に複数の原子炉にまたがる未曾有の大事故となった。我が国はこの困難な事故を克服するために全力で立ち向かっている。
 特に事故の現場では、作業に従事する人が厳しい環境の中で事故の収束に向けて懸命に取り組んでおり、この貢献なくしては事態の解決はあり得ない。政府は、作業に従事する人に対する支援に全力で取り組んでいくこととしている。
 今回の事故は地震・津波の襲来という自然災害を契機にして引き起こされたものであるが、外部電源の喪失や冷却機能の喪失などによってシビアアクシンデントに至ったこと、シビアアクシデントへの不断の備えが十分でなかったことを重く受けとめている。今回の事故から得られる教訓を踏まえ、今後、我が国は、原子力安全対策の根本的な見直しが不可避であると認識している。
 このため、我が国は、事故の収束の状況をみつつ、「原子力安全基盤の研究強化計画」を推進していくこととしている。この計画では、シビアアクシデント対策強化のための研究などを国際協力によって推進し、その成果が世界の原子力安全の向上につながるように取り組むものである。
 これと同時に、我が国は、原子力発電の安全確保を含めた現実のコストを明らかにする中で、原子力発電のあり方についても国民的な議論を行っていく必要がある。
 我が国は、この事故に関する情報と得られる教訓については、今後の事故の収束とさらなる調査解明によって更新していくし、それらを引き続き国際原子力機関と世界各国に提供し続ける考えである。
 また、今回の事故の収束に向けて、様々な面で世界各国の支援を受けていることを心強く受けとめており、厚く感謝するとともに、引き続きIAEAや世界各国からのご支援をお願いしたい。
 我々は、事故の収束に向けて多大な困難を伴うことを覚悟しているが、我が国のみならず、世界の英知と努力を結集して、必ずこの事故を乗り越えることができると確信している。

<略>


2011-06-09 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その9 シビアアクシデント研究、原子力安全基盤機構

・設置関係資料 その9 シビアアクシデント研究、原子力安全基盤機構

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yomiuri.online
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110404-OYT1T00076.htm

「電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず

東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。

 東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。

 国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。

 1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震で電源喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。

 その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ漏れるとした。

(2011年4月4日03時08分 読売新聞)


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平成21年度
地震に係る確率論的安全評価手法の改良
=BWRの事故シーケンスの試解析=

http://www.jnes.go.jp/content/000117490.pdf

(2)津波時の解析モデル
平成20年度作業で作成した津波PSAの簡略的な解析モデルを改良し、改良したモデルを用いて、津波時の炉心損傷頻度の試解析を実施した。
その結果、プラント内の安全上重要な機器の冷却を担っている海水冷却ポンプは、海岸の近くに位置しその設置レベルが相対的に低いため、津波による海水冷却ポンプの機能喪失が炉心損傷頻度算出に重要なパスになることが分かった。
今後、より詳細な津波時の炉心損傷頻度の評価を実施していくために、津波ハザードデータ及び津波時の機器フラジリティデータの整備を実施していくことが望まれる。


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http://www.jnes.go.jp/content/000017242.pdf
平成21年度シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究報告書

事故シーケンス 事故条件
TMLU(補助給水失敗、ECCS失敗)
過渡事象により原子炉停止
→ 事故直後にファンクーラ作動
→ 補助給水失敗
→ 充填ポンプ、高圧注入失敗
→ 格納容器スプレイ注入モード開始(格納容器圧力0.17 MPa到達時)
→ 格納容器スプレイ再循環モード切替え成功
→ 炉心損傷
→【AM】炉心最高温度が2500 K を超えた10 分後に、加圧器逃がし弁
を全開し、1次冷却系を減圧
→1次系圧力低下(4.24 MPa)により、蓄圧器作動開始
→低圧注入失敗
→原子炉容器破損

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http://www.jnes.go.jp/content/000017244.pdf
平成21-22 年度 シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究 (ガス状ヨウ素放出抑制に関する試験)

TB 全交流電源喪失(バッテリ枯渇)-AM あり-
全交流電源喪失
→給水喪失、MSIV 全閉
→原子炉水位低でRCIC 起動
→10 時間後にバッテリ枯渇RCIC 停止
→炉心溶融開始
→高圧状態で圧力容器破損
→電源復旧 (21 h)
→格納容器スプレイ作動
燃料被覆管破損 12.8 h
炉心溶融 12.8 h
圧力容器破損 14.3 h
電源復旧 21.0 h
RHR スプレイ作動21.0 h


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http://www4.jnes.go.jp/cgi-bin/namazu.cgi?query=%A5%B7%A5%D3%A5%A2%A5%A2%A5%AF%A5%B7%A5%C7%A5%F3%A5%C8&whence=20&max=20&result=normal&sort=score

http://www.jnes.go.jp/content/000014512.pdf
平成20年度 シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000005976.pdf
シビアアクシデント解析コードの整備 に関する報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000009634.pdf
シビアアクシデント解析コードの整備 に関する報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000013904.pdf
平成19年度 シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能 の維持に関する研究報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000007877.pdf
平成18年度シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000011195.pdf
シビアアクシデント解析コードの整備に関する報告書

http://www.jnes.go.jp/content/000010396.pdf
平成17年度 シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究報告書


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2011-05-03 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その8 電源喪失、安全設計審査指針

・設置関係資料 その8 電源喪失、安全設計審査指針

asahi.com
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103300512.html
原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用
2011年3月31日16時39分

東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。

 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。

 今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算した。

 バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。

 6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、13時間半後に「格納容器損傷」だった。

 一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。
 バッテリーは8時間使用可能で、シミュレーションと違いはあるが、起きた事象の順序はほぼ同じ。また、計算を当てはめれば、福島第一原発の格納容器はすでに健全性を失っている可能性がある。

 GEの関連会社で沸騰水型の維持管理に長年携わってきた原子力コンサルタントの佐藤暁さんは「このシミュレーションは現時点でも十分に有効だ。ただ電力会社でこうした過去の知見が受け継がれているかどうかはわからない」と話す。

 一方、日本では全電源が失われる想定自体、軽視されてきた。

 原子力安全委員会は90年、原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」とする考え方を示した。だが現実には、送電線も非常用のディーゼル発電機も地震や津波で使えなくなった。

 原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。(松尾一郎、小宮山亮磨)


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http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf
発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針
平成2年8月30日
原子力安全委員会決定
一部改訂 平成13年3月29日 原子力安全委員会

Ⅰ.まえがき
 本指針は、発電用軽水型原子炉(以下「軽水炉」という。)の設置許可申請(変更許可申請を含む。以下同じ。)に係る安全審査において、安全性確保の観点から設計の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として定めたものである。
 軽水炉の設置許可申請に係る安全審査において用いられる安全設計審査指針は、最初は昭和45年4月に、当時の原子力委員会が定めたものであり、その後昭和52年6月に、同じく当時の原子力委員会が、これを全面的に見直して改訂を行った。昭和52年の安全設計審査指針の改訂以来、10年以上が経過し、この間軽水炉の技術の改良及び進歩には著しいものがあった。また、この間に、米国で発生したTMI事故等、国内外に生じた様々な事象から得られた教訓も含めて、軽水炉に関する経験の蓄積も大きいものがあった。これらを踏まえ、従来の指針について全面的見直しを行い、指針の内容の一層の明確化及び体系化を図ったものである。
 また、本指針の改訂とともに、原子炉施設の各種構築物、系統及び機器の安全機能の重要度についての判断のめやす及び本指針の適用方法について、新たに「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」(以下「重要度分類指針」という。)を定めることとした。したがって、本指針の適用に当たっては、「重要度分類指針」も併せて参照すべきである。

Ⅱ.本指針の位置付けと適用範囲
 本指針は、今日までの軽水炉に関する経験と最新の技術的知見に基づき、軽水炉の設置許可申請に係る安全審査に当たって確認すべき安全設計の基本方針について定めたものであって、原子炉施設の一般的な設計基準を指向したものではない。
 安全審査においては、当該原子炉施設の安全設計が、少なくとも本指針の定める要求を十分に満足していることを確認する必要がある。ただし、安全設計の一部が本指針に適合しない場合であっても、それが技術的な改良、進歩等を反映したものであって、本指針を満足した場合と同様又はそれを上回る安全性が確保し得ると判断される場合は、これを排除するものではない。
 本指針は、軽水炉施設を対象としているが、その他の原子炉施設の安全審査においても参考となり得ると考える。

Ⅳ.原子炉施設全般
指針1.準拠規格及び基準
 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、設計、材料の選定、製作及び検査について、それらが果たすべき安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によるものであること。

指針2.自然現象に対する設計上の考慮
1. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度及び地震によって機能の喪失を起こした場合の安全上の影響を考慮して、耐震設計上の区分がなされるとともに、適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計であること。
2. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、地震以外の想定される自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計であること。重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器は、予想される自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件、又は自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合を考慮した設計であること

指針9.信頼性に関する設計上の考慮
1. 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、その安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性を確保し、かつ、維持し得る設計であること。
2. 重要度の特に高い安全機能を有する系統については、その構造、動作原理、果たすべき安全機能の性質等を考慮して、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。
3. 前項の系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できる設計であること。

Ⅵ.原子炉冷却系
指針25.非常用炉心冷却系
1. 非常用炉心冷却系は、想定される配管破断等による原子炉冷却材喪失に対して、燃料の重大な損傷を防止でき、かつ、燃料被覆の金属と水との反応を十分小さな量に制限できる設計であること。
2. 非常用炉心冷却系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備えた設計であること。
3. 非常用炉心冷却系は、定期的に試験及び検査ができるとともに、その健全性及び多重性の維持を確認するため、独立に各系の試験及び検査ができる設計であること。

指針26.最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統
1. 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器において発生又は蓄積された熱を最終的な熱の逃がし場に輸送できる設計であること。
2. 最終的な熱の逃がし場へ熱を輸送する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を適切に備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針27.電源喪失に対する設計上の考慮
 原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できる設計であること。

Ⅶ.原子炉格納容器

指針32.原子炉格納容器熱除去系
1. 原子炉格納容器熱除去系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して放出されるエネルギーによって生じる原子炉格納容器内の圧力及び温度を低下させるために十分な機能を有する設計であること。
2. 原子炉格納容器熱除去系は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

指針33.格納施設雰囲気を制御する系統
1. 格納施設雰囲気浄化系は、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して環境に放出される放射性物質の濃度を減少させる機能を有する設計であること。
2. 可燃性ガス濃度制御系は、格納施設の健全性を維持するため、原子炉格納容器設計用の想定事象に対し、その事象に起因して原子炉格納容器内に存在する水素又は酸素の濃度を抑制することができる機能を有する設計であること。
3. 格納施設雰囲気を制御する系統は、その系統を構成する機器の単一故障の仮定に加え、外部電源が利用できない場合においても、その系統の安全機能が達成できるように、多重性又は多様性及び独立性を備え、かつ、試験可能性を備えた設計であること。

Ⅹ.計測制御系及び電気系統
指針48.電気系統
1. 重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器が、その機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計であること。
2. 外部電源系は、2回線以上の送電線により電力系統に接続された設計であること。
3. 非常用所内電源系は、多重性又は多様性及び独立性を有し、その系統を構成する機器の単一故障を仮定しても次の各号に掲げる事項を確実に行うのに十分な容量及び機能を有する設計であること。
(1) 運転時の異常な過渡変化時において、燃料の許容設計限界及び原子炉冷却材圧力バウンダリの設計条件を超えることなく原子炉を停止し、冷却すること。
(2) 原子炉冷却材喪失等の事故時の炉心冷却を行い、かつ、原子炉格納容器の健全性並びにその他の所要の系統及び機器の安全機能を確保すること。
4. 重要度の高い安全機能に関連する電気系統は、系統の重要な部分の適切な定期的試験及び検査が可能な設計であること。



〔解説〕
指針2.自然現象に対する設計上の考慮
 「適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられる設計」については、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」において定めるところによる。
 「自然現象によって原子炉施設の安全性が損なわれない設計」とは、設計上の考慮を要する自然現象又はその組合わせに遭遇した場合において、その設備が有する安全機能を達成する能力が維持されることをいう。
 「重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器」については、別に「重要度分類指針」において定める。
 「予想される自然現象」とは、敷地の自然環境を基に、洪水、津波、風、凍結、積雪、地滑り等から適用されるものをいう。
 「自然現象のうち最も苛酷と考えられる条件」とは、対象となる自然現象に対応して、過去の記録の信頼性を考慮の上、少なくともこれを下回らない苛酷なものであって、かつ、統計的に妥当とみなされるものをいう。
 なお、過去の記録、現地調査の結果等を参考にして、必要のある場合には、異種の自然現象を重畳させるものとする。
 「自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合」とは、最も苛酷と考えられる自然力と事故時の最大荷重を単純に加算することを必ずしも要求するものではなく、それぞれの因果関係や時間的変化を考慮して適切に組み合わせた場合をいう。

指針9.信頼性に関する設計上の考慮
 「安全機能の重要度に応じて、十分に高い信頼性」及び「重要度の特に高い安全機能を有する系統」については、別に「重要度分類指針」において定める。
 「単一故障」は、動的機器の単一故障と静的機器の単一故障に分けられる。重要度の特に高い安全機能を有する系統は、短期間では動的機器の単一故障を仮定しても、長期間では動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定しても、所定の安全機能を達成できるように設計されていることが必要である。
 上記の動的機器の単一故障又は想定される静的機器の単一故障のいずれかを仮定すべき長期間の安全機能の評価に当たっては、その単一故障が安全上支障がない期間内に除去又は修復できることが確実であれば、その単一故障を仮定しなくてよい。

指針27.電源喪失に対する設計上の考慮
 長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない
 非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しな
くてもよい。

指針48.電気系統
 「外部電源系」とは、外部電源(電力系統又は主発電機)からの電力を原子炉施設に供給するための一連の設備をいう。
 「非常用所内電源系」とは、非常用所内電源設備(非常用ディーゼル発電機、バッテリ等)及び工学的安全施設を含む重要度の特に高い安全機能を有する設備への電力供給設備(非常用母線スイッチギヤ、ケーブル等)をいう。
 「重要度の特に高い安全機能」及び「重要度の高い安全機能」については、別に「重要度分類指針」において定める。


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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-30/2011043004_04_0.html
2011年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

外部電源喪失 地震が原因
吉井議員追及に保安院認める

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 日本共産党の吉井英勝議員は27日の衆院経済産業委員会で、地震による受電鉄塔の倒壊で福島第1原発の外部電源が失われ、炉心溶融が引き起こされたと追及しました。経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認めました。

 東京電力の清水正孝社長は「事故原因は未曽有の大津波だ」(13日の記者会見)とのべています。吉井氏は、東電が示した資料から、夜の森線の受電鉄塔1基が倒壊して全電源喪失・炉心溶融に至ったことを暴露。「この鉄塔は津波の及んでいない場所にある。この鉄塔が倒壊しなければ、電源を融通しあい全電源喪失に至らなかったはずだ」と指摘しました。

 これに対し原子力安全・保安院の寺坂院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認め、全電源喪失の原因が津波にないことを明らかにしました。海江田万里経産相は「外部電力の重要性は改めて指摘するまでもない」と表明しました。


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http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm


平成十八年十二月十三日提出
質問第二五六号


巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書

提出者  吉井英勝


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巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書



 政府は、巨大地震に伴って発生する津波被害の中で、引き波による海水水位の低下で原子炉の冷却水も、停止時の核燃料棒の崩壊熱を除去する機器冷却系も取水できなくなる原発が存在することを認めた。
 巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい。さらに新規の原発で始められようとしている核燃料棒が短時間なら膜沸騰に包まれて冷却が不十分な状態が生じる原発でも設置許可しようとする動きが見られる。また安全基準を満たしているかどうかの判断に関わる測定データの相次ぐ偽造や虚偽報告に日本の原発の信頼性が損なわれている。原発が本来的にもっている危険から住民の安全を守るためには、こうしたことの解明が必要である。
 よって、次のとおり質問する。

一 大規模地震時の原発のバックアップ電源について
 1 原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。
 そういう場合でも、外部電源が得られるようにする複数のルートが用意されている原発はあるのか。あれば実例を示されたい。
 また、実際に日本で、高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例があると思うが、その実例と原因を明らかにされたい。
 2 落雷によっても高圧送電線事故はよく起こっていると思われるが、その結果、原子炉緊急停止になった実例を示されたい。
 3 外部電源が取れなくても、内部電源、即ち自家発電機であるディーゼル発電機と無停電電源であるバッテリー(蓄電器)が働けば、機器冷却系の作動は可能になると考えられる。
 逆に考えると、大規模地震でスクラムがかかった原子炉の核燃料棒の崩壊熱を除去するためには、機器冷却系電源を確保できることが、原発にとって絶対に必要である。しかし、現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。過去においてどのような事例があるか示されたい。
 4 スウェーデンのフォルクスマルク原発1号(沸騰水型原発BWRで出力一〇〇・八万kw、運転開始一九八一年七月七日)の事故例を見ると、バックアップ電源が四系列あるなかで二系列で事故があったのではないか。
 しかも、このバックアップ電源は一系列にディーゼル発電機とバッテリーが一組にして設けられているが、事故のあった二系列では、ディーゼル発電機とバッテリーの両方とも機能しなくなったのではないか。
 5 日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。
 6 大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルクスマルク原発のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。
 この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。
 また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。調査内容を示されたい。
 7 停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。
 8 原発事故時の緊急連絡網の故障という単純事故さえ二年間放置されていたというのが実情である。ディーゼル発電機の冷却水配管の減肉・破損が発生して発電機が焼きつく事故なども発生した例が幾つも報告されている。一つ一つは単純な事故や点検不十分などのミスであったとしても、原発の安全が保障されないという現実が存在しているのではないか。
二 沸騰遷移と核燃料棒の安全性について
 1 原発運転中に、膜沸騰状態に覆われて高温下での冷却不十分となると、核燃料棒の焼損(バーン・アウト)が起こる。焼損が発生した場合に、放射能汚染の規模がどのようなものになるのかをどう評価しているか。原子炉内に閉じ込めることができた場合、大気中に放出された場合、さらに原子炉破壊に至る規模の事故になった場合まで、それぞれの事故の規模ごとに、放射能汚染の規模や内容がどうなるかを示されたい。
 2 経済産業省と原発メーカは、コストダウンの発想で、原発の中での沸騰遷移(Post Boiling Traditional)を認めても「核燃料は壊れないだろう」としているが、この場合の安全性の証明は実験によって確認されているのか。
 事業者が沸騰遷移を許容する設置許可申請を提出した場合には、これまで国は、閉じ込め機能が満足されなければならないとして、沸騰遷移が生じない原子炉であることを条件にしてきたが、新しい原発の建設に当たっては沸騰遷移を認めるという立場を取るのか。
 3 アメリカのNRC(原子力規制委員会)では、TRACコードでキチンと評価して沸騰遷移(PBT)は認めていないとされているが、実際のアメリカの扱いはどういう状況か、またアメリカで認められているのか、それとも認められないのか。
 またヨーロッパなど各国は、どのように扱っているか。
 4 東通原発1、2号機(着工準備中、改良型沸騰水型軽水炉ABWR、電気出力一三八・五万kw)については、「重要電源開発地点の指定に関する規程」(二〇〇五年二月一八日、経産省告示第三一号)に基づいて、〇六年九月一三日に経済産業大臣から指定され、九月二九日に原子炉規制法第二三条に基づいて東通原発1号機の原子炉設置許可申請が国に出された。この中では、沸騰遷移が想定されているのではないのか。
 5 ABWRでは、浜岡5号機や志賀2号機などタービン翼の破損事故が頻発している。ABWRの東通原発が、沸騰遷移を認めて作られた場合に、核燃料が壊れて放射性物質が放出される事態になる可能性は全くないと実証されたのか。安全性を証明した実証実験があればその実例も併せて示されたい。
 また、どんな懸念される問題もないというのが政府の見解か。
三 データ偽造、虚偽報告の続出について
 1 水力発電設備のダム測定値や、火力・原発の発電設備における冷却用海水の温度測定値に関して測定データの偽造と虚偽報告が電力各社で起こっていたことが明らかになった。総ての発電設備について、データ偽造が何時から何時までの期間、どういう経過で行われたのか明らかにされたい。
 2 こうしたデータ偽造と虚偽報告は、繰り返し行われてきた。使用済核燃料の輸送キャスクの放射線遮蔽データ偽造、原発の溶接データ偽造、原子炉隔壁の損傷データ偽造とデータ隠し、配管減肉データ偽造、放射線量データ偽造など数多く発生してきた。日本の原子力発電が始まって以来の、こうした原発関連機器の測定データや漏洩放射線量のデータについての偽造や虚偽報告について年次的に明らかにされたい。
 3 原発の危険から住民の安全を守るうえで、国の安全基準や技術基準に適合しているのかを判断する基礎的なデータが偽造されていたことは重大である。そこで国としては、データ偽造が発覚した時点で、データが正確なものか偽造されたものかを見極める為に、国が独自に幾つかのデータを直接測定するなど検査・監視体制を強化することや、データ測定に立ち会って測定が適正かどうかのチェックをすることが必要である。国は、検査・監視体制を強化したのか、またデータ測定を行う時に立ち会ったのか。
 これだけデータ偽造が繰り返されているのに、何故、国はそうしたことを長期にわたって見逃してきたのか。

 右質問する。


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・設置関係資料 その7 他との違い

・設置関係資料 その7 他との違い

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asahi.com 2011年4月6日5時2分
福島第一、安全設計で第二と違い 電源喪失巡り東電指摘
http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY201104050625.html
http://www.asahi.com/national/gallery_e/view_photo.html?national-pg/0405/TKY201104050670.jpg


東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所で、津波を受けて電源喪失事故に至った主要な理由は、福島第二原発との安全設計上の違いにあると、東京電力作成の資料で指摘されていることが分かった。第一ではタービン建屋内の非常用ディーゼル発電機などが冠水し、使用不能。第二では、発電機などが気密性が高い原子炉建屋内にあり、機能を維持した。今後、事故の検証で安全設計の問題が焦点の一つになるのは確実だ。

 福島第一、第二の両原発は3月11日、5.2~5.7メートルの想定を大幅に上回る14メートル以上の津波に襲われた。電源を失った第一では原子炉の制御が困難になり、その後、深刻なトラブルが続発。第二では原子炉の冷却水を海水で冷やすシステムが正常に働かなくなるなどのトラブルがあったが、大きな事故には至らなかった。

 東電の柏崎刈羽原発(新潟県)がこの結果を分析した資料や東電関係者の話によると、津波による設備の損傷の違いは、(1)原子炉の非常用ディーゼル発電機と変圧器などの電源装置(2)原子炉の残留熱を除去するための海水をくみ上げるポンプ――に現れた。

 (1)では、タービン建屋などにある福島第一の発電機が冠水し、6号機の1系統を除き使用不能。原子炉建屋内の福島第二では、1号機の原子炉建屋が浸水したものの、機能が維持された。

 (2)では、設備がほぼむき出しの状態で置かれた福島第一のポンプがすべて運転不能になった。一方、ポンプ用の建屋内に置かれた福島第二では、1、2、4号機のポンプが運転不能となったものの、3号機は機能が保たれ、原子炉を冷却することが可能だった。

 (1)、(2)とも福島第二と同じ設計となっている柏崎刈羽原発では、この結果を受けて説明資料を作成。柏崎刈羽は「気密性の高い原子炉建屋に設置」しているとし、福島第一との違いを際立たせている。

また、資料では、東北電力から送られている、外部電源の状態についても言及。福島第一、第二ではいずれも、東北電力からの送電が部分的に残っていたが、福島第一では、受電するための設備が地震や津波で被害を受け、外部電源が失われた。これに対し、福島第二では受電設備が機能しており、外部電源の一部が生きていた。

 事故収束の見通しが立っていない福島第一とは対照的に、福島第二では、3号機が地震発生の翌日の12日に、残る1、2、4号機も14~15日に原子炉内の温度が100度未満の「冷温停止」となり、安全が宣言された。

 東京電力本社は「(柏崎刈羽原発の指摘について)問題があると認めたわけではない。今後詳細に検討し、整理したい」としている。(中井大助)


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yomiuri.online
第一原発、津波で5m浸水…高さは最大15m
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110409-OYT1T00724.htm?from=nwla

東京電力は9日、東日本大震災による津波で、福島第一原子力発電所1~4号機の原子炉やタービン建屋などの主要設備があるエリアのほぼ全域が、4~5メートルの深さまで浸水していたことが分かったと発表した。

 津波の海面からの高さは最大14~15メートルだった。

 東電は、各建物に残された津波による変色部分などを調査し、浸水範囲や津波の高さを確認した。3月11日の津波は複数回、同原発を襲っており、第一波の到達は地震発生から41分後の午後3時27分だった。

 最大の津波は、海面からの高さが5・7メートルの津波を想定して造られた防波堤を越え、取水口近くの海水ポンプなどをのみ込んだ。その後、海面から10メートルの敷地を越えてタービン建屋を襲い、扉が完全に水没。さらに海水は、山側にある原子炉建屋の方に回り込んだ。5、6号機は敷地の高さが13メートルあり、浸水は1~2メートルだった。福島第二発電所にも想定を上回る津波が押し寄せたが、福島第一原発に比べて敷地が高く、浸水被害は少なかったという。
(2011年4月10日01時56分 読売新聞)


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47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032701000431.html
福島と明暗分けた女川原発 大津波想定、高い敷地に

津波に襲われた東京電力福島第1原発が、危機的な状況を続け住民に退避を強いる一方、より震源に近い東北電力の女川原発(宮城県)は安全に停止、被災した周辺住民が避難所として集う。

 太平洋沿岸の2原発が明暗を分けたのは、設計時に想定した津波の違いによる立地の差。ただ、女川原発にも想定を超えた波が到来しており、避難している住民からは「お世話になっているし、信じるしかない」と複雑な声も漏れた。

 福島第1原発が想定した津波は最高約5・7メートル。しかし、実際にやってきた津波は高さ14メートルに及び、海寄りに設置したタンクやパイプの設備を押し流した上に、重要機器の非常用発電機が水没。東電は原子炉を冷却できなくなる事態に追い込まれた。

 東電は「想定には設計当時の最新の知見を取り入れたが、はるかに超えてしまった」とする。

 一方、宮城県沖地震など幾度も津波に見舞われた三陸海岸にある女川原発で、東北電は津波を最高9・1メートルと想定。海沿いに斜面を設け、海面から14・8メートルの高さに敷地を整備した。

 港湾空港技術研究所(神奈川)などの調査では、原発から約7キロ離れた女川町中心部を襲った津波は、原発の敷地の高さと同じ14・8メートル。津波は一部で斜面を超えた可能性もあり、1~3号機のうち最も海に近い2号機の原子炉建屋の地下が浸水したものの、「重要施設に津波は及んでいない」(東北電)という。

 浸水で2号機の非常用発電機の一部が起動しなかったが、別の系統が稼働し、無事停止した。

 そんな原発に、周辺から被災した住民が身を寄せる。東北電は敷地の体育館に最大で約360人を受け入れ、食事も提供している。町内の60代女性は「原発の交付金で町にハコモノばかりでき、何だと思っていたが、それのおかげで命拾いしたので、複雑な思いです」とつぶやいた。
2011/03/27 17:36 【共同通信】


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中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011050590094854.html

福島第1原発、高台25メートル削り建設 元東電幹部、津波軽視認める 2011年5月5日 12時34分

 東日本大震災で15メートルの大津波に襲われた福島第1原発の立地場所が、40年以上前は海抜35メートルの台地だったことが、建設当時に東京電力が国に提出した資料などで分かった。

 東電は、地盤の強度や原子炉を冷やす海水の取り入れやすさを考慮した結果、地表から25メートルも土を削って原発を建設した。
 計画に携わった元東電幹部は「違う建て方もあった」と、津波対策を軽視してきたことを認めた。

 原発の建設地約200万平方メートルは、東電が1964年までに取得した。旧日本軍飛行場があった場所で、海岸線に険しいがけが続く台地だった。
 地質は、地表から海水面までの3分の2は、地盤が弱い粘土や砂岩層が広がっていた。

 計画メンバーの1人、豊田正敏・元東電副社長(87)によると、さまざまな建設方法を検討した後、地震に対応する巨大な原子炉を建てるには、地表から25メートル下にある、比較的しっかりした泥岩層まで掘り下げることが必要と判断した。

 大量の冷却水を必要とする原発は、海面に近い方が取水効率がよく、船で運搬される核燃料の荷揚げにも都合がいい。こうして71年、1号機が稼働を始めた。

 今回、東電の想定5・7メートルをはるかに超える津波の直撃で、原発は高濃度の放射能漏れが続くレベル7という危機的状況に陥った。いまだ収束の見通しは立たない。

 「耐震設計の見直しはしてきたが、津波対策をおろそかにした。建設を計画した1人として、申し訳ない」と話す豊田氏。
「台地を削らず、建屋の基礎部分を泥岩層まで深く埋めれば、地震と津波の両方の対策になったかもしれない」と悔やむ。

 13mの大津波に襲われながら、かろうじて惨事を逃れた宮城県の女川原発は海抜15m。
そして、津波の教訓を生かして福島第1原発に新たに配備された非常用電源があるのは、原発の後背地に残る掘削前の高台だ。


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・設置関係資料 その6 耐震設計審査指針

・設置関係資料 その6 耐震設計審査指針

http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si004.pdf
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○発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針
平成18年9月19日
原子力安全委員会決定

1.はしがき
 本指針は、発電用軽水型原子炉の設置許可申請(変更許可申請を含む。以下同じ。)に係る安全審査のうち、耐震安全性の確保の観点から耐震設計方針の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として定めたものである。
 従前の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(昭和56年7月20日原子力安全委員会決定、平成13年3月29日一部改訂。以下、「旧指針」という。)」は、昭和53年9月に当時の原子力委員会が定めたものに基づき、昭和56年7月に、原子力安全委員会が、当時の知見に基づいて静的地震力の算定法等について見直して改訂を行い、さらに平成13年3月に一部改訂したものであった。
 このたびは、昭和56年の旧指針策定以降現在までにおける地震学及び地震工学に関する新たな知見の蓄積並びに発電用軽水型原子炉施設の耐震設計技術の著しい改良及び進歩を反映し、旧指針を全面的に見直したものである。
 なお、本指針は、今後の新たな知見と経験の蓄積に応じて、それらを適切に反映するように見直される必要がある。

2.適用範囲
 本指針は、発電用軽水型原子炉施設(以下、「施設」という。)に適用される。
 しかし、これ以外の原子炉施設及びその他の原子力関係施設にも本指針の基本的な考え方は参考となるものである。
 なお、許可申請の内容の一部が本指針に適合しない場合であっても、それが技術的な改良、進歩等を反映したものであって、本指針を満足した場合と同様又はそれを上回る耐震安全性が確保し得ると判断される場合は、これを排除するものではない。

3.基本方針
 耐震設計上重要な施設は、敷地周辺の地質・地質構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切な地震動による地震力に対して、その安全機能が損なわれることがないように設計されなければならない。さらに、施設は、地震により発生する可能性のある環境への放射線による影響の観点からなされる耐震設計上の区分ごとに、適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられるように設計されなければならない。
 また、建物・構築物は、十分な支持性能をもつ地盤に設置されなければならない。
(解説)
Ⅰ.基本方針について
(1) 耐震設計における地震動の策定について
 耐震設計においては、「施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切な地震動」を適切に策定し、この地震動を前提とした耐震設計を行うことにより、地震に起因する外乱によって周辺の公衆に対し、著しい放射線被ばくのリスクを与えないようにすることを基本とすべきである。
 これは、旧指針の「基本方針」における「発電用原子炉施設は想定されるいかなる地震力に対してもこれが大きな事故の誘因とならないよう十分な耐震性を有していなければならない」との規定が耐震設計に求めていたものと同等の考え方である。
(2) 「残余のリスク」の存在について
 地震学的見地からは、上記(1)のように策定された地震動を上回る強さの地震動が生起する可能性は否定できない。このことは、耐震設計用の地震動の策定において、「残余のリスク」(策定された地震動を上回る地震動の影響が施設に及ぶことにより、施設に重大な損傷事象が発生すること、施設から大量の放射性物質が放散される事象が発生すること、あるいはそれらの結果として周辺公衆に対して放射線被ばくによる災害を及ぼすことのリスク)が存在することを意味する。
 したがって、施設の設計に当たっては、策定された地震動を上回る地震動が生起する可能性に対して適切な考慮を払い、基本設計の段階のみならず、それ以降の段階も含めて、この「残余のリスク」の存在を十分認識しつつ、それを合理的に実行可能な限り小さくするための努力が払われるべきである。

<略>

8.地震随伴事象に対する考慮
 施設は、地震随伴事象について、次に示す事項を十分考慮したうえで設計されなければならない。
(1) 施設の周辺斜面で地震時に想定しうる崩壊等によっても、施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないこと。
(2) 施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないこと。



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東京新聞2011年4月5日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011040502000041.html
「津波想定甘かった」 耐震指針関与 入倉氏が謝罪

 東日本大震災による大津波で、深刻な事故を引き起こした福島第一原発。その安全性のもとになる国の「耐震設計審査指針」改訂作業の中心となった国の原子力安全耐震設計特別委員長の入倉孝次郎・京都大名誉教授(70)が本紙の取材に応じ、「今回のような津波の予測ができなかった。申し訳なく思っている」と謝罪した。震源近くで福島第一だけ事故が発生したことにも言及。「多重防護システムに弱点があった」と認めた。 (梅田歳晴)

 -今回、原発事故が起きてしまったことをどう考えるか。

 「地震学者の一人として、非常に申し訳なく思う。私たちの津波評価が正しくなかったことは事実。想定以上の大地震が来たことは理由にならない」

 -どこに問題があったのか。

 「震源域には四つの原発があり、東北電力女川原発が一番近い。四つとも原子炉は止まり、基本的には揺れに対しては大丈夫だったが、その後で津波が来た。女川や福島第二はそれに耐えたが、福島第一は多重防護システムに弱点があった」

 -津波は指針に「随伴事象」としか書かれておらず、あいまいだ。

 「指針には『想定以上の地震が来るのは否定できない。リスクを最小にするために努力してほしい』と書いてある。揺れについてはバックチェック(見直し作業)で活断層などを再評価している。しかし、津波に対して不十分だった」

 -東電の津波想定が甘かったと考えるか。

 「津波が(福島第一の対策の)テーブルに乗れば、(最大で)五・七メートル(実際は十四メートル以上)ということは少なくともなかった。地震の専門家からみたら、地震動と津波はセットです。スマトラ沖地震(二〇〇四年、M9・1)の経験を日本でも生かすべきだった。海外を含めて、史上最大はどれくらいかを考えて設計しなくてはいけない」

 -貞観(じょうがん)地震(八六九年)を想定に入れるべきだったのでは。

 「貞観地震まで考えるのは合意ができていた。だが『貞観地震プラス(他の地震の)連動』だと、専門家の意見は分かれたのではないか」

 -連動するのは「想定外」だったと。

 「想定以上のことが起こっても安全なように設計されていないといけない。科学の力が及ばないということは絶対に言ってはいけない。それが原発の『設計思想』のはずだ」

 「何があっても多重防護で大丈夫って言ってきたのが、うそだった。人災だと思う」

 -今回の事故から学ぶべき教訓は。

 「自然の怖さを知って原発を設計することです。自然のせいにしてはいけない。自然では人知を超えたものが起こりうるんです」

●いりくら・こうじろう 京都大名誉教授。愛知工業大客員教授でもある。専門は強震動地震学。2001~03年に京都大防災研究所長、04年に同大副学長を務めた。原発の耐震安全性の評価に関わり、07年に新設された国の耐震安全性評価特別委員会の委員長を務めている。1940年8月生まれ。中国山東省青島市出身。

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・設置関係資料 その5 組織風土等

・設置関係資料 その5 組織風土等

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http://www.tepco.co.jp/cc/press/06113002-j.html
発電設備に係る点検に関する原子力安全・保安院からの指示について
 平成18年11月30日
 東京電力株式会社

 本日、経済産業省原子力安全・保安院より、このたびの一連の事態が生じたことを踏まえ、当社の発電用の水力設備、火力設備、原子力設備に対して、データ改ざん、必要な手続きの不備その他の同様な問題がないかについて、点検を行うことを求める文書を受領いたしました。

 当社といたしましては、これまでに水力および原子力の発電設備において自主的な点検により不適切な事案を確認し、その内容について速やかに公表しておりますが、今回の指示を受けるに至ったことを重く受け止めております。
 今後、徹底的な調査を行うとともに、再発を防止するため、引き続き業務品質の向上をはかり、全社一丸となって信頼していただけるよう努力してまいります。
                                 以 上


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http://www.tepco.co.jp/cc/press/06120502-j.html
福島第一原子力発電所1号機における検査データの改ざんに係る報告徴収について
 平成18年12月5日
 東京電力株式会社

 本日、当社は経済産業省原子力安全・保安院より福島第一原子力発電所1号機における検査データの改ざんに係る報告徴収の指示をいただきました。
 今後、この指示に基づき速やかに対応を行うとともに、その内容を取りまとめ、原子力安全・保安院に報告いたします。

 当社は、今回の指示を真摯に受け止め徹底的な調査を行うとともに、再発を防止するため引き続き業務品質の向上をはかり、全社一丸となって信頼していただけるよう努力してまいります。

                 記

(経済産業省からの指示事項)
1.今般確認された福島第一原子力発電所第1号機におけるデータの改ざんについて、その事実関係、根本的な原因及び再発防止対策を平成19年1月11日までに報告すること。
2.貴社の発電設備に関し、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づく検査(使用前検査、定期検査、定期事業者検査、保安検査等の法定検査)に関するデータ処理における改ざんの有無(有の場合にあっては、その内容を含む。)について平成19年1月31日までに報告すること。
                                 以 上


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http://www.tepco.co.jp/cc/press/07011004-j.html
福島第一原子力発電所1号機におけるデータ改ざんに関する事実関係、根本的な原因および再発防止対策の経済産業省原子力安全・保安院への報告について

 平成19年1月10日
 東京電力株式会社

 当社は、他電力会社の火力発電所において冷却用海水の取水温度測定値に補正が行われていたことを踏まえて調査した結果、柏崎刈羽原子力発電所1号機および4号機、福島第一原子力発電所1号機において、プロセス計算機*1の復水器出口海水温度データ*2を改ざんしていたことを確認いたしました。
 これに関し、平成18年12月5日、経済産業省原子力安全・保安院より、福島第一原子力発電所1号機および当社発電設備における検査データの改ざん等に係る報告徴収の指示*3を受領いたしました。(平成18年11月30日、12月5日お知らせ済み)

 当社は、本件について弁護士を加えた対策部会を設置し調査を進めてまいりましたが、本日、福島第一原子力発電所1号機におけるデータ改ざんに関する事実関係、根本的な原因および再発防止対策をとりまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に報告いたしましたのでお知らせいたします。

 当社といたしましては、復水器出入口海水温度データの改ざんを行っていたことについて、立地地域をはじめ社会の皆さま方に深くお詫び申し上げます。
 また、調査の過程で、福島第一原子力発電所の他プラントにおいても、過去の一時期にプロセス計算機の復水器出入口海水温度データを改ざんした疑いのある事例等が見受けられたことから、事実関係について詳細調査を実施してまいります。

 今後、引き続き報告徴収の指示に基づき調査を実施し、平成19年1月31日までに調査結果をとりまとめ、同院へ報告するとともに、このような事態を二度と起こさないよう再発防止対策を着実に実施してまいる所存です。
                       以 上
【別添資料】
・福島第一原子力発電所1号機におけるデータ改ざんに関する事実関係、根本的な原因および再発防止対策について(概要)(PDF 66.5KB)
・福島第一原子力発電所2~6号機のプロセス計算機における復水器出入口海水温度データについて(現状)(PDF 12.8KB)
・福島第一原子力発電所1号機におけるデータ改ざんに関する事実関係、根本的な原因および再発防止対策について(PDF 194KB)

*1:プロセス計算機
  プラントの運転状態を監視・記録している装置。
*2:復水器出口海水温度データ
  原子力発電所では、タービンで使用された蒸気を冷却して水に戻すために、取水口から海水を取水し、復水器で熱交換した後に放水口から温排水として海に戻している。その際、放水した海水の温度を復水器の出口に設置された複数の温度計にて測定し、その平均データを監視している。
*3:報告徴収の指示
 ○ 今般確認された福島第一原子力発電所第1号機におけるデータの改ざんについて、その事実関係、根本的な原因及び再発防止対策を平成19年1月11日までに報告すること。
 ○ 貴社の発電設備に関し、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づく検査(使用前検査、定期検査、定期事業者検査、保安検査等の法定検査)に関するデータ処理における改ざんの有無(有の場合にあっては、その内容を含む。)について平成19年1月31日までに報告すること。


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http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/070110g.pdf
福島第一原子力発電所1号機におけるデータ改ざんに関する事実関係、根本的な原因および再発防止対策について(概要)
平成19年1月10日東京電力株式会社


6.根本原因
今回のデータ改ざんは、原子力不祥事以前に行われたものではあるものの、データ改ざんという行為は、技術者の倫理に反する不適切な行為であり、安易にデータの改ざんが行われたことは重大な問題。 また、不祥事以降もデータ改ざんを見つけられず、放置していたことを深く反省し、かかる事態を二度と発生させないよう原因究明と対策を講じる。 以上の背景や原因を踏まえ、根本的な原因は以下の通り。
(1)組織風土、、組織運営上の問題
・安全管理に直接関わらない事項であるため、データを改ざんすることについて「補正して許される」と思い、これが何時の間にか忘れ去られたこと。
・検査を合格させることが目的化して改ざんが行われたこと。
・技術者倫理教育の中でも、特に社会の信頼に応えるという部分に対して弱点があったと考えられること。
・正直に物を言えない風土が作られていた事に対して、組織風土改善として取り組んできたが、これが徹底していなかったこと。
・未解決の課題に対し、部門間で共有せず、一部門で解決を図るような組織体質があったこと。
・業務の基本は、現場にあるということが徹底されていなかったこと。
(2)品質保証上の問題
・プラントの基本設計に関わる事項について、本店・発電所において組織的に解決しなかったこと。
・保安規定に関わらないが、検査で取り扱うデータおよび対外報告に使うデータについて、追跡性と引用に関する管理のルールが曖昧だったこと。
・補正項の設定や補正項への入力等、設備の課題が継承されなかったこと。
(3)総点検に関する問題
・原子力不祥事は、当社保有の工事記録と施工会社の工事記録等の間に差違があったことから、保全部門の確認に重点を置き、当社と施工会社間の工事記録に不整合があるか否かの検証を中心に進めた結果、技術部門の所管するプロセス計算機のプログラムは点検の対象外となったこと。


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原子力発電設備に関する再発防止対策(概要)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/070406b.pdf

原子力発電所点検作業の不祥事に対する再発防止と安全確保に向けた今後の取り組み
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/sakutei14/siryo3.pdf
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・設置関係資料 その4 指摘、政治家、運動家

・設置関係資料 その4 指摘、政治家、運動家

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いわき市議佐藤かずよし
http://skazuyoshi.exblog.jp/12828796/
あわやメルトダウン、福島第一原発2号機電源喪失水位低下

2010年 06月 19日
今日19日から、東京電力は福島第一原発3号機の定期検査に入り、9月23日までの間に、安全審査の想定外のMOX燃料を装荷しプルサーマルをはじめようとしています。
 しかし、17日午後、第一原発2号機であわやメルトダウンの事故が発生しました。発電機の故障で自動停止したものの、外部電源遮断の上に非常用ディーゼル発電機がすぐ作動せず、電源喪失となり給水ポンプが停止、原子炉内の水位が約2m低下、約15分後に非常ディーゼル発電機が起動し隔離時冷却系ポンプによる注水で水位回復するという、深刻な事態でした。東京電力は事実経過を明らかにしておらず、真相はまだ闇の中ですが、この事故は誠に重大です。
 原子炉緊急停止後、電源喪失が長引けば、燃料の崩壊熱を冷却する冷却水が給水されず、水位がさらに低下し、むき出しの燃料棒が崩壊熱により溶け、炉心溶融=あわやメルトダウンという、スリーマイル原発型の最悪の事態に至る可能性があったのです。
 本来、冷却材喪失事故時に緊急炉心冷却装置により原子炉への注水を行い、燃料の露出による破損を防止し、冷却材喪失事故と外部電源喪失事故が同時に発生した場合でも、非常用ディーゼル発電機が起動し緊急炉心冷却装置への電源供給を確保することになっていますが、今回の事故では、非常用ディーゼル発電機の起動が大幅に遅れました。
 保安規定上は外部電源の喪失信号を受け、非常用ディーゼル発電機は10秒以内で自動起動し、緊急炉心冷却装置ポンプへ電源を供給することになっていますが、今回は約15分との報道もあります。外部電源喪失を模擬した柏崎刈羽1号機系統機能試験のデータでは発電機起動が7,6秒とされています。これは誠に由々しき事態です。
 東京電力は当初、発電機が停止した原因を「発電機そのもののトラブル」と説明していましたが、18日になり「外部からの電源の供給が何らかの原因でストップしたため保護装置が働いて発電機が止まり、その結果、原子炉の自動停止に至った」と福島県に報告したといいます。しかも東京電力はこの件を報道機関に発表していませんでした。
 東京電力は事実経過を明らかにすべきです。今なお隠蔽的対応をすることは福島県民を冒涜するもので、許されるものではありません。福島県と県議会は事態を深刻受け止め、東京電力に厳正に対応しなければなりません。


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日本共産党福島県議団
http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html

福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
                          2007年7月24日
東京電力株式会社
取締役社長 勝俣 恒久 様

日本共産党福島県委員会
委員長 最上 清治
日本共産党福島県議会議員団
団 長 神山 悦子
副団長 宮川えみ子
幹事長 藤川 淑子
原発の安全性を求める福島県連絡会
代 表 早川 篤雄

福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
 東電柏崎刈羽原発の中越沖地震への対応は、福島県民に大きな衝撃をもたらしたばかりか、多くの国民にも疑問と不安をもたらしている。東電がこれまでどんな地震にも大丈夫という趣旨の主張を繰り返してきたことと裏腹に、消火活動が出来なかったり、放射能を含む水が海に流出したり、放射性物質が3日間も主排気筒から放出されたり、原子炉建屋などの地震の波形データが大量に失われている。
 そもそも、1995年に阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震の岩盤上の地震動の記録は、日本の原発のなかでもっとも大きい地震に備えるとされる中部電力浜岡原発の設計値を越えていた。このことは1981年に原子力安全委員会が決定した原発の耐震指針の基礎が崩壊したことを示したものであった。
 以来、私たちは、国と電力会社に対して、耐震指針の抜本的見直しと原発の耐震新指針の確立を求めてきた。2006年、原子力安全委員会は「新耐震指針」を決定したが、原子炉を岩盤でなくとも建設できるとか、活断層がない場合の規定が曖昧など大きな後退や問題をもつものであった。
 今回発生の中越沖地震で柏崎刈羽原発を襲った揺れは、設計時の想定を最大3.6倍と大きく上回った。これまで兵庫県南部地震の事実を突きつけられても、原発の耐震性は大丈夫としてきた政府と電力会社の説明は完全に覆されていることを率直に認め、以下の対応を早急に取るよう求める。
 中越沖地震から教訓として何を取り入れて対応したのか、また対応しようとしているのか。その上に立って、福島原発10基の耐震安全性を総点検すること。
 東電は、柏崎刈羽原発の設置許可申請時におこなった海底調査で、今回発生した中越沖地震を引き起こした断層があることをつかんでいたことが判明している。
 これまで福島原発立地周辺の断層調査の全容と安全審査の対象にしたのはどの断層で、対象からはずしたのは何かを明らかにすること。
 発電所内の自衛消防隊の消火体制の確立・強化をはかり万全をはかること。
 福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかになっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険がある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
 柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に抜本的対策をとるよう強く求める。
 危機管理体制の再点検を行い、その結果を速やかに公表すること。


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共産党吉井英勝

174 - 衆 - 経済産業委員会 - 7号
平成22年04月09日
○吉井委員 そもそも老朽化した原発について、大丈夫だという実証データはないんです。巨大地震と遭遇したときに壊れるか壊れないかを実証する装置そのものを、三百億円で国は持っておったんですが、三億円で造船会社に売り飛ばしてしまってスクラップにしたから、もうないんですよ。だから、実証データがないというのが現実なんです。
 そうした中で、多重防護のお話をされましたけれども、ECCSの弁棒の話はさっきしたように、折れた例もあれば、冷却水配管が破裂して壊れてしまった例もあれば、制御棒がそもそもうまく入らない事故が起こってみたりとか。この間、チリの津波は比較的小さくてまだよかったんですが、引き波になると、機器冷却系といって、原子炉をとめた後もずっと、崩壊熱を除去するためにポンプを動かして冷却水を送らなきゃいけないんですが、その冷却水がとれないというものもあるんです。
 ですから、もう時間が参りましたので締めくくりますが、老朽化原発に巨大地震が重なったときに、特に日本は地震国ですから、大変な事態になるということを想定して対応を考えておかないと、これは電力任せといったって、電力会社もそういうときはおろおろするだけなんですよ。
 柏崎でも似たような例だったんですが、柏崎はまだあそこで済んでよかったんです。あれはしかし、メルトダウンにもつながりかねない寸前だったんですよ。
 さらに危険なのが、高速増殖炉「もんじゅ」の再開問題です。
 この間もお話ししましたように、「もんじゅ」は将来の動力炉の見通しがないということは、元東京電力の副社長で原発をやっておった専門家まで、採算性のめどがないと言っているぐらいになっているんですから、そういうものに、「もんじゅ」の再開まで突き進んでいくというのは本当に危ない道だと。
 やはり私は、大臣として、これはここで一度立ちどまって、この問題について深い検討をしなきゃいけないときだと思います。もう時間が来ていますが、一点そのことだけ、大臣の、立ちどまって考えるかどうかだけ伺って、質問を終わりにしたいと思います。


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177-衆-経済産業委員会-3号 平成23年04月06日

○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 私は、まず最初に、今回の地震、大津波で犠牲となられた方々に対して哀悼の意を表したいと思います。それからまた、今も大変な生活を余儀なくされている被災者の皆さんに心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 地震と津波というのは、これは間違いなく自然災害です。しかし、全電源喪失と炉心溶融という問題については、実は私は、二〇〇五年の質問主意書以降、二〇〇六年の国会質問なども通じて、ずっとこの問題を取り上げてきたんです。対策をとらなきゃだめだということを言ってきたんです。
 最初、寺坂原子力安全・保安院長に伺っておきますが、昨年五月二十六日の当委員会で、私の質問に対して、全電源喪失で炉心溶融は論理的には考え得ると答弁しておられました。今回の原発事故というのは、論理的な話じゃなくて、現実のものとなったのではありませんか。

○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年五月、吉井委員からの御質問に対しまして今御指摘のような答弁をしたことは事実でございます。
 原子力発電所におきましては、複数の非常用ディーゼル発電機の起動、あるいは直流電源の活用、他号機からの電源の融通、そういった多重性や多様性を持った対応を図ることによりまして、重要な事故に至ることのないような、そういう対策がなされてきていたわけでございます。そのような意味におきまして、それぞれの要素につきまして可能性が大きくはない、そういう認識のもとに昨年の答弁を申し上げたところでございます。
 現実に、ただいま御指摘のような事態が発生をしたわけでございまして、そのような意味におきまして、私の当時の認識におきまして甘さがあったことは深く反省をしているところでございます。

○吉井委員 私は、次に鈴木原子力研究開発機構理事長に伺っておきたいんです。
 実は、二〇〇六年、ちょうどあなたが原子力安全委員長であった当時の三月一日の予算委員会で、私は、津波の押し波と引き波、これにより機器冷却系が取水不能になる問題なども取り上げ、同年十月二十七日の質問では、地震による鉄塔倒壊で外部電源喪失となり、内部電源が事故に遭ってディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなるという問題で、鈴木委員長のこの点での予測を質問しました。
 この全電源喪失の場合の原子炉停止後の機器冷却ができなくなる問題についての質問に対して、鈴木委員長は、同じバックアップを多重に持つ、ディーゼル発電機だけでなく直流も持つ、それぞれ複数機持つ、これを設計段階で確認していると答えられたわけです。シビアアクシデントマネジメントの考えはなかったんですけれども、答弁ではこう言っておられました。シビアアクシデントマネジメント、非常事態における管理で、日本の場合には、同じサイトに複数のプラント、つまり同じ原発敷地内に幾つも原発があるので、ほかのプラントに融通するとか、どこかが故障して全電源喪失になっても、ほかの原発から電力を融通してもらえるんだ、こういうお話でした。非常に多角的な対応を今事業者に求めていると。耐震指針を改定した、さらに基準を超えるような大きな地震が来たときにはどうなるか、事業者に、評価してください、数字で確認するなどしてくださいという、これが方針だと答弁されました。
 全電源喪失というのは、要するに、他の外部電源や、同じ原発敷地内の他の原発からの融通や、その原発自身に設置してあるディーゼル発電機とバッテリーの組み合わせにより、設計上ちゃんとしてある、大丈夫だというお話だったわけです。
 三月十一日に原発が停止した後、福島第一では、機器冷却系を動かすすべての電源、これは喪失したんじゃありませんか。

○鈴木参考人 お答え申し上げます。
 それは、私が原子力安全委員会の委員長を仰せつかっていたときのお話ではございますが、そのとおりお答えしたと思います。
 現実にこのような事故が起きておりまして、私は、原子力に長年携わっております者として、国民の皆様方に大変な御心配、御心労、御迷惑をおかけしていることに対しまして大変申しわけないと思っておりますし、私自身、痛恨のきわみでございます。
 今先生お尋ねの件につきまして、私は考え方はそのとおりだと思っておりますが、結局は、具体的にそれに対してどのような手を打つかということ、つまり、多重性、多様性について、実際、設備対応ないしその運転管理に当たって具体的にどのような考え方をとるかというところが、私は、今後大いにこの事故を反省して考えなきゃいけないことだ、そのように思っております。
 例えば、他の号機からの融通について言えば、今回のように、一から四につきましては、すべて同じような設計のものを、DG、ディーゼル発電機を同じような設置にしてあったのでは、これは本当の意味での多重性にならないことは明らかでありまして、そういうことについて我々はよく反省しなきゃいけない、そのように考えております。

○吉井委員 二〇〇二年五月に、東京電力のアクシデントマネジメント報告書というのが当時出ておりましたが、この中でも、要するに、DGとバッテリーがあるんだということと、それから外部電源が喪失しても同じサイト内の他の原発から融通してもらえるんだということを東電自身が書いていたわけです。
 しかし、そうじゃない、全電源喪失の場合にきちんと対応できることが必要なんだということを私は言ったんですが、その全電源喪失の可能性の検討と、それへの対策をとらせないまま来てしまったということ、そして原発は大丈夫だと判断した、今も少しお話がありましたけれども、当時の答弁とか考えというものは、やはりこれは間違っていたのではないかと思いますが、どうですか。

○鈴木参考人 お答え申し上げます。
 先生おっしゃるように、このような事故が現実に発生した以上、過去のことが正しかったということはないんだと思います。ないんだと思いますが、考え方として、やはり多重性、多様性が一番重要であることは、これは変わりがないと思います。
 私、先ほど申し上げましたように、それをどのように実際に設計であるとか実際のアクションにつなげるか。例えば、今回も、五号機、六号機においては、DGの一つが、私の聞いているところでは、いわゆるガス冷却ですね、空冷のものだったということで、それが辛うじて生きていたために何とか、一から四に比べますと五から六は状況が随分変わっているということがございます。これは一種の多様性だということで、そういうことを今後十分に検討していかないといけない、そのように考えております。

○吉井委員 ほかで動いたのが一つだけあったといったって、融通できないわけですから、それは全然違っておったということをやはりきちんと考えなきゃいけないと思います。
 班目委員長に次に伺いますが、今回の原発災害について、東京電力社長も菅総理も、想定外のことだったと発言をしておりました。
 NRCは三十年前に実験して検討しておりましたし、各国の過酷事故対策、シビアアクシデントマネジメントの中では、全電源喪失というのは考えていたんじゃありませんか。

○班目参考人 先生のおっしゃるとおり、各国ではこの問題をかなり注視していたのは事実でございます。

○吉井委員 そこで、続いて伺っておきたいんですけれども、JNESの報告書、昨年の十月に、全電源喪失の対策と。これによると、〇・六時間後には燃料が落下する、一・八時間後には圧力容器が破損する、十六・五時間後には格納容器の過温による破損。この破損の仕方はいろいろあります、爆発で破損する場合もあれば、いろいろな形があり得ることですけれども、しかし、それはJNESがちゃんと昨年の十月に出していたと思うんですよね。それに対してどのように対策を指示してこられたのか、伺っておきたいと思います。

○班目参考人 原子力安全委員会としましては、この全電源喪失ということに対して事態を非常に重く思っております。
 それで、こういう場合のアクシデントマネジメント対策というのを事業者にみずからきちんと定めさせており、それを保安院を通じて我々も伺っております。したがって、それに沿ってきちんとやるようにという指示を私どもの方としては進言してきたということでございます。

○吉井委員 シビアアクシデントマネジメントをちゃんとやらせる。実際に事故があったときに、シビアアクシデント、今度はマニュアルですね、それに基づいてきちんと対応するということをさせなきゃいけないと思うんですよ。それをやれば全電源喪失という事態は、これはまず起こらないようにさせなきゃいけないんですが、起こった場合にも、直ちに緊急に対応するというマニュアルがないと全くお話にならないと思うんです。
 班目委員長に伺っておきたいのは、地震や津波があろうがなかろうが、原発では、シビアアクシデントマネジメントとして全電源喪失を考えて、いかなる場合にも今回のような事態を起こさせないというのが本来の国の原子力安全行政であり、原子力安全委員会の使命ではないかと思うんですが、委員長、どうですか。

○班目参考人 まさにおっしゃるとおりだと思います。
 したがいまして、今回の事故を深く反省し、先生のおっしゃるとおり、二度とこのようなことが起こらないように指導してまいりたいと思っております。


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2011-05-01 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その3 指摘、専門家等

・設置関係資料 その3 指摘、専門家等

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産経ニュース
【東日本大震災】No.36 津波に薄かった危機意識 専門家、以前から警告
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2011/03/0327earth_quake_chiso/

マグニチュード(M)9・0の東日本大震災で高さ14メートル以上とされる大津波が直撃した東京電力福島第1原発。浸水で非常用発電機のほとんどが壊れ、原子炉の冷却機能を失った。新潟県中越沖地震など国内の原発が次々と地震に見舞われ、国や東電は地震の揺れへの対策は急いだが、専門家の警告にもかかわらず、津波への危機意識は薄かった。
 ▽大津波
「869年の貞観の地震は、津波に関しては非常にでかいものが来ている。全く触れられていないのは納得できない」。2009年6月、経済産業省で開かれた審議会の席上、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の岡村行信活断層・地震研究センター長は、東電の報告に厳しい言葉で異議を唱えた。
 06年に改定された国の原発耐震指針に沿って東電は08~09年、福島第1原発の再評価結果を国に提出。海と陸のプレート間で起きるM7・9の地震などを想定したが、近年の研究でM8以上とされた貞観地震については、特別な考慮をしなかった。従来、最大5・7メートルと見積もってきた津波の再評価は先送りされた。
岡村さんの追及に対し、東電は学会で提案されている震源モデルを基にして、原発への影響は「想定の範囲内」と主張。「貞観地震については、まだ情報を収集する必要がある」として事実上、評価を棚上げした。
 ▽証拠
 貞観津波を研究する産総研の宍倉正展海溝型地震履歴研究チーム長(古地震学)によると、宮城県から福島県の太平洋岸には、過去に津波が繰り返した証拠となる、複数の砂の層が地中で見つかっている。津波は4世紀ごろと室町時代にも起き、500年程度の間隔で起きた可能性が高いという。
 年代測定で貞観津波の痕跡と特定できたのは宮城県石巻市から福島県浪江町までだが、砂層は茨城県日立市近辺まで広がっていた。宍倉さんは「原発の防災上、少なくとも高さ10メートル程度の津波を想定しておくべきだったのではないか」と指摘する。
 岡村さんも「石巻―浪江は確実な部分だけで、ほかにもグレーの部分はある。砂の侵入は内陸3~4キロだが、津波自体はもっと奥まで進んだだろう」と指摘。厳密な証拠を求める科学研究と、想定外にも備える必要のある原発の防災対策を混同するべきではないと指摘する。
 ▽過小評価
 原発の耐震安全性審査をめぐっては、これまでも同様のことが指摘されてきた。
 地下の活断層がつくる地表の〝たわみ〟の存在が中国電力島根原発(島根県)、日本原子力発電敦賀原発(福井県)などで指摘されてきた。いずれも研究者の間では広く知られているが、科学的な異論が残ることなどを理由に原発防災には活用されていない。原発と活断層の問題に詳しい名古屋大の鈴木康弘教授(変動地形学)は「最新の知見を原発の防災に生かせるよう、国の安全審査は、広く第三者の意見を取り入れるなどの抜本的改革が必要だ」としている。

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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤
合同WG(第32-33回)議事録
日 時:平成21年6月24日 7月13日
岡村行信活断層・地震研究センター長
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/032/gijiroku32.pdf
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/033/gijiroku33.pdf

カスケード型地震と大津波の可能性について指摘
http://genbaihou.blog59.fc2.com/blog-entry-26.html


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Bloomberg
福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘-非常用発電機にリスク
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=a.lK3UI3LjpM

3月16日(ブルームバーグ):東日本大震災で東京電力福島第一原発に起きた事故について、20年前に警鐘を鳴らしていたリポートがある。米国の原子力規制委員会(NRC)による「NUREG-1150」だ。
 それによると、地震発生時に炉心溶融につながる事故の例として、原子炉を冷却するため水を外部からくみ上げるポンプを動かす非常用ディーゼル発電機の破損や停電、貯水タンクの故障などによる冷却機能不全が高い確率で起こると指摘していた。
 今回の事故は、福島第一原発の原子炉6機のうち運転中だった1、2、3号機は地震の揺れを感知して運転を自動停止したが、非常用ディーゼル発電機が作動せず、冷却ができない状態になった。日本政府は、経産省原子力安全・保安院が04年6月に公表した「リスク情報を活用した原子力安全規制の検討状況」という資料で、このリポートも紹介している。
 元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、リポートが提示したリスクへの対応策について、「東電は学んでいなかったのだろうか」と指摘、「天災が1000年に一度や想定外といった規模であったとしても、そんな言い訳は許されない」と述べた。
 東電の広報担当、元宿始氏は当社がそのリポートを認識していたかどうか直ちには確認できない、と述べた。
 原発は、原子炉圧力容器内で燃料が核分裂する熱で蒸気を発生させ、タービンを回している。緊急停止した際には、高温になっている燃料を冷やすため冷却水を注入して冷やす。冷却に失敗すると、炉内の温度が上昇し、核燃料自体が溶け出す「炉心溶融」に陥る危険がある。
http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/nuregs/staff/sr1150/v1/sr1150v1part-2.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/downloadfiles/g40614b50j.pdf


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swissinfo.ch
2011-04-01 15:14
福島第一原発、その欠陥が指摘される
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29904250

 核の番人と言われる、国際原子力機関 ( IAEA ) の元副事務局長でスイス人のブルーノ・ペイヨ氏は、福島第一原発が過去に指摘された欠陥をまったく改善していなかったことに怒りを覚えるという。
こうした過ちから、ペイヨ氏は世界のすべての原発が例外なく検証されるべきだと訴える。
swissinfo.ch : 米エネルギー省のペーター・ライヨンズ原子力担当次官補代行は3月29日に、上院議会で「福島第一原発はゆっくりと復旧している」と報告しましたが、あなたの評価はどうですか。
ペイヨ : 「ゆっくりと復旧」という表現は楽観的すぎる。大量の放射能が漏出しており、作業が困難になっている。幾つかの原子炉では冷却に成功しているようだが、炉心の溶融が進んでおり、放射能もここから漏れている。
もし、2号機の炉心の溶融が進み、金属製の原子炉圧力容器と共に溶けた高熱のマグマ状のものが下降して格納容器も破壊した場合、その下のコンクリートの土台はそれに耐えられるようには設計されていない。だが、もし冷却が続けられ、水が十分に補充され続ければ、希望はある。
重要なことは、燃料棒が溶融したものを圧力容器の中に封じ込め続けることだ。
swissinfo.ch : 日本政府と東電の対応をどう思われますか。正しい対応をしたのでしょうか?
ペイヨ : 原発対応にミスがあったことは明らかだ。第1日目にただちにほかの冷却方法を実施すべきだった。日本にはこうした重大決定を行う場合、すぐに行われないという欠点がある。だが、これ以上に批判すべきことは、きちんとした管理がなされていなかったことだ。検査が実施されず、チェックリストが作成されていなかった。政府に対しても偽りの報告をしていた。
 しかし、わたしが最も怒りを覚えるのは、福島原発の原子炉に欠陥があることは随分前に指摘されていたのに、それが改善されなかったことだ。
スイスでは、福島第一原発と同型のミューレベルク ( Mühleberg ) 原発に対し、地下深くから地下水をくみ上げる、ないしは原発の近くにため池を設置するなど、二重の冷却設備を設置。また予備の電線を何本も用意し、第2の堅強な屋根が初期の段階から取り付けられている。また、水素爆発を防ぐための「水素・リ・コンバイナース ( Hydrogen re-combiners ) 」設置は常識だが、こうした安全対策が福島では一切されてなかった。
これらはわずかなお金でできることだ。スイスに限らず、ほかの国ではすでに行われている。
 また、福島原発の製作元、米ゼネラル・エレクトリック ( GE ) は、スイスやヨーロッパで実施されている安全対策を日本に十分に知らせていなかった。
 日本のほうがヨーロッパより原発をよく理解しているという話は完全な幻想になった。まさに、こうした事態を避けるために、きちんとした安全対策が取られていなかったからだ。たとえ主な原因が津波だったとしてもだ。
swissinfo.ch : 日本の情報に関してはどう思われますか?
ペイヨ  : 混乱状態にもかかわらず、情報を伝えようという努力はなされたと思う。しかし原発の責任者、現地で検証する人間、東京での記者会見という流れの中では、情報に多くの間違いがあっても当然だと思う。
ただ、チェルノブイリとは比較にならない。チェルノブイリでは、情報を隠ぺいしようという意図が初めからあったからだ。
swissinfo.ch : 国際原子力機関の反応が遅かったという批判についてはどうですか?それに国際原子力機関にはもっとできることがあるのではないでしょうか。
ペイヨ  : 国際原子力機関には歴史が与えた任務というものがあり、それは核不拡散を監視することだ。核利用の安全対策分野では、ただ一つ行っているのが安全基準見直しの専門家会議だ。
ここで2008年に東電に対し、福島原発の津波対策が十分ではないと警告がなされた。しかし東電は何もしなかった。
今回の危機で、国際原子力機関ができるのは事実に基づいた技術的情報を提供することだけだ。
もっと何かができるのではという質問だが、確かに国際レベルでもっと何かをすべきだが、それを国際原子力機関が行うのか、ほかの機関が行うのかは別の議論になる。
現在、国際原子力機関は国ないしは電力会社の要請により、10人から15人の専門家を現地に送り、原発の建設、操作、管理状況を検査し、その結果を公表する義務がある。しかし、実際には何も隠すことがなくきちんと管理している「模範生」である5、6カ国からしか検査要請がこないのが現状だ。過去に、福島原発からはこうした要請はなく、したがって国際原子力機関の見直しレポートは存在しなかった。
今後検査はすべての原発に対しなされるべきだ。それを行うのは、政府以外の独立機関であり、具体的には例えば他国や隣国が検査を行いレポートを作成するようなシステムが必要だ。
サイモン・ブラッドレー, swissinfo.ch
( 英語からの翻訳・編集、里信邦子 )


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zakzak
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110318/dms1103181534014-n1.htm

事故原発は“欠陥品”? 設計担当ら35年ぶり仰天告白
2011.03.18
 自衛隊に警視庁機動隊、そして東京消防庁の特殊部隊まで巻き込むことになった空前の原発事故は、実は人災である可能性が浮上している。
 福島第1の原子炉は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発した。そのGE元社員のデール・ブライデンボー氏はロイター通信の取材に対し、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していたと打ち明けたのだ。
 そのうえで同氏は「分析が終わるまで一部の原発は閉鎖されるべきだと思ったが、GE側は応じなかった。そのため、私はGEを辞めた」と、退社した経緯を説明した。
 米ニューヨーク・タイムズも、米原子力委員会の専門家が1972年、この原子炉は水素がたまって爆発した場合、放射能を封じる格納容器が損傷しやすいため、「使用を停止すべき」と指摘した、と報じた。
 今回、事故を起こしたのは「マーク1」という沸騰水型原子炉の一種で、60年代にGEが開発した。中心の燃料棒を圧力容器、さらにその外側をフラスコ状の格納容器で守っている。格納容器が小さく、設備建設費が安く済むため、計104基の原子炉が稼働している米国では同型の炉が23基も稼働している。米国外にも9基あり、計32基が現在も運転中だが、格納容器が小さいゆえに、水素爆発で損傷するリスクが高いというのだ。
 福島第1の原子炉はGEの設計図をもとに、東芝や日立製作所が関わって建設、運転されてきた。設計に携わった東芝の元技術者、小倉志郎氏(69)は16日、外国特派員協会の記者会見で驚きの証言をした。
 「(67年に)設計した当時は、津波は前提になかった。日本で事実上、初の原子炉設計だけに知識に乏しく、耐震設計基準についても判断できなかったと思う」
 小倉氏は福島第1原発の1、2、3、5、6号機の冷却部分などを設計した。その小倉氏によれば、津波の対応はその後、日本独自の設計で織り込まれるようになった。しかし、推定で最大10メートルとされる今回の大津波より「想定規模ははるかに小さかった」。また、地震の規模についても「マグニチュード(M)8・0以上の地震は起きない、と社内で言われた」とし、M9・0の巨大地震は想定外であったことを明かした。
 地震対策は「私の定年が近くなってやっと見直しをしたが、それでも大地震は想定しなかった。責任を感じる」と語っている。
 米メディアの報道と設計者の証言をまとめると、もともと事故時の危険が高い米国発の原発が、津波や地震のリスクを十分に考慮せず建設、運転されてきたことになる。前出のブライデンボー氏は今回の事故について、「マーク1型格納容器が、他の原子炉ほど地震や津波の負担に耐えられないことから(事故が)生じた」と分析している。
 福島第1原発の1号機が運転を開始したのは71年。40年もの間、周囲を巻き込む深刻な事故を起こさなかったのは奇跡だったともいえる。

http://www.youtube.com/watch?v=P8-qzwzRKvw


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@niftyニュース
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20110329-02/1.htm
危機続く福島第一原発 「GEスリー」元設計者が米メディアで告白 「原子炉構造に欠陥あり」
2011年3月29日(火)

 福島第一原子力発電所の原子炉には重大な欠陥があった──爆発事故を起こした原子炉の設計にかかわった日米の元技術者がそろって証言を始めた。経済性を優先するあまりに小型に造ったため、冷却システムなどに余裕がなく、地震や大規模停電になると爆発しやすいという。今回の地震では、まさにその心配が現実になった可能性が高い。
 現地時間で3月15日、米CNNが、米国を代表する原子炉メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)の元エンジニア、デール・ブライデンボー氏のインタビューを放送した。白髪に白いひげをたくわえたブライデンボー氏は悲痛な表情でこう語った。
「福島原発の事故は私たちが想定したシナリオよりもはるかに悪い。このままだと、何千もの命が失われる可能性がある。それが怖くてたまらない」
 遠い米国で、なぜ米国人に福島のことがわかるのか? 実は、ブライデンボー氏は福島第一原発の1~5号機で使われているマークI型原子炉の原設計をした人物だった。
 今回、最初に水素爆発を起こした1号機は日本製ではない。1号機の建造が始まった1960年代、日本はまだ自力で商業用原子炉を造っていなかった。このためGEが造った。このあと2号機はGEと東芝が共同で建設し、3、4号機になってようやく東芝や日立製作所が主体で造った。炉心損傷を起こしている1~3号機はいずれも、GEの設計を基にしたものなのだ。
 そしてブライデンボー氏は在職中から、このマークIの安全性に疑念を抱き、75年に同僚2人とともにGEを退職すると、米原子力規制委員会と共同戦線を張ってマークIの製造中止を訴えてきた。この3人は、いまでは「GEスリー」と呼ばれている。
前出の番組でブライデンボー氏はこう語っている。
 「マークIは大規模事故に耐えうるようには設計されていません。冷却システムがギリギリの容量で設計されているため、電力供給が途絶えて冷却システムが止まると、爆発を起こす危険性がある。使用済み核燃料の貯蔵プールも最新型のように自然に冷やされるタイプではないため、電気が切れるとすぐに温度が上がってしまう」
 福島でも地震で冷却システムが止まり、1、3号機はいずれも格納容器の圧力が高まった。使用済み核燃料の貯蔵プールの温度が上がり、消防車などで必死に水をつぎだした。
 まさに氏の指摘どおりだ。一体、このマークIとはどんな原子炉なのか。

 「マークIが欠陥を抱えているとの米国での指摘は当時から知られていました。格納容器全体の容積が小さいため、炉心部を冷却できなくなって、圧力容器内の蒸気が格納容器に抜けると格納容器がすぐに蒸気でパンパンになってしまう。最悪の場合は格納容器が破裂してしまう心配がありました」
 こう説明するのは68年から77年まで日立製作所の関連会社「バブコック日立」に勤務し、福島第一原発4号機の圧力容器などの設計に関わった田中三彦氏だ。圧力抑制プールを含めたマークIの格納容器の容量は、新型のマークIIIの4分の1程度しかない。
「今回、津波による電源喪失などで炉心冷却システムがすべて動かなくなったことで、格納容器が破裂しそうになりました。1号機の格納容器が8気圧になったのがそれを物語っています。運転中の格納容器は中の気体が外へ出ないように1気圧よりもすこし低くしており、設計上も約4気圧までしか耐えられないので、ものすごく大変な事態でした」(田中氏)

 このため東京電力は、格納容器にある「ガス放出弁」を開けて、容器内の圧力を下げざるを得なくなった。そしてこの弁こそ、ブライデンボー氏が会社人生をかけてまで求めたマークIの安全対策の一つだった。
 「80年代後半、私の訴えの一部が認められ、圧力を逃すガス放出弁を取り付けることが義務づけられました」(ブライデンボー氏)
 ガス放出弁がなければ今回、早い段階で格納容器が爆発しただろう。
 しかし皮肉にも、このガス放出弁から出た放射性物質を含む蒸気のために、原発周辺の放射線濃度が上がり、作業員らが被曝している。さらに、炉内で発生した水素ガスも蒸気と一緒に出て、1号機と3号機で水素爆発を起こし、建屋を吹き飛ばした。

 マークIの欠点はこれだけではなかった。再び、田中氏が証言する。
「圧力容器に付属する再循環ポンプは、重さが数十トンもあるのに支えが不安定で、大地震時に再循環系の配管が壊れないかがよく問題になってきました。もし壊れると、ここから冷却材が格納容器へ噴き出し、『冷却材喪失事故』という悪夢になってしまうからです」
 再循環ポンプは、原子炉内に発生する気泡を取り除くためのもの。最新型では圧力容器内にあるが、福島原発のような古い型では圧力容器の外にある。
「格納容器の圧力の上がり方、水素爆発の起こり方などから推測すると、とくに1、3号機では今回、冷却材喪失事故が起きたように思えます」(田中氏)

 国はこれまで、格納容器の欠点にどれだけ向き合ってきたのだろうか? 
「ガス放出弁について当初は『そんなバカな。格納容器は放射性物質が外に漏れないようにするものだ』としばらく検討していました。設置されたのは90年代に入ってからでした」(同)
 そもそも、40年以上前に設計された原子炉を今も使っていること自体どうなのか。田中氏は言う。
「日本の原発には法的な寿命がありません。設計者は耐用年数を40年としてきました。1号機は40年を過ぎていますが、日本は米国をまね、90年代に入って最長60年まで使えるとの見解を示しました」

 マークIのコンパクトな設計については、ロシアの専門家は、
「安全性よりも経済性を優先した結果ではないか」
 と、指摘している。ブライデンボー氏もCNNのインタビューで、こう話す。
「社員だった当時、上司にマークIの廃炉を嘆願すると、上司は『そんなことをしたら、わが社の原子炉部門だけでなく、会社自体がなくなってしまう』と聞き入れられなかった」
 被災から11日後の22日に、福島原発にはやっと電源が回復し、温度計が復活した。1号機の圧力容器の温度が設計限界の309度を超える400度だったことがわかり、東電はあわてて炉内への注水を増やすことにした。しかし、注水を増やすと、それによって発生する蒸気で圧力容器内の圧力が格納容器に抜けて、再び格納容器が爆発する危険が高まることになる。
 小さかった格納容器という欠陥が、今も福島原発を苦しめている。

◆現場作業員が語る「あのボロい原発が…」◆
 地震が起きた瞬間、私がいた福島第一原発の建屋では電気が消え、上から電球などいろいろなものが落ちてきました。サイレンが鳴って、「外に避難してください」というアナウンスが聞こえ、大勢の人たちが駆けだしているのが見えました。みんな口々に、
「爆発するんじゃないか」
「放射能にやられるかも」
 とさけび、原子炉から離れた事務本館に殺到。パニックになりました。最初は「落ち着いて」と制止していた警備員も、いつの間にか一緒に走っていました。
 本館で自分の車のカギを取って逃げようとしていると、おそらく東京電力の関係者が、
「帰るかどうか、もう勝手に自分で判断してくれ」
 と声を張り上げていました。もっとも、その本人がだれよりも早く逃げる態勢を整えていたのはびっくりしました。
 車にたどりつき、
「津波らしい」
「すぐそこまで来ているぞ」
 という声を聞きながらアクセルを踏みました。車を少し走らせ、高台で原発の方向を振り返ると、まさに津波が原発に襲いかかっていました。
これで福島第一は終わりだ、あのボロい原発が倒壊して放射能が漏れたらどうなる──と思うと、背筋がぞっとした。かなり頑丈な建屋が水素爆発で無残に吹き飛んだ姿を報道で見たとき、この考えは間違っていないと確信しました。
 地震の翌日だったか、施設の地下で働いていた作業員2人が行方不明だと聞きました。一人は顔見知りでした。放射能の餌食になっていないか、本当に心配です。
 その後、友人経由で東電の下請け会社からメールが来ました。
〈現在の報道は非常にセンセーショナルで、当社が確認したところでは、そこまで深刻ではないとの回答を東電サイドから得ています。今後、多数の方々のお力を必要といたします。これまでのベースから日給3倍をめどにご賛同をいただける方々を募集しております〉
 3倍なら日給5万円です。より危険な区域を担当したり、経験が豊富だったりすれば10万円という話も聞きました。「もしものときに人手がいるから登録だけでもどうかな」という誘いもあります。
 しかし、応募した人はいないとか。下請け会社の話だと、原子炉への海水注入を迫られた際に東電側は、
「この原発にどれだけカネを使っているのか、知っているのか。原発がなくなれば、お前らの仕事もなくなるぞ。海水を入れて廃炉にするなんて、とんでもない」
 と言い放ったというぐらいの会社ですから。 (本誌取材班=本誌・堀井正明、三嶋伸一、大貫聡子、永井貴子/今西憲之、シャノン・ヒギンス)


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MSN 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110611/erp11061120230007-n1.htm
「東電の不作為は犯罪的」IAEA元事務次長一問一答
2011.6.11 20:22

 福島第1原発事故をめぐり産経新聞のインタビューに応じた国際原子力機関(IAEA)元事務次長でスイスの原子力工学専門家、ブルーノ・ペロード氏との一問一答は次の通り。

 --福島第1原子力発電所事故で日本政府がIAEAに事故に関する調査報告書を提出したが

 「私は事故後の対応について日本政府や東電を批判するつもりはないが、両者が事故前に対策を取らなかったことは深刻だ。特に、東電の不作為はほとんど犯罪的だ」

 --なぜ、そう思うのか

 「福島第1原発の米ゼネラル・エレクトリック(GE)製沸騰水型原子炉マーク1型は圧力容器と格納容器が近接しており、水素ガスが発生すれば圧力が急激に高まる危険性が1970年代から指摘されていた。福島で原発の建屋はクリスマスプレゼントの箱のように簡単に壊れたが、スイスでは90年代に格納容器も建屋も二重するなど水素ガス爆発防止策を強化した」

 --東電はどうしたのか

 「当時、スイスで原発コンサルティング会社を経営していた私はこの作業にかかわっており、マーク1型を使用する日本にも役立つと考えた。1992年ごろ、東電を訪れ、(1)格納容器と建屋の強化(2)電源と水源の多様化(3)水素再結合器の設置(4)排気口へのフィルター設置-を提案した」

 --対策費は

 「非常用の送電線は2千~3千ドル。排気口のフィルターは放射性物質を水で吸着する仕組みで電源を必要とせず、放射性物質の拡散を100分の1に減らせる。今回の震災でも放射性物質の拡散を心配せずに建屋内の水素ガスを排出できたはずだ。費用は300万~500万ドルで済む」

 --東電の対応は

 「東電は巨大で、すべてを知っていると思い込んでいた。神様のように尊大に振舞った。東電が原子力安全規制当局に提出していた資料には不正が加えられていた。これは東電が招いた事故だ」

(ロンドン 木村正人)

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2011-04-30 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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・設置関係資料 その2 点検

・設置関係資料 その2 点検

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http://mytown.asahi.com/areanews/fukushima/TKY201102280471.html
福島第一原発の33機器で点検漏れ 最長は11年間
2011年3月1日

 東京電力は28日、柏崎刈羽原発(計7基)の多数の機器で点検漏れがあったことを受けた調査で、福島第一原発の1~6号機でも33機器で点検漏れが見つかったと発表した。6号機の原子炉建屋内にあり、残留熱除去系の電動弁に電力を供給する分電盤は11年間点検していなかった。東電は同日、調査結果と再発防止策を国に報告した。
 東電によると、点検の計画表作成時の記載ミスや点検発注時の書類の確認不足などのため、各号機で2~11機器の点検漏れがあり、点検期間を半年~11年過ぎていた。これらは定期検査ではなく、自主点検の対象という。いずれも健全性に問題はないなどとして運転は継続する。
 福島第二原発1~4号機でも21機器で点検漏れが見つかり、2月2日に発表した


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http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan014/siryo4.pdf

第1 4 回原子力安全委員会
資料第4 号
平成2 3 年3 月3 日
原子力安全・保安院
東京電力株式会社柏崎刈羽、福島第一及び福島第二原子力発電所の点検周期を超過した機器に係る報告の評価について原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)は、平成23年2月28日に東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)より柏崎刈羽、福島第一及び福島第二原子力発電所(以下「全発電所」という。)における点検周期を超過した機器に関する調査結果の報告を受けました。
東京電力からの報告によると、点検周期を超過している機器は、柏崎刈羽原子力発電所では新たに33機器が判明し合計117機器、また、福島第一原子力発電所では新たに合計33機器あることが判明しました。なお、福島第二原子力発電所では既に報告のとおり合計21機器ありました。
これらの新たに判明した計66機器は、福島第一原子力発電所の2機器を除き、既に点検が終了しているか、若しくは外観点検等による健全性を確認し、近日中に点検を終了するよう計画されています。また、点検を実施していない2機器については、外観点検等で異常がないことを確認し、技術評価を行い、次回の定期検査時に点検を実施することを決定していることから、当該66機器について、安全上の問題はないとしています。
保安院は、新たに点検周期の超過が判明した機器については、点検実施済または至近に点検実施を予定していること等から、直ちに安全上の問題が生じるものではないと評価します。また、同報告書における原因分析及び再発防止対策については、適切なものと評価します。
しかしながら、保安院は、全発電所において、①点検長期計画表の策定・変更、②調達管理における点検発注、③不適合管理、④保守管理における保全の実施が適切に行われていなかったことにより点検周期を超過した機器が多数発生したことは、東京電力の各原子力発電所原子炉施設保安規定(以下「保安規定」という。)の品質保証及び保守管理に係る要求事項を十分満たしていないと評価しました。
このため、保安院は、平成23年3月2日、東京電力に対し、保安規定の違反について、注意を行うとともに、当該違反について根本的な原因を究明※1し、それに対する再発防止対策を策定の上、その内容を平成23年6月2日までに報告するよう指示しました。今後、保安検査等において、東京電力から提出される報告内容を厳格に確認していくこととします。
※1 直接的な原因にとどまらず、組織的要因も含めた全ての原因を抽出して、発生事象の原因を明らかにすること。

1.経緯
・保安院は、中国電力株式会社島根原子力発電所及び中部電力株式会社浜岡原子力発電所の保守管理の不備に係る事案を踏まえ、柏崎刈羽原子力発電所を含む全ての原子力発電所に対して平成22年度第3回保安検査において、保守管理に問題がないかを確認したところ、柏崎刈羽原子力発電所2号機及び3号機において過去に点検周期を超過し、その後、点検を実施していた機器があることが判明しました。
・このため、保安院は、東京電力に対し、柏崎刈羽原子力発電所の全号機において、点検周期を超過した機器がないか確認するよう指示したところ、平成22年12月21日に1号機、5号機及び7号機の調査結果の報告を受けました。
これを受け保安院は、柏崎刈羽原子力発電所に対して、全ての号機の点検周期の超過の有無及びその原因と対策の検討並びに福島第一、第二原子力発電所において柏崎刈羽原子力発電所と同様な事象がないか確認を行い、平成23年2月28日までに報告するよう東京電力に対し指示しました。(平成22年12月21日お知らせ済み)
・平成23年1月20日及び2月2日に東京電力から保安院に対し、中間報告の提出があり(1月20日及び2月2日お知らせ済み)、平成23年2月28日、東京電力から保安院の指示を受けた最終報告の提出がありました。(2月28日お知らせ済み)
2.東京電力からの報告内容
(1)全発電所の点検周期を超過している機器
全発電所について点検周期を超過している機器がないか調査を行うとともに、特に、柏崎刈羽原子力発電所については、点検周期の超過の有無を過去に遡って調査した。その結果は以下のとおり。
①柏崎刈羽原子力発電所の調査結果
柏崎刈羽原子力発電所では、前回報告時(平成23年2月2日)に調査中であった2号機、3号機及び4号機については、点検周期を超過しているものが新たに33機器判明し、全号機合計で117機器となった。
新たに判明した点検周期を超過している33機器は、2号機については非常用ディーゼル発電機空気圧縮機3機器、主蒸気止め弁スプリングハウジング1機器など計7機器、3号機については非常用ディーゼル発電機調速機など関連機器16機器、原子炉給水ポンプ駆動用タービン蒸気加減弁用サーボ弁1機器など計21機器、4号機については非常用ディーゼル発電機機関付動弁注油ポンプ1機器、制御棒駆動系油冷却器1機器など計5機器である。
新たに判明した33機器は、本事案が判明後、既に21機器について点検を終了し、健全性を確認した。また、点検が終了していない12機器については現在定期検査のため原子炉が停止中のため、今定期検査中に点検を行う予定である。これらのことから、安全上の問題はない。なお、前回報告した1号機、
5号機、6号機、7号機及び共用設備の84機器についても既に全て点検や取替を終了し健全性を確認した。

上表の機器のほか、過去に点検周期を超過していたものは、1号機で33機器、2号機で45機器、3号機で77機器、4号機で30機器、5号機で38機器、6号機で1機器、共用設備で34機器となっている。いずれの機器についても至近の定期検査で点検を終了し、機器の健全性が確認されている。

②福島第一原子力発電所の確認結果(新規報告)
福島第一原子力発電所では、新たに点検周期を超過しているものが全号機合計で33機器判明した。そのうち20機器は保安院からの調査指示を受ける前から自主的に調査を行っていたものである。調査結果は以下のとおり。
点検周期を超過しているものとして、1号機については原子炉再循環ポンプMGセット可変流体継手2機器など計3機器、2号機については原子炉給水ポンプ駆動用タービンガス抽出機油分離器2機器など計3機器、3号機については非常用ディーゼル機関冷却系海水ポンプ電動機2機器、4号機については原子炉再循環系電動機・発電機セット調整器1機器など計3機器、5号機については原子炉給水ポンプ駆動用タービン油冷却器切替弁2機器など計11機器、6号機については余熱除去系電動弁リミトルク5機器など計6機器、その他設備については5機器であり、全号機で合計33機器となった。
これらの33機器は、本事案が判明後、既に16機器について点検を終了し健全性を確認した。また、点検が終了していない15機器については点検を近日中に行うよう計画するとともに、点検するまでの間の健全性を確認している。
また、1号機の原子炉再循環ポンプMGセット可変流体継手2機器は技術評価を行い次回定期検査時に点検を実施することを決定し、外観点検等で異常がないことを確認している。これらのことから安全上の問題はない。

③福島第二原子力発電所の確認結果(前回報告済)
福島第二原子力発電所では、前回報告のとおり、点検周期を超過しているものが21機器判明した。その内13機器は保安院からの調査指示を受ける前から自主的に調査を行っていたものである。調査結果は以下のとおり。
点検周期を超過しているものとして、1号機については原子炉建屋排気ファン用高圧ケーブル1機器、2号機については電動補助給水ポンプ封水ストレーナ4機器など計6機器、3号機については非常用ディーゼル機関の付属品(潤滑油冷却器など)4機器など計6機器、4号機については余熱除去ポンプ電動機用高圧ケーブル1機器など2機器、共用設備については6機器であり、全号機で合計21機器となった。
これらの21機器は、本事案が判明後、既に20機器について点検を終了し健全性を確認した。また、2号機のタービン駆動給水ポンプ排気弁リミトルク1機器は運転停止時の試験に用いる機器であり、原子炉の運転上の機能要求がなく、使用停止措置を講ずることから安全上の問題がないことを確認している。
これらのことから安全上の問題はない。

(2)原因及び再発防止対策
①原因
(Ⅰ)点検長期計画表策定プロセスでの誤り
・点検周期を超える計画を作成したことを確認できず、更に審査承認改訂審査でも是正できなかった。
・膨大な量の転記を実施しているが、ダブルチェックがなされていなかった。
・点検周期や点検時期の変更を計画に確実に反映することが徹底されていなかった(変更管理に対するルールの明確化不足)。
・点検周期を変更する際、点検長期計画表を変更した後に点検の発注をすることが徹底されていなかった。など
(Ⅱ)発注段階における仕様書作成プロセスでの誤り
・点検長期計画表と別管理の発注リストを使用し、点検長期計画表に基づかない発注を実施した。
・計画した全ての点検対象機器が発注されていることの確認を行っていなかった。など
(Ⅲ)点検長期計画表実績反映プロセスでの誤り
・点検実績を反映する方法が十分でなく、点検長期計画表への点検の有無や点検内容等の実績反映時の確認不足があった。
(Ⅳ)点検の実施時期の延長に関する技術評価プロセスでの誤り
・計画を変更することにより周期を超過する場合、不適合処理の実施、特に特別採用に伴う技術評価を行うことが徹底されていなかった。
・定められた点検周期内に点検を実施することに対する重要性の意識が薄く、周期内の点検実施や技術検討記録作成などの措置を行わなかった。
②再発防止対策
(Ⅰ)点検長期計画表策定プロセスでの誤り
・点検長期計画表の作成者は、点検長期計画表で定められた点検時期、点検周期、点検区分等を変更する際は、変更の理由及び変更後の実施予定時期の妥当性について記録するとともに、点検長期計画表の審査者は変更内容の妥当性や計画全体との整合性について審査を行うことをマニュアル・ガイドへ反映する。など
(Ⅱ)発注段階における仕様書作成プロセスでの誤り
・発注漏れを防止するため、仕様書の承認段階において、仕様書作成者以外の者が点検長期計画表及びマニュアルに記載の点検項目を仕様書と照らし合わせ、誤りがないかを確認し、仕様書の承認者である管理者は、作成者以外の者が再チェックしたことを確認することをマニュアル・ガイドへ反映する。
(Ⅲ)点検長期計画表実績反映プロセスでの誤り
・点検長期計画表の実績反映時において、工事を担当した工事監理員が、工事報告書を基に点検長期計画表へ実績を反映するとともに、原子炉起動前評価会議において原子炉起動前に終了すべき点検の確認を確実に行うことをマニュアル・ガイドへ反映する。
(Ⅳ)点検の実施時期の延長に関する技術評価プロセスでの誤り
・点検周期を超過する場合の処置方法として不適合管理の仕組みで管理し、その中で技術評価を行うとともに、その評価結果を確実に記録することをマニュアル・ガイドに反映する。など
(Ⅴ)中長期対策
・保全統合マネジメントシステムの導入
点検周期内に機器の点検を確実に行えるよう、前回の点検実績日から起算し、点検周期を超えないようシステムで管理された点検長期計画表を作成する。また、点検長期計画表から点検対象の機器毎に発注し、点検の計画から完了まで管理する仕組みを構築し、点検漏れを防止する。
当該システムにより、点検対象機器の登録、修正、削除の情報を記録する仕組みを設け、この情報を変更できる権限を制限することにより誤入力の防止を図る。
また、点検長期計画表の定期レビューの実施を行い、誤入力防止・妥当性確認のための対策を講じる。
3.東京電力の報告に対する保安院の評価
(1)点検周期を超過している機器に対する健全性評価の確認
保安院は、点検周期を超過していた機器については、既に点検が実施済み、または点検実施予定であり、それ以外の機器も外観点検や健全性評価等により、安全性が確認されていることから、直ちに安全上の問題が生じるものではないと評価します。
(2)原因分析と再発防止対策の評価
保安院は、東京電力から報告のあった原因分析とその結果に基づく再発防止対策については適切に検討がなされ、その内容についても適切なものと評価します。
(3)保安規定への適合性に係る評価
○保安規定第3条の品質保証に関する規定
保安規定第3条の7.1業務の計画では、確実な業務を達成するために必要な要求事項の明確化、必要な要員の力量の確保及びその業務を検証するための方法等を明確にすることが求められています。
本事象においては、保守管理を確実に行うために点検長期計画表に点検周期等を適切に反映することが要求事項ですが、点検周期の要員の理解不足及び点検長期計画表の膨大な作業量に起因する入力誤り並びに点検時期の変更管理の不十分さにより、点検長期計画表に誤りが生じたこと、また、点検長期計画表の適切性を確認できる検証方法が明確でないため、点検長期計画表に不適切な記入がされても発見できず、点検周期の超過を是正できずに点検長期計画表を作成したことは、保安規定第3条の7.1業務の計画の要求を満足するものではありません。
また、保安規定第3条の7.4調達では、点検における調達要求事項が妥当であることの確認を行うとともに当該点検が調達要求事項を満たしていることを確認することが求められています。
本事象においては、点検の発注を点検長期計画表に基づいて行っていなかったために点検の発注漏れがあり点検が一部実施できなかったこと、請負先からの工事要領書又は工事実績報告書の適切な検証を行わなかったため、点検長期計画表に誤った実績反映を行ったことは、保安規定第3条の7.4調達の要求を満足するものではありません。
さらに、保安規定第3条の8.3不適合管理では、業務に対する要求事項に適合しない状況が放置されることを防ぐために、それらを識別し管理すること、不適合の性質の記録及び不適合に対してとられた特別採用を含む処置の記録を維持することが求められています。
本事案においては、点検長期計画表に記載のある機器本来の点検周期を超えた点検周期を設定する場合及び所定の点検時期内に点検できないため延期した場合においても、不適合管理を行わず、かつ、特別採用を実施していませんでした。このため、不適合管理がされないまま、その結果が記録として保存されず、また、不適合事象が組織として認識されなかったため、再発を防止するための是正処置などの継続的な改善が行われず、不適切な状況が継続されていました。これらのことは、保安規定第3条の8.3不適合管理の要求を満足するものではありません。
○保安規定第107条の保守管理に関する規定
保安規定第107条の8.保全の実施では、適切な保全を行うために機器の特性に応じて定められた保全計画に従って確実な保全を行うことが求められています。
本事案においては、保全計画の一部である点検計画の点検実施を確実に行うため点検長期計画表を策定していますが、この点検長期計画表の一部に要員の理解不足及び点検長期計画表の膨大な作業量に起因する入力誤りがあったこと、並びに点検長期計画表どおりに調達に係る点検の発注を行わなかったこと等により、点検の一部が実施できず点検周期を超過していることは、保安規定第107条の8.保全の実施に係る要求を満足するものではありません。
4.当院の対応
保安院は、新たに点検周期の超過が判明した機器については、点検実施済または至近に点検実施を予定していること等から、直ちに安全上の問題が生じるものではないと評価します。
また、保安院は、東京電力からの報告を踏まえ、内容を精査し、保安規定との適合性について評価・検討を行った結果、本事象は保安規定に規定されている品質保証及び保守管理の該当条項に適切に対応したものではなく、保安規定に違反するものであったことを確認しました。
このため、保安院は、東京電力に対し、当該違反事項について注意を行うとともに、当該違反事項が生じることになった根本的な原因を究明し、再発防止対策の策定の上、平成23年6月2日までに報告するよう指示しました。
保安院は、東京電力が行う点検周期を超過した機器の点検状況や点検結果及び直接原因に係る再発防止対策の実施状況を起動時の保安検査等で確認していくこととします。また、今後、提出される東京電力からの根本的な原因及び再発防止対策の報告を踏まえ、保安検査等において、厳格に確認していくこととします。


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・設置関係資料 その1 原子力土木委員会 津波評価部会

・設置関係資料 その1 原子力土木委員会 津波評価部会

http://www.jsce.or.jp/committee/ceofnp/Tsunami/tsunami.html

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http://www.jsce.or.jp/committee/ceofnp/Oya/contents20110408.pdf
2011/04/08
東日本大震災を踏まえた原子力土木委員会における行動計画
原子力土木委員会
委員長 駒田広也
1.はじめに
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により,多くの尊い命が失われたことに深く哀悼の意を表わします.同時に被災された皆さま,そのご家族に,心よりお見舞い申し上げます.
今回の地震津波により東京電力(株)福島第一原子力発電所において大きな事故が発生し,現在でも懸命な原子炉冷却作業が続けられております.周知のように,福島第一原子力発電所に来襲した津波高さは想定されていた津波水位を上回ったこと,津波が原子炉建屋敷地まで浸水して非常用電源が喪失されたことが事故の要因であること,津波の想定方法が原子力土木委員会でとりまとめた「原子力発電所の津波評価技術」に基づいたこと,などが公表されております.
当委員会では,東北地方太平洋沖地震の発生に伴う同原子力発電所の事故を原子力土木技術の観点から非常に重大なものと受け止め,今回の地震津波について調査研究を行い,その成果を公表することを予定しております.
2.これまでの対応
1)「原子力発電所の津波評価技術(平成14年2月)」を広く閲覧していただけるよう,原子力土木委員会のHP上で全文掲載しました.
http://www.jsce.or.jp/committee/ceofnp/Tsunami/tsunami-0408.html#hkgj
2)報道機関等から問い合わせの多い内容をとりまとめて原子力土木委員会のHP上に掲載しました.
http://www.jsce.or.jp/committee/ceofnp/Tsunami/tsunami-0408.html#QA
3.当面の活動
1)今回の地震を踏まえて,「原子力発電所の津波評価技術」に沿った評価を実施します.その結果は,原子力土木委員会での検討はもとより,インターネットサイトで公開し,報告会を実施する予定です.
2)今後,土木学会・東日本大震災特別委員会等と連携し,今回の地震及び津波の解明とその教訓を活かすために,行動していく所存です.
以上


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http://www.jsce.or.jp/committee/ceofnp/Tsunami/tnmlist.html
原子力土木委員会 津波評価部会 委員名簿
平成23年3月
  氏名 所属
主査 首藤伸夫 東北大学名誉教授
委員 浅野 彰洋 四国電力(株) 土木建築部
委員 磯部雅彦 東京大学大学院 大学院新領域創成科学研究科
委員 今村文彦 東北大学大学院 工学研究科 附属災害制御研究センター
委員 蛯沢勝三 (独)原子力安全基盤機構 解析部
委員 大坪武弘 九州電力(株) 土木部
委員 河田恵昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター
委員 北川 陽一 日本原子力発電(株) 開発計画室
委員 黒岡 浩平 中国電力(株) 電源事業本部(耐震土木)
委員 小林 正典 東北電力(株)土木建築部(火力原子力土木)
委員 佐竹健治 東京大学 地震研究所
委員 諏訪 義雄 国土交通省 国土技術政策総合研究所
委員 関島 正浩 電源開発(株)原子力事業本部原子力建設部
委員 高尾 誠 東京電力(株) 原子力設備管理部
委員 高橋 智幸 関西大学 社会安全学部
委員 田中 良仁 中部電力(株)発電本部土木建築部
委員 富田 孝史 (独)港湾空港技術研究所
委員 中嶋 光浩 北陸電力(株) 土木建築部
委員 能島暢呂 岐阜大学 工学部社会基盤工学科
委員 野中 則彦 経済産業省
委員 平田 賢治 気象庁 気象研究所
委員 藤間 功司 防衛大学校
委員 堀江 正人 関西電力(株) 土木建築室
委員 薮 正樹 北海道電力(株) 土木部
委員 山中佳子 名古屋大学地震火山・防災研究センター
委員兼幹事 榊山勉 (財)電力中央研究所 地球工学研究所 流体科学領域
幹事長 松山 昌史 (財)電力中央研究所 地球工学研究所 流体科学領域
幹事 安中正 東電設計(株) 技術開発本部
幹事 稲垣和男 (株)ユニック
幹事 池野正明 (財)電力中央研究所 環境科学研究所 環境科学領域
幹事 及川 兼司 東京電力(株) 原子力設備管理部
幹事 栗田 哲史 東電設計(株)
幹事 木場 正信 (株)エングローブコンサルタント
幹事 芝 良昭 (財)電力中央研究所 地球工学研究所 地震工学領域
幹事 藤井直樹 東電設計(株)港湾・海岸部
幹事 藤田 尚毅 (株) 三菱総合研究所
幹事 文屋 信太郎 (株) 三菱総合研究所
幹事 柳沢賢 東京電力(株) 原子力設備管理部
幹事 柳澤 英明 東電設計(株)港湾・海岸部
幹事 山木滋 (有)シーマス
オブザーバー 鈴木 義和 一般社団法人 日本原子力技術協会


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▽「原子力発電所の津波評価技術」の概要
 原子力発電所の設計津波水位の標準的な設定方法を提案したものです.提案された手法の特長は,歴史的に過去最大の津波の波源を基に,津波予測の過程に存在する断層の設定誤差や数値計算誤差等の不確定性を考慮した上で,想定される最大規模の津波を評価します。これらの基礎となる地震や津波について,最新の知見を考慮します.この手法は国際原子力機関(IAEA)の基準に引用されています.
なお,「津波評価技術」は当時の最新の知見・技術に基づく学術的調査・研究結果をとりまとめた委員会報告です.民間指針等とは性格を異にしており,事業者に対する使用を義務付けているものではありません.

▽策定の経緯
1993年北海道南西沖地震津波が発生を契機に七省庁による津波対策が検討され,「地域防災計画における津波対策強化の手引き」(1998)がまとめられました.これ以前では,原子力発電所において既往最大の歴史津波および活断層から設定される最も影響の大きい津波を対象に設計津波を想定していましたが,上記手引きの中で,「現在の知見により想定し得る最大規模の地震津波を検討し,既往最大津波との比較検討を行った上で,常に安全側の発想から沿岸津波水位のより大きい方を対象津波として選定するものとする.」と記載されました.
このような背景の中で,1999年,土木学会原子力土木委員会の中に津波評価部会が立ち上がり,津波の波源や数値計算に関して培ってきた知見や技術進歩の成果を集大成して,原子力施設の設計津波の標準的な設定方法をとりまとめました.この成果が「原子力発電所の津波評価技術」(2002)となります.(以下,津波評価技術2002とする)

▽平成19年「高精度化研究」が事業者に求めた対策と各事業者の対応
  「津波評価手法の高精度化研究-津波水位の確率論的評価法ならびに分散性と砕波を考慮した数値モデルの検討-(土木学会論文集B,Vol. 63 ,2007)」(以下,津波高精度化研究2007)は,2002年度から2007年度に同部会が実施した,津波水位の確率論的評価,波の分散性と破砕を考慮した数値モデル,津波波力に関する調査研究について審議した結果をとりまとめたものです.「津波評価技術」と同様に事業者に具体的な対策を求めるものではありません.また,各事業者の対応については,情報を持ちあわせておりません.津波評価技術2002の策定後においても,津波の設定技術については,最近の発生事象を契機として発展しつつある分野であるため,これらの事象から新たに得られてくる種々の知見等を柔軟に取り込む必要があると考えており,津波評価部会は活動を継続しました.津波高精度化研究2007は,これらの成果をまとめたものです.


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土木学会原子力土木委員会 津波評価部会 第2回 議事録
日 時:平成15年11月28日(金)14:00~17:00

Q:波源については発生間隔のばらつきを用い,数値計算結果に対してもκを基にその結果にもばらつきを考慮するということでよいのか。
A:その通り。地震動に関するハザードでも同様の考え方を採用している。
C:南海トラフのモデルは,ポアソン分布に基づく確率過程に,物理過程を取り入れたものとするべきである。また,アスペリティモデルを取り入れるべきである。情報の少ない地域と多い地域とで,評価方法は変えるべきと考える。
A:物理過程を取り入れることは可能である。ただし,津波評価部会では従来,断層1枚モデルによる確定論的評価を実施しており,その評価結果が確率的において,どのような位置付けになるかを算定することが本部会の目的の一つである。このことから1枚モデルで提案している。アスペリティを考慮した枠組も可能ではある。
C:中央防災会議では10年後に東海地震,東南海地震と南海地震の評価をあわせて評価する予定であり,そのために,種々の観測やアスペリティを考慮した津波計算に関する研究が進行中である。本部会でも最新の研究成果を反映した手法とするべきである。
C:津波のような自然災害では不確定な要素が多く,その確率の幅があまりにも大きいため,代表値が一人歩きしないよう十分に気を付ける必要がある。
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Q:貞観の津波(869年)の取扱いはどうなっているか。
A:津波地震か正断層地震であるかによって取扱いが変わる。
C:その点は未解明と考えるべきである。


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土木学会 原子力土木委員会 津波評価部会 第5 回 議事録
日 時:平成16 年11 月1 日(月)14:00~17:00

3.津波水位の確率論的評価方法に関する検討
幹事団より,津波水位の確率論的評価法に関する検討(資料3-1)と先に実施したロジック分岐の重みづけ追加アンケートの回答を含めた集計分析結果(資料3-2)について,報告がなされた。その際,以下の質疑応答,コメントがあった。
Q:エルゴード仮定は,空間的バラツキと時間的バラツキを等価と考えることか,もしくは,数多くある地震のデータと数少ない津波のデータに基づく専門家の意見を等価と考えることか。
A:前者である。空間的なバラツキは過去の津波,スライド10 に示す11 津波から評価している。
Q:日本周辺では11 津波であるが,海域毎では少数の津波となる。
A:いずれの海域においても,空間的なバラツキがκ=1.45 程度となることは,データから求められている。時間的なバラツキでκ=1.25 を分岐に設定していることは判断である。
C:ある1地点を特定した場合,1つの波源から来る津波によるバラツキは,広域の指標であるκ=1.45 よりも明らかに小さいと考えられる。地点を特定した場合のバラツキは,波源のバラツキが支配的と考えられる。κ=1.25 の設定には妥当性があると考える。
Q:分岐を考えることが,結果にどのように効いているのか。10-7 の妥当性はどう考えるのか。
A:歴史地震が記録されている2.5×10-3 では妥当性の議論ができるが,それ以上については外挿となる。
C:超過確率が小さい領域では大きな津波高さとなっているが,物理現象としてあり得るのか。手順に従いバラツキを考慮して計算した結果,というのではなく,物理モデルとしての妥当性を検証し,フィードバックする必要があると考える。これは地震ハザードにおいても議論がなされている点である。
A:波源について,既往最大の津波に相当するマグニチュードまでは,検証がなされた物理モデルである。本検討では,既往最大もマグニチュードが0.2 大きいものを含んでおり,この外挿については検証ができていない。
C:既往津波のκを考える際に,過去の津波データで信頼できるのは日本海中部地震津波と北海道南西沖地震津波だけであり,それ以前の津波データにはかなりの誤差が含まれていると考
えるべきである。同一地点のκを求める際には,数値計算と痕跡が合わない理由を求めて,誤差を取り除く必要がある。


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土木学会原子力土木委員会津波評価部会第7 回津波評価部会議事録
日 時:平成17 年6 月3 日(金)13:30~16:30

4.陸上に遡上した津波による波力評価法の検討
幹事団より、陸上に遡上した津波による波力評価法の検討(資料4-1)について、報告がなされた.その際、以下の質疑応答、コメントがあった。
C:それぞれの実験について、護岸上に遡上した津波の水位変動だけではなく、大陸棚上を進行する海域での水位変動を追加して、海域で津波本体から発生した分裂波が護岸を越流遡上し建屋に到る過程が連続してわかるように示して欲しい。
C:打ち上げ高(作用高)は、波浪を対象にすると通常進行波水位振幅の3 倍程度である。建屋作用高の実験結果が進行波水位振幅の7 倍程度にまでなるとすると、打ち上げ高の相似律を考慮する必要が出てくる可能性がある。
C:防波堤は剛体と考えられるからローパスフィルターを用いても差し支えないが、建屋は壁であるため、フィルター処理を用いてよいのか検討する必要があるのではないか。平均値を用いて算定式を求め、ばらつきは安全率で考慮するという方法もある。
→ A:資料4-3 では、全体の安定性検討などに用いるフィルター処理後の波圧成分(本体)と、部材設計などに用いるべきフィルターにかかった本体以外の波圧成分(変動成分)に区分することを提案しており、その分離にローパスフィルターを用いている。
→ A:ローパスフィルター処理を実施した場合にも、孤立波60D のケースでは、進行波水位振幅の10 倍の水頭に相当する圧力が、衝撃的ではなく本体波圧として作用している。
C:検討の方向性として、大きな力が作用した原因が、ソリトン分裂が発達したためか、護岸に衝突して乱れたためか、資料4-3 の図4 のような整理が必要と考える。進行してきた津波が護岸に衝突して乱れ、そして建屋に衝突するという現象の過程と、護岸を通り越した成分を見たい。


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土木学会 原子力土木委員会 津波評価部会 第8 回 議事録
日 時:平成17 年9 月12 日(月)13:30~16:50

Q:水位の痕跡高は何に依っているか。
C:大学等による調査結果である。計測位置は、海岸にある建物の海側の壁などであろう。
Q:湾内での痕跡高を、ほぼ一様と捉えるか、狭窄部を境に変化していると捉えるかによって、結果の解釈も変わるのではないか。
C:痕跡高はほぼ一様と捉えたほうがよい。
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4.陸上に遡上した津波波力の検討
幹事団より、陸上に遡上した津波による波力評価法の検討(資料4)について、報告がなされた.その際、以下の質疑応答、コメントがあった。
<陸上構造物に作用する波圧特性と波圧算定式の提案>
Q:ソリトン分裂波の波長と護岸前面から建屋までの距離との関係はどのようか。護岸越流時の乱れから鉛直加速度を得て、波圧が大きくなるもしくは建屋衝突時の跳ね上がり高が大きくなる可能性がある。ηとhcの比によって波圧が決まるのではないか。
A:ソリトン分裂波の周期は1秒程度であるから、波長は1m程度となる。建屋設置位置は31、461、101cmなので、分裂波の波長に比べて、相対的に建屋は護岸前面に近い配置で実験を行った。
C:津波の波長に対して、建屋の設置位置が護岸前面から相対的に近いために、分裂だけではなく色々な現象が組み合わさり、大きな波圧が生じていると考えられる。
C:実際の発電所では護岸の外側に港湾があり、遮蔽されるため、本実験のように直接護岸や建屋に津波が当たることはなく、大きな波圧が作用する可能性は小さいと考えられる。
C:護岸天端高、静水深、津波水位の関係で、その後の越流特性や波圧特性がほとんど決まってしまっていると考えられる。波長に比べて建屋までの距離が短いため、護岸を越流する際に発生した乱れによる鉛直成分が影響しているのではないか。
Q:建屋について、耐震設計における地震力と津波波力の大小関係はどのようか。
A:未だ比較していない。
C:確認した方がよい。地震力の方が大きいと想定されるが、力が小さいか大きいかを確認しておくことは重要である。


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土木学会 原子力土木委員会 津波評価部会 第1回 議事録
日 時:平成19 年3 月14 日(水)10:00~12:45

3.津波ハザード解析手法の研究
(資料3-1)
Q:ばらつきを「中央値+対数正規分布」で評価することの妥当性については,第Ⅱ期にも,波源のばらつきをダブルカウントしているのでは,という議論があった。今回はその点をさらに検討するということか?(佐竹委員)
→ そういう側面も含まれると考えている。
C:津波ハザードの研究例としては,資料に記されている他に,ニュージーランドでの研究例がある。近いうちに出版されるPAGEOPHの津波特集号にも論文が掲載される予定なので,参照するとよい。(佐竹委員)
(資料3-2)
C:過去の津波記録で緯度経度が決定できるものはよいが,集落のどの位置が判らないものの取り扱いが問題となる。被災の状況から津波高さを推定した記録は,一定範囲の代表値と考えざるを得ない。(佐竹委員)
→ C:明治三陸津波に関して,伊木は津波直後に調査したが集落名のみの記載であり,一方,松尾は位置を明記したが津波から37 年後の調査である。どちらの記録がより信頼できるかは一概には言えない。(首藤主査)
C:過去の津波における平均海面を議論する場合には,地殻変動や海水準変動も考慮対象にあがってくるので難しい。(佐竹委員)
→ C:潮位変動については,地震の発生時刻が判っていれば,都司先生が以前作成された昔の潮位を計算するプログラムを活用できるのではないか。(首藤主査)
C:国土地理院がハザードマップ整備に向けて,全国で2m 格子レベルのレーザー測量を進めている。研究目的で申請したところ,千葉県や茨城県のデータを公開してもらえたので,活用を
考えてみてはどうか。(佐竹委員)
(資料3-3)
Q:検潮記録からのインバージョンにおいて,検潮所毎の特性は考慮しているか? (首藤主査)
→ A:考慮していない。
→ C:特性という問題はあるが,検潮記録は時間変化を検証できるという点で有用である。
その観点からすると,昭和南海地震の痕跡高のみを対象とした計算結果で,細島が引き津波から始まるというのは,検潮記録が押し津波から始まっていることに反しており,モデルの妥当性に疑問を感じる。(佐竹委員)
→ C:検潮所毎の特性を考慮したフィルターを設定し,フィルタリング後の計算結果との比較を行うのがよいのではないか。(首藤主査)
C:時刻歴波形では,波形の相似を確認することができる。人間の目による判断に近づくよう,評価関数を工夫するとよい。(磯部委員)
Q:評価関数において,痕跡の重みは均一か?(磯部委員)
→ A:均一としている。
→ C:例えば1つの集落に多数のデータがあると,その集落が重みを持つことになる。痕跡高で考えるということは,そのようなものであることを認識した上で検討を進める必要がある。(磯部委員)
C:検潮記録では検潮所の特性に応じて平滑化された数値が出てくるのに対して,痕跡高はピーク値を捉えるので,一般に痕跡高は検潮記録よりも大きくなる,すなわち,痕跡高による波源は大きくなる傾向があると考えられる。(磯部委員)
→ C:痕跡高調査の現場を考えると,痕跡高は地域の代表値よりも,地域のピーク値をとることが多いと考えられる。(佐竹委員)
→ C:痕跡高調査結果を見ていると,県など自治体の調査結果は大きめの値を報告している傾向も見受けられる。(首藤主査)
→ C:比較には,ある一定範囲の代表値を採用するように努めるべきと考えられる。(佐竹委員)
C:インバージョンの研究例としては,都司研究室の行谷さんが博士論文で安政南海地震津波を題材にしている。(佐竹先生)


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土木学会原子力土木委員会津波評価部会第4回議事録
日時:平成20 年3 月11 日(火)14:00~17:20

3.現状の確率論的津波ハザード評価モデルの見直しの方向(資料2)
C:貞観津波の波源は宮城県の調査結果だけから設定している。今後福島の調査結果も取り入れると変わる可能性がある
C:カスケードはそもそも陸の横ずれ断層である。縦ずれに適用するものではないのではないか。
C:高潮より陸棚波が大きくなる場合もあり、場所に応じて津波と同時に考慮する異常潮位を考えなければならない


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土木学会 原子力土木委員会 平成22 年度 第1 回 津波評価部会 議事録
日 時:平成22 年8 月4 日(水) 9:30~12:30

2.波源モデルの現状と取り組むべき課題について(資料2)
Q:南海トラフの連動型地震について、発生の時間差によりピークが重なって増幅することについて何か検討に加える予定はあるか。
A:今のところ考えていない。
C:発生の可能性は極めて低いが、それをどこまで考慮すれば良いかについて検討していただきたい。基準化は難しいかもしれないが、全く考えないのはどうかと思う 。
C:まず事例を収集して検討すること(首藤主査)。
C:日本海溝沿い海域の貞観津波について重要なのは、869 年に発生したことよりむしろ、1000 年ぐらいの間隔で繰り返し発生していることが、津波堆積物から分かってきていることである。
C:P.18 の確率論の海域区分に反映されているが、太平洋側では、2002 年以降に地震調査研究推進本部、中央防災会議の検討が出されているので、これらの知見を反映した検討を行ってほしい。


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http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1059/20110217_01.htm
河北新報社

意識を高め地域守ろう チリ大地震津波から1年、気仙沼でシンポ
昨年2月28日に発生したチリ大地震津波から、間もなく1年がたつことをきっかけに防災意識を高めようと気仙沼市は13日、「津波防災シンポジウム」を市内の気仙沼中央公民館で開いた。
 国の防災教育支援事業のモデル地域として、2009年度に取り組み始めた教育活動の報告会を兼ねて開催した。市民約400人が参加した。
 基調講演した首藤伸夫東北大名誉教授は、過去に気仙沼を襲った津波の特徴を振り返り、「従来の常識が当てはまるとは限らないのが津波。地震が弱いから津波も小さいと思い込むことなく、早く高い場所に逃げることが一番だ」と指摘。「津波が来ても死者を出さないまちづくりを」と強調した。
2011年02月17日木曜日

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2011年4月13日 朝日新聞夕刊
東日本大震災の衝撃 専門家に聞く
記録根拠に対策 限界―津波,東北大学名誉教授 首藤伸夫さん
「東日本大震災の津波は,2万2千人が犠牲になった1896年の明治三陸津波をはるかに超えた,歴史的な大津波だった。多くの大堤防を破壊し,過去に記録がない内陸部にまで浸水した。研究レベルでは知られる869年の貞観大津波と同等以上で,千年に1回どころか2千年に1回の災害かもしれない。私が主査を務める土木学会の津波評価部会は、原子力発電所の津波災害を評価する基準を策定してきた。想定したのには、多くの記録が残っている過去250年ほどの津波や、ある地域で起きるとされる最大地震の津波。これが政府の中央防災会議の勧告だ。「原発の津波対策になぜ貞観津波を考慮しなかったのか」との批判がある。しかし貞観津波は,古文書の短い記述と地層の痕跡があるだけで,討論に乗せるデータではない。そもそも貞観津波が東北地方の最大津波だと誰が断言できるのか。原発の津波対策に不安がなかったわけではない。水にぬれると壊れる電気コードや配線盤をむき出しのまま置いたり。低い位置に設けたりしている原発があった。視察して気がつくたびに注意したが、個別対応が限界。原発の設計思想には踏み込めなかった。」



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2011-04-29 : ・設置関係資料 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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